人狼審問

飲みすぎた。
頭痛いよ。うぇーん。

この年で、２升５合を一晩で空けるとは思わなかった。
ますますはんじょう。

ふぅ、ふぅ。

つっ、疲れたぁぁぁ〜。

[どさっとダンボール6つ分はあろうかという染料を地面に置きへたりこんだ。]

それにしても、今日は教会にディーが来ていなかったな。どうしたんだろう？
一緒にステラさんをお手伝いしようねって、約束したのになぁ。

[ラッセルは、少し寂しそうに呟いた。]

…まっ、お寝坊しているだけかもしれないからね。うん。

取り敢えず僕は自分のアトラクションを進めないとね。よいしょっと。

[甕に、ステラからもらった食紅をあけた。]

緑はどうしよう。黄色と青を混ぜて作ろうと思って宝甕が足りないや。
そこらへんで、器に出来そうなものを探してこようかな。純正緑の方がきっと綺麗に色がでるもんね。

……あとは、青と黄色の染料を探さないと。

[ネリーは小屋の中で伸びをした。]

いい朝、いい景色だね、ばあちゃん。
あたし、この村が、本当に好きだなぁ……。

昨日の晩はなんかみんな慌ててておかしかったね。
早く寝るのがこの村の掟。
楽しいとつい破りそうになっちゃうんだよね。

─酒場─
ふぅうーっ…昨日はなんだか慌しかったねぇえ。
せっかくの酒もあんまり味わえなかったよ。

さてっと…今日は何を作ろうかな。

[窓を開け新鮮な朝の空気を吸い込んだ]

…なんだろうね。この大量の梔子は…？
何々…『めでたい時に食べる栗キントーン』を作るのに使うのか。
に、してもすごいネーミングね…怪人キャラみたいな…
ふぅーん、黄色く染めるのに使うのか。

そういえば昨日ラッセルが染料を探してるって言ってたっけ。
ロボ、ラッセルのところに届けてあげてくれる？
その後はクインジーと一緒に竹に細工をして欲しいのよね。
切り込みを入れてこの機械をいれてまた閉じるの、わかる？

[竹に仕込ませるアトラクション用の小さな機械を渡した]

『…（頷き）…』

なるべくね、一箇所に集中させるのではなくて見つけにくいところにも仕掛けてね。
クインジーにも今日の作業を教えてあげてね。

『…うん…俺、頑張る…』

うん、ロボはやっぱり頼りになるわねー
いいこいいこ。

[嬉しそうにロボの頭を撫でてやるとまずはラッセルの元に向かわせた]

うわっ！！！！


なっ、なっ、何ーーー？！？！！？

[腰を抜かしてそのまま死んだ振りをしようとした。]

『……ローズ…から』

え？
ローズって、あの、酒場の美人のお姉さんだよね？
ぼっ、僕に？！？！

[ラッセルは目を白黒させながら、ロボから渡された包みを開けた。]

ふふふんふーん。

……ばあちゃん、なんでヘッドフォンしてんの？傷つくでしょあたし。

[ネリーは小屋を掃除している。視界の端で、ラッセルと酒場から出てくるローズマリーのロボが動くのが見えた。]

ロボが動いてるってーことは、ローズも起きてンだね。まあ、この時間だし、当たり前か。

……これはもしかして、梔子の実？
えっと、あ、有難う。

[ロボにお礼を言うと、じっと梔子の実を見詰めた。]

花言葉は「私は幸せです・沈黙」だったよね……。

幸せ……？
えっと。僕にくれたってことは、僕が村に戻ってきたから幸せってこと？

え？
うっそ、うっそうっそうっそーーーー？！
何、どうなってんのー？
昨日から、ステラさんといい、ローズさんといい、大人の美人がぼ、僕をからかってない？！？！

うわー、うわー。

〜今日のお試しメニュー〜

筍と舞茸の炊き込みご飯
三つ葉と卵のすまし汁
鰤大根みぞれ仕立て
香の物
柚子シャーベット



うーん…なんだか定食屋っぽいけどいっかしらね。
まずは自分で試食、試食っと。

[頭が沸騰してパニックになっているラッセルの肩から、イヌワンコが見かねてぴょこんと飛び降り、梔子の実の一つを足でぷちんと踏み潰す。]

『黄色なんだわ〜ん』

[イヌワンコの声にハッとして、ラッセルは梔子の実から黄色が取れる事を思い出した。]

あ、あははは、あははははは。

そ、そうだよね。うん、そ、そうだよね。
あー、恥ずかしいや僕。
イヌワンコ、今の内緒ね、内緒ね。

[全部インカムに筒抜けだが。]

うんうん。ゴハンがいい香り。美味しくたけてるわね〜
鰤大根は昨日の夜仕込んでおいたから充分に大根に鰤の旨みが染み込んでるのよ〜
…柚子シャーベットもサッパリと仕上がってるわ。

うん、ご馳走さまでした。

【ラッセルって面白い子ね…】

[と思ったが意味ありげな笑顔を浮かべただけでつっこまなかった]

すぐに行きますから用意しておいてください。

[ インカムに向かって大声で頼む ]

さぁ今日も張り切って働きましょう。

『でももうお昼すぎてるのよー』

ほんの少し寝坊しただけです。

『もうみんな働き始めてるのよー』

そういや腹が減ったな。

そろそろ食べに行くか

［...は竹藪の手入れをしていた手を止めて顔を上げた］

ローズさんの声が聞こえたよ！！！

[イヌワンコは、昨日の夜ラッセルのインカムの音量を絞ったまま戻すのを忘れていた事に気付いた。]

