旅芸人 ボブ ―モニターの前にて― [ボブはビール片手に、建物のあちこちに設置したカメラが映し出す様子を見て、ご満悦といった表情を浮かべている。] フフーン。フフーン。 広間に武器が行ったし、後は皆が殺し合いをするのを待つだけだネ!あー、最初の処刑くらいはボクもこの目で見たいから、広間に足を運んでみようカナ?とっても楽しいショウの幕開けだもんネ!ライブ感を楽しみたいんだヨ、ボクは。 [ビールをぐいと飲み、小さなモニターを見つめる。] ふんふん、VIPルームの皆様も、だいぶ楽しそうだネェ。こんな殺し合いの舞台を見てエクスタシー入っちゃうなんて、VIPサンってのも案外ヒマなんかネェ?……あるいは、セレブリティの仮面を被った魑魅魍魎か。……ま、どっちでもいいケド。HAHAHAHAHA! ボクとしては参加者に出す賞金と、ボクらのギャランティー、それから制作費が出ればいいだけでサ。 | |
(254)2006/09/22 15:43:44 |
旅芸人 ボブ [スタッフから書類を受け取り、ニンマリと微笑む] ふーん。ふんふん。いいネェ。だいぶ黒字になりそうだネ。 武器はレンタル品だし、セットだって恋愛映画のセットの払い下げを改良したものだし。……意外と節約主婦のようなボク。 しかーし……恋愛映画のセットを改良して、殺戮ドキュメンタリーをやるってのも、また皮肉な話だネェ。HAHAHAHAHA!! もしかしたら本物の恋愛映画にでもなっちゃうカナ?今回はヤケにほのぼの青春ホームドラマしちゃってるし、そーゆー流れになっちゃうかなァ?……うーん。予想外デース。ま、これで今までゲットできなかった若者層……特に恋とセックスとブランドにしかキョーミなさそうな若い女の子のウケが良くなるカナ? そしたら、ボクとしても万々歳。新たな視聴者層を獲得したゼー!って大手を振って局に帰れるネ!HAHAHAHAHA!! | |
(255)2006/09/22 15:47:08 |
旅芸人 ボブ なにせ《囚人と看守》のバリエーションの回は各方面から非難と絶賛が轟々だったしネ。……まー、あの頃はまだこの番組もまだまだアングラものだったし、そんなにマジョリティのこと考えなくてもどーにかなるモンだったし。 思えば《囚人と看守》のバリエーションで"The Rolling-Over Show"の知名度が一気に上がったワケだし。やっぱりスタンフォードの監獄実験って、皆何だかんだで興味あるんだネェ。……悪趣味だネェ。 ま、そのおかげで、そろそろメジャーウケするようなバリエーション考えなくちゃいけなかったからネ。今回は皮下脂肪の厚いオッサンや面の皮の厚いババアを書類選考で徹底的に落としまくって、若くてキレイな奴らだけを集めたのは、ある意味正解だったかもしれないネ。HAHAHA!! | |
(256)2006/09/22 15:54:15 |
新米記者 ソフィー [もう習慣になった検温を繰り返すこと数回、何度見ても微熱と高熱の狭間を行き来するデジタルに、...は暇を持て余したように枕元にあった聖書を手に取り、詰らなさそうにパラパラとページを捲っている] Pater noster, qui es in cælis: Sanctificétur nomen tuum: Advéniat regnum tuum: Fiat volúntas tua sicut in cælo et in terra: Panem nostrum quotidiánum da nobis hódie: Et dimítte nobis débita nostra, sicut et nos dimíttimus debitóribus nostris: Et ne nos indúcas in tentatiónem: Sed líbera nos a malo. か…。ねぇ神様、あなたが本当に存在するのなら、何故わたしはこんな辛い目に合わなければならないのかしら? 恋人に騙され、人殺しの場に連れて来られて、挙句の果てには生死を分ける戦いの場で体調不良…。あははっ…。笑ってしまうわねぇ。 でもあなたは、これも試練とかって言うのかしら? では試練を乗り越えた先にあるのって何なのかしらねぇ? | |
(259)2006/09/22 18:52:38 |
新米記者 ソフィー [...は、体が少しだけ楽になった感覚を覚え、ベッドから滑り落ち、シャワーを浴び身支度を整える。体温計は7度2分。睡眠を取ることによって大分体調がよくなったらしい。 鞄の中からニットアンサンブルとフレアのミニスカートを取り出し着用し、静かにホールへと向かった。] [入るなり目に飛び込んできた、ありとあらゆる武器を見て、...は僅かに恐怖に震える。あぁ、遂にこの時が来てしまったのかと思い、気が進まなかったが、護身用にと手頃な銃を手に取り、専属のホルスターを太腿に装着した。] (あぁ…出来る事ならこの銃を使わずに居たい…。人殺しだなんて…狂気の沙汰…) [...は、喉を鳴らしながら唾液を飲み込み、先に来ている人たちに軽く挨拶を交わし、窓際に佇みそっと外を*眺めている*] | |
(273)2006/09/22 22:35:42 |
流れ者 ギルバート ―地下階― [目覚めてからの午後はほとんど地下で過ごした。エントランスホールからは既に死体は運び出され、ある程度の清掃も行われたように見えた。 受け渡し担当だというスタッフの説明を聞き流し、搬入された中から数種類を手に取る。シューティングレンジで感触を確かめ、最終的にギルバートが選んだのは回転式と自動式、各一丁ずつだった。 試射を終えて覗いた室内プールには、各サイズの水着までが用意されていた。思わず隠しカメラを探しそうになり、苦笑をこぼす。 少なくとも自分は何を映されようと、気に止めはしない。その点において他の誰をも凌いでいるという自覚程度は彼の中にもあった] | |
(281)2006/09/22 22:44:39 |
新米記者 ソフィー [...は窓辺にもたれ掛かりながら、ボブと、他の参加者の話を聞いていた。 彼の口から次々と零れる、身勝手な主張が脳裏を掠め、その言葉を聞く度に...は頭の痛みを覚えていく。 ] (処刑シーン…?視聴率…?――テレビ業界の人間は沢山見てきたけれど…これ程ご都合主義な人、見たこと無い…。 人の命をなんだと思っているの? わたし達は…モルモットでも見世物小屋の獣でもない…れっきとした人間なのよ?) [...は込み上げてくる怒りに、唇を噛みしめていると、やはり皆同じようなことを思ったのか。敵意を剥き出しにした参加者に、恐怖を抱いたボブが逃げ惑う姿が、瞳に映し出された。 ...は、誰かが先制して放ったボウガンの矢で負傷したボブの側に近寄り、にっこり微笑んで言い放った] そんなに人の処刑シーンがお望みなら。まずはあなた自身で手本を見せるべきでは有りませんの? | |
(324)2006/09/22 23:46:33 |