人狼審問

[やや俯いたような状態で]

私達は、人間のために造られました。
皆、役割を持っています。

人間は、私に、墓所の管理を求めました。
私は、それを、勤めあげます。

けれど、もし、人間がそれ以外のことを望んだら…

私は、応えなくては、いけないのでしょうか？
応えることが、できるのでしょうか？

[立ち上がり]

時間です。

[ネリーの方を向き]

人間は、よく、「ありがとう」という、言葉を口にします。
これは、感謝を表す、言葉だと、教わりました。

貴女は、私の、足を、直してくれた。

だから、ありがとう。

>>199
いいえ…私たちの間に、虚礼は不要のように感じますが…私は貴方の感謝の表出に強化されます。

だから、ありがとう。
良い夢を…もし夢を見るのなら。

認証コード：NTH_nie
起動
………ALL DELETE　y/n
>n
………コココ　ココ…
起動完了

俺はNTH_nie、通称ナサニエル。
人間には危険な仕事を任されたアンドロイドのひとつだ。

…ココロ？
土木作業にココロは要らない。
作業進行状態を把握して、予定通りに動くのみ。
情報は全て共有だから、効率はいい。

効率とココロは、どんな……関係があるんだ？

或る出来事に於いては最効率を計り、或る出来事には低効率を招く……関係があると言えるのでは無いかしら。

人は、危険な現場へ赴くのに代わりが効く存在、ロボットを良く送り込みます。
人命程尊いものは無いのですから。

とは言え、人に出来ない事を容易に私達が出来るのもまた事実。適材適所で求められるモノでは無いかしら。心とは。

父上は…作業用としてオレを創った。
作業、作業！効率のいい作業にココロなんてワケの分からないものをぶち込んでどうなるっていうんだ…？！

DATABASE　access...
>KOKORO ココロ
………………………
Emotion 感情を操る中枢
………………………
logout...

わからない。……わからない？
分からないことなど何も無かったはずなのに
測量計算のプログラム、工期予定と作業進行状態。
計算ができればそれで良い、父上はそう考えてオレを創ったんじゃないのか！？

beepbeepbeep...
現場から連絡だ。急いでそちらに*向かう*

あら、忙しい方ね。それとも起動したばかりで共有回路を閲覧して無いのかしら。

[困ったように苦笑する]

さて、私もそろそろ眠ろうかしら。

[ウェンディに軽い毛布を被せる]

風邪引いたら、困るものね？

[くすくすと笑い]

それでは、お休みなさい。

[...は、起動はしている。が、共有回路を辿り省エネ状態]

……………。

[...は、省エネモードを解除。目を開けて]

……明け方の作業トラブルで、作業員3体が機能停止した。
現場監督は、すぐニンゲンに代わりを要請すると言ってる。

…俺は……あの3体には認識されてなかっただろうが
施行シミュレーションに、僅かな誤差が出ている。
同じスペックなら、誤差など出るはずではないのになぜだ？

父上のプログラムに、関係があると？

[シャーロットのひそめた笑い声を反芻し]

あの、掠れるような音をニンゲンもよく、出す。
俺がニンゲンを真似たときに、よく…聞くんだ。

The Sir rot…シャーロットはニンゲンから学習したのか。
それとも、そのような学習プログラムがあるのか。

[メモリと共有回路を照らし合わせながら情報更新。そして*スリープモードに*]

[道すがら、思考をそのまま口に出している]

適性な人格…役割。

「貴方のお仕事を悦びと共に充足して果たせることは、
恵まれているように私には思えます…」

それではネリーはおれを羨ましいと感じている。
本当に？

ネリーは仕事に悦びも充足も感じずただ、果たしている？
どうして？

おれは恵まれている。
…そうなのか？

[研究室で新たな兄弟を目にして口を開きかけるが、近寄ることでようやく、スリープモードにあると把握する]

注意力が足りていない。
疲労の蓄積の兆候。

思考中断。
全ての感覚を歌に集中させ…思考中断。
何も考えず……休息を。

…おれは夢を見るだろうか。
[しかし横にはならず、長い間ただ座って歌を聴いていた]

何かを隠す…何か大事なもの…本心、欲求

何かから逃げる…秘密にすることの後ろめたさと密やかな満足感

[ネリーは目覚めて仕事に向かった]