うわぁ、これって、もしかしてもしかして、これ、付けていると喋ってる事全部皆に筒抜けとか、そんな村長悪趣味万歳的な何か？

ぼ、僕恥ずかしくてローズさんの顔が見れないじゃないか！
責任とってよ！
村長！

『くふぅ〜ん。多分あんまり気にもされていないと思うんだわ〜ん』

そ、そうだよね。

[イヌワンコの慰めにがっくりと肩を落とした。]

よし！

折角森に来たんだし、梔子のお礼に何かお土産になるようなものでも探そう。

黄色い染料はこれで見つかったから、あと青い染料を見つければなんとかなりそう……かな？

［集会場に向かう途中で、ローズのロボに出会うと、作業の説明を聞く］

ふーん、、それは腹ごしらえの後だな。ああ、お前は食べなくても大丈夫なのか。後で行くから先に作業しといてくれ。

それじゃな。人間は食べなきゃ働けないのさ。

［ロボに手を振ると、集会場へと向かった］

−酒場−

おはようございますじゃなくてこんにちはローズマリーさん。

いい匂いがするわ。
今日のメニューは何かしら？

[ 席について料理が出てくるのを待っている ]

[デボラ婆の家の離れにて]

玄関開けたら、金たらいが降ってきたよ。ごわ〜ん。
目から火が出た。
さすがはママン。幾つになっても恐るべし。

ふぅ。

そういや、私は企画書を出してなかった。
スウィフトの世界をやろうかとも思っていたけど、バンドもあるし、いっそ手のかからないヤツに変えてしまおう。

[...は、さらさらと羽ペンで企画書を書き始めた]

ステラ、こんにちは。早かったわね。
今日はね、自信作なのよー♪

[嬉しそうにいうとステラの前に盆にのせた食事をだす。
いくつかの器は昨日クインジーが作ったものだ]

そういえばウェンディさんが手伝いに来てなかったわね。
どうしたのかしら？

『村長から回覧板が回ってきてるのよー』


なになに？
ウェンディさんが気絶して治療中？
まぁ大変。

『棒読みもいいところなのよー』

今日のもおいしそうだわ。
これって…竹でできてるのかしら？

[ 器をしげしげと眺める ]

料理の雰囲気に合っていてとても素敵ね。

[ 読み途中の回覧板のことは脳内から抹消 ]

『ユージーンのことも気にしてあげてほしいのよー』

そんな方いた？

[ すっかり料理に夢中になっている ]

ウェンディが…気絶ですって？
あんなに元気に走りまわってたのに？？

詳しくみせて頂戴？

[ステラから回覧板を受け取ると、読み始めた]

今日の料理は絶品ね。
どれもいままで食べた中で一番おいしいと思うわ。

『だからってご飯おかわりは食べすぎだと思うのよー修道服で隠れたおなか周りが…ふぎゃー』

［...は集会場にやってきたが、姿がないのを見て酒場へと向かった］

『回覧板の続き』

…尚、ウェンディは何者かに威かされたようだ。
アーヴァインもそのようなことを言っていた。
どうやら何者かが村おこしの邪魔をしているらしい。
困った悪戯者だ。

しかし、安心して欲しい！
村長こんなこともあろうかとちゃーんと手を打ってある。
ある者にいたずらを監視する役目を頼んであるのだ。

その者がばーっちり監視をしてくれてるはずだ！！


へー…村長もなかなかやるわねえ。
じゃあ、監視の結果いたずらをした人がわかったらしばらく隔離させてもらうのがいいのかしら。
そしたら村おこしも無事にすすむわよね。

[...は、首をコキコキと鳴らした]

う〜〜ん。準備は午後からでいいよね。
まずは昼食。うきうき。

[...は、カマーバンドとサスペンダーを身に着けた]

よーし。三毛よ、進軍だ。

[...は、三毛猫を従え、酒場へと向かった]

いやだぁ、ステラってば褒め上手なんだから〜

[嬉しそうに言い、お代わりの炊き込みゴハンを渡した]

よう、話を聞いて飯食いに来たぞ。
俺のも頼む。

［料理に混じって竹の匂いがするのに気付く］

早速使ってくれてんだな。その竹。

[...は、酒場の扉を開けた]

こんちはー。
くんくん。今日もいい匂いですなー。

ごはん?!
それは集会所に行かなきゃ……ってなに？回覧板？ばあちゃんどうしたの、そんなに心配そうな顔をして。

[回覧板を見たネリーの顔が曇る。]

ウェンディが……？
ユージーンはアーヴァインさんにいたずらした件で事情聴取を受けるんだね。

ステラがね、クインジーの作った器を褒めてくれたのよー
器に凝るのもよさそうねー

…そうだ！！今日の午後は竹で小さな籠を編んでみようかしらね。
幸い竹は売るほどあるし。

む。風の流れてくる方向が違う……。

[ネリーは窓の外を見た。]

ローズが作るんだから、酒場かやっぱり。
食べに行こうっと。

[ネリーは無造作に着ているものを脱ぐと、新しい服に着替えた。木登りをするのにスカートを穿いてしまう。]

ごっは〜ん♪ごっは〜ん♪
いや、どうもどうも。今日もご馳走ですな。

[...は、ローズマリーに感謝しつつ、早速箸をつけた]

ローズマリーさんでしたか。
貴女、タダモノじゃないですな。この味付け、すばらしい。
もぐもぐ。美味い美味い。

[三毛猫も、鰤を美味しく頂いている。にゃ〜ん]

わたくしは神に誓って本当のことしか言ってません。

[ ありがたくおかわりをもぐもぐ ]

