学生 メイ [船首の縁に腰かけて海をじっと眺め、昨夜の出来事を反芻している。 自分の無力さが悔しかった。ヒューに相談はしたものの、アーヴについては既に手遅れとなってしまった。 せめて、もう少し注意を払って見守っておけばよかったと思った。 安物のワイングラスを傍らに置き、瓶からロゼカラーの液体をそれに注ぐ。 己の手にもグラスを持ち、同じ酒を満たして、震える言葉を搾り出す] アーヴ、僕からの餞別だ。それを寝酒にせめて安らかに……眠ってくれ。 乾杯。 [置いてあるグラスにそっと自分のグラスを当てると、そのまま海へと押し出してやる。 ポチャンという水音を聞いて、そのまま自分のグラスのワインを一息に飲み干した] | |
(176)2006/07/09 20:42:22 |