見習いメイド ネリー [カラ、コロ...車椅子の車輪が転がって、倒れる。割れた眼鏡が、血の海に散る。銃弾に打ち抜かれた少女に、ふ、と笑みを漏らし] さようなら、セシリアちゃん。 これでまた嘘吐きが減った。嘘吐きが消えた。 あはは、あははは!!! セシリアちゃん、あなたはもう喋らなくていいの。 疲れる占いなんて、もうしなくていいの。 元々必要なかったんだけどね?どうせ嘘なんだから。 レベッカさんと同じこと言うから悪いのよ? だってレベッカさんは絶対に嘘を吐かない人だもの。 最初からあなたには勝機なんかなかったの。あぁ、正気もね。 嘘吐きなんか死ねばいい。死ね。死ね――!!! [ガシャン!と、音を立てて。車椅子の部品を、息絶えた少女に叩き付ける] | |
(5)2006/03/25 00:17:12 |
見習いメイド ネリー [誰を殺せばいい?誰を殺せば生き残れる?――人々のそんな思索の中、少女だけは、トラウマに似た過去に縛られていた。欲望が支配する、醜いセカイ。禁じられた遊びは、痛くて、苦しくて、気持ちの悪い行為] ――もう、あんなこと…… [死ねば、もうしなくていい?……けれど] けど、わたしは…… [ゆらりと。静かに、レベッカに歩み寄る。双眸を伏せたその表情に、不思議な感情を抱く。此れが、もしかしたら、男達が自分に求めた感情かもしれない] ――醜い。 醜い、のに。 [言葉とは相反して。レベッカの肩に手を置けば、彼女は突然のことに目を開くだろうか。構わずに、顔を近づけた。――そっと唇を、彼女の額に、触れさせて] | |
(68)2006/03/25 07:19:24 |
逃亡者 カミーラ [変わり果ててしまったレベッカを見つめて] ……レベッカ……アタシそんなレベッカ見たくなかったってのに……。 おかしいよな、レベッカ。 ネリーは守護者だって名乗ったのに、何でアイツは生きてる?そして、なんでナサニエルとニーナは護られずに死んだ? ベンジャミンが「なんで守護者が名乗らない?」って聞いてたが、自分がそういうヤツだっていうのなら、名乗ったら「殺してくれ」って言うも同然だろう? そうすれば……「死の想い」とやらは誰でも好きなのをぶっ殺し放題だ。黙ってることで「どいつが護られてるか予想つかない」ってプレッシャー与えなきゃ意味ないだろう? | |
(74)2006/03/25 21:06:58 |
逃亡者 カミーラ しかもご丁寧にネリーは「私はレベッカを護る」とまで言い切りやがった。 ……ここで黙ってれば、ニーナを食うかレベッカを食うか迷うはずだったよねえ? それにもう一つ、あんまり考えたくないことだけど……レベッカはまだ本物かどうかわからない。 なのに、「貴方を護る」って名指しとは……よくわかんないよ。 ねぇレベッカ……あの女がいるだけで、アタシはアンタまでどんどん信じられなくなっていくよ……。 アイツが、アンタをおかしくしたんだ……アタシは、アタシは……アンタのために、あの女狐を殺す。 占いはベンジャミンに使ってくれ。 まあ、念のためってこともあるしな。 ……レベッカ…… [下唇をぎゅっと噛んで、ネリーを睨みつけた] | |
(75)2006/03/25 21:15:13 |
逃亡者 カミーラ [ネリーを睨みつけた視線を、血が固まりかけてきた手の包帯に落とす] ……アタシは、昔同じような目にあって逃げてきた。 兄も、メイドたちも、執事も、わけのわからないモンにぶっ殺されちまった。 そして、そのことへの恐怖が近所の皆を巻き込んで……疑心暗鬼と殺戮の嵐が吹き荒れた。 アタシは逃げた、ずっと逃げ続けた。 そして……大陸を離れ、ここまで辿り着いたというのに……また…… [噛み締めた下唇から、血が流れ出す] ……なぁ、もうアタシはこんなのはたくさんだ。 レベッカ、アンタが言うような「死への想い」なんてものが本当にあるとしたら、それはこの村だけじゃなくて世界のそこかしこにあるんだ。 今この瞬間にも、わけのわかんない理不尽な死に倒れ、それに怯える人がいるんだ。 [段々と、恐ろしい思い出が脳裏に蘇り、膝がカタカタと震えだす……] ……だから、アンタだけは信じさせてよぅ…… [そう呟くと、泣きながら崩れ落ちた] | |
(76)2006/03/25 21:24:09 |
見習いメイド ネリー [レベッカの言葉に、ゆるり、首を傾げて] 占い師であるという嘘は、すぐに本当をばらしたの。 嘘吐きは怪しい? 確かにそう思っている人もいた。ハーヴェイとかだっけ。 でもわたしは、そうは思わなかった。 本物の占い師を見つける為の嘘。失敗したけど、ね。 些細な失敗だと思うの。 これがわたしの、とても怪しい要素になり、わたしが殺される要素になるとは思わなかった。 ただ、「そういう失敗をした人物」という目で見られるのは覚悟していたし―― もし、わたしの嘘で本物の占い師が見つかった場合。わたしはそれで満足。本物の占い師は、守護者に守られるという先入観がある。わたしが殺されてようと、守護者に守られている可能性は、悪の主体側は捨てきれない。そうでしょ? | |
(81)2006/03/25 22:03:10 |