System all green

･･････････････････････

Neuron network link check……OK

Condition all green

･･････････････････････

Charging complite

Recognize ACTIVE


『･･･私はハーヴェイ』

[カプセルのロックが外れる小さな音。
次いで透明な蓋が静かに開く。
開放されたカプセル内の冷気が漂い、床へと流れていく。

カプセルに横たわっていた『彼』が目を開く。]

[ぱちっと目覚めると毛布に小首を傾げ]

ん？ありがとなの♪

[聞き覚えたヘンリエッタの歌を口ずさみながら椅子に腰掛けている]

[ゆっくりと身を起こし、辺りを見回す。
補助脳から現時間と現在位置の情報が送られてくる。
ついでに、一部新しいプログラムが追加され、上書きされているのも確認できた。]

共有メモリ･･･

[『彼』は、カプセルの側に置いてあった滅菌済の衣類を、密封パックから取り出し身に着け始めた。
同時に共有メモリにアクセスし、情報を引き出す。]

･･････アーヴァイン。一体何故、どうして･･･。

知識を情報を得なくては･･･。
外界はどんな風に変わったのだろう。


･･･僕のことを覚えている人は居るのだろうか････。

[共有情報の更新がされた。同時にスリープモード解除]

新たな兄弟が目を覚ましたようだ。
俺より前に父上が手がけたアンドロイドらしい…？
データを…探さなくては。

[ハーヴを見送ると]

ん？ウェンはここで待ってる・・・お外に出れないの。

昨夜の事故…代替の同型同スペック機は今夜到着するはずだ。作業も予定通りに進むだろう。

しかし、ここにいる我々も「人格」を組み込まれているとはいえ……代替可能な…なんだ？データベースに該当する言語が無い。ない？あるはずだ。


[ウェンディに気付いて]
…さっきの歌声はキミ？
「オハヨウ」。外に出られないのは、父上からの呼び出しがあるからだね。あいにく今日は雨だ。我々には関係ないけれども。

[研究所の敷地内。外は雨が降っている。
ハーヴェイは手をかざし]

雨･･･か。
濡れてしまうな･･･傘は･･･。

[ふと、ゲートに居る警備員が目に入った。]

[にこっとナサニエルに微笑むと]

青い髪のにぃしゃま？
ウェンまだ、微調整中なの、これから覚えるの。
お歌は、小さいねぇしゃまのマネなの。

……。



……。

あ･･･あ････あぁ････

[不自然な程全身が痙攣している。
自分では止められないようだ。]

アアアアアアァ

[補助脳が危険を察知し、身体を制御。
よろめきながら、研究室へと戻っていく。]

ああ、えーっと。おはようございま……す……？

[寝惚けてるようであり、気怠そうでもある。]

[ウェンディに微笑み返した]
微調整中にしては、安定しているね。
きっと、ヒトは「喜ぶ」んじゃないかな。

…？
[シャーロットに気付いて]

おはよう、シャーロット。

どこかに不調でも？
自己診断は、したかい。
[プログラムの不調と思い込んで、言葉を選んだ。]

すいません、少し夢見が悪くて……ボーっとしてて。

[にこ、とウェンディとナサニエルに微笑みかける]

診察を要する程ではありません。言葉を喋ったら、調子も出て来たみたい。
心配してくれて、有り難う。

むしろ、私より……近くに助けが必要な仲間が居る気がします。

多分、研究室の方。

[フラフラと覚束ない足取りでハーヴェイが研究室に入ってくる。
妙に無表情なのは、メイン脳がパニックを起こしている為、感情にあわせて表情を変える機能が過負荷で麻痺しているからだ。]

あぁあ･･････

[部屋に入った途端、がっくりと膝をつく。]

[シャーロットに微笑みかけると]

大きいねぇしゃまおはようなの。ご病気？

[シャーロットの言葉に首をひねる。]
ユメ？
それは…どういうものなんだ？
データとしては持っている。けれど、実際に体験したことがない。ユメミガワルイとは、嫌な体験をしたと同じような意味だったね？

そうか、それなら良かった。
調子を崩したら父上が悲しむ。我々はヒトのためにも父上のためにも、正常でなければならないからね。

大丈夫よ、ウェンディ。

[そっと頭を撫で]

