新米記者 ソフィー 〔装飾はないが、清潔感の溢れる狭いバスルームにソフィーはささやかな幸せを感じながら、シャワーのノズルをそっとまわす。 頭上から降り注ぐ冷たい水がソフィーの体から熱を奪い取った。 日焼けの後も、傷一つない真っ白な肌に水が落ちて、弾きとばす。お湯にかわろうとする水が、ソフィーの長い髪を濡らし続けた。 ソフィーは自分の髪を指で乱暴に梳いた。〕 もう……。全てが水に洗い流れてしまえばいいのになぁ。……疲れ、ちゃった。 ……アーヴァインは、「設置作業」終わったかなぁ。 とっくに終わって帰ってきてもおかしくないはずなんだけど……。 シャワーあがったら、東の洞窟にいってみないとなぁ……。 | |
(321)2005/06/02 16:08:33 |
新米記者 ソフィー 〔ある程度奥まできたところで、やがてソフィーは、キーホールダー型の懐中電灯の極僅かな光で、迷うことなくある一点を照らした。〕 ……やっぱり、ちゃんと、設置されてる。 計画通り、ビデオが。 〔ソフィーは考えるときのクセで、右手の人差し指を唇にあて、なぞっている。〕 じゃあ、いったい、どこへ……? アーヴァイン……。 ……まさか……、「呪詛」? ……やめてよね、このツアーの企画者のあたし達が被害にあったら元も子もないんだから……。 〔口の中でぼそぼそと呟くと、それが現実にありえるような気がして、ソフィーは身震いした。 やがて、少しの恐怖心はソフィーの体の色々な感情を揺り動かし、あわてて洞窟の入り口を目指して走る。〕 | |
(329)2005/06/02 19:03:02 |
学生 ラッセル [足元をライターで照らしながら歩を進める。やがて足跡がとぎれた地点へとたどり着く。] ここは?特に何があるというわけではないですが・・・。 しかし、確かに足跡はここで途切れている。 [あたりをくまなく調べ始めた。やがてある一点を見てで動きが止まる] これは・・・カメラ、いやビデオか?ということはやはり財宝の話は人為的な意図を持って作られたものだというのか。さて、どうするべきですか。私の姿もおそらく映ってしまった以上、ほっておくわけにもいかないでしょうね。 [そう呟くとビデオのレンズを足元の石で叩き割り、フィルムをライターで焼き払った] これでいいでしょう。さて、今はこんなものですかね・・・。 [ビデオカメラを壊し終えると、洞窟の入り口へと戻っていった。] | |
(338)2005/06/02 19:59:01 |
新米記者 ソフィー 〔ソフィーは痛みをこらえて走っていたが、途中で足を引きずるようにして歩いていた。〕 いたた……。やんになっちゃうな……、もー。 新聞社で見た図面によると、小さい洞窟には、あれ以外にあと2個あるはずで……。 ……手順としては、あの洞窟のあの位置にあるビデオカメラが最後に設置するはずだったから、全部設置されてるんだよね……。 アーヴァインどこにいるのよ……、なんで白骨があんなところに……っ。 …っぅ。もう帰りたいよ……。 〔ソフィーは集会場の前までくると軽くため息をついて、笑顔を作った。 顔色はとても悪かったが、ソフィーはにっこりと笑って、明るい声を作った〕 たっだいまー♪みんなおはよー♪ | |
(343)2005/06/02 20:43:27 |
見習いメイド ネリー [シーツに包まっていたネリーは唐突に、] ……………。 伯父の部屋に、デューラーの版画『メランコリア』の模造品があったわ。 錬金術を求めることの無意味さを<憂鬱>として表したあの絵のテーマ……。伯父は、分かった上で所有していた。 今回のツアーに、彼が自分の息子を参加させたかったのは…。彼の<趣味>。錬金術に関連する……そう、例えば…不老不死だとかそういった関連の宝、記録、第二次世界大戦中に、ナチスが探していた聖杯に関する資料だとか、がこの島にあるからなのだと思っていたけど、どうなのかしら。 私は、何か紙切れ一枚でも発見出来たら、地元に戻って、ママと懇意だったヒューバートさんに依頼して、オークションにでも出してやろうと思ってたんだけど。 | |
(389)2005/06/02 22:24:59 |