人狼審問

今はセシリアさんの方が裏切り者だと思ってる。

気になってたんだ。
ラッセルを視ることになりそうだったとき。
セシリアさんが突然、
ラッセルよりロッテちゃんを視たいって言い出したの。

どうして『ロッテちゃんに注目を集めるのか』って思った。
そうじゃなかったんだ、きっと。
『ラッセルから注目を外したかった』んだと思う。

その後ラッセルを視るのに同意したのは、
庇いすぎると怪しまれるのと、
今の…この状況になれば何とか逃げられると思ったんじゃないかな。

[現にわたしのほうが疑われてるみたいだし…と悲しげに呟き]

カミーラさん、これであなたへの答えになったかな。
だから、今日は許されるなら、わたしはセシリアさんを視たい。

神なんか、信じちゃいない！
神が俺たちに、なにを施してくれた？
異形の神とて、同じ。

こんなことになるなら、俺だってこんなところに来たくはなかったさ！

神なんか、いまさら信じられるか・・・。

［押さえ込まれて小さく呻き。けれどナサニエルを睨んだまま］

……主にお尋ねになったらどうかしら？

[皆の怒号、狂騒。仕方が無い。
あんなに悪魔じみたやり方で仲間が殺された。
家族が殺された。自分が殺されるかもしれない。

だが、それでも]

私だって、皆が死ぬのは見たくないよ……。
一生懸命生きたいという願いだってわかるよ。

でも、殺される人も、死にたくないんだよ？
仲間が裏切り者とかいうのに殺される所も、同じ仲間が人を殺す所も、見たくないよ……

[困惑した表情で、しゃがみこむ。
ナイフを握り締めた親指の付け根は深く切れてしまっていたけど、そんな痛みなど、この苦しさに比べれば。
そして、カミーラの方を振り返り]

「今日は死ぬにはとてもいい日だから」
私はいつもそんな覚悟を背負って生きてるから……ずっと。
ちょっと、今日は頭の中に悪い考えや怖い考えが入っちゃってるから、少し良くない日だけどね。
[そう言って、笑った。]

[少し静まったナサニエルの様子を覗いつつ]

ナサニエル・・・、お前は危険だ。
メイを―――裏切り者達をどうにかする必要があるのはオレも同意だ。

だけど、だからと言って、ソレをお前が勝手に判断して決めていい訳じゃない。
自分だけに盲信して他者へ害を為すなら、あんたはオレに取って裏切り者達と同様に警戒すべき存在だ。


…オレの考えは決まった。

占い師とやら、オレはナサニエルを視てもらいたい。
あいつが、ただ脅えただけの仲間なのか、それともオレ達に害を為す存在なのかを。

十字軍では、弾圧もあったのではなかったかしら。

『』

そうね、そうよねマルガリーテ。神様なんていないわ。少なくとも神様は私に答えてなんてくれないし、私を救ってはくれないものねえマルガリーテ…。

[ゆるりと首を振り]

今はメイ様を信じることは…出来ません。
でも、メイ様の言葉はきっと頭に残しておきますわ。

ハーヴェイ、俺は、妖しげな儀式で殺人犯が解るなどと言う物語に興味はない。

誰でも好きな相手を指名すればいいさ……。
誣告はゆるさないがね。

そうですか。では、ステラ。私は私の胸の内の主に、答えを戴くことにしましょう。

メイ…もしも、セシリアが裏切り者ならば
意見をわざわざ最後に戻したりはしねぇと思うんだが？
それに、この状況と行動からしてラッセルは
何とか逃げようとしてるようには私には見えない。
弁解どころか、むしろセシリアを信じようとする動きの方が目に付いて仕方ねぇよ。
仲間同士でいちゃいちゃって事かぁ？

悪いが、あんたの考えに納得はできねぇよ。
ただ、だからといって、ラッセルを疑ってねぇ、ってわけではないんだ。困ったね。

[かちん、おはじきのぶつかる音。
いつも遊んでいる聞きなれた音、でも今は異質な音。]

