人狼審問

う…嘘……ラッセル君が……。
―――顔を真っ青にさせて、ガタガタと震え床に膝をつく―――

夜が……明けて……？

…カミーラ！カミーラ……！
見極めはしたよ…。見極めることに、なってたから…。
でも、言うまでもないよね…？

―――そのまま、泣き崩れた―――

……ちっ。
癪な事を。

ラッセル君には本当に済まない事をしました。
セシリア、私を恨んで構いませんよ。私が独断で決めた事です。

なんてことでしょう・・・

・・・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・

――ただ、呪文のように呟いている

……ネリー、ラッセルの声は聞こえるかい？

言うまでも無かったの・・・
まさか、食われるとは・・・・・・

ああ。

まぁ、まて今ネリーがばらしちまったら、判定がつかん。

嘘…嘘よぉ……こんなの絶対………っあるわけないじゃないッ！！
そ、そうよ…。これは夢…夢なんだわ…夢……あははは…は…っ！
―――視点の定まらない瞳から涙を零しながら、半狂乱になって大声で笑い出し―――

判定…？見た相手はカミーラさんで、ラッセルお兄ちゃんの正体とは関係ないよ…？

ケネス・・・それはどういうことなのかしら？
わたくし、意図がわかりませんの

カミーラ、……俺があんたを喰らった外道に一矢報いてやる。魂魄が無事に昇天できるようにな。

同業のよしみだ、カミーラの首は俺に介添えさせてくれねぇか。
死に顔くらいは別嬪にして弔ってやらねぇとな。

ケネスさん、見られたのはカミーラさん
処刑・・・されたのが、ラッセル君だから……
見た判定とネリーの判定は関連性が……

すまん動揺してた。。
別に今言ったところで何の支障もないな。

　クインジーさん、ネリーって言いましたか？
　いくらなんでも僕と彼女を見間違うってのはお酒の飲みすぎじゃないですか？

　セシリア、落ち着けよ、落ち着くんだ。僕は正しい。決して間違えやしない。任せてくれよ。
　……ん？　どうしたんですか皆さん、変な顔をして？

―――ネリーは自分の手を見、スカートを見、横たわるラッセルのむくろを見た―――

オードリーさん、すみません。
……綺麗にあしらってみせますよ。

―――ネリーの言葉にはっと我に帰り―――
ラッセル…君……？
――未だ涙でぼやける視線をネリーに向け呟き―――

セシリア！！しっかりしなさい
あなたが取り乱して、ラッセルが喜ぶの？
しっかりしなさい！
―――オードリーはセシリアをぎゅっと抱きしめた―――

。o0(ワシの、せいか・・・・・・

　はははは、そうか、そういうことか。
　いくら僕が正しくても、僕だけが正しくては意味がないというわけだ。
　僕は人間だ。人間だった、というべきかな？　いまや幽霊というわけさ。

　さようならだ、セシリア。皆も。
　残念だ、とは言うまい。恨んでいる、とも言わないよ。遅いか早いか、さ。

―――ネリーは糸が切れたようによろめき、ソファに沈み込むと呆然と宙を見上げた―――

――ケネスはネリーに駆け寄り叫んだ。――
ニーナ手当てだ！

ラッセルお兄ちゃんは…人狼じゃなかったんだね…

―――リックはがたがた震えている―――

僕らは…間違っちゃった…それも…取り返しがつかない…間違い…

ラッセル……く…ん

オードリー…さん…。
―――抱きしめられると、次第にがたがたと震え始め―――
ど、どうしよう…っ私……ラッセル君を…救えなかった…っ…。
―――オードリーにしがみつくように抱き付きながら、ぼろぼろと目から涙を零し―――

―――虚ろな目を泳がせると―――

…あ……。
ネリー…。ネリー！
薬が、薬があるから…。軽い気付けよ…。

―――よろよろと薬を手に取るとネリーに含ませた―――

・・・ラッセル氏、人であったか、すまないな・・・・・・。

……そうか、学生の坊主は人間だったか。

悔いても失った命は戻らねぇ。

ラッセル、人狼を退治し終わっても報われないかもしれねぇが、近いうちにそっちに送り込むんで、恨み辛みはそいつに投げかけてやってくれ、な？

クインジーの言うとおりだ。
俺達はここで立ち止まる訳にはいかん。
俺達は今朝償え切れない罪を背負った。
この罪を少しでも贖うためにも人狼の化けの皮を剥いで行こう。今最もすべきことは３人の占い師の真偽をどうやって見分けるか、あるいは・・・
まぁ、こんなところか。

……全ては私の独断です。ラッセル君…………


………少し、休ませてもらえますか……

――ヒューバートは蒼白になりふらつく足で寝室へと向かった――

もう、後戻りはできませんのね・・・

臆病者でごめんなさい……
でも、今は何も考えられないの………

――自分の部屋に駆け込み、鍵を下ろした
　　中からすすり泣きが聞こえる

これから、毎日誰を見極めるかきめ、そしてもう一人も決めていかなければならないのね・・・

―――ソファに躰を委ねてから―――

これが、毎日続くのね。終わるまで…。
…最後まで諦めてたまるもんですか…。

―――そして、頭を抱えた…―――

…ラッセル君…。
―――オードリーに慰められながらネリーを見つめ―――
…オードリーさん…もう大丈夫です…。
私、ラッセル君の分まで頑張ります…。きっと…そうするしか無いんですよね…。
―――セシリアは涙を拭いオードリーから離れると頭を下げた―――

