自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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流れ者 ギルバート ------------------------------------------------ ポケットには、何人かの名前と住所が書かれたメモが入っていた。 だから、俺は「俺」に戻る為に、みんなに助けを求めようとしている。 みんな、俺は、あの村で、どんな生活をしていた? 俺は、みんなにとって、イヤな奴ではなかっただろうか。 家族は?友達は? 俺の指輪は、誰かからもらったものなのか……俺には、恋人と呼べる存在がいたのか? 新しい土地で平和に暮らしている中面倒な事を頼んでいるのは百も承知だ。 だが、今はとにかく情報が欲しい。 「俺」は誰だ? どうか、教えて欲しい。 ギルバート ------------------------------------------------- | |
(4)2006/09/21 01:01:59 |
牧師 ルーサー ------------------------------------------------ 拝啓 親愛なるアーヴァイン殿 お元気でお過ごしでしょうか? 新年のご挨拶のつもりが、郵便受付箱にたどり着けずに、寒中見舞いになってしまいました。 冗談です。 皆さんの連絡先をまとめたメモを、うかつにも机と棚の隙間に落としてしまっておりまして。 主は、いついかなる時も、私に試練を与え給う。半日をかけて、探しまわるはめになりました。 見つけた時には、思わず立ち上がり、頭を強打して、たいへん、たいへん、痛かったのです。 そんなことは、どうでもいいですね。 ------------------------------------------------ [便箋は2枚目に続く。] | |
(15)2006/09/21 19:19:06 |
牧師 ルーサー ------------------------------------------------ それでは、私の近況などを。 私は現在、とある教会にお世話になっております。 神学校で一緒だった友人が、行くあてのなかった私を救ってくれました。 たいへん由緒ある教会で、みな親切にして下さいます。主のご加護に感謝しつつ、日々を過ごしております。 教会には大きな時計台がありまして、塔の上からは辺りを一望できます。山と森と湖に囲まれた、小さいけれど美しい村です。 興味がおありなら、絵を描いて、送って差し上げましょう。 実は、昔、ウェンディの似顔絵を描いてプレゼントしたら、大泣きされたことがありました。 芸術と主の言葉は、なかなか理解されませんね。悲しいことです。 話がそれてしまいましたね。 ------------------------------------------------ [便箋は3枚目に続く。] | |
(16)2006/09/21 19:20:28 |
牧師 ルーサー ------------------------------------------------ この手紙があなたのもとに届いたなら、どうぞ お返事を下されば、嬉しく思います。 久しく教会に行ってらっしゃらないなら、お悩み相談、 懺悔、告白なども、書き添えて頂いて結構です。 主の教えに従い、あなたが少しでも天に近づけるよう 一緒につとめますから。 主はあなたのそばに、常にいらっしゃいます。 どうぞ、息災であられますように。 愛される牧師 ルーサーより ------------------------------------------------ これで最後ですね。全員分が揃いました。 [ルーサーは、封蝋に『L』をスタンプして、封をした] | |
(17)2006/09/21 19:21:12 |
牧師 ルーサー ------------------------------------------------ まず、あなたがギルバートかどうかという確認です。 今も、グレーのバンダナは、お手元にあるでしょうか? その裏に、あなたの名前が縫い付けてあるはずです。 ファーストネームだけではなく、ファミリーネームもね。 そのバンダナは、旅好きなあなたの道中の無事を祈って、 あなたの母君が、愛を込めて縫われたものです。 どうぞ、大事にしてください。 決して生え際を隠すとか、そういった役割のものでは… 失敬。もちろん冗談です。 ------------------------------------------------ [便箋は3枚目に続く。] | |
