農夫 グレン [日常の労働の中で、ふと子供時代のことを思い出す。両親がいないキャロル姉さんは、明るい笑顔の影に時折悲しい翳りを覗かせていた。 姉さんは寂しかったのだろうか…と今になればふと思う。 キャロル姉さんは世話になっている教会の誘いに応えて修道女になることはなく、煌びやかな都会の灯を求めて旅立っていった。 ハーヴは篤志家の援助を受け、学業の道を歩むことになった。 働き手だった俺は家を離れることはできず、二人に置き去りにされてしまったような焦燥に身を焼きながら、毎日土を耕した。 その二人が今、同じ場所にいる…] 運命というのは気まぐれなものだな…。 [俺は嘆息すると気分を変えるため、海へ向かった] | |
(219)2005/06/11 22:03:04 |
流れ者 ギルバート 「かも知れない」……か。 人って言うのは、自分の心を一番理解してない物なのかも知れないな。「かも知れない」なんて言葉が、口に出るってのは……もうそう言う事さ。 ソフィーの目は、ナサニエルを追っているのかと思ってた……だから、一歩引いた位置から見守ろうと思っていた。だが……ソフィーが俺の胸に飛び込んできてくれるなら……俺はそれを俺の持てる全ての力で支える。軽い男だと思ってるのかも知れないが、俺は受け止める気のない女は……抱いたりしないぜ。 それからな、ソフィー。生きる事を諦めては行けない。人狼がこっそり聞いていたとして……(そう言えばさっき……洞窟の入り口に誰の……靴音がしたような)……それでも、あの言葉を何の能力も持たない者が守護者の盾になろうとしていると取るかも知れない。 ソフィー、君はまだ死んでない……生きれるんだよ……最後の瞬間まで生きる事を放棄しては駄目だ。 生きる為の糧……希望が必要なら、不足かも知れないが、俺がそれになれないかな? | |
(224)2005/06/11 22:11:41 |