お尋ね者 クインジー ― 朝 ― ―一階・廊下― んー… [ しかめた顔で、クインジーは部屋から出てきた。身体のあちこちが痛い。どう考えても筋肉痛だ。本当にありがたくない。] そんな重労働だったのかよ、ここまでの登山はよ。 [ それほど運動なんてしていないとはいえ、これはショックだ。頭が悪い分、身体は丈夫なつもりだったのだが安気に構えすぎていただろうか。] それはさておき… いま、朝だよな? ったく、窓とか全然ねーから判んねーっつーの。 [ 普段から腕時計などをつけていない自分を恨めしく思う。が、自然に目が覚めたということは朝なんだろう。灯りがつけっぱなしにされている廊下から玄関へ、そして外へ出ておおよその時間を知ろうとして…] …なんだよ、これ。 [ それを、目撃した。] | |
(2)2006/07/18 20:28:19 |
お尋ね者 クインジー お、おい。あんた… 大丈夫か? [ 大丈夫なはずがない。こんなもの、どう見たって死んでいる。だがしかし、問いかけずにはいられなかった。] ど、どうなってんだってんだよ… [ 腰がひけたままの姿勢でじりじりとそれに向かうも、ある程度の距離からはもう近寄ろうとしない。そのまま、そうっと角度を変えて顔を覗きこむ。 知らない顔。だがしかし、階段脇に不自然な姿で倒れていたその人物は、やはり紛れもなく死んでいたのだった。] お、おい! 誰だよこいつ! いったいなんでこんなとこに死体なんかあんだよ! おおい!! [ 混乱。目の前に現れた死体になにをするでなく、クインジーはただ、思ったことをそのまま叫ぶことしか出来なかった。] | |
(3)2006/07/18 20:40:12 |
村長の娘 シャーロット [扉にメモを貼った後、厨房で手際よく片づけるナサニエルの手伝い———といってもジャマになっていたのかもしれないが———を終え、トビーと共に2Fを確認、本を借りてベッドで読みながら眠っていたらしい。 遠くから叫び声が聞こえたような気がして目を醒ます。] やだ……眠ってしまったのね。 本!大変!折り曲げていないかしら? [あわてて枕元の本を確認する。顔からずらして眠っていたらしく折り目はついてないない。] よかったぁー [ほっと息をなで下ろす。あまり交流のない先輩の本を借りた途端に曲げてしまっては立場がない。ここで「申し訳ない」とは思わないところが問題だがシャーロットはこれが普通らしい。] そういえば……何か声が聞こえたんでしたっけ? 怖い本を読みながら寝てしまったから夢を見たのかしら……? [ぼんやりと考えていると、外からどもったような男の声が聞こえた。] やっぱり何かあったのかしら? [シャーロットは手早く着替えをすますと、廊下へ出て行った。] | |
(9)2006/07/18 21:40:38 |
牧童 トビー ─回想・部屋9─ [2階の探索を終え、シャーロットとわかれ、部屋に戻る。] [シャーロットの顔を思い出し、首を傾けてぽつり。] 開かずの間が存在する事や、調度品の豪華さにも格別の関心は持たれなかった様子。彼女は、至って現実的に見えました。あまりミステリーサークルらしからぬ、女性ですよね。 …少なくとも、僕にはそう見える。 (先入観かもしれませんが。) ソフィの様な何処か危うげな女性なら、ミステリーサークルに所属している事が、まだ分かるのですが。 …何と言うか、男探しなら運動部等の方がお勧めなんですが。 まあ、眠るとしましょうか。 [ベットの埃を適当に払い、電気を消す。 そのまま、*眠りに落ちた*。] | |
(19)2006/07/18 22:13:33 |
