自警団長 アーヴァイン
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。 とにかく十分に注意してくれ。 |
語り部 デボラ [海が寄せた時に砂浜に残されたかの様に残された、アーヴァインの右腕・左足が切断面が紫色に近い血が残って居て、白い砂はアーヴァインの血をたっぷりと吸って、砂浜に赤が咲いていた。左腕や右足は海に浮かび、絵の具を垂らした後の様に薄くなった赤が辺りに広がっていた。海の色と緋色がぐちゃぐちゃに混ざり合い、それを太陽が照らしつけていた。 アーヴァインの首は船着場の船に乗せてあった。本来目があるべき場所には空っぽの空洞に血がどっぷりと溜まり、濁ったゼリーと共に交じってアーヴァインの冷たい頬を濡らしていた。そして皮肉な事に、"壁"のせいでアーヴァインの首に片付けようと思ってもそれは出来ないのだ。同様に海に浮かんでいる左腕も右腕も。] | |
(2)2006/04/23 15:17:20 |
流れ者 ギルバート [子供達の姿がない。居間にも、庭にも] 一体どこへ・・・・・・ [ふと、子供たちの寝室が気になり中に入る。 そこには、布団に横たわる子供たちの姿があった。 否、最初にギルバートがそれを見たときは”石像”としか思えなかった。リック、ウェンディ、彼らの姿にそっくりな石像。こんな手の込んだいたずらをするなんて、それが第一印象だった。 だがギルバートがその石像に近づいたときに気がつく。あまりにも瑞々しいその石像。まさに髪の毛一本、睫毛一つその全てがあまりにもよく出来すぎている。こんな石像を作れる人間はいるのだろうか。そして姿が見えない子供たち。過去の思い出がフラッシュバックしてくる。 もしかしたら、これは”魔法”なのではないかと。そう、石化の”魔法”。だとしたらこの子達は一体] リッ・・・・・・ ク? おい、冗談はやめろよ。トビーやウェンディ、他のみんなまで。あんまりしつこいと怒るぞ。 [その部屋にいる子供たち十数人が全て同じ状態。不安感だけが込み上げる。ただ事では、ない] | |
(6)2006/04/23 16:06:25 |
流れ者 ギルバート [まるで時間が止まったかのような光景。ようやく事態の異常さに気がつき後ずさる] ・・・・・・ こんなことが、現実に起きるなんて。 [ふと、神話に登場するゴルゴンを思い出す。そのような生物がこの世に降り立ったならば納得できる。むしろそれくらいしか現実を納得する術は無い] 落ち着け、俺。今分かっている事は、俺はまだ石化していないという事だ。 [石化したこの子達は元に戻る事が出来るのか。神話ではそのような手段があった気がするが、もはやこれは学があるラッセルやハーヴェイ、牧師に聞いたほうが早いかもしれない。ともかく今はこの子たちを元に戻すために行動すべきだ。この石化が”死”と同意ではない事を祈りながら] | |
(8)2006/04/23 16:23:21 |
流れ者 ギルバート [あせる必要はない筈だが、階段を駆け上がる。部屋に入り、隠し部屋の扉を開ける。壁と壁の間の小さな空間だが、蓄えを入れておくには十分だった。 その中にしまってあった、銃を取り出す。 ”フリントロック式ピストル” 噂では最近だと海賊などが所持したり、決闘などに用いられる銃。フリントロック方式はいわば最新式のシステムであり、小型化に成功した上に連射性も向上し、弾の詰め替えさ手間取らなければ1分間に2〜3発発射が可能だ。とは言ってもその銃身は30cm以上はゆうにあるが。 ピストルと火薬、弾数発を取り出し、少し大きめの麻袋に入れて背負う。剣にしては短いものの、その袋のふくらみは不自然ではあるが今はこれが頼りだ。とは言っても道端で今回のこの事件の犯人にばったり出くわした場合は一歩遅くなるのは間違いないが、これを裸で持って街中を歩く勇気はない] とりあえず、牧師の所へ。 いや、レベッカも心配だ。 [悩んだが結論が出ない。とりあえず教会へと向かい今回の件を牧師に相談することにした。縦に長細く膨らんだ麻袋を背負い、孤児院を飛び出して教会へと向かう] | |
(9)2006/04/23 16:40:16 |