―――りっく。

[ころり、ビー玉を転がして]

かみさま……
かみさま。
どこにいるの……
ねえさまをどこに、

[激しい言葉が飛び交う聖堂、1つ息を吸い込んで]

……貴方の主は何とおっしゃる？

［じっとナサニエルを見つめ］

私は今日、貴方を見たい。
他の人もそうだけれど。
平気で人を殺そうなんて言える人が一番怪しいんじゃないかしら。

そっか、パズルなんだ･･･。

[屈んだままおはじきをヒョイと動かし、形を作る]

三人の不思議な人が居て、その中の一人。メイさんはラッセルさんを人殺しだって言った。
人殺しが二人なら、嘘吐きさんの中に必ず一人居て、メイさんが本物だったらこれで全部だ。
･･･でも、こんなに簡単に見つける力なんて物が有ったのなら、人殺しはすぐにその人を殺しちゃうよね。
なんでかな。
もしも、不思議な人の中で死んじゃった人が居たなら、なんでその人が襲われたんだろう･･･ってなるよね。

若しかしたら、人殺しは誰が本当の事を言っている人なのか分からないって事かな。
だったら、メイさんの言った事は何なんだろう？
本当だったら、きっと本当なんだろうね。
でも嘘だったら？
だとしたら･･･嘘吐きが、人殺しに対して「自分は偽者だ」って知らせようとしたって事になるよね。
そしたら、嘘吐きの人殺しはもう一人が本当の事を言ってる人だって分かるんだ。
やっぱり、人殺しは怖がってるんだ。
早く本当の事を言ってる人を殺したいと思ってるんだ。

[すぅ、すぅ。とおはじきを動かしては、そのおはじきと今居る人を照らし合わせて遊んでいる]

俺が占ってほしいのは･･･前回と同じく、ナサニエルだ。
さっきも少しそういうところがあったが･･･あんた、独断が過ぎねえか？

ま、もしできるのであれば、コーネリアスを占いたかったがな。
アーヴァインの近くにいたヘンリエッタに対するあの態度はどうなんだか。
もっとも、やつが唯一、死者の声が聞こえるとか言っているやつだからな･･･

言うと思ったよ。

[メイの言葉に反応しては、ラッセルへ、シャーロットへ目を向ける]

私が最初にラッセルを占いたいと言ったのは何故か。
目立っていないからだった。
兄が死んだ。その嘆きに溺れて、考えが見えなかった。或いはそれが逃避ではないかと思った。
けれど、そんなラッセルに何を問えばいい？「君は裏切り者か？」……そんなこと問うても無意味だろうね。言葉で彼の真実が見えなかった。だから、視たかった。

でも。その後でラッセルは、皆の注目を浴びたね？狂っているのか、冷静になって彼は何を紡ぐか。人々に「言葉を求められた」。
私はその返答に糸口が見えると思った。
だから。やはり言葉からは測れないシャーロットを挙げたんだよ。