ニーナ、わたくしはあなたを信じてるの。皆さんのように、なにがどうだから、可能性がって事でなく、あなたを信じてるの・・・。
でも、ほかの人は誰を信じていいのか、悩んでいると思うのね。夜明け前の混乱であなたの答えを聞けなかったから、もう一度訊ねるわ
あなたは、力を持つものとしてどなたに薬を飲ませると考えましたの？

お義母さま…。そうだったわ。答える間もなく夜が明けたから…。ごめんなさい。あくまであのままあたしの目線で物を見るだけだったら…、ベンジャミンさんに飲ませていたでしょうね。

更に、ラッセルかカミーラの二択であれば、もう結果ががわかっているだけに心苦しいけど…ラッセルを選んでいたと思うの…。

流石に、あのような事態になるとは思っていなかったので…大分浅慮だと思います。情けないよね…。

かわいそうに・・・まだ幼いリックには荷が重いわよね・・・

うん……まだ小さい目で、全部受け止めてるから…。
心配だわ…。

そうね、いまさら聞いてもね・・・
今わたくし達にできることは、人狼を見つけ出して仇をとること。そう、自分を納得させるしかないのでしょうね

――――ベンジャミンはメモに色々と書いている

・占い師は三人、偽者は二人
・ネリー嬢は本物で間違いない
・残り人数を考えると、後何回薬が使えるのか・・・？
・毒は一回に一人のみ
・同様に人狼は一回に一人しか襲えないようだ？
・だれが食われるかはわからない
・どうやったらワシを信じてもらうか
・狼を見つける？どうやって？
・探すしか・・・・
・一人しか占えないぞ

…私、そろそろ部屋に戻りますね…。
暫く一人になりたいので…
―――そう言い残し部屋へと帰って行った―――

わたくしも、やすませていただくわ
考えたくなくても、考えないといけない事が山積みねしっかりしなくては・・・

。o0(黒を見つけたら、信用されるのか・・・・・・？)


。o0(いやそうでもないのか・・・？)

お休みなさい、お義母さま。

―――ベンジャミンに酒瓶を見せ―――

お互い辛い立場になりましたね。
一杯、いかが？

―ニーナに気が付き

む、ありがたい・・・頂く。

―一気にあおった

ふはぁ。・・・・・・はぁ。
お互いにつらいですな。

―――薄く微笑んでグラスを傾けながら―――

…人狼は、何故カミーラを襲ったのでしょう？
ベンジャミンさんは、察する事が出来ますか？

いや、ワシは、てっきり・・・人間だと確立しているものを襲うもんだとばっかり思っていてな・・・

―ネリーの置いたチーズを拝借しつつ

占い先を食うことも、あるのじゃなあ・・・

…そうですか…。
でも、人狼から見れば、自分と仲間以外は…人間だよね…。

近いうちにわたしたちが狙われる可能性もありますしね。…辛いですね…。

―――そう呟くと、また酒を呷った―――

そ、そういえばのう・・・ワシらも食われるかもしれなんだ・・・

ああ・・・

そうですよ、あなたが人間なら、だけど。

―――首をすくめて少し笑い―――

冗談です。
ただ…、あたし達が意見を言うことはみんなの判断材料になるから、お互い頑張りましょ、って事ですわ。

こんな時、誰とも喋れないのも悲しいしね…。

…ようやく少し落ち着きました。
おや･･･異な取り合わせですな。
私にも一杯頂けますか。

―――ヒューバートに気付くと、微笑んで―――

あら、ヒューバートさん、お休みにならなかったの？
もちろんどうぞ。

―――グラスを用意して注ぎ、手渡した―――

――グラスを受け取ると少しだけ口にした――
ありがとう、ニーナ。

ベン。マダムとクインジーに感謝する事ですな。
私は昨夜、君がたとえ自分が占い師だと言っても耳を貸さずにいるつもりだったんですよ。

あいにくの天気で悪りぃが……、片が付くまで勘弁な、カミーラ。

――二枚目のチーズを食べながら
そうじゃな、いつ食われるかもわからん、ワシらだけでも喋れるだけ喋っておこうかの。

お二人には非常に感謝していますよ、それこそ、命が助かったんですからねぇ。
どうせ、ヒューバート氏は、ワシのことこれっぽっちも信じちゃおらんのでしょうがね。

―――ベンジャミンの物言いに少し苦笑して―――

んー…、この状況を少し客観的に見てみるべきだよね。3人占い師が居る現状で、間違いなく人狼が一人、教徒が一人、本物が一人。この三人を漏れなく服薬させれば一人は確実に消せる…。

でもそうなると、残り一回分の薬で、紛れて居る方の人狼を見つけなければならなくなるのね。うーん…。あまり良い首尾ではないね。見極めの結果も曖昧な物になる可能性があるし…。

―――ハムを口に放り込んだ―――

――ヒューバートは、グラスの酒を一気に呷った――
そうですな……私が人狼なら、君のような粗野で下品な人間に成り代わろうとは思いませんよ。
ただ、一つ聞きたい事はありますよ。君は私を見極め、人だと判断したのではないのですか？　ずいぶんとムラのある機械なのですな。

