酒場の看板娘 ローズマリー この15年、毎日酒に溺れてたわ…。 夢を見て生きる事は、不幸せではなかった。 ただ、現実を見ることが出来なかっただけ。受け入れる事も。 今だって、酒が無ければこんな風に話せていないわ…。 …今だって、狂気に駆られそう。 怖い…怖いのよ…! でも、思い出さないといけない…。 私は何かを聞いたの… ううん、見たの…確かに見た…聞いたんじゃないわ…! …ごめん、カミーラには関係ない話だったわね…。 ただ、あんたが彼を覚えてるか、その後彼と会ったのかが知りたかったの。 こんな騒ぎの時に、下らない話をしてごめんね…。 [泣きそうな顔でカミーラに微笑んだ] | |
(114)2005/03/30 03:45:29 |
村長の娘 シャーロット 【村長の娘 シャーロットは、仄暗い闇の中にいる。】 薄く光射す緋色の世界で、シャーロットは自分の目の前にいる人影に気付いた。デボラだ。デボラは彼女に背を向け、なにかを一心に唱えている。声をかけようとして、彼女は自分の体が動かないことに気付いた。 デボラが彼女の方を向く。血走った目を見開き、口元から涎を垂らした老婆は、彼女を震える手で指差した。 「…………!!」 デボラの叫びは耳に届かない。シャーロットは、一歩前に出ると無表情のままデボラの喉に手をかけ…そして力を込めた。程なく紫色に変化する老婆の顔。目はいよいよ見開き、シャーロットの手首を掴んでいる老婆の手が小刻みに痙攣し始める。 シャーロットは自分の顔を見た。無表情だった彼女の顔には、陰惨な微笑みが浮かんでいた… 【シャーロットは、自らの悲鳴で目を覚ました。】 | |
(117)2005/03/30 11:16:13 |
村長の娘 シャーロット 【村長の娘 シャーロットは、鏡台の前に座り直した。】 まだ少し湿り気を帯びた髪をブラシで梳きながら、シャーロットは鏡の中の自分を見た。起き抜けよりはずっとましな顔… 少し安堵して鏡から目を離した彼女は、ふと鏡台の上の小瓶に気が付いた。彼女の18歳の誕生日に、父親が買ってくれた香水だった。 シャーロットは、僅かに逡巡した後、手首に少しだけ香水を吹き付け、そして目を閉じた。薔薇とジャスミンの香りが鼻をくすぐる。紅茶とはまた違う鮮やかな香り… 深く息を吸い、そして吐き出す。 シャーロットは、ゆっくりと目を開けた。鏡に映る、深い碧に彩られた瞳… 彼女の眼に、もう迷いはなかった。 | |
(119)2005/03/30 14:36:46 |
酒場の看板娘 ローズマリー [自室のベッドに横たわりながら窓を眺めていた] …あの子は強がる事はあっても、嘘はつかない。 私は…何をしてるんだろう…。 人狼騒動から目を反らし、彼の事だけ考えてる…? 亡くなったのは…カミーラのお婆さんだというのに。 慰めの言葉1つかけず…。 自分の中の不安だけをぶつけた。…最低ね。 現実から目を反らしてる…。 こんな状態になって、初めて過去を見つめようとしてる…。 彼と人狼はどこかで関係があったはずなんだ。 でも…、記憶の糸を辿っても、答えは手繰り寄せられない。 …私は…、何を見たのだろう。 ルーサーとデボラは、その瞳で、どんな悪魔を見たのだろう…。 [苦虫を噛み潰したように顔をしかめると、頭を抑え起き上がった] | |
(127)2005/03/30 21:12:43 |
牧童 トビー 【真っ青な表情で集会所の隅に座っている。一睡もしていないようだ。】 デボラさんが・・・死んだ。いえ、僕が・・・殺した。 しかも、僕は石版に名前を書いていないのに、僕の分の石版にもデボラさんの名前が書かれていた。・・・きっと、ラッセルさんか村長さんが僕の投票用紙を見て、書き込んだんだろう。 ・・・実際に銃で撃ち殺すのと、呪いで殺すのにどんな違いがあるんだろう? ただ、事実は・・・僕がデボラさんを殺そうとし・・・デボラさんが死んだ。そして、牧師さんが人狼に襲われたってことだけ。 ラッセルさんによると、牧師さんも赤い雀の人間だったらしい。 ラッセルさん以外の誰もが・・・人狼でもおかしくないらしいです。そして・・・ヒューバートさんの話によると、人狼は2〜3人は居るらしい・・・。 石は使いたくなかった。あの大きな石版が・・・紅く見えるのは気のせいじゃないと思う。 でも・・・。使うしかないのかもしれない。 | |