クインジーさんこんにちは。
この器はクインジーさんが作ったのね。素敵。

ヒューバートさんもこんにちは。
みんなローズマリーさんの食事に釣られてきたのね。
これだけおいしいんだもの当然よね。

［ローズの見ていた回覧板に気付くと、横目でそれを見る］

ウェンディっつーとあの嬢ちゃんだな。
無事ならいいんだが、こんな事が初めてじゃないならほかの奴も用心した方がいいだろうな。

監視役がいるっつっても、事前に防げなきゃ意味がねぇ。

はふはふ。
確かにこの食事だけでも、ここを訪れる価値はありますな。
でも私は、貴女方のテンポの良い漫才も大好きですよ？

[...は、ステラとシュテルに笑いかけた]

[ネリーは高速で酒場まで移動し、食事に勤しんだ。]

んーおいしい！！

［...はステラとヒューバートに短く挨拶すると、料理を食べている。

かけられたステラの言葉ににやりと笑むと、短く礼を告げた］

ありがとよ。

しかし…ほんとに美味いな。

監視役？　取調べ？　いたずら？

『回覧板に書いてあったのよー』

まぁそうなの？

『ちゃんと読まないからだめなのよー』

うるさい。
気をつけなくてはいけないわね。うら若い乙女なんですもの。

『ステラが乙女…』

[ 言い終える前にシュテルは叩き潰された ]

[ ヒューバートに微笑みかける。が、目は笑っていない ]

漫才などした覚えはありませんけど。

『命がけなのよー』

変な方。

『ステラにいわれたくないと思うのよー』

［...は食べ終わると食器をカウンターに乗せた］

さてとそろそろ行くかな。
ローズ、美味かったぜ。それじゃ仕事に戻る。

［皆に手を振ると、...は酒場を*出ていった*］

[...は、潰されたシュテルに短い祈りの言葉を捧げた]

…あー。そういや村長からの回覧板があるんだって？
どれどれ？

[ シュテルを軽く握りつぶした ]

それでは戻って企画を進めないと。

ローズマリーさん本日もおいしい食事をありがとうございました。

[ 礼をして教会へ*戻っていった* ]

おやおや。
みなさん慌しいことで。

ごきげんよう。

[...は、ひらひらと手を振った]

ふむふむ。
骨の人を見ないのは、これのせいか。
いたずらっ子の可能性アリね。

後で骨の人に、何かやったか、それともやってないのか、聞きにいくか。
酒と食べ物を持っていけば、心を開いてくれるはずさ。

わ〜い。炊き込みご飯だ！ボク大好きなんだ。ローズねーちゃん、いただきま〜す。

うん。おいしいねえ。
ご飯おかわり！

あれ？回覧板？

ネリーとトビー君が来ると、あっという間におひつが空になりそうだ。

2人とも、よく食べる。いいことだね。

ユージーンさん、事情聴取に連れて行かれたんだね。ロンゲだからボーカルやってもらおうかと思ってたのに。
もう、なかなかメンバーが集まらないな。

え〜と、ユージーンさんがいたずらっ子かどうかは、聴聞官みたいな人がいるんだよね？じゃないと事情聴取とか出来ないだろうし。

あっ、ヒューおじさんこんにちは。
なかなかメンバー集まらないね。
でも、心配ないよ。夕方には新しい人が来るはずなんだ。

[昨日のインカムの通話記録を見ている]
へぇ。ラッセルにーちゃんは、ギターが弾けるのか。マーチンのギターなら、D-45とD-28がスタジオにあったはず。
アコギもいいけど、コミックバンドならエレキで火をつけてもいいよね。

さて。
それじゃ、ユージーン君に会ってこようかな。

[...は、炊き込みご飯のおにぎりを作った]

これで、きちんと話してくれるだろうさ。
それじゃ行ってくるよ。

[...は、ひらひらと手を振って*納戸に向かった*]

ウェンディー、何に驚いたんだろう？あいつ怖がりだからな。後でロデムにヨーグルトのお見舞いもって行かせよう。

いたずらっ子って、やっぱりデボラばーちゃんが一番に思い浮かぶんだけど。「子」じゃないけどさ。

あれ？ヒューおじさん聴聞官なの？
よくわかんないけど、いってらっしゃ〜い。

[ネリーは後に残った大量の食器を見て苦笑した。]

みんなよく食べるなあ……。

[笑って腕まくりをする。再び調子ハズレの音程で歌（のつもり）を歌いながら、後片付けを始めた。]

[苦悶の表情を浮かべながら、洗い場に食器を運ぶのを手伝った]

はい、ネリーおねーちゃん。
(仕事はすごいんだけどなあ…)

うっ、楽園への扉が開きそうだ…。

うわぁ、綺麗だなぁ。これ。

確か去年の夏のデッサンの画材にしたんだ。
玉簾……だったかな。名前は大道芸を髣髴させるけど、可憐な花だよね。

[ラッセルは、玉簾の花を二つ摘んだ。]

ローズさん、気に入ってくれるかなぁ。
どうしよう、心配だなぁ。
あ、そうだ！
ステラさんにも、教会に行く時に何かお土産を持っていきたいな。そうだなぁ……。

あっ！これにしようっと。

ステラさんも、気に入ってくれるといいなぁ。

よし！
早速染料を作るぞー。

出来上がったら、今日こそ教会に人魚姫の絵を描こうね、イヌワンコ。

[ラッセルはイヌワンコの頭に、玉簾の花を一輪飾った。]

『くふぅ〜ん、めるしーぼくぅー、なんだわ〜ん』

[イヌワンコは嬉しそうにもじもじした。]

[すり鉢に、梔子の実をあけてごりごりと木片ですり潰す。見る見る鉢の中が黄色い染料で満たされていく。]

うわぁ、凄いや。
これで黄色も何とかなるなあ。
有り難や〜。

[すり鉢一杯になった黄色の染料を、甕のひとつに移した。]

