村長の娘 シャーロット 宇宙を統べる女王陛下の存在については勿論存じ上げておりましたの。 カタルヘナ家は代々女王候補を輩出してきた… 名門とされる貴族ですわ。 [考えながらも客観的に自分のことを語りだした] そのためカタルヘナ家の子女は幼い頃から「万一」のお召しに備えて英才教育を受けて育ちますの。 もっとも聖地と主星では時間の流れる速度がちがいますから…その多くが徒労に終わるのですけれど。 それで…聖地より使者の方がいらっしゃった時はそれだけでかなりの期待が寄せられましたわ。 いよいよ、次代の女王候補として聖地に向かうのだ、と… 自分はそのために教育を受けてきたという僅かながらの自負もあり、ずいぶんと…視野が狭くなっていたように思えます。 | |
(71)2006/07/14 01:37:06 |
村長の娘 シャーロット でもここに来て暫く経ち… あの子…アンジェリークを見るにつけ、気持ちが揺らぐ思いを味わいましたの。 あの子は極自然にここに在り…エリューシオンの育成をし、最初こそ躓きはしたようですが今ではフェリシアと比べて遜色のない発展状況ですわ。 そしてエリューシオンの民はフェリシアの民にない…何かたくましさ、といったものを感じますの。 アンジェリークが段々と女王候補らしくなるにつけ、私は焦っていたのだと思います。 それは恐らく「自分のほうがより女王候補にふさわしい」という根拠のない慢心が生み出したものなのでしょうね。 そのことで苦しみ、悩んだ時期もあるのですが今では不思議と心が落ち着いているのです。 ………なぜだかおわかりですか? | |
(72)2006/07/14 01:37:25 |