自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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冒険家 ナサニエル 7/6 土地の宗教研究家に会って、教団について話を聞くことができた。 この町の教団は系統が全く不明なほど独特のものだという。 彼らは教団の恒久的繁栄のため「神」の復活を願っているのだという。 完全な復活までは信者のうちの誰かが「神」を体内に寄生させるのだと。 また、神を保護し、来るべき日に向けて邪魔者を排除するため、 神の僕を生み出す術が受け継がれているとか。 神の復活が近づくにつれて様々な験が起こり、霧が立ち昇り全てを覆い隠し、 町は血と錆に覆われる、そうだ。そして神の復活の後は、新しい世界が開けるそうな。 …荒唐無稽な話にもほどがある。しかしこの霧は…ますます濃くなっている…。 | |
(5)2005/07/13 00:19:03 |
医師 ヴィンセント 7/7 昨日会ったばかりの宗教研究家が殺された。それも酷いやり方で…。 俺と電話で話をしている最中の出来事だった。 「実は教団が「神の僕」と呼んでいる怪物たちについて良く知ってる人間が他にもいるんだよ、僕のような物好きがね…」 「ほう、それは興味深いですね、その人はこの町に…?」 「ああ、彼らは怪物が誰かわかると言ってる。…1人は何かの拍子に『あいつは…』って思うそうだよ。」 「その人達を紹介してくれませんか?」 そこまで言ったところで派手な物音がした。 彼の「君たち」「嘘だ、そんな」と言う叫び声と、いくつかの物音の後は何も聞こえなくなった…俺は彼の家へと急いだ…。 …彼の死体は…なんと言うか…テーブルに乗っていた。 それについては…あまり書きたくない。アーヴ、許してくれ。 壁には血文字で「Happy Birthday!!!」の文字…今日は俺の誕生日だ。偶然か…? それとも俺が詮索していることもばれている?やばい…。 どうなってるんだ…確かなのは、俺たちに敵対する相手が確実にいる、ということだ。 それも複数だ。殺しを厭わない奴だけでも複数。何て奴らだ。 | |
(6)2005/07/13 00:28:09 |
双子 ウェンディ 7/8 霧がますます酷い。自分の指の先だって見えないくらいだ。 もっとまずいのはラジオのノイズが酷いことだ。隣町にあるFM局の放送さえまともに聞こえない時がある。 俺のオヤジが作ったラジオだから大事にしてたんだが。 そしてノイズが酷くなるときは決まって、霧の向こうに何かがいる…。 そんなときはそこからすぐ離れることにしている。意味がわからないが、何となくラジオのノイズが何かを警告している気がする。 一日に一度、酷くノイズが大きくなる時がある。何かが起こっているのか…? そもそも何か俺たちにできることがあるのか?呪術だの超常現象だのに対抗できると思ってるのか、アーヴ? 俺はもう何も知りたくなくなってきた。 | |
(8)2005/07/13 00:32:14 |
修道女 ステラ 不安になるのは、六年ぶりに修道院の外へ出たからでしょうか……街がまるで見知らぬ場所のよう。 それに道端に落ちていたこのメモ、よく見ると字が震えている……。 それとも、震えているのは私自身でしょうか。 ―――天にましますわれらの父よ、御手をさしのべてください。 怖れを感じる私の弱さを許し、支えてください。 私の母であった人に再び会うことになります、その時にあの人の目を見て話せるだけの強さをお与えください。 私の父であった人を見送ることになります、その時にどうか自分の足で立っていられるだけの強さをお与えください。……あの人の魂があなたの御許へ召されるよう祈ることをお許しください。 どうか…… | |
(30)2005/07/13 12:50:12 |
見習い看護婦 ニーナ 7/10 街の奴に襲われた…!口々に「化け物!」「いやぁ!」と言いながら、俺をリンチしようとしやがった…! どうなってるんだアーヴ、俺が化け物になったとでも言うのか…! …確かに俺は過去に罪を犯した。でもそれで化け物とまで言われる筋合いはない。 それに今までこの街で暮らしてきて、何の問題も無かった筈だ…それが急にどうして…! アーヴ、あんたが裏切ったのか?俺の過去を誰かに暴露したのか? …それにしても今日の奴らの反応は過激すぎる…まるで俺が…本当にオゾマシイ物に見えてるみたいだった…。 今度会ったら今日のように逃げ切る自信はない…あいつらの目…! 怖い、怖い、怖いんだ。誰か助けてくれ…! | |
