自警団長 アーヴァイン
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。 とにかく十分に注意してくれ。 |
文学少女 セシリア ふむ―――――そうか、ご丁寧な事だね。 ボクがその話を聞いたときには、俄かに信じられないと思ったけれど…。 …本当のようだ。でなければこんな事はしないね。 [寮の扉を押してみるが、びくともしない。 幾つもの南京錠がご丁寧に外側から掛けられているのだろうか。 押せど引けどびくともしない…脱出はどう考えても不可能。 ましてや普段、寮の警備は学校――寮とも言えるのか怪しい程の厳重警備だ。 要塞一つでも立つんじゃないかとすら思える。] 寮内には購買部に日用雑貨品から若しくはお菓子その他諸々のものは手に入るとして…。 ふむ、別に出られなくても食堂だってやっているし、普通の生活水準は満たせる。 …此処から出れないという事を覗けばね。 [くっ、と口の両端を持ち上げ笑う。 にやにやと笑みは絶えず、これから起こりうる事を期待してその場から踵を返した。] 面白くなってきたね―――校長も面白い事を考える。 理解は出来ないけれど。 | |
(1)2006/08/14 16:53:51 |
文学少女 セシリア ボクがこうして問いかけとして君に投げかけてみたんだ。 考えるも何も、殆んど答えを行ったようなモノだよ。 問題は答えるよりも出題として出す方が労力が掛かる。 テストの問題は作る方が大変だという事だね。 [一笑すると、君らしいねと付け加えて。 "噂"に食いついた様子を見ると、態度は変えずに面白おかしく答える。] "噂"は"噂"だよ。 真実味は何処まであるのかはボクにも解らない。 これ以上尾ひれや背びれをつけて、ややこしくなってしまうと解らないけどね。 それはそれで面白くはあるのだけど。 …なんでも今、ボクらの悠々自適の生活が脅かされる事、らしいけどね―― 本当に只の偶然であれば良いし、ボクの憂慮している事が杞憂であればそれでいい。 管理人が今此処に慌てて鍵を開けに来れば、ちょっとした笑えない話になるだけ。 まあ、そうでなかった時の為にボクはこうして、 色々聞き込みしているわけだよ、ふふっ――― | |
(8)2006/08/14 18:19:39 |
お尋ね者 クインジー そりゃ可笑しいか可笑しくないかって言われりゃ可笑しいけどよ。 俺にはそれ以上はわかんねぇよ。 [考えんのめんどくせーし、とぼそりと呟いて、ぽりぽりと頭を掻き。噂の話ははぐらかされていると感じたのか、少しばかり不機嫌そうに眉根を寄せた。] …俺らの生活が脅かされてる? おまえの話はさっぱりわかんねぇよ。 まあ俺は明日になりゃいつも通り開いてると思うけどな? 今日はたまたま開け忘れただけ。 そしてそれを誰も管理人に言わなかったから気付かれないままだった。 皆、この暑さじゃ外に出る用さえなけりゃわざわざ出掛けたいとも思わねぇだろうしな。 …こんなとこじゃねぇの? | |
(9)2006/08/14 18:32:39 |
文学少女 セシリア [セシルの舌が滑り出す。] とは言うけど先に言って置くよ。 早い話が吸血鬼、ヴァンパイア等の類さ―― "人狼"というオカルト話をご存知かな?。 早い話が、狼が人を食べるという事さ。 幾つかその話もある。気になったのなら図書館で調べてみるといい。 注目すべきはその人肉食、カニバリズムの嗜好さ。 ボクが推測するに、きっと人狼というものは本当に実在していたと思うんだ。 そうだね―――人間が社会を形成して以来、人肉食は重大な禁忌だ。 身体に染み付いてると言ってもいい。 おそらく体が拒否するのだろうね。ボクは試した事が無いので解らないけど。 そんな禁忌を軽々と乗り越える。その一点に置いてボクは彼を尊敬しているんだ。 人肉食の最多の理由は、『餓え』だ。 …原始時代では、人間は重要なタンパク源だったと聞くしね。 | |