ニーナ、君が、人と狼とを見極める方法と言うのを聞いてみたいですな。放してくれませんか。

―――ニーナの言葉をうけ
そうじゃな、三人吊っても、狼一人しか吊れん。
だが、三人居なくなる前に、残りの一匹を炙り出せるかもしれんぞ？

――ヒューバートはベンの顔を怪訝そうに覗き込み――
吊り？　君にそういう趣味があったとは知りませんでしたな（苦笑）

名乗りを挙げた中に人狼が紛れているのは間違いないのですがね……
――ヒューバートは二人の顔を交互に見た――

フン、あのイヤミな機械が、気まぐれなだけさ。
すぐに隠れている人狼を、見つけてやるよ。
他に使える人が居るんなら、託しちまいたいがね、そうもいかんじゃろ。

。o0(高価じゃしな！)

　お邪魔してもよろしいですか？

―――テーブルの上にニーナが握っても収まりきらない位のロザリオを置いた。それは大分古いようで、鈍く輝いている―――

このロザリオ…、あたしが唯一生まれたときから持っていた物なんです。施設にいたときから、肌身離さず持っています。…お守りのような物だと思っていたのだけど、患者さんの先が…見えたりすることがありました。あたしは、気のせいだと思っていたんだけど…

―――そう言うと、ロザリオの真ん中の部分に少し力を入れ、本体部分をずらした。そこには「汝、悪しき者を見分け、正しく導く者也や」とかすれた字で削り込んであった―――

ここに籠められた日、部屋でこれに気付いたんです。ヒューバートさんの事は…、ロザリオが見せてくれた幻視で…と言った方がわかりやすいですね。…それで、視ました。

…大人の方には信じがたいお伽噺に…聞こえるかもしれませんね…。

おや、ネリー。体の具合はもう良いのですか？

―――ネリーに気付いて嬉しそうに―――
もちろん！

…ですよね？
―――と、ヒューバートとベンジャミンに尋ねた―――

―――ヒューバートの「人狼が紛れている」という発言を受けて―――

そうですね、確実に紛れてます。
うふふ、どちらが狼に見えますか？

―――そう言って戯けて見せた―――

　おかげさまで。

　カミーラさんが襲われたのは、占い先に上がったから、でしょうか。
　占う先を襲い続ければ、偽も本物も答えを間違わずに済むわけですし。
　いずれ、人狼の占い師は嘘をつくかもしれませんが、出来るだけそれをしたくないのかもしれませんね。
　判定が割れたときに、疑われやすい立場にいるとか、ね。

――改めてグラスに酒を注ぐと少しずつ呑みながら――
そうですな。それが分かる様なら、私も名乗りをあげていたのですがね。
ベンの事は信用していませんが、ニーナの様なか弱い女性に成り代わった方が疑われにくい気がいたしますよ

　ところでベンジャミンさん、「ラッセル様が間違ったほうに人を導いている」様なことを昨日言っていましたが、どう言った点でしょうか？
　あたしには、言い方は過激で浮世離れしていましたが、提案自体は真摯に受け止めるべきものだと思いましたが。

―――ヒューバートの「紛れている」という発言を受け
ヒッヒッ、うそつきは、誰かあててみるがよい。
ここには、嘘をつける占い師と嘘はつかない占い師と嘘がつけない占い師がおるようじゃしの。

　ついでに、ニーナ。奥様とケネスは、あなたを本物だと信用しているみたい。
　逆にあなたは、あの二人を、信用している？　……占わないまま、今、どう思う？

今はあまりどうこういう気にならねぇな。

……真偽については考えてみるが、それに伴って問うべき事はまた後にするぜ。

―――ネリーの方を向いて
ラッセル氏はな、どーも、匂ったんじゃよ。商人としての勘じゃの。
こんな事言うと、セシリア氏に怒鳴られそうじゃがね、巧妙に事実と嘘を混ぜてじわじわと、嘘に導きそうだと思っていたんだがね、ただの突飛な考えの人間じゃった。すまんことをしたと思う。

信じて貰えるのは嬉しい。

でもわたしは昨日の時点でケネスを見極めたいって言っていたの。正直、普通の目で見れば…みんな一直線、同じに見えてる…。視なくていい、とは思っていないわ。

　……お答えありがとう。

　そうね、クインジーさん。無神経だったかもしれないわ。
　何かまだ、彼が横にいるような気がするの。「さがせ、考えろ、そして殺せ」、そう叱咤されてる気が、ね……。

……彼？

　そ、彼。

―――ネリーは漠然とラッセルの倒れていた辺りを、ついで天を指差した―――

――ヒューバートはグラスの酒を一気に呷った――
ラッセル君は、私が独断で殺した様なものですな。
そういう意味では、私も人狼と大差ない。

――ヒューバートは空のグラスを空に掲げ追悼の念に沈んだ――

ああ…そういう事…。

―――グラスを傾けて掲げ、虚空を見つめた―――

……死は誰にでも訪れる。
それが、早いか遅いか、または人によってもたらされるかどうかの違いだけさ。

――思い出したように手に持ったグラスをまたあおり

さて、ワシはそろそろ部屋に帰らせてもらうよ。
おぬしらと、話が出来てよかった。では。

死んでいった方々のためにも、必ず人狼を見つけなければなりませんな。

私も今宵は少々飲み過ぎてしまった様です。
お先に休ませて頂きますよ。

ああ、まだ日は続くんだ。
ゆっくり休んでくれよ、ヒュー。

俺もあと少ししたら寝ることにするぜ。
気休めでも戸締まりくらいは確かめておかないとな。

　彼も言ってましたね。「早いか遅いか」だって。
　でも、それは生きてる人にとっては重大事だと思うのだけれど。
　……クインジーさんは、死ぬのが怖く、ないの？

場合によってはより多くの屍を積み重ねた奴が英雄と呼ばれることもある。
あまり気にするんじゃねぇぜ。

　ヒューバート様。
　多分、それほどの重荷を背負い込む必要はないと思います。
「早いか遅いか」の違いであることを、私も疑っておりません。おやすみなさいませ。

――ん、死ぬのは恐いさ。
だが、意味のない死と意味のある死があるとは思っているぜ。
できるなら、意味のある死を迎えたいもんだな。

…意味のある死、ね…。

……人に使われる事を選んだってことは、使い捨てされてもしょうがねぇ命だってのもあるかねぇ。
俺はついうっかり別の生き方を見つけちまったようだ。
なら、それに従うまで、それだけのことさ。

