学生 ラッセル 【陽光に照らされた村を歩きながら、ラッセルは奇妙な安心感を感じていた。人数が少なくなることによって、孤独だった心が徐々に他人と結びついていく心地良さ。 集会場の隅では、切り刻まれたギルバートの死体が、微かに腐臭を放ち始めていた。川の脇では、ナサニエルの膨らんだ水死体に小蠅がたかっている。グレンの倉庫には、入り口から強烈な腐臭が漏れ出てきているので入るのはやめた。 村長の家の庭には、ヒューバートの血の痕が固まって見えた。風に乗って流れてくるのはシャーロットが腐っていく匂いだろうか。ヒューバートが埋められたとおぼしき地面の上で、キャロルが血の中に泳いでいるのを見つけた。ラッセルはキャンディを舐めながら、穏やかな気持ちで歩き続けた。】 | |
(34)2005/04/03 18:29:33 |
お嬢様 ヘンリエッタ これがトビーが書いたの同じ字。 筆跡まで浮かび上がるなんて、本当に不気味な石盤……。 トビーが私の名前を刻んだのは、彼が人狼だから? ……それとも人間だから? トビーは、私の事を信じてるって、私なんかの事を守りたいって言ってくれた。昨日もそう言っててくれたわ。 お父様が人狼に殺されて、お母様が人狼の汚名を着せられて殺されて、お姉様が本当に人狼で……。そんな辛い立場のトビーが、私の事を信じて、大事にしてくれるのは…すごく嬉しかった。 これは、トビーは人狼で…私と一緒に居ようと思ったって意味? それとも、トビーが人間だったから……、絶望して最後に私の名前を書いてしまったの? | |
(43)2005/04/03 19:17:27 |
村長 アーノルド ……誰が呪いにかかって死んだのだろう。カミーラか、トビーか……。少なくとも、キャロルではなかろう。 【アーノルドは、寝室の扉を開けると、息をのんだ。キャロルの足が二本、バラバラに床に転がっている】 おおおおお、キャロル! 【アーノルドは、ベッドに駆け寄った。そこには、はらわたを喰い尽くされ、血まみれになったキャロルの上半身があった】 なんということだ……。 【アーノルドは、不思議と綺麗なまま残ったキャロルの首に顔を近づけた】 キャロル……済まないキャロル。こんな事になってしまうなんて……。私は君を利用するためにこの村へ連れて来た。だが、それは間違いだったよ。ああ、間違いだった! 【アーノルドは、キャロルの首を胸に抱え、涙を流した】 | |
(52)2005/04/03 21:26:53 |
村長 アーノルド 【アーノルドは、ガソリンの缶を両手にぶら下げて、納屋から出てきた】 ……ロッテ、キャロル、盛大に葬ってあげるよ。ロッテ……お前をあの墓守の手には触れさせはしないさ。キャロル、この屋敷は君のものだよ。君にこの屋敷を贈ろう……。 【アーノルドは、寝室へ向かうと、キャロルとロッテの遺体にガソリンを撒いた。そして、たいまつを持ち、屋敷中のカーテンに火をつけ始めた】 ふはははははははは。燃えろ。燃えろ。燃えろ。燃えろ! 【アーノルドは、屋敷から飛び出すと、燃えさかる屋敷を振り返った】 おお……! 【アーノルドは、呆けたように立ち尽くすと、紅蓮の炎を噴くアーノルド低を見上げた。そして、エレノアとロッテと過ごした幸せな日々に思いを馳せた】 | |
(56)2005/04/03 21:57:08 |