村人は集会場に集まり誰を処刑すべきか話し合った…… | 牧童 トビー ［だが……。 だが、この黎明の世界でしか生きられない者がいるならば……この世界はその者たちにとって本当の、偽りなく本当の世界ではないのか。 この世界がどれほど偽りで満ちていても。 この世界がどれほど、偽りで満ちていても。 ならば。 偽りのこの目で、ヘンリエッタを、偽りのこの手でローズマリーを殺した……この世界の真の住人たる彼女たちを殺した自分は、なんて……なんて、］ ……ふー。 ハッ、知るかよ。 ［トビーは肺の奥から息を吐くと、口に指を突っ込む。そして、その指を引っ張って口元を無理矢理笑みの形にした。 そして、未だ残っていたゲート……ナサニエルが作った地面から立ち上る光の内に足を進める。呟いた］ ……飽きてきたな、この世界も。 ［それが、ただ逃げたいだけだと分かっていても］ |
(1)2005/12/02 21:13:31 |
 | 牧師 ルーサー 運命…？そんなもの信じていませんよ。 そんな言葉で未来を決められる事など認めません。 仮に運命というものがあったとしても私は腕ずくでも自分の望む未来の為に改変してみせますよ… ［不必要なまでにルーサーの言葉には力が入っていた］ 残念ですが暖房術などはまだ実装されていないんですよ。 防寒対策には服を着ることぐらいですよ。 ［そういうと着ていたコートをキャロルに被せた。 その下にはカッターシャツとスラックス、という一見ビジネスマン風の衣装を身にまとっていた］ あまり格好のいいものではないですがね… 手持ちがないもので我慢してください。 ［そういうと空中から魔法使いの杖を取り出して軽く構えた］ |
(8)2005/12/02 23:27:05 |
 | 見習いメイド ネリー 認め、られたかっただけ……。 ……私には、その気持ちが、わかりません。 認められたかっただけなら、いくらでも受け止めてくれる人や認めてくれる人はいるのに。 [言葉を紡ぎながら、それが真理では無い事を知っている自分に気がついた。脳裏にナサニエルの顔が静かに浮かんで、そして消えた。] 【揺ぎ無いもの、偽ることの出来ない証拠……、その為？ ……そんなの、求めるのが間違ってるのに。私もだって、そうだ。手に入らないと知りつつ、望む事は愚かしい。ナサニエルさんだって……】 バカみたい……、こんなの。 [けれど、"いつものように"、罵る対象は既に此処には居ない。切ない思いが募り、胸が締め付けられる思いを感じ、ナサニエルの帽子を*ぎゅっと握り締めた*。] |
(23)2005/12/03 19:47:08 |
 | 美術商 ヒューバート [上に上ったトビーの手を借り、ヒューバートも上に上った。 そして最後にネリーに手を貸し引っ張りあげる] さてと、上手い具合に扉に手が届く地点で止まってるが･･･ こんな狭い場所じゃ召喚術も強力な魔法も自滅する可能性が高いし･･･ またトビー君に働いてもらうとしましょうかね。 (古き盟約の鎖ではなく、敬愛と友誼を持って誓約者たるヒューバートが願う) (機界ロレイラルより界の狭間の門を開き、我に汝の力を貸し与えよ) (汝の名はゼルジェミナス、機界の門を守りし殲滅と守護を司る双璧の機神なり！) [ヒューバートは自分ではなくトビーに憑依召喚をかけた] それじゃ、あの扉ぶち破ってもらえるか？ |
(48)2005/12/04 00:24:45 |
| 牧師 ルーサー ［トビーの言葉に少し目を細めると言葉を続けた］ ご存知ですか、そこまで有名な人ではないはずなんですがね… スタッフロールを見る人は少ないですからね。 かなりの情報通のようですね…。 ［ネリーに対して優しい目を向けた］ そう、ここはある意味で理想の世界です。 自分の願った姿、自分の願った力を鍛錬や修練を経ずに手に入れ、 自分の望む生き方が出来る仮初の世界。 本来空想や幻想でしかなかったものがここにあります。それはある意味で神の領域と言っていいでしょう。 そしてここでしかできない事があった。 それが人と比肩しうる人工知能の誕生。 厳密には私の目指すものとは少し違いますがこれもまた間違いなく神の領域の一つです。 神ならざる者が意思ある存在を生み出す、ということはね。 |
(69)2005/12/04 01:30:20 |
| 見習いメイド ネリー [風が吹いた。ナサニエルの帽子が雪の上と落ちたのを見た。翡翠の羽根飾りが消えてしまったことにネリーは気付けなかったが、ナサニエルに守られたような温かさを体に感じた。何も起こっていないのにも関わらず、涙が零れ落ちた。] ナサニエル、さん……？ [小さく呼ぶと、どこかからあの皮肉な笑みが返ってきそうで、ネリーは胸がいっぱいになるのを感じた。ロッドの先端についたサファイアを見つめる。集中すれば集中するほど、そこには見えないけれど、魔力の玉が生まれるように見えた。] 【見守ってて。下さい……。頑張って、見せるから。最後まで、逃げたりしないから。】 |
(115)2005/12/04 04:04:53 |
