墓守 ユージーン [マストからへりまでの距離を風のように駆けるが遠い 乾いた音 ナサの撃った弾丸がヒューの前に飛び出すクインに―― 瞳を見開き叫びながら更に速く駆ける] クイン!! [崩れ落ちるクインの影からひらりとナイフが飛び ナサの胸へと吸い込まれて行くのを視界の端で捉えた ――甲板に響き渡るヒューの絶叫 倒れたクインに駆け寄り跪いて抱き起こし顔を覗く クインが動いた時に驚いて飛び立っていたオウムが するりと中空を滑り降りて同じくクインの顔を覗く] 『寝るな 寝るな クイン まだ仕事ある』 だってさぁ起きれるかい? [甲板を濡らす胸からの出血量にもう助からないのは見て取れたが それでも尋ねてへらりと哂った] | |
(5)2006/07/12 00:09:17 |
美術商 ヒューバート [問いかけてももう物言わない我が子の頬を撫で。 その体を腕一本で担ぎあげる。 どれだけ子供扱いしても、その質量だけは成人男性のそれで。 多少よろめく程のその重さが、20年、一緒に暮らした時の長さのようでもあった。] ……いっちょ前の大人になってパパに抱っこされてんじゃねぇよ、馬鹿。 図体ばっかでかくなりやがって…… [船縁へと近づけばその深淵を覗き込み。 抱き上げる腕へと力を込めると瞑目し。] ……お前の名前の意味を知ってるか? ――神様からの贈り物。 確かに、宝物だったよ、お前は。 [神様に返すときが来ちまったな、と呟くと、その体を海へと、還した。] | |
(16)2006/07/12 00:55:43 |
流れ者 ギルバート [明らかに、特定の誰かに向けられたらしい不可解な言葉。誰に伝えれば良いのか分からないため、ギルバートはナサニエルの部屋でペン・インクと紙とを拝借。下手な字でその言葉を書き記し、最後にこう付け加えた] 「ナサニエルが言っていた。 Gilbert」 誰に…言いたかったんだろ…。ごめん…なんて。 [視たことを記したその紙を、ナサニエルの部屋のドア外側に自分の短剣で留めた。メッセージはところどころインクが滲んで、扱いになれていないことが窺える。下手クソな字も特徴。そっと部屋のドアを閉め、改めてそのメッセージを眺める。が、考えていても仕方ないと*掃除に頭を切り替えた*] | |
(66)2006/07/12 05:49:37 |