手伝うなら最後までいてくれてもいいのに……。
ばあちゃん、なんでそんなに悲しそうな目でトビーを見てるの……？
てか、そんなにあたしの歌はひどいのか……。

ロデムに頼もうと思ったけど、やっぱり自分で持っていこ。
[ヨーグルトと果物を抱えて治療部屋へと向った]

[帰り道、背の高い派手な女性に声をかけられる]
『あれぇ？トビーじゃないの？ひさしぶりね。元気してた？』

ええ？あー、キャロルねーちゃん！

『久しぶりに戻ってきたら、なんか面白そうなことやってるじゃない。』

そうなんだよ。あっ、夕方来るって連絡くれたのって…。

『あったりぃ。歌って踊れるエンターテイナー。どう？入れてもらえるかな？』

もちろん。大歓迎さ。でも、着ぐるみとかコスプレとかもあるよ。

『まっかせなさい。何でもするわよ。』

すごいや！これでどうにかバンドらしくなるかな。

ドラムが、ヒューおじさん。
ギターはラッセルにーちゃん。まだちゃんと頼んでないけど。
ベースとキーボードは、ロデムにやってもらう。
そして、バンドの顔は紅一点のキャロルねーちゃん。
ビジュアル的にもいけるよね。絶対売れるよ。

リハーサルしてまとまってきたら、早速ツアーに出よう。

[道ながらトビーはそんなことを考えている]

−教会−

ではパイプオルガンで海を思わせる曲を弾くことにしましょう。

『どうやってやるつもりなのよー』

それはこれから考えるのです。
いざというときは讃美歌でもいいでしょう。

『それのどこが人魚姫なのよー』

うるさい。

人魚姫のいる景色…パイプオルガンの調べ。
それにシャボンの泡。
ダンスパーティーの場面もほしいけれど…。

『ドレスは誰が用意するのよー』

やめましょう。

『決断はやすぎなのよー』

ドレスを用意するのはお金がかかりますし、自分で縫うのは無理ですし、いちいち着替えていただくのは面倒です。

王子様を介抱する場面を表現して人命救助のお助け人形を用意しましょうか。
人体模型でいいかしら？

『そんな気持ちの悪いもの誰も喜ばないのよー』

困ったわね。

『困ったのはステラの頭の中身なのよー』

[ シュテルは地面に沈んだ ]

考えても決まらないことは明日に回しましょう。

ラッセルさんはいらして絵を描いてくださってるかしら。

[ 礼拝堂に移動するとラッセルの姿があった ]

ラッセルさん頑張ってくださってるのね。
ウェンディさんの分までよろしくお願いします。

[ ラッセルが照れながらひまわりの花を差し出した ]

わたくしにこれを？
ありがとうございます。ラッセルさんはお優しいんですね。

[ 微笑みつつラッセルの手を握った ]

わたくし薔薇が好きなの。薔薇の冠とか…素敵だと思いません？

こんにちは〜。
ステラさぁ〜ん、絵を描きに来たんですけど今いいですか〜？

[やや大きめの声で、教会の奥に声をかけた。
手には、部活動で使用している画材道具を持っている。]

ばっ、薔薇の冠ですか？

[握られた手元をしげしげと眺めながら、赤くなって聞き返す。
礼拝堂の壁には、幾つもウェンディが描いていたタンノ君の間に囲まれるように、一人の可憐な人魚の絵が描かれている。

なんとなく、面影がステラに似ているような？]

薔薇の冠、かぁ〜。

僕、不器用だから上手く作れる自信がないです。でも、ステラさんにならきっと、似合うんだろうなぁ。

[恥ずかしくなって、そっとステラの手を優しく外して壁面に向かう。描きかけの人魚姫の髪に筆を入れていく。]

……ステラさんは、どうして人魚姫をテーマに選んだんですか？悲恋の話なのに……。
幾つも童話はあるけど、最後がハッピーエンドじゃない珍しいお話しですよね、これって。
好きな人を思う余り、自分の命すら投げ出して消えてしまう。初めてこのお話を読んだとき、凄く悲しくなりましたよ。

僕が王子様だったら、絶対死なせはしないのに。
こんなに、想ってくれる女性を。

あっ、えっと、別に僕、そういう女性が居る訳じゃなくって、えっと、ぼぼぼ、僕、彼女とか居ないですし、えっと、その、何ですか、えっと。

[自分が今しがた口にした言葉に改めてしどろもどろになる。]

命がけで人を愛するって、何だか凄いなぁって。
うんと、えっと。

[喋れば喋るほどドツボ。ステラはラッセルの背後で、「ラッセルさんって可愛いわ。」とくすくす笑いを零していた。]

人魚姫をテーマにした理由？

『特売の石鹸が余っていたからなのよー』


このお話悲しいのかしら？
声を失っても命を失ってもいいほど愛せる相手にめぐり合ってその相手の幸福を見届けて泡になって。
最後に神の御許に召される…とても幸せなお話だとわたくしは思うのだけど。
愛する人を殺すのも愛する人の幸せを壊すのもそちらのほうがとてもとても悲しいことだわ。


ラッセルさんもいつかそういう相手にめぐり合えます。
神様が見守ってくださってますもの。

[シュテルの言葉は脳内消去した。]

！

ステラさん、流石修道女だけありますね。
そうか、そういう考え方があるんですね。
僕、男の視点でしか見ていなかったですよ。想ってくれる女性を知らずに死なせてしまうのは、なんて苦しい事なんだろうって思っていましたけど。

……女性は、愛する人のために死ねてしまうものなんですか？凄いなぁ。

[最後の言葉に、思わず筆を止めて振り向いた。]

本当？

[ ドツボにはまっていくラッセルをかわいいと笑っていたが、笑いの衝動が収まるとラッセルの手元を覗き込む ]

