鍛冶屋 ゴードン [影が薄くなった―悠迅の話は、真実であるのか、 それとも恐怖を高めるための戯言であろうか。] つまり、君が本当に影見とかいうものができるのであれば、 そのことで俺の影も薄くなると言いたいのか? [言うしかないんだ。直接命を賭ける仕事をしている 平松だからこそ説得力のある台詞だってある。] …それで俺に危険が及ぶのであっても、気にかけるな。 悠迅君、俺は軍人なんだ。危険だとか言ってはいられないんだ。 たとえ、ここで果てたとしても俺の魂は、 英霊として日本という国を見守るんだ。 君が生きていれば、靖国まで足を運べば俺に会える。 君が俺に気を遣ってそういうことを言うのであれば、 心配はない。何の気兼ねもなくやってくれ。 [言葉とは裏腹に、得体の知れない黒い塊は 平松の中で肥大していく。ようやくこの正体がわかりかけた。] | |
(202)2006/09/04 22:11:51 |
鍛冶屋 ゴードン 悠迅君…悲しいことを言わないでくれ。 [その瞳ははっきりと潤んでいる。] 俺は、昔から信じてきたんだ。日本国の栄光を。 その一端を担う為、東北の田舎村から出て、 日々練磨を行ってきたんだ。 君の言いたいことは、実はわからないんでもないんだ。 だが、頼むから俺の今までの生涯を否定しないでくれ…。 [懇願するような目付きで悠迅を見つめる。] 俺は守りたいんだ。日本という国を。 それだけじゃない。ひどく個人的だが妻子を守りたいんだ。 故に…俺はここで君に折れるわけにはいかないんだ。 今は、俺の犠牲でここにいる人々に活路が見えるなら、 俺は構わない。影が薄くなろうと危険が及ぼうと。 守りたいんだ…みんなを。 [強い眼差しで悠迅を見据える。] | |
(217)2006/09/04 22:36:45 |