そして、今度の占いではシャーロットを見たいと思っている。
――幼い仕草の奥に在るのは、何だろう。

［ナサニエルの言葉に。は、と悪態とつき。］

俺だって完全に信じちゃいないさ。
ただ、その意見を聞くことで、皆がどう思っているのかを知ることはできるだろ？

早速、あんたが敵視されているようだがな。
［そういて含み笑いを浮かべる。］

メイ・・・。
俺は、セシリアの気持ちは知らなかった。
セシリアがそんなに俺のことを、大切に思っていてくれたなんて、な。

だが、君は知っていたんじゃないか？
セシリアの、気持ちを・・・。

だから、セシリアを裏切り者だと言うんじゃないのか？

嫉妬？
それなら、素直な感情だ。

もう、君には俺が必要ないように、俺にも君は必要ない・・・。

残念だよ、メイ・・・。本当に、残念だ・・・。

［少年はそっと視線を外した。悲しそうに俯きながら。］

馬鹿なこと…言うんじゃねぇよ、レベッカ。
血が出てるじゃねぇか。ったく、世話が焼けるな。

［そう言うと、自分の服の袖を躊躇う事なく口で噛み切り裂き、止血を施す］

死にたかったら…勝手に死ね。私には止めれねぇだろ。
だけど、私の目の前で死んだらゆるさねぇ。冗談じゃねぇ。
だから、今は死ぬとか言うな。私の前では、生きていろ。

あーぁ、無理して笑ってんじゃねぇよ。

……わるいひとは、ここにいて。
みるちから、あるっていって
たくさん　うそをつくの……きっと

だって　みんなもう―――
こんなに
こわいの　だもの……

わるいひと　みつけないと。
いたい、いたいおもいを……みんなが。

[蝋燭、ゆらゆら―――13本。]

占え、占え、占え、か。
なぜ君らがあんな世迷い言を信用するのか知らないが。

では、メイを信じてラッセルを断罪するのか？

よもや、両者お咎めなし、などと考えているのではないだろうね？

私は…昨日と同じでカミーラ様を視て頂きたい、と思っておりますわ。
裏切り者の方たちはラッセル様を私たちの手で葬りたい、と考えるのではないかしら。
だとしたら…疑いの余地を残そうと見えるカミーラ様がやはり気になってしまいます…。

[ふるりと首を振り、レベッカを見やる]

レベッカ様…あの、このショール、レベッカ様の、ですよね？
私、気を失ったときにお世話になったみたいで…ありがとうございますわ。

カミーラ様のことは、その…。申し訳ございません。でも、はっきりさせたいのです…。

―――ぐれん？
……つかれた？
……つかれたら、あまいのが、いいって。
リックいってた。

はい、
エッタにもあげたの。
あまい、おかし。

[紅いおはじきを動かし、三つの内の一つのおはじきを取り去る]

･･･っとぉ、でも。
人殺しは簡単におはじきを取れない。

[残りのおはじきの内一つを紅い物、もう一つを黄色い物に置き換える]

だって、残ったのは全部嘘吐きだもん。
人殺しは、どうするのかな。

[透明なおはじきをバラバラと広げ、その中に一つ、紅いおはじきを転がす]

あぁ、残りの人殺しの場所が分かんなくなっちゃうんだ。
そっかぁ･･･。
もうこんなに難しいパズルは初めてだ。

[転がしたおはじきを眺めながら、ぶつぶつと呟いている]

俺、シャーロットがわざとやっているようには見えない。
それが裏切り者の隠れ蓑だ、と言われても、言い返せないけれど。

それよりも、俺はカミーラ、あんたのことを知りたい。
レベッカには優しい顔を見せ、メイや俺を疑う。
真意が見えないんだ、流されているだけなのか、それとも、故意なのか・・・。

リック、注意深く解きなさい。
そのパズルを見誤ると、深い闇に取り込まれるかもしれないから。

[そう少年の背に声をかけ、椅子のひとつにゆったりと腰掛けた。]

[カミーラの手に自分の手をそっと添えて、静かに首を横に振る]
ううん、無理して笑ってるわけじゃないよ。
本当は怖くて、つらくて、逃げ出したいんだ。

でも、カミーラが優しいから、私は笑ってるの。
―――ありがとう。




[手当てを受けた箇所を撫でると、一つ深呼吸をして立ち上がる。]

今日、３人に見てもらう人の話だよね。
もし決まりそうもないのなら……私を占えばいいよ。
それで「力」とかいうのを信じるのならば、私とラッセルの結果を見て判断すればいい。
私は、そんな力なんて一つも持っていないから解らないけど。
それで私が疑わしいと思うのならば……好きにすればいいよ。

[そう、射るような眼差しで皆に語りかける。
そしてカミーラの方を振り向いて「ごめん」と口の中で呟いて、笑った。]

