流れ者 ギルバート −回想・昨夜の食堂− [それぞれの疑いの言葉に、いちいち返答することはせずに。 ただナサニエルの視線を受け止め] 「本人の意思を確認」、か・・・。 俺は正直に、「嫌だ」と答えましたよ。 だが中尉殿は・・・少尉殿もか、それを掴まえて「嫌がるから怪しい」と仰る。 では何のための確認ですか。 「否と答えたら化け物だ」・・・貴方達は、そう宣言したんだ。 俺はいい。甘いのも弱いのも、俺自身が良くわかってる。なんと言われても甘受する。 だが・・・これで皆、どんなに嫌でも「否」とは言い辛くなった。 俺は。こういうやり口は、嫌いだね。 [吐き捨てると、食堂を後にした。] | |
(82)2006/09/20 08:03:35 |
見習い看護婦 ニーナ [質問に答えるとフォークを持ち…軽く冷めてしまった夕食を口にする。 ギルバートの言っていたことは分かる。自分と同じように、死にたく無かったからだ。 でも、トビーの言っていたことも分かる。誰も傷つけたくないから、自分を犠牲にする…] … [考え事をしながら食べていたためか、ほとんど味わうことなく胃の中へと消えていった。 ふと、顔を上げると見張りがこっちを見ていることに気付き…カバンから便箋とペンを取り出すと手紙を書く。 …内容は、栄養剤と睡眠薬…後、包帯を送って欲しい、と。 書き終えると、見張りに手紙を渡す。案の定、怪訝そうな顔をしていたが、強い口調で言うと無言で頷いた。宿す者かも知れない者と歩くのが恐いためだろう…] | |
(146)2006/09/20 21:12:44 |
お嬢様 ヘンリエッタ [ギルバートの問いにゆっくりと答えた] 兄はギルバートさまが見られたくないというのを聞いて、余計見たいと思ったようですわね。 わたしは見ないほうがいいのかしらと考えてましたの。 兄とわたしは別のことを考えている可能性もありますわ。 人はそれぞれの価値観と経験でしか物事を推し量れないですの。 ですから、自分が分からないこと、理解が出来ないことは聞くしかないのですわ。 それから、無罪で揃うのも「自分にとっては」意味無いという事は、見られる側の8人が思うことですわ。 そして2人がそういう風を演じますの。 ですからそれを皆が言い出すと収拾がつかなくなりますの。違いますかしら? | |
(147)2006/09/20 21:14:58 |