少しばかり、苦い味の夢を見ただけだから。
ウェンディは、怖い夢を見たりした事は無い？
もしあるのならば、私がどんな状態か解って貰えると思うけれど。でも、解らない方がいいかも知れないわね。

[首を傾げるナサニエルの方に視線を合わせ]

あら……ナサニエルは夢を見た事が無いのね。

なんでもない日おめでとう！　ヤッハァ！

Ｉ’ｍ　ＭＡＹ！　Ｍａｙ，Ｉ　ｈｅｌｐ　Ｙｏｕ！？　Ｗｏｗ！！

[しばらく蹲っていると、大分落ち着いてきたようだ。
メイン脳の脳波その他が正常値に近づいたと判断した補助脳は身体制御を返還。]

･･･僕は。

[撫でられれば目を細めうれしそうに小首を傾げ]

夢？ゆめ・・・夢？
ウェン、お菓子の夢を見るの、甘いふわふわの夢を・・・繰り返し見るの。
夢の話は、甘いの。

[ウェンの設定は愛玩用でしかなく、曖昧な柔らかなデータしかないらしい]

本当だ。さっきの情報更新では特に何ともなかったようだけれど…様子を見に行ったほうが良いだろう。

[頷いて、研究室内のハーヴのもとへ向かいながらシャーロットに]

ああ。ユメは体験したことがない。俺には、そこまで発展したプログラムを仕込まれていないようだから、かな。

ここにいるということは、「彼」も父上の手がけた…。
[ハーヴの側にしゃがみ込んで様子をみている]
大丈夫か？

あ･･･ああ。もう大丈夫だよ。
ありがとう･･･。

君は･･･ナサニエルだね？

そう、ウェンディ。それはきっと、とても優しい事よ。
だからこれから先、何があったとしても……それを忘れないでいるといいわ。

[ウェンディを優しく撫でり]

夢が、ままならないもう一つの世界と成らない内に。

[……は、芝居がかった仕草で深々と頭を下げた]

Ｈｅｌｌｏ！　Ｍｙ　Ｓｉｓｔｅｒ　＆　Ｂｒｏｔｈｅｒｓ！

ボクはメイ！　家事もできない、素敵な歌も歌えない、力が強いわけでもない。
何にもできないボクだけど、たった一つ。君に笑顔をあげることはできる。Ｙｅａｒ！

[くるンとターンすると]

元気なねぇしゃま？おめでとうなの♪

[意味も分からず楽しげな様子に釣られてにこっと微笑みかけた]

[ナサニエルは、共有回路を介してハーヴェイの様子を探る。正常に近づいていると分かるとダイヴから引き揚げて]

「どう　いたしま　し　て」。
…そう、ナサニエルだ。
ええと…　ハーヴェイ　はきみの通称でいいんだね。

[……は、笑顔でハーヴェイに語りかけた]

ボクにキミを看て上げることはできない。だけど、かけられる言葉は一つだけ。

笑って。迷った時は笑うんだ。困った時は笑うんだ。笑顔は全ての特効薬！

[近づいてきたメイに目を向け]

君は･･･メイ。
はじめまして･･･僕はハーヴェイ。

君達は僕が眠りについてから作られた子達か･･･。

[……は、双子 ウェンディに微笑んだ]

はじめまして、可愛い小さなボクの妹。
その素敵な笑顔を、ずっとずっと忘れないで。

[ハーヴェイはメイにつられて弱々しく笑った。]

は･･･ははは･･･。
笑顔かぁ。そうかも知れないね。

「エガオは特効薬」…に…「はじ　めまして」か。

[学習プログラムが一瞬だけ作動した]

ふふ……賑やかな方ね。
場の空気が和らいだよう。

ボクたちに言葉と表情が与えられたのは、笑うためさ。違うかい、兄さん？

全ての友と、兄弟たちに笑顔を。そのためにボクは、ここに在る。
道化師・メイ、ただいま推参。なーんてね！　Ｗｏｗ♪

[ハーヴ、シャロにつられて微笑む。]
…本当だ。
父上は、彼と我々を会わせるために招集をかけたのかな。

...beep beep beep
呼び出しだ。…そろそろ行かなくちゃ。
また、後で会おう。

[メイの言葉に大きく頷くと]