なあ、ハーヴェイ。

俺はな、あんたがそうやって、ひとの核を覗き見るだの、死者の叫び声を聞くだのというたわごとを信じるフリをしてまわり、混乱に乗じてほくそ笑む殺人者に見えてしかたがないんだ。

いつか尻尾を掴んでやるよ。

[レベッカに怪訝そうな眼差しを向ける。]

自分を占えばいい、と？
レベッカは自らが無実だと証明して欲しいのかな？
それとも……。

[すっと目を逸らして、緩く首を傾げた]

今は、レベッカの我侭には付き合いたくない。

パズル……
みんながいて　わるいひとがいて、
……パズル。

[紅いおはじきが、酷く鮮やかだった。
ふと、｢私を占えばいい」というレベッカの声が聞こえて]

レベッカおねえさん……
わるいひとが、うそつくかも
みるひとに　わるいひとが　いるなら……

[心配げにレベッカを見た]

……きょう、みるひと……
そんな　ちから　あるのか……ロッテ、わからない。
でも　もしてがかりになるのなら―――

[ビー玉に視線を落として、考こんだ]

ほぇ･･･？

[後ろからの声にくるりと振り返って、間の抜けた声を出す。
そうして暫くナサニエルを見詰めた後、またくるりとおはじきの方に向き直る。
今度は蒼いおはじきを一つ並べてみて、つつつ、とオレンジ色のおはじきの元へと持っていったまま。

黙り込んだ]

･･･。

へぇ、ラッセル…私を占って欲しいって？
昨日も言ったが、私は別にそれでも構わない。
だがな、無駄だったと気付かされるだけだぜ。
私は、自分で考えて行動してるだけさ。
それが、あんたの目にはそう映るんなら仕方ねぇ。


って、レベッカ……。
誰もお前を疑ってはいなかったじゃねぇか、それなのにそんな事言うなんて…自分に注目集めてどうすんだよ。全く…お前は…。

［ナサニエルの言葉に］

人を告発するときはちゃんと証拠をつかんでくるんだな。坊主。

下らん言いがかりで命を奪われちゃ、たまったもんじゃねえからな。

……申し訳ないですけど。
この状況で自分を見てくれなんていう人は見たくありません。
既に裏切り者と協力者が占い師３人の中に含まれてるのですから、今そんなことを言うのはリスクが高すぎます。

……出来れば、レベッカさん以外を。

[セシリアの言葉に、苦笑いをして]

そうだね、これは私の我儘。
別に無実だと証明して欲しいわけじゃないよ。
ただ、「疑うなら私を疑えば？」って訊いてるだけの話だから。
いつかは私も殺されるか、疑われるかのどちらかなんだろうね、きっと。
ならば、少しでも役に立てるように。
……皆の死体なんて、これ以上見たくもないから。

[カミーラの言葉に顔を上げて]

わたしも確信持ててるわけじゃないけど…。
もしかしたらセシリアさんが協力者なのかもしれないけど。
一旦意見を戻したのは怪しまれないため。
だけどその後は、占いで無実だ、って言っちゃったから
庇わないわけにはいかなくなったんだと思うよ。

どんな形であれ自分が信じてもらえたら良い、って
思ったんじゃないかな…ラッセル。


[セシリアの言葉に、どうして「そう来ると思った」のかな、
とちいさくちいさく呟いて]

わたしには判ってる。
ラッセル、ステラさん、セシリアさん以外の人はみんな無実。
…疑い合っちゃだめだよ……。
死んじゃだめ。殺しあったりしたら絶対だめ。
レベッカさんも。

ナサニエルさんも。
こんな力、信じてもらえなくて当然かもしれないけど。
でも、少しだけでも。考えてみてもらえないかな。

[自分にもっと力があれば。
信じてもらえればこんなことにはならなかったと俯いて]

[天井を見上げながら何やらぶつぶつと呟いている]

ナサニエル３つ、カミーラ２つ、セシリア、レベッカ、シャーロットが１つずつ…。

[迷うかのように首を振り、鬱々とした様子で言葉を出だす]