(36)2005/07/13 15:57:29 |
見習い看護婦 ニーナ [――足元に落ちていた紙に書かれていた内容は、 随分とおかしなものだった。 乱れた文字で書き綴られているその中身は、どうにもまともなものとは思えない。 麻薬中毒者の妄想、だろうか? だとしたら、この赤茶けた染みは、もしかしてその人物の、血……? わたしは、ずっと住んでいる。だけれども、こんなに濃い霧はついぞ見たことがない。 しろく凝った霧に視界をはばまれてほんの数歩先も見通ず、 不安になり気が立っていたわたしには、その紙切れとの出会いは嬉しいものではなかったのはたしかだった。 いっそ腹いせに、紙切れを丸めてそこらに投げ捨ててやろうか、 とも思ったのだけれど。 何だかそれは気が憚られた。紙きれをたたみこんで、ポケットに押し込む。 この視界の利かない中で、こんな紙片に気付けたこと。 良いものであれ悪いものであれ、 それはきっと何かのめぐり合わせ、なのだろうから。] | |
(37)2005/07/13 16:07:21 |
学生 ラッセル やけに霧が酷い……屋敷の輪郭さえ見えない。 それに、何だか人の気配も……、 [歩きながら何かを踏みつけた事に気付いて、それを拾い上げた。 薄汚れた紙切れが一枚。そこに何かが書かれていることに気付き、ラッセルは丁寧に皺を伸ばした。 目を凝らして、震える字で綴られた文章をゆっくりと読み上げる] 7/10……最近だ。 …人を殺した…って…? [ふと紙切れについた染みの正体が頭に浮かんでは、すぐに違う、と首を振った。 内容からして、書いたのは警官だろうか。 …そりゃ真実なら大事件になるだろうけれど、と小さく苦笑する。 化け物が出たなどと、安易な作り話は通用しない。 この寂れた町、サイレントヒルには] | |
(42)2005/07/13 16:34:26 |
修道女 ステラ [ステラはゆっくりと慎重に歩き続けている。 かつて自分の家だったはずの建物を探して。 けれど深すぎる霧にはばまれて、昔の記憶と土地勘はなかなか戻ってきてはくれない] ……こんなに深い霧の中を歩くのは初めて…… それに誰もいないというの? さっき誰かにぶつかった、女の子の声を聞いたと思ったのも錯覚……? 六年の間に街がすっかり変わってしまったのかしら……どこを歩いているのか、わからなくなってしまったし…… [霧の中へそっと手を伸ばすと、左手がレンガの壁に触れた。そのまま壁に身を寄せて、どうやら道路と建物をへだてている塀らしいと見当をつける。 こんなことなら牧師様と一緒に来るのだった、せめて地図を持ってくるのだった…… 歩き疲れた身体を休めようとしゃがみこみながら、後悔ばかりが胸をよぎる。 修道院の外にたった一人で出てきてしまった、それだけでこんなに心細い思いをすることになるなんて。 せめて心を落ち着けようと好きな賛美歌を口ずさみ、そうしてふと一番の後悔が口をついて出た] ……私はやはり、修道院の外に出るべきではなかったのかしら…… | |
(100)2005/07/13 19:51:33 |
見習いメイド ネリー 7/12 アーヴ、あんたに言ったとおり俺は確かに見たんだ、化け物を…。 オーケー、信じてもらえないのはわかってる、でも誓って本当だ。 昨日のあのガキ、俺が殺したらしいあのガキは確かに化け物だった。そういう風に俺には見えた。 あんたは信じてくれなかったみたいだけどな。まるで俺の頭がおかしくなったみたいな目で見やがった…。 大方俺みたいな罪人だけが見る、お決まりの幻覚とかだって思ってんだろう…。 ああ、あんたは清廉潔白な自警団長様だからな…俺とは見えるモンも違うんだろうよ…。 もう俺はこんなくそったれな調査からは手を洗わせてもらう。明日にはこの町ともおさらばだ。 あばよ、アーヴ。 | |
(103)2005/07/13 19:58:53 |
村長の娘 シャーロット あたしは、自分の太ももにささった何かを見た。 鋭利なナイフ。 なんで、それがあたしの足に? どうして? でも、周りに人の気配なんてなかった。 誰も・・・いないのに、あたしの足にナイフが・・・ 誰のナイフ・・・ ご丁寧に名前が彫られてるじゃない・・・ 『アブドゥル・アルハザード』 誰?あたしは、ナイフを抜くのを我慢して、保健室へゆっくり歩いた。 もしも、殺し屋があたしを狙ってるのなら、あたしは既にもう、死んでるからだ。 生きてるって事は殺すつもりが無いと言うことは知ってる・・・でも、 あたしを生かしておいたことを後悔させてやることをあたしは、誓った。 | |
(137)2005/07/13 21:18:17 |