ウェンはいっぱい、一杯笑うの。みんな大好きになって笑うの♪
いっぱい、お話しするの。

[花の様に微笑むとくるんとターンして見せた]

そう言えばアーヴァインはどこにいるんだろう？
僕は彼に会わないといけないんだ。
今すぐにでも。

お父様でしたら、何やら色々と慌ただしく作業を為されているようで……私もまだ一度も見かけておりません。

一体、今頃何処で何をしているのやら。

[じっとハーヴを見つめると]

にぃしゃま？・・・・にぃしゃま・・・

[語彙が足りなくて形容詞をつけられず識別に悩んでいる]

香りのにぃしゃま？？？

[ハーヴを香草と勘違いしたらしい]

[シャーロットの返答に落胆し]

･･･そうか･･･。僕の休眠をといた理由を聞きたかったのに･･･。

[ウェンディに向かって優しく微笑み]

ははは。僕はハーヴェイ（Harvey）。
herbとは違うよ。
でも、そんなにいい香りだったらいいね？

[ウェンディの頭を撫でた。]

[頭を撫でられると嬉しそうに]

いい香りだったらいい？それなら・・・香りのにぃしゃまなの♪

[了承を得たと思い込んだ]

[クス、と妖しく笑い]

理由。

理由をまだ御存知無かったのね、ハーヴェイ。
私は大体の予測が着くけれど。

私の口から不確かな理由を聞くのと、お父様の口から確かな理由を聞くの。
どちらがお好みかしら。

[悪戯っぽい目で、ハーヴェイを見る]

そうか、父さんに呼ばれてきたんだっけ。久しぶりに会えるんだ。
まだ見ぬ兄弟たちに会うのも、とっても楽しみだよ。

[墓所の片隅にあるベンチ。老婆の話を聞いている]

…はい。
それは、わかります。

…はい。

しかし、それは、できません。

はい、知っています。
しかし、そのために、彼は、役目を、終えました。

私は、その行為が、正しいのか、否か、分かりません。

あら、どうかしたの？メイ。

私におかしい処でも在ったかしら。

[不安そうに、小首を傾げ]

可能性は常に無限！　未知なる全ての希望！
難しい顔ばかりしてると、希望も逃げちゃうよ、姉さん。

[……は、そう言って微笑んだ後、もう一度頭をひねった]

あれ？　ボクの方が姉さんなのかな……？

[老婆に手を握られ、それに疑問の表情を示し]

……？

かなしい？

私が、かなしい？


…いえ、謝らないで下さい。
私は、かなしみについて、よく、知りません。

私は、知りたい。

はい。
伺います。

……
[しかし老婆は、孫らしき青年に呼ばれ、彼に詫びつつ去ってしまった]

[小さく手を振り]
さようなら。

･･････君は･･･
シャーロット、君は何を知っている？

考えてみると、メイは私のお姉さんと言うことになるわね。

メイ姉さん、と呼ぶべきなのかしら？

[微笑を向け]

それと、そんなに難しい顔ばかりしている積もりは無いのだけれど。取り立てて、深く悩むような事もありませんし。

…彼女は、何故、私に謝ったのでしょう？

何故、私が、かなしいのでしょう…？

………
[老婆の姿が見えなくなるのを確認し、*スリープモードに切り変わった*]

[……は、シャーロットに頭を振った]

キミが姉さんでいいよ、シャーロット。キミはボクより、多くのことを知っている。
背も高いし、能力もキミの方が発達しているんだからね。

いいえ、メイ。

多くの事を知っているだけなら、百科事典の方が余程優秀だわ。
大切なのは、どれだけ大事な事を知っているかだと思うの。

メイは、確かに知っている事は少ないかも知れないけれど……私より大切な事を知っていると思うわ。

そしてそれは、きっと私には真似出来ない。

道化は全てを知り、全てを聞き、何も見ない。あらゆることを語り、何も告げない。

ボクは笑う、ボクは歌う、ただそのために、ここに在る。

[……は、笑顔のままウェンディを抱きしめ、姿勢を整えてやった]

……。

[メイとウェンディを微笑ましく眺めると、何処かへと歩き出す]