メイ様が、セシリア様を。
グレン様とステラ様とハーヴェイ様がナサニエル様を。
セシリア様、カミーラ様がシャーロット様を。
私とラッセル様がカミーラ様を。
レベッカ様が御自分を。

あとは、ナサニエル様、シャーロット様、リックさん、そしてコーネリアス様でしょうか。

[ちらりと、闇の蟠る場所を見遣る。
アーヴァインの血。少し乾いた、血溜り。]

裁きが終わっていないならば……また。
……いつ。

[夜はまだ、長い。]

裏切り者……嘘吐きを止めれば……終わる？
メイを――でも、どうやって――

[先程のナサニエルのナイフが。
脳裏を過ぎる]

……メイおねえさん……
……
……うらぎりもの
……わるいひと
……このなかに

ロッテ……
どうしたらいい　の……

[誰を、誰を、誰を。
見る力など、あるのかどうかすら分からなくて。
どうすればいいのか、決めかねた様子で視線を彷徨わせ]

……

[リックの手元のおはじきに眼をとめ、
そっと覗き込もうとした]

グレン、ヘンリエッタ。ひょっとして多数決を数えているのか？

精が出るなあ。

……必要なら、ハーヴェイとでも。いや、無意味かな？ならシャーロット希望とでも数えてくれて構わないよ。

[皆の叱責に、少ししょんぼりとしながら]
……ごめん、私の考えも少し足りなかったね。
私、馬鹿だから……そんなにまとまらなきゃ困るなら自分がって思って……ごめん……

そうだよね。もしこの中に悪い人がいるのなら、目立ちたがらないはずだもんね。
だから、でしゃばっちゃ逆にダメだったよね……。

[しゅんとする。]

まだ生きる者を調べる力を使おうとしているのかい。
わかりもしない力を……。

でも良いよ、その力を使ってボクの力を信じて貰えるなら。

ボクは先刻通りならシャーロットさんを調べて欲しかった。
少しラッセルさんが錯乱気味だったから変えたけど。

ボクの希望はシャーロットさん。

…ラッセルを殺すなんて出来ない。
死者の声を訊くとかやっぱり信じられない。

だけど、止めなきゃ。
仲良しだから。
悪いことしたら、止めるのが優しさ、だよね。

[縛り上げられたまま、
手の中の碧のまるい珠を確認する。
相手に触れずに力が使えるだろうか。
自分の力で止められるだろうか。
だけどやってみる価値はあるはずだと]

･･･そういやよ･･･詩人さんは何をしているのやら。

まさかくたばってるんでもあるまいな。

どんな…形でも、ねぇ。
それにしちゃ、ラッセルの思考は読めすぎやしねぇか？

…けど、メイ。お前が…本当に…占い師なら。
だめだ、やはり私はその可能性を捨てる事ができねぇ。

だからこそ、やはり…ラッセルを…。
もしも、コーネリアスの力を仮に信じるとするなら…そこではっきりするからな。
ラッセルと、メイ。どちらが、裏切り者か。

[ナサニエルの言葉に頷き]

仕方がありませんわ。誰の立場もはっきりしていない以上、決定権を誰かに求めるのは危険ですし…。

本当にこれが意味のあることかは分かりませんけれど。

メイ様が、セシリア様を。
グレン様とステラ様とハーヴェイ様がナサニエル様を。
セシリア様、カミーラ様、コーネリアス様、ナサニエル様がシャーロット様を。
私とラッセル様がカミーラ様を。
レベッカ様が御自分を。

残りはシャーロット様とリックさんですわ。…せかすようで申し訳ありませんけれど。
…メイ様は、セシリア様を視ていただく形で構いませんわね？

[思わず肩を竦める。悠長過ぎるとばかりにレベッカを睨んだ]

学がないなら学がないで良いから、でしゃばるのはやめてくれないかな。
裏切り者は目立ちたがらないはず？じゃあレベッカは、自分は目立つことをするから違うと、そう言いたいのか？