　そうですね。
　そうなればと、思います。
　そう信じることが出来れば、と思います。

　私も先に休ませていただきます。おやすみなさい。

　ニーナも、昨日あんまり寝てないでしょう？

おやすみ、ネリー。
眠れなくて、ね。
なるべく休むようにするわ。ありがと！

仲が良いのはいいこったな。
こんな風景をずっと見ていたかったぜ。

ふふ。
こういうことも忘れるくらい必死になったら、きっと、壊れちゃうよ…。

―――ニーナは軽く身震いをした―――

　過去形で語らないでくださいな。

　死ぬ一分前までこうやっていくことに決めましたので、当分見られますわよ。きっとね。

―――ゆっくりと瞳に光が戻ってくる―――

.o0(いつまで…呆けているんだ…リック…貴重な時間を…これ以上無駄にするな…もう後戻りは出来ないんだ…人狼を倒すしか…みんなが生き残る道は…ないんだ…だから考えよう…一人でも多く生き残るそのために…)

―――ソファに座って考え始める―――

.o0(エドガーさんから話は聞いてきた…まずは残された時間から整理して行こう…ここにいるのは10人…守護者の人が1度も守ることが出来なかったと仮定すると4日間で2人まで減ってしまう…1体1じゃ人狼には勝てないからこれが限界って事だ…)

.o0(自称占い師が3人出ている…人狼もろともみんな処刑しちゃう事になっても、誰が本物か見極めることになっても残り時間を考えるとかなり厳しいな…)

.o0(次は一番大きな問題…占い師について考えよう…1人は本物なんだから、小さい可能性も全て考えると、人狼が2人か、教徒が1人と人狼が1人か…本物を判断する方法は…)

――ヒューバートは少し疲れた顔で入って来た――
おはようございます、皆さん。
昨夜は不覚にも飲み過ぎてしまい、とんだ醜態をお見せしてしまいましたな。

―――オードリー自室、窓の外を見つめながら―――

わたくしは、ニーナを信じています・・・
皆の前で宣言しましたわ、でも・・・本当に信じていいのかしら・・・信じられるものが無い状況なのに、無心で信じる、これはわたくしの弱さですわね。
わたくしの弱さで皆の判断を迷わしてはいけませんわね・・・・
・・・わたくしは、本当にニーナを信じられますの？

おはうございます、ヒューバートさん…
少ない時間を無駄にしてごめんなさい…

―――オードリーは重い足取りで入ってきた―――
おはようございます
あれから、お話は進みましたの？

名乗りを挙げた方が３人いらっしゃいます。
皆さんは、誰を最も信用していらっしゃいますかな。
とりわけ、昨日、ベンの処刑に反対したマダムやクインジーがどう思っているのか聞いてみたいところですな。

そうですわね、真実を知り、嘘を紡ぐもの、真実を紡ぐもの。そして、真実を知りえない者がいるのですわね。そう考えますと、カミーラが人狼に襲われたわけがわかりますわね・・・。

力のあるものを、判断するのはその者の判定を見ればよいと考えておりましたの。この考えは、カミーラを襲われた事で、判断できなくなりましたわね・・・

おはようだ。
考察はちっと待ってくれねぇか。

しかし、考えていたんだが眼を持つ奴らが三人出てきた時点で既にラッセルとカミーラは限りなく本物に近かったんだよな。
あの時にその可能性に思い至らなかった事を悔しく思うぜ……。
今だからこそ言える事なのかもしれないがね。

「目」の三名中に人狼が一匹。
そして残りのわたくし達５名のなかに一匹。
これが今判断できることですわね

誰を信用するか、もちろんニーナですわ。
でも、裏づけがあっての信用ではありませんのよ・・・
今日も見極められた者が、襲われる可能性をを考えると、「目」同士でお互いを占って見るのもやり方次第では有効かもしれませんわね

――ケネスはあくびをして、起き上がった――
いけね、うっかりねちまった。
この館に缶詰にされてから悪夢ばっかり見てたが、今朝は久々に安眠できたよ。

クインジー、そのことはいいっこなしだってば。
表に人狼と信者がでてきてる時点で、誰を選んでもあちら側である可能性は薄かった。

やっぱぁ、俺はニーナが人狼だとはとても思えんよ。
占い師と狂人がでている所に狼が出て行くのはリターンに対しリスクが高すぎる。
ベンが狼じゃないと分かれば毒杯が回ってくるのはニーナしかいない…
ここまでリスキーな作戦を狼共があんな短時間に相談して決定できたとは考えにくい。
まぁ、時間が無かった故の失策と取れないこともないが、俺はベンを８割がた狼だと断定する。
セシリア嬢が人間なのはまぁ間違いないだろう。

