学生 ラッセル 本当に貴女は…何処までも優しい人ですね。 私がローズを守るつもりなのに、逆に守られている…そんな気さえします。 [ウーゼルはローズの言葉に、彼女が本当に自分の全てを受け入れてくれるつもりなのだと理解し、同時に腕へ込める力も強くなる。] ケッセルシュタット家… 確か義父が懇意にしていた家名にその名があった気がしますが… ええ、確かに義父が元気だった頃、クレスメント家の屋敷にも招いたことがあるはずです。 [ラッセルは正式な養子となり数年が経過した頃を思い出す。 あれは14.5歳の時、最も教育が厳しかった頃だったろうか?父が招いた客人の中に確かにそんな名前の人がいた…] | |
(242)2005/12/17 00:14:01 |
吟遊詩人 コーネリアス ふふ……愛とは与える物なのか……。一つ勉強になったよ、兄上。 わたしにも愛という種を蒔く事はできる。それはいずれ芽を出すだろう。で、そこへ何をすれば愛は育つのだ? 愛というわけのわからぬ物を、兄上はどうやって育んだのだ? どうやって育めるのかを、兄上は知っていたのか? 甘い言葉をかけ続けるのがそうなのか? 愛なくして言葉は生じないのに。 甘えさせ続ける事がそうなのか? 愛なくしてその負荷には耐えられないというのに。 信頼し合うよう努める事がそうなのか? 愛なくして信頼の情など湧きようもないのに。 人々は、どうやって愛を育むのだ。 もし誰もが愛の育み方を知っているのなら、わたしは壊れているのだろうな。あのサンジェルマンの娘が言った通りに。 | |
(313)2005/12/17 01:06:08 |
吟遊詩人 コーネリアス その気持ちを忘れなければ、か。 急速に風化していくその気持ちをつなぎ止める術があるのなら、教えてくれ兄上よ。 わたしとて、もがいているのだ。もがくたびに女性が不幸になっていくのだ。それは、ただやり方がまずいだけなのか? ふふふ……百万言を費やしてもお互いは近づけぬよ。兄上は見つけたのだし、わたしは見つけていないのだ。兄上は言葉の力を信用しすぎだな。万能ではないよ、この人類が作り上げた聖なる道具は。 兄弟愛には感謝する。だが、いま兄上が想うべきはわたしではない。兄上の、その隣にいる相手だ。せっかく見つけたのだ、わたしのように風化させるな。 | |
(328)2005/12/17 01:19:43 |
酒場の看板娘 ローズマリー 紹介を受け、ローズマリーはディードリッヒの前に一歩進み出る。] お久しぶりでございます。……覚えておられますか?三年ほど前にフリーデル侯爵主催の舞踏会でご挨拶を交わした、ローズマリーですわ。 [ローズは艶やかな微笑を浮かべて両手を胸の前で祈るように組み、軽く膝を曲げて侯爵に挨拶した。] この度は、大変素敵な宴にご招待いただき本当に有り難うございます。素敵な殿方と、とても楽しいひとときを過ごすことが出来ましたわ。 [それは、社交界で良く見かける貴婦人の優雅な挨拶そのもので……そこまで言い終えると、ローズのエメラルドブルーの瞳はふと真剣な眼差しに変わった。] | |
(340)2005/12/17 01:32:30 |
酒場の看板娘 ローズマリー ねえ、侯爵様。迷路を抜ける、良い方法を教えてさしあげましょう。 迷路に迷った時、壁に右手を付けて進んでみては如何でしょう。 その右手は、決して離してはいけません。 もしも右手を離さず進むことが出来たなら……きっと、どんなに遠回りになったとしても、いつかは出口に辿りつく筈なのですわ。 [そこまで言葉を伝えると、再びローズマリーはふわりと艶やかな微笑を湛えた。] この度は、素敵な宴にお招きいただき、本当に有難うございました。 私は願い通り、素敵なローゼンハイム卿に出会うことが叶いました。 ごきげんよう、お健やかに……神様のお導きがありますよう…。 [もう一度、貴婦人の挨拶を送ると、ローズマリーはウーゼルの顔を見つめ、右手を差し出した。] | |
(345)2005/12/17 01:36:06 |
学生 ラッセル [ラッセルは温室の花々をゆっくりとローズと共に見て回っている] …しかし虚しい物ですね、弟一人すら俺は変える事が出来ないとは。 いや、人を変えられると思うこと自体が傲慢だったのか… ディートリッヒは一体どのようにこの家で育ちあの様になってしまったのか。 私が養子だという事は話ましたね? 義父には子供を授からなかった。 最初こそ私を本当の息子とは見てくれず必要以上に厳しくされましたが…それは仕方のないことです。 血も繋がっていない孤児院の子供を突然自分の子供として接しろというのは無理がありますからね。 それでも、義父は成長する私を見て次第に心を開いてくれました。 こんな私を…最後は本当の息子として見てくれました。 私はそれが嬉しかった。 しかし、ディートリッヒは…本当の父親に育てられたとは言え真の愛情を貰っていたのでしょうか? もしかしたら、ディートリッヒは私以上に愛情に触れずに育ってしまったのではないかと… | |
(390)2005/12/17 02:35:30 |