(80)2006/08/14 23:13:15 |
文学少女 セシリア あるじゃないかい? 現代でも時折、餓えが原因となって人肉食は発生している。 そういうニュースは聞いたことはあるだろう? 南米のある部族では、数十年ほど前までは、敵対した部族の肉を食っていたそうだよ。 別に憎しみがあった訳じゃない。敵側の強者を賛美し、畏敬の念を抱いたからこその行為さ。 そこには、強者に同化したい、新たなる力を得たい――そんな呪術的な願いがあったらしいよ。 いずれにしても人間が禁忌を乗り越えるには、強い感情が必要なんだ。 純粋で、一方的な、己の欲望を満たす為だけに燃え上がる、熱狂的な感情―― ああ、実にロマンチックでボク好みだ。 つまり…色んなおとぎ話は存在しているけど、実際に怪物が居たわけじゃない。 それらは全て人間であって、色々脚色がなされているとボクは見なしてる。 オカルトだろうが七不思議だろうが、きっと作為的なものだってね――― | |
(85)2006/08/14 23:20:27 |
文学少女 セシリア さっきも言ったけど、管理人のおじさんが帰郷していること。 そしてその鍵の管理は生徒の手に渡っているとかなんとかだったかな。 まことしなやかに流れている噂といえば、 アーヴァイン校長が邸宅の掃除に困ってるとかなんとかの話。 生徒会の誰かがそう言うことを漏らしていた事もあったね。 まあ、よくよく考えてみれば噂というより日常会話の一つ一つに散りばめられた、 世間話という事だよ。 噂って言う物は恐い物でね。 それが例え隠していた事だとしても、人は皆知りたがるのさ。 知的好奇心は誰しも存在している事だしね。 情報の漏洩というものは、もっと気をつけるべきだとボクは思うよ。 [双眸を伏せると、ふうと溜息を一つ。 すっかり温くなった水を喉を鳴らしながら飲み干すと、 マンジローが冷水を注いでくれたのに痛く感謝した。 ご満悦だ。] ああ――有難う御座います。マンジロー先輩。 | |
(128)2006/08/15 00:25:04 |
文学少女 セシリア 水くらいで喚いちゃいけないさ。 あとはそう簡単に飲まれるような君もいささか問題があるのかもしれないよ。ふふ――― [そうあっけらかんと伝えると、タン、 と小気味いい音を立ててテーブルにコップを置いた。] …そう言えばこの時期だと生徒会の編成時期だな。 大方、候補の人間が任命されているかもしれないしね。 まあ…そんな事はどうでも良いか。 とりあえず時計を早速確かめに行ってみよう。 暗闇の中で互いのえりあしを確かめ合うのも良いし。 [そう言うとすっくと立ち上がり、 カツカツと音を立てて食堂の出入り口まで移動すると、 シャルロに向かって手招きした。ひらひら。] そうだね、ついでに男の子の幽霊もいるかいないか検証するのも良いね。 居る事は証明出来ても、居ない事は証明出来ない…。 "悪魔の証明"だとしてもね。 ラスが納得してくれるかどうかは別問題ではあるけど。 | |
(144)2006/08/15 01:10:38 |
書生 ハーヴェイ [一通り寮内を見回って、自室の前に戻ると、額の汗を拭う。] ……あつい。 [見回っている間は気にならなかったが、汗がシャツを濡らしていた。それを気にしながらも、考える。 寮外に出られない(中庭は、普通に出られるのに、だ。)それ以外は、今のところは特に異常は無かったように感じられた。 食堂での噂話を思い出し、考える。――どうして、寮外に出られないんだろうと。 興味があったのは、セシルの話していた校長の邸宅の話。困ってるとしたら、あの校長はどうやって解決するんだろう。 ……思案しながらも、肌に張り付くシャツの感触に、思考を中断させた。 少し考えて自室に戻ると、着替えを用意し、浴場へと向かっていった。] | |
(195)2006/08/15 06:24:23 |