まぁな、ケネス。
ベンの態度はまさに処刑されそうになったんで、慌てて能力を偽ったように見える。
なら、あとは本物と信者が出てきて三人になる図式は実にしっくりくるよな。

だが、そのしっくり来すぎる感じがどうも腑に落ちねぇ。
それにベンが狼なら、どうして処刑に名が挙がるまで何の答弁も行わなかったのか、ということだ。
単に行えなかったのかもしれないがね。

クインジー、夜明け間近のあの時から、改めて考えるのは不可能だったと思いますから、ラッセル君とカミーラ殿については苦渋の選択ではありましたよ。

もはや、見分ける目の真贋をはかるだけの時間は私達にはない様にも思います。「目」の力にばかり頼らず、私達自身の目で見分けていく必要がありそうですな。

……あとは、残った五人、俺、リック、記者の嬢ちゃん、オードリーさん、ケネスの中に１人偽物がいる状況ってことが問題かもしれねぇな。
こちらを見極める眼を俺たちも必要としているようだぜ。

まぁ、そうだな。
くだらねぇ愚痴をこぼしてすまなかった、ヒュー。

――部屋の中で

いつまでも泣いていてどうなるものでも無いわ
泣いてもラッセル君やカミーラさんが帰ってくるわけじゃない…

見える者３人の中に１人
そして、あたしたちの中に１人

今までのお付き合いのある方々じゃ無いし
あたしは、ここに来てからの彼らしか知らないんだから
別の意味で、違った目で見られるのかもしれない
どこを見たらいいか、よく考えるのよ

ラッセル君の様に、いかにもと言う雰囲気をきっと人狼は出して居ないはず
もっと、自然に、普通の振る舞い…ううん、もしかしたら、人間以上に人間らしくしているはず………
って、みんな普通の人にしか見えない…

見える人達の内訳が解れば
その繋がりから見えるのかもしれない

ベンジャミンさんは、怪しいわ
あんな土壇場まで無言だったのに…
でも、狼があんなに危険な橋を渡るのかしら？もっと狡猾だと思ってたんだけど

セシリアちゃんは、本当にお話をしない子だから、能力を隠していたからだったのか
それとも、もともと内気な子なのか…
でも、能力を発揮してからは、はっきりとものを言うようになった。

ニーナは……
変わらない
――思わず笑みが漏れる
強い子だと思う、境遇に負けないで
能力が露見してからも、全く変わってないわ…

（事実に直面して生きて来たんだもの、今までの経験を生かして、ちゃんと考えないと）

――暫く、室内にこもっているつもりで居る

名乗りを挙げた方にもお伺いしたい事がございます。
未だ見分けていない方は５人いらっしゃいますが、その全てを見分ける時間はございません。見分ける力を使わずに済ませようと思う方をお一人挙げて頂けませんかな。

僕は…やっぱりニーナお姉ちゃんかセシリアお姉ちゃんが本物だと思う…ベンジャミンさんの名乗りのタイミングが良すぎる気が拭えない…道具のせいで気絶していたっていう事を考えてもね…

それにベンジャミンさんが本物だとすると、その後2人名乗り出るのって変な気がするんだよね…仮にの話なんだけど…セシリアお姉ちゃんが教徒だったら、ニーナお姉ちゃんが名乗り出ることによる意味合いが薄い気がするし…セシリアお姉ちゃんが人狼なら、なんで教徒が名乗り出るのが待てなかったのかって思う…

ベンジャミンさんが教徒だったときの事も考えてみたんだけど…やっぱり2番目に人狼が名乗り出る事のタイミングの悪さと3番目に名乗り出る危険性から筋が通らない気がするよ…

――苦笑いして――

ほとんど、ケネスさんと同意見って事だね…

リックがベンを疑っているのはよくわかりましたよ。
では、ニーナとセシリアではどちらが本物の「見分ける目」だと思っていますか？　印象でかまいませんから、教えてくれませんか。

ニーナお姉ちゃん…かな…セシリアお姉ちゃんが占い師だって名乗り始めてから口数が多くなったのがちょっと気になるんだよね…

―――ネリーは食前酒を手に現れた―――

　横から失礼します。
　私は、ニーナが狼であったとしても、占い師を騙る利点はあるのではないかと思います。

　仮にニーナが狼で、なおかつ占い師を騙らなかった場合、奥様、ソフィー様、ケネスさん、クインジーさん、リック、ニーナ、の六名の中に二匹の狼がいることになります。
　襲撃による死亡や占いの判定を度外視すると、翌々日に二回の占いと服毒が済んだ時点で、誰が隠れている狼か、明らかになってしまいませんか？
　自称占い師三人の中に一匹、五人の未判定者の中に一匹、と分かれて潜むのは、狼にとっては総当りを避ける良い作戦かもしれません。

　諸々の条件から、ベンジャミンさんが疑わしい、というのには同意いたします。ですが、名乗り出た順番だけを理由に信用度合いを測るのは危険ではないかと思います。

―――そこまで言って、ネリーはやや神経質な笑みを浮かべた―――

　すいません。お見苦しいところをお見せしました。このところ感情の起伏が激しくて。
　自分が死にたくないばかりに、ふと気づくと、誰を殺そうかと考えています。例えば、お料理の最中にも、お茶を注いでいる時も。
　あたしは、人狼と同じくらい、それが恐ろしい、です。

