墓守 ユージーン [野盗に殺された――いや、自分が殺した家族は夢の中では いつも微笑みかけてくれる。死ぬ前に見せたあの笑顔で。 母のように抵抗せず、父のように守ろうとせず、 兄のように勇気を持とうともしなかった。 ただ泣いて恐怖に震え、もはや息の根を止められるのを 待つだけの三人を前にして、余興とばかりに野盗は自分に 銃を握らせた。あの声に抗えなかった。死にたくなければ撃て。 母を撃ち、父を撃ちながら、自分に必死に言い聞かせる。 どうせ三人はもう助かりはしない。 ここで自分が命令を断れば無駄に死ぬばかり。 これは正しく、仕方がなく、どうしようもないこと。 そして最後に銃口を向けると兄は笑っていた。 それでいいと、褒める時の顔だった] | |
(3)2006/07/21 18:16:58 |