……まぁ。
これもレベッカを判断する材料にはなるのかもしれないけど。

[冷たく言い放って、目を逸らす]

……ロッテ、
ロッテは……
もし、みるなら……

―――……カミーラ、さ……

[ごめんなさい、レベッカおねえさん。
やっぱり、こわい。

謂うと俯いて――表情を隠した]

[カミーラに苦笑してみせて]

普通じゃ信じられないような力だから。
疑われるのは当然かもしれない。

わたしは他のみんなが無実ってわかってるけど。
みんなにはわたしがわからないだろうし。



…信じてもらうって、難しいね。
[ぽつり、呟いた]

[蒼とオレンジのおはじきを退け、区分けした透明なおはじきの一つを取ってステンドグラスに翳して見る。
透き通って向こうの色を伝える透明が、鮮やかな色を残す]

そういえば、ナサニエルさんが皆から怪しまれてるんだね。
怪しんでる側の人は全員人だって言い切れるのかなぁ？
誰かの考えにのっかって、自分に目が来ないようにとか考えたりしないのかな。
もし、だとしたら。
僕はグレンさんを怪しもうかな。
ステラさんは不思議な力を持ってるって言ってて、その人が嘘吐きだった時も、皆の怪しいって思う目にのっかると思うんだけど、それでも昨日から怪しんでるって言ってるハーヴェイさんと合わせても二つだ。
だったら、もう一押し･･･。

って、これじゃここまで解いてきたパズルを余計難しくしちゃうなぁ･･･。

ぐれん……
……わるいひと、
つかまえる……んだよね？

……ロッテも、おてつだい―――できる、かな。

[おずおずそう謂って]

現在シャーロット様が４票、カミーラ様、ナサニエル様が３票ですわね。
残りはリックさんです。

…ねえ、ねえマルガリーテ。票が集まるのは何か意味があるのかしらね？
票の入った順番は覚えておいて損はないかも知れないわね、ふふふ。

シャーロットさん、捕まえるんじゃないよ。

殺すんだ。



そうしなければ、ボク達の身が危ない。

ありがとう、シャーロット。
だけど、シャーロットは何もしなくていい。

わるいひとのことは、オレや、大人に任せておいてくれ。

[セシリアに怒鳴られてビクっとする]

べ、別にそういう意味じゃないのに……
「永遠の命」とか難しいこと考えてる人には、わからいよ。
限りある命だから、自分が良いと思ったことをして生きるだけ。死んだら、死んだ後の生活があるだけだから。

だから、せめてこの命を役立てたかったんだ。
私もいつかは疑いの的になる。その前にね。
[俯いたまま、淡々と語る]

パズル、
むつかしい　ね。
ロッテ……にがて。
リック……とくい、だった　よね。

[リックの幼い手が翳した透明なおはじきの向こう側、天使が笑っている。]

―――ころ　　……

　　ぁ……

[大きく眼を見開いて]

[ふるふると首を振り]

コーネリアス様？おじ様は血腥いですわ…。
悪いひとにはいなくなって、頂くのよ。
ねえマルガリーテ。くすくすくす！

――殺す。

やっぱり、殺すんだ。
そうなんだ。

……ぐれん、

――――でも……

――……

[殺す。其れは、当然？
殺す。其れは、異常なこと？]


好きに、すれば。


[――関わりたくない]

そんな悠長に考えているから、
エッタさんのお父さんはお亡くなりになられたのでは？

[冷たくヘンリエッタに言い放つ]

レベッカ…どうして、自分に疑いの的になるって思う？
それを恐れてるの？
…それは違う。
自分が裏切り者じゃないって、わかってるのは自分だけだろ？
だからこそ、立ち向かわなきゃこっちがやられちまうじゃねぇか。