農夫 グレン ――早朝・自宅―― [夜が明けか明けないかの時間に目が覚めると、寝室を出て軽い食事を取ろうと準備をした。だが…] たいよう? [窓から差し込む光が、太陽にしてはおかしい。 何故、今の時間に「森の上に出ているんだ。」 酒を飲みすぎた覚えはない。普段と同じ時間の筈だ。 窓を開け放つと煌々と強く輝く「ソレ」を見た。] な……… なんだ、あれは。 [生唾をごくりと飲み込む。] [光が弾け、金属音に似た音を響かせて村全体に広がった。思わず窓から離れる。] っ!!!!! [身を固まらせ…何も起こらない? けれども、…森の下から太陽が昇ってくるのを見た時、体が震え出した。痛い程に鼓動が高鳴る。] | |
(21)2006/04/23 17:35:19 |
美術商 ヒューバート [しかし、今日の村の様子は何処か妙だ。 なんていうのだろうか……。 そう、たとえて言うのであれば"活気が無い"という言葉を極限まで強くすればこのような感じだろうか。 そんな事を頭の隅で思いながら、目的の場所へとたどり着く。 しかし、そこにたどり着いたヒューバートは顔をしかめた。指定の場所に荷物が無いのだ。] 段取りが違うじゃないか。 [ヒューバートはそう呟き、恐らく荷物を外へと出すのを忘れたであろう、その家の主人に荷物を出すように伝えるべくすぐ傍の扉へと向かった。] おーい、旦那。荷物が出てないんだが? [ノックと共に中へと呼びかける。 しかし何度やっても返事は無い。 "何かおかしい"そう思ったヒューバートは扉を開け中へと入っていった。 そこには……] | |
(41)2006/04/23 20:02:51 |
美術商 ヒューバート [椅子に座ったままの状態で固まっている、この家の主人の姿があった] ……おい……一体どうした? [目の前の事実をゆっくりと受け入れつつも声をかける。わかっている、返事は無い。 そう、完全に"止まっている" このような事、人間業では到底不可能だ。 神話などに伝承される怪物の類、そして魔術でも使わない限りは。] なるほど……。 [頭が理解していくと同時に、体のひとつひとつの細胞が叫ぶように"逃げろ"と本能が訴えてくる。 ――ああ、恐らくソレが最善の手だ。 ちょっと腕が立つ程度の人間が敵う相手ではない。 そのような次元の相手ではないだろう。 ヒューバートはこの村から逃げ出すべく家の外へと出た。] | |
(42)2006/04/23 20:10:42 |
美術商 ヒューバート [村の外へと向けて走りながら、先程の違和感の正体を理解した。 そう、"活気が無い"。 つまり活きている気配が無いのだ。 この時間、いつもなら道行く村人と何人もすれ違うのが日常である。 だがソレが一切無い。 ソレが導き出す答えは……自分以外の村人全員、もしくはソレに近い人数が"あの状態"になっているという事だった。 "何故己は無事なのか"その疑問が浮かぶも頭の外へと追いやる。 そんな物考えても意味は無い。 重要なのは"自分は無事"という事と"これから何をするか"だった。 過去の経験でその点は嫌というほど理解している "どうして"という疑問に意味は無い、悩むのなら"どうするか"という疑問にするべきだ。 数分後、己の家へと戻り、"最も大事な物"を鞄に入れ背負い、村の外へと再び走り出した。] | |
(43)2006/04/23 20:18:08 |
酒場の看板娘 ローズマリー [ それは、やけに軽いものだった。揺れたそれはそのままゆっくりと床へと倒れていく。] え…? [ ごとん。 立っていたそのままの姿で倒れたフレディはそれでも動かない。] お父さん? え? [ なにが起こったのか、ローズマリーは判らぬままに立ち尽くす。ただ、目の前で倒れた自分の父親が人形のように動かないことだけが理解できた。] あの、え、えっと… そうだ、お医者様に。 [ 医者に連れて行くためフレディを抱き起こそうとして、しかしやめる。病や怪我などの場合、動かす方が危険な場合があると聞いたことを思い出したのだ。それに… なにより、未だシチュー鍋に手を伸ばしたままの姿勢である父が全く動かないのだと、確認するのが怖かった。 結局、ローズマリーは自室からシーツを持ってきてフレディにそれをかけ、それからヴィンセントの家へと向かい家を出たのだった。] | |
