流れ者 ギルバート [ギルバート・ウォルフマンは、三男だという事も関係してか、元より手がかけられず親からは放任されて育てられていた。今まで好き勝手に生きてきた。女遊びで面倒になれば躊躇わずに連絡手段である携帯を捨てたし、根回しして男を宛がい浮気と称して女と別れたのも一度や二度ではない。] [勝手な話だが、ギルバートは何となく………ただの遊ぶ場であったサークルの彼らに、少し親しみを感じた。極限状態が一時的な絆を生じさせているのだろう。] ふぅ…… [目を細めて紫煙を吐き出す。 だが、それは一時的な感傷でしかない。自分の身が危険となれば誰でも売り渡す自信があるのを、ギルバートはよく知っていた。] | |
(260)2006/07/20 02:59:59 |