ところでこの絵がラッセルさんの理想の人魚姫？

『なんだかステラに似てるのよー趣味悪いのよー』

[ シュテルは聖水に沈められた ]

人魚姫を見つけたらラッセルさんは守って差し上げるのね。素敵。
相手の方もきっと幸せになるでしょうね。

[ ラッセルの横に立ち笑みをむけた ]

わたくしの愛する方は主たる神様ですから…そのために命を投げ出すことは選びませんけど。

[ ラッセルの振り向く勢いにふき出しそうになったのをこらえた ]

ラッセルさんはかわいらしい素敵な方ですもの。
いいお相手は見つかると思います。

『無責任な断言はよくないのよー。これでだめなら神サマに責任転嫁するつもりなのよー』

[ シュテルを握りつぶして微笑んでいる ]

わわっ！

[振り向いたら、すぐ真横にステラが立っていた。程近い顔に緊張して直立不動になる。]

き、気に入ってもらえましたか？
凄く綺麗なんだと思うんですよ、人魚姫って。

[シュテルの末路は脳内消去]

何て言うか、可憐で一途で優しくて思いやりがあって。
僕、そんな人魚姫が現れたら……大切にしますよ。それこそ命がけで。うん、命がけで。

（ラッセルさんって意外と理想がバカ高いのね……）

[ 見つめられて首をかしげる ]

どうかしまして？
顔が真っ赤ですけど…教会暑いですか？
冷たい飲み物はさっきシュテルさんが水浴びした聖水しかないんですけど。

『水浴びじゃなくて沈められたのよー』

はっ！
い、いえ、なななな、なんでもっ、なんでもっ！
夏なんで、僕っ、暑がりなんですよ、暑がり。

[顔が赤いと指摘され、慌てて自分の顔を手で扇ぐ。]

えっと、人魚姫描きあがりましたし、僕っ、これでっっっ。
また、壷は明日作りに来ます！！！

[うろたえるように、真っ赤なままで*走り去った。*]

ラッセルさん協力ありがとう。

[ ラッセルが帰っていったので柄杓を片付ける ]

あんなに急いで帰るなんて自分の企画も煮詰まってるのかしら。

『ステラじゃないんだから順調に進んでると思うのよー』

…変なの。

ねぇこのお魚さんの群れの中人魚姫だけ描き直しっておかしいと思わない？

『そそそそそんなことないと思うのよー』

そうかしら…？
ラッセルさんにお願いしたら全部描き直してくれるかしら。

『鬼がいるのよー』

そうだわ。最後は泡に包まれて天への階段を上らなくてはならないわね。

鐘楼に向かう階段を整備しましょう。
お願いね、シュテル。

『鳥にできることじゃないのよー』

やってちょうだい。

『キャー、横暴なのよー』

ラッセルは頭が沸騰しておかしくなりそうだね、ばあちゃん。
悪さしないようしっかり見張ってなきゃ。

ん？そうか、夕食ね。
ばあちゃんのエネルギー触媒は集会所に置いてるんだ。ついでに何かつまむものでも作って酒飲もうっと。

あとは…壷を作ってもらえるし、飲んだら一時的に声がでなくなる魔女の薬を飲むコーナーとか。
王子様かライバルのお姫様に短剣を突き刺す体験コーナーとか。
水にもぐって上から降ってくる王子様人形を見事助けられるかゲームコーナーとか。

どうかしら？

『全部どうかと思うのよー』

シュテルさんはアイデアも出さないのに文句ばかり言うのね。

『キャー、ひねらないでほしいのよー』

グレンさんがくれた野菜、まだ残ってたんだよね。
昨日漬けておいたラタトゥイユに、ごぼうサラダ、ブロッコリのグラタンでもしようかな。
そうすると、今夜は白ワインだね。あー考えるだけで涎が……。

考えがうまく浮かばないときはみんなのところに行くに限ります。
集会所へ行きましょう。

『また逃避するのよー』

[ シュテルはお空のお星様になった ]

[...はロボと一緒に仕掛けを作っている。最後の一つを設置したところで一息ついた]

これで完成だな。
俺はこれで引き上げるがどうするんだ？

柵の手直しをする？
ま、お前さんは腹が減らないだろうからな。ローズが心配する前には帰ってやるといいさ。

[ロボに手を振ると、...は鷹を呼び戻して竹薮を出て行った]

収穫は増えたけどきっついなー
ま、昨日はかなりたくさん持ってったから、集会所にゃまだ余ってンだろ。

お前もお疲れだな。
よく頑張った。


[傍らの鳥型農耕用ロボットの頭を撫でる。]

腕がなるーよぽきぽきー。
おいしくー食べてねー。あたまかーらばりぼりー。

え？
ああこれ、あたしが作った歌。良く出来てるでしょー？

なんかヒマだ。
枝豆のカラが山になってる……。
あったらあるだけ食べちゃうから、冷製ポタージュにでもしよう。

[ネリーはまた創作した歌を歌いながら枝豆をゆで始めた。]

[ 集会所に入ると変な歌が聞こえた ]

こんばんはー

今日は人が少ないのね。
ネリーさん、台所にいらっしゃるでしょう？
わたくしにも何か食べ物をお願いしてもいいかしら？

[ モニターを見つつ食べ物を待っている。聞こえた変な歌は脳内消去済み ]

ん？ああ、ステラ、やほー。
今枝豆ポタージュ作ってるけど、今すぐ食べたいならラタトゥイユがあるよー。
米はあたしが食べちゃったから、昨日のスープをちょっとアレンジしてトマトパスタとかでいい？

人少ないねー。

過疎ーカッソー仮装大会ー。
オクラと納豆ネバネバーネバーランドー。

おいしければ何でもかまわないわ。

『自分で作らずにすむのなら何でも喜ぶのよー』

おまかせします。

[ シュテルをねじりつつ応えた ]