ふむ･･･少々気になっておりますのは、昨夜のセシリアの態度ですな。もし、皆が想像している様にベンが人狼の成り代わった姿で、ニーナが本物の「見分ける目」だとしたら、セシリアは崇拝する当の人狼を処刑すべく叫んでいたことになりませんかな。

――部屋のドアを開けて

ネリー、それは間違えじゃ無いわ
誰でも、死にたくは無いもの…誰でも幸せに成りたいんだから、それは間違えじゃない
きっと、ネリーのお母様も、それを伝えたいんじゃないかしら？
自分の無念……可愛いあなたを幸せに出来なかったってそう言う事も含まれてると思うの。

だから、その「生きたい」をもっと前向きに考えましょう、ね

あたしは、もう泣かない、泣いても何も解決しないもの。

ヒューバートさんが仰ってる所があたしもずっと気になってましたの。
ベンジャミンさんを人狼として、ニーナさんが本物で有るなら、どうしても、ベンジャミンさんを糾弾したセシリアちゃんって信徒には見えないの。

例えば、神で有る人狼側から、信徒を生け贄にする事は有っても
信徒が、人狼を生け贄にはしないと思います。

確かに、信徒から人狼の見分けは付かないでしょうが……

―ケネスはむくっと起き上がった――
そうじゃねぇぞソフィーちゃん。
信者は「目」を持つ者の信頼を落としてなんぼだ。
「目」が名乗り出る瞬間を今か今かと待ってるのが信者ってもんだ。
命を奪われそうになった本物の「目」が慌てて正体を明かしたと捉えて「ピンチの『目』に致命傷を与えるチャンスだ！」とばかりに飛び出していったのかもしれん。
セシリアが本物であれば現にニーナがそうであったように表へ出るのを即決せずためらったはずだ。

セシリアの糾弾か……偽物だろうと立場上対立を起こさなければいけないだろうからな。
俺はあまり強い要素ではないと考えているぜ。

そうでないにしても、例えばベンが信者で何もせずに死んでいくよりは混乱を起こした方が良いだろうと考えた節もある。信者ならあの場面で黙って死んでいく事は選ばないだろう。

そうした状況なら、セシリアは偽物にせよ本物にせよ糾弾する形になるとも考えられるぜ。

どんな事例が有るか、もう一度本社からの資料と
あたし独自で今まで調べてきた資料を見比べて検証してみます。

――そう言うと、ソフィーはまた部屋に籠もった

――ドアをこそっと開けて

わたしは、ベンジャミン狼・セシリア信者・ニーナ本物　と言う、既に型にはまってしまった着目点から盲点を見付けたいだけ

無ければ無いに越した事は無いし
何かひっかかりでも有ればそれは儲け物だと思うの

妄信的に見てしまったが故に滅びた村の記載もさっき読んだわ
又、何か気が着いたらお部屋から出てきます
もう少し待って、お願い。

――再びドアを閉めた

ネリーが口寄せをしたときの態度を思い返してみたが、あんときにこの場にいたのはニーナだけなんだよな。
時間が時間だからだろうが、ベンもセシリアもいなかった。

考えたんだが、あの時にもしニーナが信者であれば、ネリーと対峙する図式を想い描いてもおかしくない。
なんで、今のところニーナは信者である可能性は低いと考えているぜ。

俺はまだ決断の時ではないと考えてるんで、眼の真偽はまだつけられねぇと思ってる。
……下手に間違った方向に倒れかねない可能性もあるしな。
なんで、今はまだ全員を等しいものとして考えるぜ。
まるっきりのイコールじゃねぇがね。

目の真偽・・・状況だけで判断するなら、あのままベンジャミンに毒杯を勧めればよかっただけですわね。
ソフィーのいう、妄信的に見て滅びた村、それは今のわたくしですわね・・・。

おッ！旨そうだ、早速頂くとするぜ。

わたくしが、目の真偽について、話すべきではないわね。ニーナを疑うこと、わたくしには出来ませんもの・・・皆の判断を鈍らせるだけですものね。目の真偽は、もう一度、見極めをしていただいて、それから考えたいとおもいますわ。

見極められたカミーラの事を考えますと、見極めて欲しいものを挙げる事が、怖くなりますわね。
見極められた者が襲われない状況は、判断された者が人狼、もしくは人狼の身代わりとされる時ですわね。
人間の証明をもらい毒杯から逃れて欲しい者を判定してもらうのでは、意味がありませんわね。

　クインジーさん、それは今朝のラッセル様のときではなく、最初にアーヴァイン様が……えと……語られた時のお話ですよね？
　確認だけですが。

――ヒューバートは自嘲とも苦笑ともつかない笑みを一瞬だけこぼしてから話し始めた――
食事をしながらする話題でないのは確かですが…

今や、見分ける目がどの様な判定を出そうとそれを判別し見極めるだけの時間が私達にはない様に思います。
しかしながら、名乗りを挙げた方々の中に人狼が紛れているのは間違いのない事。
私の一存で決めることではありませんが、個々人が、名乗りを挙げた３人の中で最も疑わしいと思う人物の名を紙に書き記し、その結果の通りに処刑を行うべきかと思っております。いかがでしょうか。

ヒューバート、今日から「目」の三名に毒杯を勧めないと、間に合いませんの？
もう一度見極めをする時間はありませんの？

落ち着いて下さい、マダム。
私は、三名全てに毒を呷ってもらうべきだとは考えておりませんよ。
「目」の中に一匹、残り五人の中に一匹、人狼が潜んでいる、と仰ったのはマダムご自身ではございませんか。