逃亡者 カミーラ ―昨晩/部屋7― ふふん♪ 顔を書くこの瞬間がやっぱり人形作りの命だねえ。 なんて軽口を叩けるのも今のうち。 [机の上には見事に形作られた13体の粘土人形が並べられていた。その顔にはまだ表情が描かれておらず、白い下地が塗られているだけだった。粘土の乾燥も済み形崩れしない、それはまさしく最後の作業。そして最も集中力が必要とされる作業、すなわち表情を描き込むことを行おうとしているところだった。] ……… [極細の筆を取り出し、まず最初の人形の眉に合う色を付ける。いつもは鼻歌混じりのカミーラも、この時ばかりは呼吸すら止めて目の前の人形に集中していた。] ……… [その時、部屋の照明が落ちた。] | |
(28)2006/07/18 23:37:58 |
流れ者 ギルバート ──部屋5── んん……… うるっせ!誰だ!!! [ガンガンドンドンと扉が叩かれ、クインジーのだみ声が聞こえた。ギルバートは時計に目をやる。二桁の時刻ではなく一桁の時刻だった。既に朝だという事を知る。] 【うっそ〜。折角の合宿なのに。】 おま…阿呆か! んなに叩かなくても起きるっつーに! [寝起きと苛立ち混じりで、不機嫌な声を出しながらベッドから身を起こした。枕元に置いてあったアクセサリーなどを身に着け、] はぁ?死体?救急車? 要領よく喋れや。 [扉を開けて顔を出すと、クインジーはさっさと別の部屋へと向かう。ギルバートは、そこでやっと廊下が一種の恐慌状態に陥っている事を知った。] | |
(40)2006/07/19 00:06:22 |
学生 ラッセル ―洋室3・昨夜― それにしても、今日はいろんな事があって疲れたな……。 明日は筋肉痛確定だし、吸血鬼伝説に惹かれてついつい行きますなんて言っちゃったけど、俺まだこのサークルに入って何ヶ月も経ってないし、まだあんまり馴染めてない気がするんだけど……特に仲良い人とかも居ないし。 この合宿で親睦を深めるって事で前向きに考えたらいいのかな。 シャワー浴びたらどっと疲れが来たし、今日はもう寝よう。 [一瞬思案して、] 明かりはつけたままでも別にいいんだよな……。 よし、明日の探索は頑張ろう。 [ラッセルはベッドに潜り込むと、疲れから来る深い眠りに*吸い込まれていった*] | |
(43)2006/07/19 00:11:19 |
酒場の看板娘 ローズマリー ――廊下―― [肯定的なカミーラや状況把握の早いハーヴェイに比べて、シャーロットは放心状態、ギルバートは疑って居る状態。ソフィーに至っては混乱状態だった。] 【わたしがここで取り乱しては絶対に駄目。混乱して辛いのはみんな同じなのだから……、しっかりしていないと。】 ねえ、カミーラ。 わたし、昨日の晩部屋に居た時に突然電気が落ちたことを知っているわ。それと、その時に何か結構大きな物音がした事も。 その後すぐに寝てしまったから、それがどれぐらい続いたものなのかは解らない。だけど、仮に電気が落ちた事がこの屋敷全体にいえるのなら、そして、物音が彼の転落によるものなら、目撃者は居ないんじゃないかしら? | |
(74)2006/07/19 01:10:14 |
新米記者 ソフィー [その罠はとても巧妙に出来ていた。ある程度まで棘を食い込ませるが、それ以上は痛みがただ襲うだけで決して致命傷には至らない。いくら鋭利といえども、棘が短いからだ。ぎゅうぎゅうと棘はソフィーの皮膚を破り、肉に食い込む。けれどその後、有刺鉄線は一度その拘束力を緩めた。] ……っぁあ、も、やだ、どうしてあたしばっかりこんなっ。 [持続的痛みはあるものの、緩んだせいもあって余裕がソフィーに若干の芽生えた。涙で視界が霞む中、立ち尽くすキャロルの姿が見えた。きっと睨みつける。] 良い気味だと、思ってるんでしょ……っ! そんな目であたしを見ないで……!!! | |
(85)2006/07/19 01:27:38 |
