冒険家 ナサニエル [廊下に倒れていたラッセルを抱き上げ部屋へ丁重に運んだ。 調べた限りではどの通風孔も小さく、人間はおろか猫も通れるものかどうか怪しかった。 壁はやたら分厚く丈夫で破壊しようという気は起こらない。 ただ、玄関の扉同様傷もつかないかもしれないが、皆が落ち着いたら試してみてもいいだろう。 開かない扉の鍵は見つからなかった。 管理人氏の死体をトビーが調べている筈だった。 そちらに期待をしよう、と思う。 自分はこれから食事を作ろうというのだから死体を触るわけにはいかない、と言い訳をする。] …ただ、死に触れたくないだけだと言うのにね。 さて。 どうやら、厨房は一応使えそうですね。 [そう言って、厨房に運んでおいた食材を*確認し始めた。*] | |
(0)2006/07/19 08:24:55 |
お尋ね者 クインジー ―部屋1― な、なんだってんだよ… [ 部屋の隅、膝を抱えて座り込んだまま、クインジーはぶつぶつと呟いていた。] いったい、なにが起こってるってんだよ。 [ そのときのことを、何度も何度も思い出してしまう。 飛び散る鮮血。悲痛な叫び…断末魔。目の前で起きた出来事は理解の範疇を完全に越えていた。皆を起こして、開かないと言われた玄関を自分でも確認しに行き、そして叫び声に振り返れば、ソフィーが…] うわあああぁぁぁぁ!!! [ その様子をまたしても思い出し、大声を挙げる。この館でなにが起きているのかまるで判らないまま、クインジーはただただ怯えるのだった。] | |
(5)2006/07/19 12:36:57 |
冒険家 ナサニエル [食材が十分すぎるほどにあるのは確かだったが、豊富とはさすがに言えなかった。 さっさとここを出なければ、いずれはなくなるだろう。 生ものから処理をしたいところだったが、今は皆肉を食べる気にはならないだろうし、赤い食材も避けた。 サラダは青いものを中心にした。 本当ならトマトか赤ピーマンでも彩りに添えたいところだったが、自分でもトマトや赤ピーマンに包丁を入れる気が起こらなかった。 肉類は冷蔵庫から冷凍庫へ移した。 玉葱を刻み、オリーブ油で炒める。 米を入れ、作っておいたスープを加える。 煮立つ間にほうれん草とチーズをざく切りにする。 こうして働いていると少し落ち着いた。 空想から、現実へ還るように。 しかし、ここで起こった事は全て現実だった。] | |
(76)2006/07/19 23:37:37 |
お尋ね者 クインジー ―2階・寝室?― [ 結局出口は見つけられなかった。ならば、とにかくこの状況のヒントはないかとやってきたのが2階のこの部屋だ。] ああもう、なんだってんだよこの館はよ。 [ 豪華なソファに暖炉、化粧台など、明らかにこの部屋だけ造りが違う。ベッドなんか天蓋までついたダブルベッドだ。いったい、この館にはどんな人物が住んでいたというのだろう。] だー、ちったぁなんか意味ありそうなもんねーのかよっての。 て、開かねーしよこのクローゼット! [ 鍵の掛かったクローゼットをがちゃがちゃとやった後、短気を起こして蹴りたくる。と…] おがっ?! [ ぼごす。といい音を立てて足がクローゼットに突き刺さった。] | |
(93)2006/07/20 00:02:48 |
お尋ね者 クインジー ってーんだよ!! [ 喚き散らしてクローゼットに突き刺さった足をひっこ抜く。おかげでクローゼットを開けることが出来たわけだが非常になんだか腹が立つ。] だー、ムカつくなぁおら… と、やっぱ服ばっかか? [ 出てくるのは紳士服に婦人服。多分、館の主であったであろうこの部屋の住み主は夫婦だったのだろうか? 上品な衣服はいつもオエライ様だった自分の両親を思い出しこれまた腹が立ってくる。] こんなもん興味ねーんだよっと…お? [ ばっさばっさと服を投げ出していると、なにやら硬いものに手が触れた。取り出してみれば、どうやらそれは日記らしかった。] …おう? [ 手にとり、クインジーは日記をぱらぱらとめくって見た…。] | |
(105)2006/07/20 00:10:35 |
お尋ね者 クインジー こんなん…御伽噺だろ御伽噺っ くだらねえくだらねえくだらねえ! [ 荒げた声で否定するも、読む手を止めることはできない。そして読み進めるにつれ、クインジーの中の恐怖はさらに増すのであった。] 知らねーよ、知らねーっつってんだよ吸血鬼なんて… [ きし。きし。きぃ…。 聞こえた音にゾクリとする。誰かが2階へとやってきたらしい。次第に近づいてくる足音。] お、おいおいおいおい誰だよ…。 [ びくびくと入り口の方へと振り返り、ぎょっとする。なぜ自分はこの部屋の扉を閉めておかなかったのだろうか。これでは、覗いてくださいと言わんばかりではないか。 悔やんでいる間にも、足音は近づいてくる。やはり開いている扉に気付いたらしい。 きし。きし。きし。足音はゆっくりと近づいてくる。] くるな… くるなってんだよ… [ 足音は、この部屋の前で止まった。] | |
(121)2006/07/20 00:34:36 |
村長の娘 シャーロット [シャーロットは一人で話しまくっている。自分の話は周りは聞くものだと思っている。 小さな頃から誰もがそうだった。両親も、周りにいた大人も、全てが思うままに動いてくれた。 両親はシャーロットを溺愛していた。 当時の父親はどこかの社長だったのだろうか。 周りには父親に頭を下げる大人が大勢いた。 欲しい物は何でも手に入った。 いつの頃からか、周りから大人が減っていた。 大きな部屋のある家から、小さな部屋しかない家へ移った。 それでも、変わったのは大人が減ったことと部屋が小さくなったこと、両親の服から飾りと宝石が減ったことだけ。 欲しい物は何でも手に入った。 初めて手に入らなかった物は、高校に進学したとき。 一つ上の先輩が気に入った。当然彼もシャーロットの側にいて話を聞いてくれるものだと思った。 隣にいる黒髪の女性など飾りでしかない。そう思っていた。 それなのに、彼はシャーロットの話を聞いてくれなくなった。 次第に顔を見ることがなくなった。 家まで行っても、いつの間にか部屋は空になっていた。 その時初めて、手に入らない物もあるということを知った。] | |
(126)2006/07/20 00:36:31 |