(50)2006/04/23 21:21:46 |
学生 ラッセル [魔女と呼ばれた者に会って話を聞いたり、関連の書物を当たってみたりと、何とか「魔術」なり「魔法」なりを解明しようと試みた事がある。危ない橋を渡っては大学の連中にバレて、危ない目に遭ったりもしたが…。 まぁ、楽しかった事は確かだ。 色々と分かった事はあったが、最も重要な事はその多くは科学ないしは発想力で生み出す事ができる事象であった事だ。 魔女と呼ばれた者のほとんどは、魔術など使えない。 信ずる宗教が違ったり、犯罪者であったり、コミュニティ内で異端者であったり。 そういうものが、多く魔女として断罪された。 まぁ、教会にしてみれば異教徒は魔術云々ではなく断罪してしまいたいであろうが。 大体、魔術が使えるなら捕まったところで簡単に逃げられるはずではないか。 …まぁ、実際に魔術としか思えないような「それ」を用いるにも、様々な制約があるようではあったが。] | |
(71)2006/04/23 22:15:15 |
学生 ラッセル [起きて、畑の様子を見に外へ出て、異変に気付いた。 歩くうち村の端にたどり着いて…この様だ。] …村の様子を、もう少し見てこよう。 俺がこうして動けてるって事は、他の連中にも動けるやつがいてもおかしくない。 [ここまで随分な距離を歩いたが、見知ったやつも、誰もかも、時が止まったように凍り付いていた。 独り言を吐きながら、絶望していくような気がした。] …ヴィンセント医師が動けるようなら、何か分かるかもしれない。それに、そうだ。海。海から外へ出られるかもしれない。 [くっ、と顎を上げる。 虚空を睨み付けるようにしてから、落ち着いた足取りで、しかし急ぎ、船着場の方へ向かう。] | |
(84)2006/04/23 22:37:53 |
逃亡者 カミーラ − 麦畑 − ん…ここも駄目ね。 [カミーラは外部との連絡を取ろうと一旦村から出ようとしていた。 しかしどこに行こうとも"見えざる壁"に邪魔されてしまっているようだ。] どうやら、この街の周辺を囲われてしまっているようね… [カミーラはため息をついた] しかし…伝書鳩もあの状況だし… [小屋に戻り伝書鳩を使おうとしたが、その鳩はまるで彫刻のように羽根を広げた状態で動きを止めていた。] 【原因として考えられることは…まさか…魔女?】 [カミーラは頭を掻き、そして自嘲気味に笑った。] ふふっ、いつから私はご都合主義になったんだか… 【確かに本当の魔女ならできなくはないかもしれないけどね。】 [カミーラは街の方へ戻っていった。] | |
(88)2006/04/23 22:44:57 |
美術商 ヒューバート −自宅− [どうするか。その一点だけを考えていたが……答えと言えるほどの物は思いつかなかった。 大きく分ければ二つ。 見えない壁が消え去るまで息を潜め隠れている。 もしくは、この壁を作った奴を捕らえ、壁を消させる。 しかし、前者はいつ消えるとも分からない、もしかしたら永遠にこのままかもしれない。 後者にいたってはそいつが"壁の外"に居た場合手出し不可能。 どちらも不安材料が多すぎる。] ……とりあえず、俺以外にも動ける奴が居るかどうか探すしかないか。 そいつが人外の奴だったらそれまでだが……な。 [ヒューバートはそう呟くと静寂が支配する外へと出て行った。] | |
(110)2006/04/23 23:21:43 |
修道女 ステラ ご無事だったんですね、ヒューバートさん……。今、現在の村の状況について話していた所です。 カミーラさんの話によると……、アーヴァインさんの体は四肢をバラバラにされていたそうですから、殺されたと見て間違いないと思います。 船着場から村の外へ出る事は可能かどうか、私は存じません。それも確かめる必要がありそうですね……。 [ステラは、ヒューバートに軽く会釈をした後、ラッセルに言い辛そうに答えた。] 牧師様も私も村の様子を把握する事で精一杯でしたから、教会には今誰も居りません。ですが、それではラッセルさんやハーヴェイさんの仰る通り問題が発生しそうですから……、私は他の方々の様子を見てきますが、皆さんは一度教会へ行って頂くと言うのが一番の様ですね。 | |
