人狼審問

―主星宮殿・対策会議室―

もう少しのんびりとしていたかったのだが、とうとう私も呼ばれたか。
少々面倒だが、この辺りの宇宙のバランスが揺らいでいるということならば、そんな事も言ってられないか……

ディア、リュミエール、ゼフェル、オスカー、ご苦労だったな。私とルヴァの力でもう少し楽をさせてやれると思う。
……とはいえ、このバランスの揺らぎ方は異常だな……
各星の人々の心も不安に満ちているようだ、私の「安らぎ」を送っておこう。
ルヴァは星の大地を安定させてくれ。

どちらが女王になるにせよ、戴冠は安定した宇宙と共にありたいものだ……
陛下も心を痛められていることであろう。
各人、精一杯力を尽くしてくれ。

フ……この私が力を尽くせなどと……
柄でもない話だ……。

まあ、たまにはそれも良いだろう。

［ …は、クラヴィスの微笑に驚いた ］

…へぇ、あんた、笑うこともできたんだな。

いっつも辛気臭ぇ顔でボーっとしてっからさー、
なんか珍しいものみて得した感じだぜ。

あんたがそういうこと言ってると、あの光の守護聖サマと
対の存在だっつーのが、なんか納得だな

まあ、私にはジュリアスのように、満面に笑みを浮かべて爽やかに押し付けがましさを放つことなどできないからな……。

ま、そーだな。

だけど、あのお堅くて真面目で融通のきかなかった
ジュリアスも、ちょっと変わってきてるみてーだ。

［ …は、飛空都市の様子を移したモニターを横目で見て笑った ］

あいつはあいつである種不器用な奴なのかも知れないがな……。
……ほう、変わってきてるのか、執務の傍らにでも見させてもらうとするか。

[クラヴィスはモニタの方をちらりと見た。]

オレはあんま意識したことねーけどよー、
ジュリアスとルヴァとあんたは、女王陛下とディアの試験…
二人が女王候補生だった頃からの付き合いだっていうし、
陛下もあんたとルヴァが来てくれて、心強いと思うぜ。

［ …は、邪気のない笑顔でそう言った。 うわさ話の類には
興味がないため、クラヴィスと陛下の昔の話は知らない ］

まあ、確かにジュリアス、ディア、ルヴァとは古くからの仲になるな。
陛下が候補生だった頃も知っている。
その頃は陛下も初々しく、花も恥らうような乙女で、今とはまた違った魅力を持つお方だった。

……もちろん今も充分魅力的だがな。