墓守 ユージーン [刃風が舞う] [黒いドロドロとしたタールのようなものが、十文字に切られた甲冑の間から蠢くように流れ出してくる。] 汚らしいったら、ないねぇ。 あぁ、やだやだ。 [一度意識を緩めて] [片方の刃は、刃毀れが酷くなる。] [地面に降りている甲冑へ向けて、疾走。] [巨大なモーニングスターが振り下ろされ、その黒い鎖に一度足をつけて、胸元へ。下から上へ、刃広の包丁で斬りあげる。甲冑まで来た時に、パキリという哀しげな悲鳴の音。] [射られる矢の音に、] [割れた甲冑の胴を蹴り、屋台の屋根に跳躍。] [腰から力が伝わるように、折れた包丁を相手の足へと投げる。] [狙いは違わずに、甲冑の関節部を貫いた。] [屋根より零れ落ちてくる。] | |
(21)2006/06/19 00:35:23 |
墓守 ユージーン [甲冑を断ち割り、路に黒いタールを撒き散らしながら] [何時の間にか] [寂れた気配を漂わせる病院へと辿り着いていた。] 【もう一振り】 こんな所にあるたぁ、思えないっけ、ど。 [崩れかけた扉を潜り、薄暗い中に入る。] [入り頭現れた気配を一刀両断すると、歩を進めた。] [へらへらと笑って。] [粗方中を探したものの、ロクはものは見当たらず。] [病室で] [白い繭のように、白い糸で吊るされた屍ばかりが在るだけで。] [一度戯れに、屍を斬った所で面白くもなし。] [色褪せたぺらい鉄板。両開きの扉。] [手術台][真っ赤にこそげた][錆が浮く][丸い円盤] [恐らくは光を照射するものであったろうもの。] | |
(52)2006/06/19 01:46:29 |
墓守 ユージーン [棚を引き出してみれば、けれども、まだ使える器具があって] [何かの足しになるだろうかと、それらを服に仕舞い込む] ─西部、朽ちた病院、手術室─ [くるっと回し、仕舞い] [くるっと回し、仕舞う] [それを続け・・] あぁ・・・疲れたな。何処かで寝るか。 [上陸してから、まともに寝ておらず。食べてもおらず。] [血と毒に塗れた体。暗い病院で、まともに出る水道を探し、体を洗う。温んだ空気に冷たい水は心地よく感じられた。] [次いで、荷袋の外側を洗い始める。防水加工がしてあるようだ。それが終わると、中から白シャツを取り出し、羽織った。] [屋上へ向かう。] [手頃な場所に洗い物をかけ、荷袋から程よく潰れた食料を、必要最小限取り出すと口に運ぶ。] | |
(57)2006/06/19 02:06:16 |
お嬢様 ヘンリエッタ [両手足の爪を剥がれ両耳を削がれ 其れの獲物は既に半壊していて 美しく紅い血でデコレートされている。 つぅと口の端から零れた液体が顎を伝い地面へ落ちる。] 美味しそうね、美味しそうだわ、美味しそうよ。 でも其のご馳走は毒入りなのね。 私は今とてもとても空腹なの、お前は美味しいかしら? [見た目だけのご馳走から男へ 絡みつくような視線を這わせ小首を傾げる。 投げられたコントロールの甘いナイフをひらりと避け 男の懐へ飛び込む。] 駄目よ、駄目、駄目。 …もっと丁寧に愛し合わなければ… [甘く優しく囁き仕込み刀を引き抜き一閃。 片耳を切り落とし飛び散る血に長い睫毛を震わせる。] | |
(61)2006/06/19 16:05:29 |
酒場の看板娘 ローズマリー [最初に、異変を察知して拘束状態のマリーに襲いかかってきた日本刀の男子生徒の首と腸と刀を構えた腕が飛んだ。 日本刀が、後ろに居たカップルらしき2人の胸部を串刺しにして繋ぐ。繋がった2人を射的の的にするかのように、リボンが数本刺さり2人の体は瞬く間に穴だらけに。] 「きゃああああああ。」 [悲鳴を上げる余裕があったのは、繭から距離を置いていた笑い上戸の女生徒。その声をターゲットにするかのように、別のリボンが飛ぶ。女性とが投げるナイフをはじきながら、足首と胴と首を同時にはね飛ばす。 別のリボンがナイフと捕え、逃げ出しかけた眼鏡の男子生徒の心臓を一突き。] | |
(86)2006/06/19 21:47:29 |
墓守 ユージーン [ないよりもあった方がマシだというぐらい薄い毛布…厚めの布と言ってしまった方が早い…を丸めて荷袋に仕舞い、移動の準備をする。] [木製の朽ちかけた、落下防止用の屋上の柵に手をかけ、建築物が密集した街を見下ろす。] ─西部中央区、病院屋上─ はぁ・・・・全く取れないねぇ。 血と毒の色。黄ばんだ色になってるわ。 しかも、まぁ、分かってた事だが、ズタボロだねぇ。 [生乾きの洗い物を、パン、と広げる。] [左腕の部分は糸で辛うじて袖先が繋がっているだけ。] [背中の部分は、真ん中の辺りに切れ味のよい刃物で突き刺したような跡がある。前の部分は、微細な穴と突き刺されたような穴が幾つも。] 予備はまだあるし、捨ておくか。 [へらへらと笑って、黒いジャケットを羽織り、荷袋を、手首のスナップだけで背にやると、階段を降り始めた。] [途中のゴミ箱に、それを捨てる。] | |
(87)2006/06/19 21:47:46 |