　ヒューバート様。
　占い結果の信憑性が損なわれるのを承知で、占い師の中から犠牲者を選ぶなら、昨日決断を翻す必要はなかったと思います。
　三人の中から自由投票となれば、まず間違いなくベンジャミンさんが挙がるでしょうから。

　三人揃った状態での占いを後一度だけ行い、未判定の五人の中の狼を炙り出す努力をしたほうが良いのではないでしょうか。

――ネリーの微笑の意味に気づき、照れた――
まぁ、マダム。今はこの３人から行く方がいい。

見極めの済んでない人が６人
見極めの済んだ人が１人（ヒューの旦那だな）
目候補が３人
目候補の中の狼に的中する率は(1/3)
残りの狼に的中する率は(1/6)

今は目候補から狼を狙って行くのが仲間を失うリスクも小さくて狼を倒す確率が高い、いい選択だ。

しまった。ネリーを計算にいれてなかった。
修正たのむ（苦笑
見極めがまだの所から的中させる確率は(1/5)だな

そうでしたわね・・・
ニーナに毒杯と考えたら、取り乱してしまいましたわ。

――時折、部屋の中からソフィーの声が聞こえる

「これは違うわ、これじゃ狼が三人……事例として、今回の物とは当てはまらない……」

―――寝ぼけた目を擦りながら―――

…あれ？ああ…。
そのまま寝ちゃってたのね…やだなあ。
酷い顔。

ネリー、夜明けまではまだ時間がありますよ。
占い師達と話し、ゆっくりと抗弁を聞くだけの時間があると思いますよ。それに、最も信用が薄い占い師の判定をどのくらい信じるのか、という話でもありませんか？
ネリーの力は、占い師の真贋をはかるためではなく、要らぬ処刑を未然に防ぐために使いたいと、私は思っておりますよ。

――ケネスは微笑して言った――
寝ぼけた顔もキュートだぜ。

――思いつめたように――
わたくしも、今の状況ではベンジャミンが毒杯を飲む事になると思いますわ。それなら、もう一度見極めていただきたいわ。
ベンジャミンを残した事で得られるモノが無ければ、昨日の決断は無駄となりますわ。
それにケネスの言う確率も、今日５名から選べば明日は確率が変わりますもの・・・

だめですわね・・・
つい、ニーナの事になると・・・
先ほど、盲信で滅んだ村の話を聞きましたのに・・・

だめだぜ、マダム・・・

あくまでも今最も狼を倒す確率が高い選択は目の候補３人の中から狙い打つことだ。
５人から選ぶのだと仲間を殺してしまう。
今はより狼を倒す確率の高い選択に賭けるべきだ。
一日でも惜しい。一人でも仲間を失いたくない…

―――話しの流れに気付き―――

「眼」候補の中から、ね。ヒューバートさんの言うことは尤もだよ。あたしたちの見極めの結果をゆったりと待っている余裕は殆どないよね。みんなのことを考えるなら…1/3の確率に賭ける事に、あたしは反対出来ない。

あたしが「視た」ものは、生きている限り確実に遺す。
それがあたしの役目だと…思ってる。

…死ぬのは厭よ。厭だけど、ね。

―――オードリーの方を向き―――

お義母さま…、ちゃんと、見ましょう。
あたしのことも見て下さい。
どんなことになっても、あたしはお義母さまと共に在るから…。

そうですわね・・・
しっかりしないといけませんわね

あ、あと、ヒューバートさん。
さっき夢うつつの中で少し聞こえたんだけど…。

あたしが「見極めをしないで良いだろう」と思う人、をお答えすればいいのかな？

――壁に物をぶつける激しい音がする

「あぁもうっ！！どの資料も何の役にも立たないっ！！」

そうです、ニーナ。
見極めていくにせよ、皆を見極める時間は私達にはありませんからね。

珈琲を……あぁ、良いわ自分で淹れる
みなさんの分も…

――キッチンへ向かう

　コーヒーですか？　ご用意いたしますよ？

あ、そうね　ネリーが淹れてくれた珈琲の方が美味しいわ
キリマンジェロをエスプレッソで、ノンシュガーノンミルクで頂戴

ネリーのスイーツはいつ食べても美味しいよ。
ありがとさん！

―――ヒューバートに頷くと―――

…そうね…。
残り少ない時間を考えると、見極める必要のある5人の中で、見極めたい順から考えればソフィーが一番遅いかしら…？

お酒の席でも言ったけど、5人の印象は、まだほぼ横並びなのよね…。なんだか曖昧だわ。ごめんなさい。

（キリマンジャロですか。奥様は紅茶党、と言うかブランデー党なのでご期待に添えるか定かでは……。ついでにエスプレッソマシンもデミタスもないんですけど……）

―――ネリーはぽん、と手を打った―――

（とりあえず苦いのを出そう。眠気覚ましに）

俺も誰が人狼かは分からん。
初めに言った通り、人間であって欲しい人を見極めていきたい。
まず初めに、クインジー、その次にリックを頼みたい。俺自身はいつ調べてくれても構わん。

。oO(ビターズ系の薬酒の一番強烈な奴でもここまで苦くねぇぞ…)

ごめんなさい、「能力が有る者を全て処刑して」って記載があまりにも多くて、ついヒスを……

――ケネスは激しい音を立てて椅子から立ち上がり叫んだ！――
だめだッ！リック！そのコーヒーだけはのんじゃだめだァッ！

えっと…急に叫んでどうしたの…？

ネリー、リックにはお茶を用意してあげてｗ

いいから！落ち着け、俺の目を見ろ。
まず、ゆっくりそのコーヒーカップをテーブルに置け、そうそうだ・・・
顔はカップから引いて蒸気が当たらないようにきをつけろ。そうそう、そうだ。