豚肉で色んなの巻いてみた。
すきなの食べていいよ。
にんじんとかアスパラとかえのきだけとか。

[ネリーはステラが顰め面になっている事に気づかず歌いながらさくさく料理をテーブルに並べていく。]

と、ローズは……いないな。まだ酒場の方か。
先にむこう行っとくべきだったな。

[中にいるステラに気付いて手を挙げた。台所のほうから妙な歌が聞こえてきたので、集会場を出て行くべきか迷っている]

食べてくー？クインジーさん。

クインジーさんこんばんは。
食事のあてが他にあるなら退避するのをおすすめします。

[ 真顔で忠告した ]

ネリーさんありがとう。
いただきます。

[ 神に感謝とできれば平穏に歌を聞かずにすむ食事を祈った ]

まあ、歌はともかく、料理はうまそうだな。

[...は、そのまま椅子に座ってネリーの並べる料理を眺めている]

俺の分があるなら貰うぜ。

まあまあステラ、確かに変な歌だが、変わったBGMだと思えば悪くないさ。
それに、酒場で晩飯にはありつけるだろうが、俺が行ったら仕事の邪魔になりそうだしな。

ちょ！歌はともかくとかさらっと傷つくような事言わないでよ！
ゆっとくけど、料理は美味しいかんね？

変というか脳天に響くというか…クインジーさんはまだネリーさんの歌の破壊力の真髄を知らないからそう言えるんです。

でも食事は本当においしい。
ネリーさんも歌さえなければ素敵な方なのに…もったいない。

[ネリーは使い終わった食器やボウルなどを洗っている。]

デザートはいちごみるくアイスと梨のコンポートだよ。腹八分目でやめとかないと入らなくなるよー。

何もネリーの歌がうまくないなんて言ってるわけじゃねぇさ。俺が気になってるのは歌詞のほうだからな。

ま、ネリーオリジナルじゃなくて他の歌ならまたみんなの反応が違うんじゃねえのか？

[ クインジーの言葉にステラは珍しく動揺した ]

他の歌だなんて…そんな恐ろしいことっ。

『ステラのトラウマ刺激しないでほしいのよーキャーーーちぎれるちぎれるのよーーーーー』

[ 真っ青になりつつシュテルを引き裂こうとしている ]

…ステラ、手を緩めろ。

てか何気にステラがひどいよ……。何も破壊してねえっつーの。

歌はあたしの生きがいだかんね！
さっきのは「野菜の歌」。
ちなみに「魚の歌」は

目のー上のほうまでーちゃんとほじくってー。
そうそうそこよーそこがいいのーおいしいのー。

「肉の歌」は

立派に太ったあたしを食べてー。
フォークで突き刺しー脂身を舌に乗せーそ・しゃ・く！

ステラー。
前から思ってたけど、ロボットはもっと丁寧に扱いなよ……あたしは、ばあちゃん「は」大事にしてるよ？

ネリー、タイトルはともかくその歌詞はどうなんだ。
嬢ちゃん辺りがいたら泣くぞ。


だがまあ、確かに料理はうまいな。

ネリーさんが教会で賛美歌を歌ったときに鐘楼が異様な音を立てたこと…わたくし決して忘れませんわ。

[ ようやくシュテルは解放された ]

『ステンドグラスにひびも入ったのよー』

耐久年数の問題もあるんでしょうけど。

『何しろあの教会古すぎるものねー』

わたくしシュテルさんのことを大切にしているわよ？

『ロボット虐待反対なのよー』

壊れる寸前までしか痛めつけたことはございません。
それにシュテルさんは丈夫さだけがとりえですもの。

『言ったそばからのばさないでほしいのよー平たくなるのよー』

あたしたちは、そうやって食べ物の命をいただいてンだ。そこを分からせるには擬人化がイチバンだよ！

[ネリーはワイングラスを傾けながら得意げに笑った。]

…俺のもおんなじ鳥型だが、シュテルは丈夫そうだな。

アレはさーステラ。
教会が古いのがいけないんだよ。あたしはただ気持ちよーく歌っただけじゃん。まったくもー。

普通の歌なら気持ちよく歌っても何も起きませんわ。

『ネリーはいまだに教会出入り禁止なのよねー』

被害は未然に防ぐものです。

ふい、小鳥にもエネルギー触媒。
ばあちゃんのより甘いやつね。

[ネリーはシュテルにボトルを差し出した。]

クインジーさんの鳥はシュテルさんみたいに簡単につぶれそうに見えませんけど。
シュテルさんよりもずっと役に立ちそうでうらやましいです。

『あれだけこき使ってまだ役に立てというのはひどいのよー』

そんなに働かせてないのだけど。

『キャー、が、がんばるのよー。だから羽をむしっちゃイヤなのよー』

[...はご飯を食べ終わると、席を立った]

そろそろ酒場のほうに顔を出してくる。今日の成果は伝えておきたいからな。
また後でこっちにも顔を出すさ。

ネリー、お前さんの料理はうまかったぜ。

『ネリーやさしいのよー。ステラよりネリーの鳥になりたいのよー』

[ シュテルはネリーに甘えてからエネルギーを補給している ]

ネリーさんシュテルを甘やかさないでください。

まあいいけどね。
あたしは神とかメンドいから。いや、ステラを否定するつもりはないけどさ。

クインジーさんいってらっしゃい。
顔に似合わずまじめな方ね。

ローズマリーさんがそんなに魅力的なのかしら。

『ステラよりはずぅっと魅力的なのよー』

人それぞれですもの。
それでも教会に来る方が増えてくれたほうが本当はうれしいのだけど。

『自分の負担が少し減るからなのよー』

わたくしだって面倒ですもの。

『それを言い切っちゃだめなのよー』

クインジーさんいってらっしゃい。
やっぱりローズのことが好きなんだねー。

でも、ステラの言うように、結構紳士みたいだよね。
夜這いとかするのかと思ってた。

なんかあたし「とか」って言いすぎ？
ユージーン伝染った？ううっわーありえないー。

[ネリーは納戸の方を見た。]