| 牧童 トビー ［影の球がうようよと。うようよと、トビーのまわりを囲んでいた。 盗賊一人の攻撃を無効化するのに割り振るには、あまりにも過ぎた……過剰なまでの数は、ただの一度たりとも貧弱な拳を通しはせず、攻めと言える行動すら片手の指の数ほども行わせず……もはや命令された対象の守護すら必要なくなり、トビーの四肢を削っていた。 その球が、溶けるように消える］ ……。 ［もはや声もなく、浮かべていた笑みも自らの血に隠れ……腕も足も穴だらけで、まるで赤い絵の具に浸したボロ雑巾のようになっている。 だがそれでも、トビーは致命的な一撃だけを避け……四肢の全てを犠牲にしながら、ただそれだけを避けて、未だ立っていた］ ……そっか。 ［振り向き、消えていくヒューバートとルーサーと、その向こうにいる杖を構えたままのネリーを見て、トビーは呆然と言うと……ゆっくりと*倒れ込んでいった*］ |
(127)2005/12/04 04:49:04 |
 | 踊り子 キャロル 『そんな事言ったってあたし二階で・・・』 『わざと助けなかったんだな！お前はおばあちゃん嫌ってたからな！なんてひどい子なんだ！』 『そんな事してない！あたしやってない！おばあちゃんが勝手に一人でお餅食べたのが悪いんじゃない！あたし二階で寝てたのよ？一階で何やってるかなんてわかりっこないじゃない！』 『嘘を付くな！おばあちゃんが一人でお餅焼いて食べたりするわけないだろ！お父さん知ってるんだぞ、お前おばあちゃんがお餅食べようとするとすぐ面倒くさがって逃げてたじゃないか』 『ホントに知らないってば！あたし二階で寝てたの！』 『おばあちゃんお餅焼くって言ったのに、途中で逃げ出したんだろ！そうなんだな！』 『そんな事してない！』 『正直になれ！本当の事を言うんだ！』 『あたしさっきからずっと本当の事言ってるもん！本当に本当の本当だってば！』 『嘘を付くな！』 [平手打ちの音が、もうおばあちゃんのいない部屋に鳴り響いた。何度も、何度も。真由子の顔が痛みと涙に埋もれていく。それでも父親は容赦をしなかった] |
(132)2005/12/04 05:24:33 |
| 踊り子 キャロル 『人は、信じたいものを信じようとするものなんだよ。論理は、人の身勝手な感情を揺るがせるほど万能じゃない。だから人間なんだけどね。君のお父さんだけじゃない。真由子が思っているよりもずっと多くの人間達が、そうなのさ』 『確かめる事は、常に苦役だ。だから――みな面倒くさがって、それが真実かどうかを真面目に確かめようとしない。自分の勝手な思いこみで結論を生み、結論を以て論理を築く。自分を納得させるためだけにある、独りよがりな論理をね。偏見は、そうして生まれるのさ』 『真実は証明されなければ真実たりえない。そんな事をおろそかにするから、闇の中へと埋もれていくんだ。真由子、君の真実も、もう闇の中だよ。とっくに食い尽くされて、跡形もないだろう』 |
(139)2005/12/04 05:39:44 |
| 見習いメイド ネリー ――黎明の塔 屋上―― [次に目を覚ました時、全てから解放されると信じていたのに、ネリーが目を覚ました時、この仮初の世界は何も変わっていなかった。変わった事といえば、地面の雪が静かに溶けて、ネリーの背中を濡らしていただけ。] なん……で…… 【まだ苦しみから、解放されないの？ こんなに沢山の思い――それは悪意だったり、悪意よりも残酷なこの胸を満たす好意――に溢れた世界が、理想からかけ離れてしまった、ただの世界が。壊れずに存在しているの？】 [ネリーの目から、涙は零れ落ちなかった。ただ人形のようにパチパチと瞬きを繰り返す。柔らかな日差しは相変わらずにネリーを、塔の屋上を、全てのものを照らしつけていた。] |
(144)2005/12/04 19:37:29 |
| 見習いメイド ネリー [不意に沢山の人たちの言葉が蘇る。 "――リアルとこっちは別の世界ってもんやし。どちらでどう暮らすのも自由ってことだな。それが幸せなのかどうかはどもかくとして。" "負の感情を知り、それに耐えうるだけの強さが必要だった。" "この先に何があるかわからなくても 知らないほうが幸せだったとしても "] こんな夢……壊してしまえば良いのに。 [静かに呟いた。トビーやキャロルがどうしているかなど、確認する余裕は無く、ただ誰に言うとも無く呟いた。] 【あの時。こんなの幸せなんかじゃないと思った。夢見てたはずの、理想の世界なのに。理想を手に入れる事が幸せじゃないなんて、どれだけ我儘なんだろう。私は多くのものを望める立場になんか、いないはずなのに――】 |
(145)2005/12/04 19:45:34 |
| 見習いメイド ネリー どうして……。 【守ってくれる人が欲しかった。愛されたかった。嫌われたくなかった。同い年の女の子達のように、人を好きになりたかった。おしゃべりをしながらアイスを食べて、キャッキャと笑いたかった。朗らかに、明るく。自分の意見を主張したかった。私を知って欲しかった。認めて欲しかった。無力な自分が大嫌いだった。】 どうして、満たされないの……？ 沢山のものが、手に入ったのに。 "夢"が叶ったのに。 "理想の世界"に来たのに。 【幸せって、何――？ どうしたら、満たされるの？ 幸せって。一体、何？】 [あまりに漠然としすぎていて単純な質問。けれどネリー、蓮野美はそれに自答する事が出来なかった。全てを拒むように、再びその視界を閉ざす。止まっていた時間が動き出すように、その瞳から涙が一滴、*落ちた*。] |
(147)2005/12/04 19:55:28 |