新米記者 ソフィー [ソフィーの自慢だった白い肌は、部分的にピンクと赤に変わりつつあった。皮膚が捲れ上がって、ピンク色が覗く。白に近い薄いピンクの部分は血をじわじわと浮かび上がらせ、棘によって作られた窪みに血が溢れる事で皮膚に血が溢れて行く。] どうしたら良いのかわかんないって、なんでもいいから、助けて! 誰でも良いから助けてよ!!! [半狂乱で叫ぶ。その時、緩んでいた有刺鉄線が先程までとは違う動きを見せながら再びその拘束力を強めていった。上下に動きながら皮膚に食い込んでいくそれは、一度緩めたせいで、兎に角皮膚や肉をどんどん抉って行く。そればかりでなく、棘が一度出来た怪我にも食い込む為に、先程とは比べ物にならない程の痛みが体を蝕む。] っぁああ、いっ、いやっ――!!! | |
(91)2006/07/19 01:38:32 |
新米記者 ソフィー [細い足首は、その部位に有刺鉄線が巻きつかれたという事だけで致命的だった。ぐいぐいと全てのサイドから動かされる度に、自分の体から切り離されて行く感じがして、実際、ソフィーが感じている痛みの大半はそこから来るものだった。棘は血だらけになり、まるで発砲スチールを切り取る様な軽さで、ソフィーの足首を切断してのけた。] っあああああああっっ!!! [絶叫。頭が真っ白になる。痛みで何も考えられ無い。赤い絨毯の上に、ソフィーの足首が切り離され、彼女が痛みに身を捩った為、彼女の足だったものと足首から上が微妙に離れた。そしてあろうことか、暴れたせいでその足首は蹴飛ばされる形で地面に転がった。削りとられた骨は真っ赤に染まった血で見れない事が唯一の救いだっただろう。] | |
(97)2006/07/19 01:47:35 |
新米記者 ソフィー [ソフィーはぐったりと痛みに失神した。失神している間も有刺鉄線は肉を抉り、骨を削り、ソフィーの体を蝕んでいく。骨を削るという事は即ち、神経を強引に削っていく事になる。] ひあ、ひっ、ひぃぃっ!!! あぁぁあああぁぁぁっ!!!!! [廊下の隅々にまで響き渡るソフィーの悲鳴。本人の意思とは関係なく漏れているも同然で、絶え間なく喉を伝って悲鳴がせりあがる。いくら泣いても事実は変わらず、地面に有刺鉄線はソフィーの左手を切り落とし終わった。静脈動脈の両切断によって血が吹き上がり、周りに居た人達を汚していく。血の噴水は、霧吹きの様に上がり続ける。その間も、切り落とした有刺鉄線は、切断部の少し上に纏わりついて、輪切りにするかの如く削っているのだ。永続的拷問に、ソフィーの限界は近付きつつあった。] | |
(106)2006/07/19 02:05:09 |
学生 ラッセル ―朝・廊下― [まだ半分寝惚けている頭で、何人かの部員が入口付近に集まっているのをぼんやりと認識した。 何だか様子がおかしい。 本能的に、脳が冴えてくるのを彼は感じた。] 【どうしたんだろう。何だか様子が変だ。 皆深刻そうに話してる……管理人? が、何だって?】 [ラッセルは静かに人の輪に近付き、その中心にある"モノ"を認め――数瞬後、大きく息を呑んだ。] 【――――――――ッ!? なん、だ? この人は、確か昨日見かけた管理人……。 ……死んでる、のか? いや、どう見ても生きては居ないけど……。 でも、こんな死に方おかしくないか? これじゃまるで伝説の――】 | |
(130)2006/07/19 03:17:46 |
学生 ラッセル [耳につく甘さを纏った甲高い声。 驚いて携帯電話を取り落とした事にも気付かずに、彼は声のする方向に目を向けた。] ソフィーさ、 あ… …何 が、 [視線の先に広がっていたのは、目を覆いたくなるような光景だった。 しかし、彼はそこから目を逸らす事も出来ず――むしろ魅入られたかのように、その光景を見詰め続けた。 スローモーションのようにゆっくりと刻まれてゆく見知った仲間。 その滑らかな白皙の肌を裂いて次々と浮かび上がる鮮血も、絶え間なく館内に響き渡る悲鳴も、歪んだ顔も、その辺りだけかつての色に戻った絨毯も――全てが現実であり、現実ではなかった。 裂ける身体、覗く骨。嗚咽、悲鳴、涙、血――タナトス。] | |
(155)2006/07/19 04:23:44 |