(143)2006/04/24 00:02:07 |
牧師 ルーサー ―道― 酷い……酷すぎる…… [村の惨状を見て回るうちに、その被害の大きさがわかり、ルーサーはうめいた。 教会でよく見た優しげな老夫婦、あるいは幸せそうな家族たちが、全て石の様に固まっている。 村の外にある「壁」も確認し、外に助けを求められない状態である事も、察した。] 魔術……なのか…… [まさか、神の奇跡だとは思えない。この村が罰を与えられるほど罪深かったとも思えない。 眩暈を感じながら歩を進めると、前方で集まっている集団を見つけた。] あれは、ステラ……それにラッセル、ケネス、ハーヴェイ……皆無事だったのですね! [ルーサーは集団に駆け寄った。] | |
(152)2006/04/24 00:15:20 |
流れ者 ギルバート ・・・・・・ 殺された? アーヴァインが? [石化、という事実ならばまだ救いがある気がしていた。だが明確に死者が出ているというのは衝撃的だった] 実は、子供達も全員・・・・・・ 石に、なってしまったんだ。 [レベッカの話を総合すると、どうやらかなりの人間が石化してしまったようだ。その中でギルバートも、レベッカも石化を免れただけでも幸いといえるのかもしれない] 一度牧師の所へ行ってみたんだが、牧師も姿が見えないんだ。石化を解く方法を誰か知っていればいいんだけど。 もし良かったら、レベッカも教会に行かないか? もしかしたらもう牧師が戻っているかもしれないし。 | |
(161)2006/04/24 00:30:33 |
流れ者 ギルバート そうか、僕ら以外にも石化を逃れた人たちがいるのか。 よし、じゃあ教会へ向かおう。 [レベッカと教会へと向かい始める。だが”アーヴァインが殺害された”という事実が気になる。ということはこの村で明確に殺意を持った人間が、この現象とは別に存在しているという事になる。いや、もしかしたら関係しているのかもしれない。少なくともアーヴァインが殺害となると尋常じゃない。 少し考え事をしていたが、隣のレベッカの表情が曇っているのに気がつく。 子供達までも石化してしまった事に心を痛めているんだろう] 大丈夫さ、レベッカ。 石化という現象はまるで神話の話のようだが、同時にはしっかり石化を解く方法もある筈さ。あいつらは是対に元に戻る。 いや、俺が元に戻してみせるさ。 だから安心しろって。 [今は元気を取り戻してもらいたい、いや自分も落ちこんだままではいられない。そう言い聞かせる] | |
(175)2006/04/24 00:46:27 |
牧師 ルーサー ギルバート!良かった、あなたもご無事でしたか! さ、入ってください。 [礼拝堂に入り、席につく人々を見ながら、ルーサーは声を上げる。] 村で起きていること…… これは魔術としか言い様がありません。 少なくとも、主の御手によるものでないことは明白です。 この村は、罰を受けるほど罪深くは無かった…… これが魔術ならば、それを起こした者もまたいるはず。 そのような邪な者に屈せず、事態を解決するべき道を探しましょう! [あえて気丈に振舞うが、心の中では不安な思いが満ちてくる。 にじみ出る肩の痛みに、かすかに顔をゆがめ、ルーサーは皆の会話を*聞くことにした。*] | |
(194)2006/04/24 01:21:18 |
流れ者 ギルバート [レベッカは礼拝堂に入るとすぐに椅子に腰を下ろした。きっと疲れたんだろう。 ギルバートはレベッカの傍で立ったままルーサーの言葉を反芻していた] ・・・・・・ 魔術をかけた者が、いる。 [この村人の中に、という言葉を口から出す事にためらいを覚える。もしそうだとしたら、この村の中にいる生存者の誰かが皆を石化し、さらにアーヴァインを殺害した事になる。ならば生き残る術は・・・・・・ ] 【そいつを見つけて、どうするんだ? お願いすれば魔術を解いてもらえるわけではあるまい。だとしたら。 殺す、って事か?】 [その考えを拭い去るように頭を左右に振る。少し冷静になったほうがいいと、レベッカの横に座る] | |
(199)2006/04/24 01:28:58 |