(30)2006/09/22 18:33:30 |
牧師 ルーサー ------------------------------------------------ あなたは、村ではとても人気者でした。 あなたとお近づきになりたいと願い、悩む女性は、 村には大変多かったのですよ。 教会の懺悔室で、どれほど恋の悩みを受けたことか。 なんとうらやましかったでしょう! …すいません。少し本音が。 酒と煙草を愛したあなたです。お体くれぐれもお大事に。 P.S. 私が描いた故郷の風景画と、私の自画像を同封します。 他に描いて欲しい絵があれば、なんなりと。 あなたの心に、早く安寧が訪れますように。 牧師 ルーサー ------------------------------------------------ | |
(31)2006/09/22 18:33:52 |
逃亡者 カミーラ [ 大鍋にたっぷりと入った不揃いな野菜が浮いたシチューを木じゃくでかき混ぜている。 まだ日は高いが大人数の食事を作るのには時間がかかる。 ] ここに戻ることになるなんてね。 [ 呟いて見回すそこは遠い昔、幼い頃過ごしたのとかわらない…… いや、記憶にあるよりもずっと狭く古い場所だった。 幼い頃過ごしていた孤児院。 村を追われ行くあてもなく戻ってきてしまった場所。 身を寄せる代わりに手伝いを……苦手な家事をすることになっていた。 ] そういえば……村のみんなはどうしてるだろう。 暮らしは落ち着いたんだろうか。 ギルバートやルーサーから手紙がきてたんだっけ。 返事……だすか。文字書くの苦手なんだけどな。 [ シチューが煮えるまでの間にと紙とペンを用意して食卓についた。 ] | |
(33)2006/09/22 19:33:42 |
牧童 トビー さて、ペンは見つけたんだけど何を書こうかな…… [トビーは少し考えた後、ペンを走らせる。] ------------------------------------------------ 村の皆さんへ こんばんは、トビーです。皆さんは元気にしますか? 僕の母さんはあまり元気では無いけど、僕は元気にしています。 街の夜は明るくて騒々しくて、いまだに僕は慣れません。 村の夜も虫の鳴く声で満ちていたけど、あちらの方は騒々しく感じなかったのはなぜなんでしょうね。 母の事もあって、おじさんは僕たちをあまり歓迎して無いみたい。 早く村に帰れる日が来ることを神様にお祈りしています。 ------------------------------------------------- | |
(38)2006/09/22 20:58:10 |
冒険家 ナサニエル ------------------------------------------------ やあ、皆元気かな。 俺は今、何とか腰を落ち着けて配達の仕事をやってる。色んな町を見にいけるのが、いいところだな。 その分危険も多いが、あの時を思い出せば大抵のことは乗り切れる。 またいつか、村が立て直せる様になって、皆と暮らせるようになったら、あのことも少しは思い出に変わるんだろうか。 遠い未来かもしれないが、その時を思って毎日がんばってるよ。 それじゃ、また落ち着ける時に手紙を書くよ。 Merry Christmas! ナサニエル ------------------------------------------------ | |
(50)2006/09/23 05:51:54 |
牧童 トビー [トビーはまず「トビーです。母さんはちょっと手紙が書けないみたいなので、僕が代わりにお返事します。」と言う一文を全ての手紙の冒頭に書いた。 そうしてから、それぞれの人に返信を書き始める。] ------------------------------------------------- ギルバートさんへ ギルバートさんは手先が器用で、よく短刀で木彫りの像を作ってました。 ギルバートさんの作ってくれた仔犬は、今でも持ってます。 そう言えば女の人の像も彫っていました。 「誰ですか?」と聞いたら「野暮な事聞くなよ」って…… あれは誰だったんだろう。 また何か思い出したらお手紙書きますね。 ------------------------------------------------- | |
(53)2006/09/23 12:54:04 |