私は、だまって突っ立てられるような女じゃねぇんでな。


メイ、人から信じられるのは難しい。疑われる事だってあるさ。けど、お前が占い師ならそれに負けちゃいけねぇぜ。

…さてと、私の気持ちは固まったぜ。

［殺す、殺さない。
殺さなければ、殺される。
けれど……］

……。

［耳にするのも厭と、顔を俯ける。］

セシリアさんとステラさんは
一番疑いの目が向いてる人間を調べたら？

調べる相手がバラバラになったなら、
次にその力を使える時にその相手を調べたら良い。

その力を使わずとも、
ボクの力さえあればどうとでもなりそうだけれど。

……。さて。

[不意に、椅子から立ち上がり、部屋の隅へと歩き出す。]

[カミーラの言葉に、悲しげに笑った]

「いつかは」だよ。
もう皆あんな小さな子供まで疑ってる。
……きっと、憎しみの連鎖は止まらない。
こうやって疑いあって、さっきまで一緒に笑ってた相手まで疑って……そういうことなんだろうね、狙いは。

ならば、疑われるのは私でいい。
この身を刃にして刺し違えればそれでいい。
―――そう、思ったんだ。馬鹿なりに考えて、ね。

……逆に皆の疑心暗鬼を強めちゃっただけなのかな。
[自嘲するように、セシリアの視線を受け流した]

[コーネリアスの言葉に唇をゆがめ]

…そう。そうかもしれません、そうかもしれませんわね？くすくす…。
でもろくに裏切り者を探そうともしていないあなたに言われてしまうのは心外でしたわ。ねえマルガリーテ…。くすくす！

『』

[ふと、躯に似合わぬ大きい懐中時計を胸元から取り出し]

リックさんには申し訳ありませんが。今日はセシリア様、ステラ様のお２人にはシャーロット様を視て頂くことで、構いませんわね？

ステラ……誰を視る？
私はシャーロットを視るつもりだよ。

……――カミーラ？

[ぞくり、と。
彼女が少年へ向けた視線の理由も、深く理解出来ず。
ただ、衝動的に、席を立った。]

ラッセルに、何を――

[かつん。
床を踏む音。
少年の元へ、急ぐ]

っく･･･っく･･･。

[喉が鳴る。
自分が鳴らそうとした訳じゃない。
でも、何かが胸の奥を締め付ける]

さようならだね。
これで、お別れなんだ。

[そう言い、ズボンの内側に括り付けてあった物を取り出す。
子供には少し大きい、銀色のナイフ。
ぽたり、一滴の雫がナイフに落ちていた]

裏切り者ならわかりやすいのがいるじゃないですか。
そこに二人。

[ヘンリエッタの言葉に視線をメイとラッセルに向ける]

そもそも、わけのわからない力を信用している
アナタ方と一緒に考えろと言われても無理があるよ。

ふふふ、ふふふふ！
ねえ見える？マルガリーテ。
みんなみんな、血に餓えた狼のような眼をしているわ！
血走った真っ赤な瞳！不気味に光るあの瞳！
お父様と同じ瞳！同じ瞳よ！！
みんなお父様と同じなのね！くすくすくす！！

[ビー玉か手の中でぶつかり合って、
ちいさな澄んだ音をたてる。
かちん。

おはじきの手作りパズルは惨状など知らないみたいに蝋燭の光を弾いていた。
13本。
ゆらり。]

そう、わたしには判ってる。
ラッセル、ステラさん、セシリアさん以外の人はみんな無実。
疑い合っちゃ、殺しあっちゃだめだよ。

わたしは、少しくらい、疑われてもいいから。
カミーラさんが言ってくれた、わたしは負けないよ。
お願いみんな考えて、考えてほしい。
そしたらきっと、みんなは本当のことに気づいてくれるって、
わたしは信じる。みんながわたしを信じてくれなくても。

ラッセルを止めなきゃ。命がけでも。絶対に。
止めるまでわたしは死ねな―――

[遺言のようなとりとめない言葉は、ふいと途切れて]

シャーロットを視る、か。
こんな少女が害を及ぼすはずがないだろうにな・・・。
シャーロット、少しの間だけ我慢してセシリアとステラに付いていてもらいな？