あら？みなさんどうなさったの？
この珈琲美味しいわよ

――一気に飲み干した

――怪訝に思いながらも無意識にカップを口に運ぶ――

う……

――リックは硬直している――

―――ネリーは自分のコーヒーには手をつけない。しばし逡巡の後、話し出した。―――

　話の腰を折ってしまいました。

　ええと……つまり、ベンジャミンさんか、まだ占われていない何方かに、薬を飲んでもらうというお話でしたか。

――大急ぎで進められたシャーベットを口に入れる――

い…たたたた…冷たい物を急に食べると頭が…

――苦さと痛さでうずくまっている――

うぅ〜ん、確かにベンジャミンさんは底抜けに怪しいですね……庇う余地が無いぐらいに怪しい。
で、誰も庇っていないのが、実はちょっとしっくり来ないと言う話しも……

――珈琲の影響で話し口調が若干おかしい

――カップをニーナから受け取る――

あ…ありがとう、ニーナお姉ちゃん…
僕…コーヒーは当分いいや…

――ミルクティを1口飲んでほっと一息――

もう一匹の人狼さんも呆れちゃったのかなぁ？
あまりに、突拍子も無さ過ぎて　ハッハッハ

――大笑いと共にばたりと倒れた

そ、ソフィー！？

だ…大丈夫!?

確かに、狼が成変る相手としてはベンジャミンは不適切かもしれないわね・・・
日ごろの行いが悪すぎますわｗ

ネリー！あの珈琲に何をいれた！
ニーナ、解毒剤を作るぞ器具を準備しろ！
リック、ソフィーねぇちゃんを洗面所に連れて行っていますぐ吐かせろ！

えーと、とりあえず、ソフィーは胃薬飲もうね…。
（胃潰瘍とかじゃ、ないよね…？）

―――ソフィーを助け起こし薬と多めの水を飲ませた―――

――ニーナの落ち着いた対応を見てケネスは平静を取り戻した――

す、すまん。取り乱した・・・

――ソフィーは、空腹の上に濃い珈琲を立て続けに飲み、寝不足が重なって倒れたようだ

―――ソフィに肩をかして洗面所に連れて行こうとした―――

(お…重い…)

り、リック…。頑張りは認める…。
あたしが運ぶから、あと、洗面所じゃなくて、部屋に連れて行こう…。

―――ソフィーを抱えて部屋へとゆっくり歩き出した。すこしよろめく。―――

――暫くして帰ってきたケネスは蒼白な顔をしていた。まるで地獄見てきたかのようだ。ボソボソなにやら呟いている。――

人の住む部屋じゃない人の住む部屋じゃない人の住む部屋じゃない人の住む部屋じゃない人の住む部屋じゃない

　毎日お掃除しておりますよ？

――放心状態のケネスはやがてゆっくりと語りだした――
ドアを開けてまず見えたのは、真っ白な煙だった。
デスクの灰皿にはタバコがエベレストのように積み重なって白煙をあげてた。それも、５個…
あれはまさにヒマラヤ山脈だった。
毎日掃除しているということは、あれを一日で…

（そんなに酷かったかな…？）

魔の珈琲のもたらした幻覚かもしれない、わすれてくれ・・・

。oO(そういえばソフィーは禁煙してたはず、アレは幻、幻…)

ネリー、口直しに何かありませんの？

そうだ、俺にも何か頼む。

　どういたしましょうか。
　お二人のお好みですと、もうあまりないですけれど……これにされます？

　後片付けがありますので、私は一旦失礼いたしますが、今の考えだけ述べたいと思います。

　あたしは、占い師の中の三分の一を引き当てる前に、判定されていない五人の中の狼を追い詰めるべきだと思います。占いと……薬で。

　また、自称占い師三人全員に、毒を振舞う余裕があるとは思えません。
　どちらの方法を取るにせよ、占い師の誰から毒杯を握らせるか、そして誰にはのませないか……つまり、殺す、順番を……考える必要があるのではないかと思います。

　自分では、いずれの候補、順番も考えておりますが、それはまた後ほど。

ちっと、見回りをしてきたが異常はないようだな……。
まぁ、カミーラほどの手練れがあっさりやられちまうくらいだから、どんなに用心しても無駄なのかもしれねぇが。

―――ネリーはお馴染みになりつつある引きつった笑みを浮かべ、ぺこりと頭を下げた―――

　折角のお酒の味を、損ねて申し訳ありません。

おっと、俺も占い師を村側から処刑するのはあまり良い手じゃないと思うぜ。

まずは潜んでいる奴を暴かないとな。
ネリーや本物の占い師がいつまで生きていられるかわからない以上、情報は喉から手がでるほど欲しいものさ。

クインジーおつかれ。
やるだけやっとく方が良いさ。
もうちょっとってところで気のたった自警団員が襲ってくるかもしれん。仕掛けをしておくのは無駄じゃぁない。

自警団の奴らが近づいたら、ナイフでもとばしてやるさ。
散々な目にあわされたお礼にな。

――ハッと目を覚まして辺りを見渡し、溜息をついた――
いつの間にか寝てしまっていた様ですな。

今はどんな話になっておりますかな？

――ケネスは事のあらましをヒューバートに説明した――