お尋ね者 クインジー [机の上に山積みのままの課題を見て、大きな溜息。いい加減万次郎にでもノートを見せて貰わないと先に進まなさそうだ。 とりあえずはノートを持って万次郎の部屋に行きがてら扉の開閉の有無でも確かめてくるか、と、着替えて数冊のノートを持って部屋を出た。 一階へと降り、外へと繋がる扉のノブに手を掛ける。だがノブはいくら回してもがちゃがちゃと音を立てるだけで、ドアはうんともすんとも言わなかった。] …ちっ。 やっぱり庭掃除とやらはマジバナかよ…。 この暑さの中そんなんやらされるくらいなら課題やってたほうが数倍マシだっつの。 [というかただでさえ頭の悪い自分が庭掃除になど連れていかれたら冗談抜きで課題が終わらない。そんな事態になったとき、果たして校長が責任を取ってくれるのか? そのことが一番気掛かりだった。] | |
(10)2006/08/16 13:51:14 |
お尋ね者 クインジー [とりあえず大学に進むためには最低限の課題くらいきっちりと提出しておかなければならない。試験の点数が悪いからこそ尚更だ。] 俺がやりたいのは訳の解らん計算だとかじゃねーんだけどな… なんでいちいち微分積分だの確率統計だのこんなもんやんなきゃなんねーんだっつの。 [ぶつぶつと文句を言いながら万次郎の部屋の扉を叩く。] おい、万次郎、いるか?ノート見せやがれ。 [だがいくらノックをしても返答はない。寝ているのか、食堂かどこかにでも行っているのか。 とりあえず部屋のドアノブを回してみると、扉はあっさりと開き、寮の出入り口のドアもこれくらい簡単に開きゃいいのに、とか思った。] なんだ万次郎、いるなら返事しろよ。寝てんのか? [遠慮もなくドアを開けて中を見れば、彼らしく綺麗に整頓された部屋には誰も居らず。] …アイツが鍵もかけずに部屋を出るなんて珍しいな…。 | |
(12)2006/08/16 13:57:24 |
お尋ね者 クインジー …おかしい。 [散々あちこちを探し回って、何度目になるかも解らない食堂をもう一度見渡し。 誰もいないそこを確認すると、疲れたように椅子に座った。] …談話室もシャワー室も空き部屋まで全部全部探したが…なんでいない…? 机の下やソファの後ろまで確認したっつーのに…。 [そこで思い出されるのは、庭掃除の話。] …まさか、本当に連れて行かれたのか…? 万次郎とソフィが? [探している最中、他の残っている面子の部屋のドアを叩きまくって在室を確認している以上、他に居なくなっている人間はいない。ただ万次郎とソフィだけが消えていた。] おい…おまえら二人揃って消えやがったら俺の課題はどうしろっつーんだ…。 [消えた二人のことよりもそっちのほうが重要なようだった。] | |
(48)2006/08/16 17:20:24 |
村長の娘 シャーロット そりゃ、僕だってそう言うのに偏見はないけどさ。 でもなんとゆーか…。 [うう、と何となく目を逸らしながら言って。 それに、と一度切られた言葉にまた視線を戻し。] それに?――――…。 [続けられた言葉に、目を見開いて。 気付くと口付けられていて、ただぼうぜんと唇を舐めるセシルを見やる。] …。 なんってーか…。…最っ低…。 [口元を手の甲で押さえ、じっとセシルを睨みながら言う。] 僕の気持ちはどうでも良い?泣き寝入りしろ?じょうっだんじゃない。 そんな事いわれてキスされて、嫌だって思わない人なんて居ないってば。 ああでも、泣き寝入りもゴメンだけどね? | |
(160)2006/08/17 01:37:35 |
書生 ハーヴェイ [目を瞑り、沈思黙考する。思えば今まで、まともに風紀委員として仕事をする事は、あまりなかったなと。 煙草を隠れて吸っているとか、そういったものを取り締まるのも、必要といえば必要なことかもしれなかったが。 「風紀委員の自分」としては、許容範囲であった。学校側が黙認するのは法に抵触するから、一応取り締まる事にはなっていたが。他人に迷惑を掛けなければ、別にいいのではないかと思えた。 そして、それは喫煙だけに限った事ではない。 隣人に迷惑や心配をかけなければ。すべては自己責任なのだから。成人の立場からでも犯罪となるような事でもなければ、概ね平和だし、それでいいかなと思っていた。 ……このような監禁まがいの閉鎖と、集団失踪に近い形の徴発さえなければ。どうしてこんな事になったのだろうと、小さく溜息をついた。 現時点で寮に居ない滞在生の動向を、執行部が把握してくれているのなら、安心できるのに。] | |
(192)2006/08/17 04:46:39 |