ユージーン、ホントにいたずらの犯人なのかな？誰か聞いてみた方がいいんじゃないの？

そうそう、夜這いとかしそうな顔よね。
かわいいけど。

ローズマリーさんも信頼しているようだしロボとも仲良くやってるし。
うまく行くのか気になりますわね。

[ ステラはモニターに何か進展が映らないかと眺めている ]

……っと。
遊園地の準備をしなきゃなんねぇんだっけか。

俺はどうすっかなー

『状況も分からないのに、どうするもこうするもないのでは。』

あーハイハイ。
お前は黙ってりゃイイ仕事するイイ奴なんだけどな。


[インカムを装着し、皆の様子を*確認している*]

そういえば…ユージーンさんもいないのね。

『だから昼間回覧板に書いてあったのよー』

読んだかしら？

『読み飛ばしてたのよー』

確かヒューバートさんがユージーンさんに話を聞きに行くとかいってたのよね。
結果はどうだったのかしら。

もしくはいたずら犯人見かけたなんて言う人がいれば簡単なんだけど。

[...は、デボラ宅の離れにいる]

ふむ。
久々に触ったが、ちゃんと動くようだね。
このプラネタリウムは、かなりの初期型で骨董品なんだけど、動かすと綺麗なんだよ。
整備には、コツがいるんだけどね。

[...は、電源を入れた。低く複数のモータ音が響く]

[部屋の天井一杯に、無数の美しい星が映し出される]

[...は、満足げにワイングラスを手に取った]

空には満天の星。左手には酒盃。しかして右手には麗しの女性の影も形もなし、と。
まあ、こればかりはしょうがないね。

[...は、ふん、と一人ごちた]

ディーは脅かされて気ぃ失っちゃったみたいだし……。誰がこんなことするんだろうね、まったく。

あー、そうだそうだ。
三毛や。お前ちょっとひとっ走り集会所にいって、聴聞の結果を報告してきてくれ。

聴聞官とか、ママンが自分でやればいいのにね。
なんで勝手に、私を代理を任命するんだか。

そもそも、代理とかアリなんだろうかね？

[酒場にやってきた。手には玉簾の花を持っている。]

ローズマリーさん、居るかなぁ。
僕学生だから、酒場とかって入るの凄い緊張するんだよね。というか、摘み出されちゃいそうじゃない？

[酒場では、クインジーとローズマリーが楽しげに話をしていた。]

あー……これってアレだよね。
大人の逢瀬っていうの？

邪魔しちゃったら馬に蹴られちゃうって奴？

[立ち往生していると、イヌワンコが肩からぴょこんと飛び降りてローズマリーに近づき、自分の頭に飾ってあった玉簾の花をローズに差し出した。]

『くふぅ〜ん、ラッセルからお礼なんだわ〜ん』

[三毛猫は、のってりとした足取りで、集会所に現れた]

にゃーん。

[壁の掲示板に、ヒューバートが託した張り紙を器用に貼り付ける]



『ユージーン君は、変態だけど、いたずらっ子じゃないよん♪』

あわわ、イヌワンコったらっ。

[慌てて物陰に隠れた。ローズは玉簾の花を見て嬉しそうにイヌワンコの頭を撫でた。]

ああ、良かった。喜んでくれたみたいだね。沢山染料を貰ったのに、ちっぽけなお礼で申し訳ないなぁ。

[イヌワンコは、得意げにラッセルの元に戻ってきた。]

有難うね、イヌワンコ。さあ、行こうか。

あの猫はヒューバートさんのところの…。

ふむふむ
ユージーンさんは変態。
そんなわかりきったことを貼られても。

『いたずらしてないっていうほうが重要なのよー』

なんだ。犯人じゃないのね。面白くない。

『そういう問題じゃないのよー』

[ラッセルは、手に持っていたもう一輪の玉簾の花をイヌワンコの頭にもう一度飾ってあげた。

歩いていると、グレンの野菜小屋の脇を通りかかった。]

あ、グレンさんの小屋がまだ明るいね。
農作業大変そうだなぁ。グレンさん、真面目な人だからね。僕が苦手なセロリが食べられるようになったのも、グレンさんの有機野菜のお陰なんだもん。

[ラッセルが目配せをすると、イヌワンコは小さく頷いてグレンの小屋に入っていった。]

『くふぅ〜ん、ラッセルから感謝の気持ちのお届けなんだわ〜ん』

[ネリーは三毛猫に気づいた。]

ユージーンは犯人じゃないんだね。
変態……？かどうかはわかんないけど。

ネリーさんユージーンさんが犯人ではなくてよかったですね。

[イヌワンコが、さっきと同じようにグレンに玉簾の花を渡すと、グレンは首をかしげながら訝しそうに受け取った。]

……そりゃそうだよな。
女性なら花は嬉しいかもしれないけど、おっさんが花を喜ぶ訳無いか。
僕って、本当に気が利かないよね。

[不思議そうなグレンの傍から、ラッセルの元に戻ってきたイヌワンコを肩に乗せ、再び歩き出す。]

……そう言えばトビー君が僕に楽器をとか言ってたなぁ。

[デボラ邸　離れにて]

『にゃーん』

おお三毛。おかえり。ご苦労さん。
ちゃんと貼ってきてくれたようだね。

おや？
なんか満足げな顔をしているが、さてはなんか、つまみ食いしてきたね？
はははこやつめ。うらやましいヤツだ。

[...は、苦笑いを浮かべつつ、作業に戻った]