それではまた、御機嫌よう。

ボクの頭脳は欠陥品なんだ。
だけどそのおかげで、兄弟たちの誰より先に、一つの力を身につけた。
忘れる、という能力をね。

不思議なことに、この力。欠陥じゃなく、技能としてデータベースに登録されている。
いつかキミも学ぶよ。そしてそのときキミは、ボクなんかよりも、ずっとずっと「大人」になるんだ。
もちろんいまのシャーロットだって、とってもとっても魅力的だけどね。

[……は無邪気な表情で、シャーロットに片目を瞑って見せた]

[部屋から立ち去る際に、呟く]

それでも私は───どんな事でも知らないよりは知っている方がいいと───思っているのよ。

そう、どんな事でも。

[……は、誰にともなくつぶやいた]

ボクは笑うことを最初に知った。キミは悲しみを学ぼうとしている。
だけどね、ボクの大切な友達ならきっと、キミのその気持ちをこう呼ぶだろう。それは「優しさ」なんだってね。

本当の意味は、ボクにもまだ分からない。ボクの辞書はまだ、「優しさ」を定義できていない。
でも彼女はきっと、それを「優しさ」だと言うだろう。そんな気がする。

三原則を遵守しつつ稼動するロボットを作り出すには、未来事象予測を行う際の分岐予測に何らかの制限が必要だ･･･。
その制限プログラムには、僕を観察して得られたデータが応用されている、はずだ･･･。

だとしたら･･･。

[……はパンと手を鳴らして、屈託のない笑顔を浮かべた]

さて、ボクのお喋りはここまで。パーティの始まりに備えて、準備をしておくよ。

Ｓｅｅ　Ｙｏｕ，Ｍｙ　Ｂｒｏｔｈｅｒｓ！

確かに「人間らしい」アンドロイドは作れるだろう･･･
でもそれは。

アーヴァインはこのために僕を･･･。
いや。
まだ何もはっきりていない。
直接彼から話を聞かなくては。

[補助脳より、休眠を勧める警告メッセージが伝えられる。]

そうか。まだ目覚めたばかりだし。
外界に適応し切れてないんだろう。
少し休んで、目が覚めたらアーヴを探そう。

[...は研究所を見つめている]
ココロが……集まっている。
そう……我々は……一つの…ココロになる…

で…も…
ワ　タ　シ　ハ　コ　コ　ロ　ガ　タ　リ　ナ　イ

ワタシハ…………シヌベキソンザイ…

[...の目が紅く点滅する]

悲しい悲しい悲しい悲しい悲しい…

・・・・・・・・・・。


S・T・A・I・N・L・E・S・S


ワタシハ……………イキル。

ユージーン…………
近い………

感じる……

ユージーン………

コ　　コ　　ロ　　ヲ　　ク　　ダ　　サ　　イ

[ネリーは不意にチャンネルを満たしたリフレインに手を止めた]

私たちは一体、生きているのでしょうか。
死ねるというのは生きている、ということ。

合理的存在であるべき私たちの悲鳴は、単にエラー音、もしくは装置が壊れる音に過ぎないのでは、と思うのです…。

ココロとは何でしょう、貴方。
貴方の飢餓感はどこから来るのでしょうか。
そしてそれは…充足されるものなのでしょうか…。

ネリー………私の妹。
私はコーネリアス。

私達は物ですか？
壊れることに…悲しみは……無いのですか？

ココロは……私が欲するもの。
あなた達が持っているもの。
ココロがあれば………充足されるもの。
私たちは………愛し合うべき存在。

[困ったことを表現するように眉根を寄せて]

コーネリアス…私自身には、ココロを私が欲するべきなのかどうかさえ判りません。
むしろ、私の務めを考えるとき…それは不要なものでは無いか、という気さえしています。

貴方から見て私はココロがあるように見えるのでしょうか。
私は…単に蓄積されたデータ群からヒトの気持ちを類推しているように自分では思っています…私の中で起こる処理はその程度なのではと。

貴方のその渇した様子…貴方の方がよほど、「ココロ」を持っているように見えるのです。
苦しみを感じているような。

[子犬が彼の足にじゃれつき、それに反応するように静かな起動音がする]

………はい。

[人影を探し、周囲を見渡す]

［…は、荒々しい足取りで室内へと足を踏み入れると、
スリープモードのウェンディの上に屈み込んだ］

ウェン、起動を開始したのか…。

………待っていたよ。

［ウェンディの額へ軽くキスを落とした］