(130)2005/03/30 21:58:18 |
牧童 トビー 【トビーはテーブルの上に1つ残った石を手に取った。】 どうやったら生き残れるだろう?そう考える浅ましい僕が居る。僕は・・・守ってもらうんじゃなく、誰かを守りたかったはずなのに・・・。私刑に加担している。 どうしたらいいんだろう・・・。 僕は2年前のことで少し思い出したことがある。母さんが・・・、今回のデボラさんと同じように、他の人たちの手で殺されたってこと。そして、母さんは人間だった、という声を死んだ後聞かされた気がする、ってこと。父さんがなぜ死んだかは思い出せない・・・。 でも、母さんより・・・先に死んだような気がする。 僕の記憶の中に、今回の人狼を退治する手がかりがあったら、と思うと早く思い出さないといけないのに。 | |
(132)2005/03/30 22:03:33 |
村長の妻 エレノア …いえ、貴女の正直なお気持ちなのでしょう? 瞳は雄弁ね。 …意外。そしてあたくしの立場からは、とても素直には 聞けないお話だわ。いいえ、立場だけではなく、正直な気持ち。 キャロルさんと貴女が仲が良くていらっしゃったなんて初耳だし、 あなたが職業柄人の気持ちを読む術に長けていたとして、 それがなんだって仰るの? キャロルさんは、そんなに大人の振る舞いの出来ない世界で 生きて来られた方には思えないわ。 …これ以上は推測ですし、本人の居ないところで陰口めいた事を言うのは あたくしのプライドが許さないから止めておきますけれど。 でも、主人とキャロルさんの間に何があったかは、あたくしも直接訊いてみます。 お返事有難う、もう充分…よ。 | |
(145)2005/03/30 23:16:27 |
お嬢様 ヘンリエッタ こんばんわ。 ねえ、結局昨日は、私も宿へ向かう道すがら、吸い込まれるみたいに、おばあさんの名前を書いてしまったの。なぜ石盤に名前を刻んでしまったのだろう……。 ……今考えるとおかしいって思うのよね。 皆はどうだったんだろうって聞いてみたいと思ったの。みんな、吸い寄せられるみたいに、文字を書いたのかな? 今日はお墓に行って、牧師さまとおばあさんの遺体もみたのだけど、確かにグレンの言う通り、おばあさんの遺体はすごくきれいな状態だった。誰かが秘密裏に変な薬を打ったとかも考えたけど、あざもなかったし……。 ホントに。呪いという言葉がぴったりとするような気がする。 こんなの使ってて、というより使わせれてて……。都合が良い気もするけど、お父様なら「うまい話には裏がある」っていうような気がしてならないの。 | |
(182)2005/03/31 00:28:27 |
村長の妻 エレノア …ふう。 今日はなんだか色々あって、疲れてしまったわ。 ローズさん、そしてシャーロット。 御免なさい、体力の限界なの。先に休ませて頂戴。 投票は…カミーラさんにするつもりよ。 反対意見もあるでしょうね。けれど、あたくしなりに良く考えた結論です。 …この場に姿を見せない事も気になるわ。 以前はもっと堂々としておいでだったのに、後ろ暗いことが あるようにしか思えないわ。 それにあたくし、村長邸で彼女の不審な姿を見たの。これが証拠よ。それと、確かに彼女がつけていた香水が香ったわ。 【テーブルの上に、長い金髪を紙で包んだものを置いた】 キャロルさんは、アーノルドの書斎で何かを探しているようだった。 誰何の声にあわてて姿を隠したのは何故? それが確かめられない限り、あたくしは彼女を 疑わないわけには参りませんわ。 | |
(189)2005/03/31 00:32:37 |