[...はローズマリーと話し込んでいる。
その途中やってきた犬ロボから玉簾の花を嬉しそうに受け取るローズマリーを見て、わずかに口元が緩んだ]

こんばんは〜！
ローズねーちゃん、今日は牛肉を持ってきたよ。ステーキ用の！
って、あわわわ。

[ラッセルの後ろについ隠れた]

んん？なんで？

[ネリーはきょとんとしている。]

いたずらなんてするやつ、居ない方がいいに決まってンじゃん。テーマパークが完成しないとあたしをここから連れ出してくれるイケメンが来ない可能性がっ！あたし、嫁き遅れるのだけはゴメンだわ。

あっ、そうだ。ラッセルにーちゃん、マーチンのギターうちのスタジオにあるよ。弾きにきてよ。
できたら楽団も手伝ってくれるといいんだけど。
それにね、キャロルねーちゃんも帰ってきてるんだよ。
ねっ、ねっ、だから今度遊びにきてね。

うちでバイトすれば、画材とかも買えるよ。

だってネリーさんとユージーンさんとても仲がよろしいから。
犯人じゃないほうがうれしいんじゃないの？

ネリーさんの拳を受け止められるのはユージーンさんだけだと思うのよ。


とはいえさっさと犯人を見つけてしまわないと作成が進まないわ。

『犯人がいてもいなくても進んでないものは進まないのよー』

それじゃ、俺はそろそろ集会場のほうに戻る。

ローズも片づけが済んだら来るんだろう？
夜道は危ないから気をつけろよ。

[...はローズと別れて酒場を出た。
ラッセルとトビーがいるのに気づくと、よう、と声をかける]

はいい？！
あたしと、ユージーンが？
それは目の錯覚だと思うよ。

[ネリーは呆れてぽかんとした。]

えっっっええーっ、それ、本当？

[マーチンが弾けると聞いて、ラッセルは顔がくっつかんばかりにトビーに接近した。]

貸してくれるの？
っていうか、トビー君は何でマーチン持ってるのー？

僕で良ければぜひ弾かせてくれないかな？
新しいピック新調するよ！うわー、楽しみだなぁ。

キャロルさんって……あの、キャロルさん？

[美人の顔を思い浮かべて、にへらっと顔が緩む。]

そのほうが面白いのに。
二人とも息ぴったりなのに。


残念。

[...は、ランタンの明かりの下で、鉄道模型を分解している]

こういう作業って、私はランタンみたいな明かりの下でやりたいんだけど、変かね？
確かに、光は弱いし、チラツキもするんだけど。
雰囲気に浸るってとこを、最大限に優先したくなるんだよね。

[...は、葉巻の先端をカットし、火をつけた]

ふぅー。
至福のひと時だね。これは。

[...は、時が過ぎるのも忘れて、鉄道模型の整備を*続けている*]

D-28と45があるよ。実はおじいちゃんがマニアだったんだ。
ドブロ−とかオベーションとかもあるよ。
楽器は使わないとダメになっちゃうからさ。

スタジオだってがんばって作ったんだ。
仕事の合間に楽団の活動してくれたらいいと思うんだよ。
絶対にこれひとつ！って村興しを決める必要ってないでしょ？

二人とも何やってるんだ？　

[トビーのハイタッチを軽く受けると、ラッセルのほうを見た。さっきの犬ロボがいるのを見て、先ほどのことを思い出した]

クインジーさん、こんばんは。
その……えっと。

[先ほどの、ローズとの親密そうな空気を思い出して赤くなる。]

って、D-45とか、嘘でしょー？
僕、毎日トビー君の牧場に通うよ！あー、触れるって思うだけで感動だなぁ。

ネリーさんごちそうさまでした。
わたくしそろそろ教会に帰りますね。

おやすみなさい。

へへ〜、ボクが誘惑してたんだよ。
[クインジーに向かって舌をべーっと出した]

【なるほどね。だが確かインカムの記録だと、ステラともいい感じだったように思うんだが……】

おっと、そろそろ集会場のほうに行かないとな。まあ、行って何があるってわけでもないんだが。

うん！
僕、思いっきり誘惑されたよ！
もう、骨抜きのメロメロだね。

[トビーの様子に楽しそうに笑った。]

クインジーさんは、もう酒場はいいの？
良かったら一緒に集会所にでも行く？
夜道一人は怖いもんね。

[自分が怖いのだ。]

さて、片付けも済んだし、小屋に戻ろうっと。

ラッセルにーちゃん、きっとだよ。待ってるからね。
キャロルねーちゃんには、鼻の下を伸ばしてたっていっておくから。あれ？えーと、こういう時はなんて言えばいいの？
よく分かんないけど、これでいいよね？

じゃっ、またあしたね〜。おやすみ。

誘惑ねぇ。まあ勝手にやっててくれ。

それじゃ、俺も時間がないんでまたな。

[...は二人に別れを告げると集会場のほうへと向かった]

わ、んじゃ皆で行こうよ！

おやすみー。

え？集会所に行くの？
まって〜

[一通り作業状況を確認する]

皆頑張ってんだなー。
俺は……誰かの仕事でも手伝った方がいいのか？

野菜の家はなぁ……野菜スティックだけで作るわけにもいかねぇしなー
それじゃ感動がないもんな。

『料理くらい覚えておくべきでしたね。』

……うっせ。

……まぁ、アレか。
採用されなかったら、それはそれでいいんだ。うん。
何事もやってみねぇとわかんねぇし、骨組みくらいは、な。

ほら、ルガー。
お前も麦くらい挽けるだろ。手伝え。

『承知。』