未亡人 オードリー [ギルバートからの手紙を開封した。 手紙を読み進めていくうちに、彼が記憶を無くしている様子だと言う事を理解した。 村の伊達男だったギルバートの事は、オードリーも良く知っていた。だが……。] 【指輪の裏に彫ってある名前……】 [自分の薬指にはめられた指輪を見つめた。裏側には夫と自分の名前と挙式日が刻印されている。] 【もしも……。】 【もしも、私の夫があの後何らかの形で生き返って、ギルバートさんの指輪をはめられているのだとしたら……。】 [そんな事有り得る訳が無い事は、自分が一番良く理解している。だが。 もしも、ギルバートだと思い込んでいる男の顔を一目見たときその顔が自分の夫だったならば……どんなにいいだろう。 そう考えたものの、オードリーは深くため息をついてゆっくりと頭を左右に振った。] | |
(70)2006/09/24 14:12:51 |
未亡人 オードリー [そのまま、便箋を取り出しペンを走らせる。] ------------------------------------------------ ギルバートさんへ お手紙有難うございます。 貴方が、私の知っているギルバートさんであるなら、左目の下に小さなほくろがあると思います。 何か知りたい事があればなんなりと尋ねて下さいまし。 オードリー ------------------------------------------------ [ギルバートの左目の下には、小さなほくろがあった。 オードリーの夫の左目の下には、そんなほくろはない。 彼女は、確かめるような気持ちで手紙に蝋を落として封をした。] | |
(71)2006/09/24 14:21:00 |
未亡人 オードリー [次に、ルーサーからの手紙を開いた。 その人柄が伝わってくるような文体に、塞ぎこんでいた気持ちが少し晴れたような心地だった。 便箋を取り出し、ルーサー宛にペンを走らせる。] ------------------------------------------------ 牧師様へ 拝啓 寒さ厳しい日々が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか。 お手紙を拝見し、お元気でお過ごしの事と拝察致し嬉しく思います。 私は今、姉夫婦のもとで暮らしております。牧師様もご存知のように私はあの災害で最愛の夫を亡くしました。 もしも、神のお慈悲が戴けるのであれば再び夫に逢いたい、夫の傍に行きたいと願わない日はありません。 私のこの悲しみが癒える日は来るのでしょうか。 どうぞお導き下さい。そして、牧師様もご自愛の上お過ごし下さいまし。 敬具 オードリー ------------------------------------------------ | |
(72)2006/09/24 14:44:18 |
未亡人 オードリー [それでも、牧師宛の手紙に綴るのは夫への思慕の思いばかりだった。 投函しようか破ろうか、一瞬悩んだがそのまま手紙に蝋を落として封をした。] ……皆、無事でやっているのね。 [続いてカミーラからの手紙を開封した。素朴な彼女らしい書き殴ったような簡潔な手紙にようやく笑みを浮かべ、返事を書いた。] ------------------------------------------------ カミーラさんへ お手紙有難うございます。 お元気そうな貴女の様子に安心致しました。私も姉夫婦のもとで、それなりにやっております。 姉夫婦の屋敷にはメイドがいるので、相変わらず私は料理をしていません。お料理頑張って下さいまし。 オードリー ------------------------------------------------ [長くならないように気をつけながら書き上げると、手紙に蝋を落として封をした。] | |
(73)2006/09/24 14:54:36 |
未亡人 オードリー [続いて、トビーからの手紙を開けた。幼いのに病弱の母を抱えて災害の村を後にした少年の顔を思い浮かべ、オードリーは薄っすらと瞳に浮かんだ涙を拭った。] ……トビーのお父さんも、確か災害で行方不明に。 [改めてオードリーは思った。もしもあんな災害が村に起こらなければ。 何人も、幸せを維持する絶対の権利は持ち得ないのだろうか。 絶望を突きつけられた人間は、どうすれば強く生きて行けるのだろう。 暫く考え込んだ挙句、静かにペンを取った。] ------------------------------------------------ トビー君へ お手紙有難う。お母様と一緒に居るとの事、安心致しました。 お母様にとってはトビー君が何よりの励みかと思います。お母様を大事になさって下さいね。 お母様によろしくお伝え下さい。 オードリー ------------------------------------------------ [大き目の文字で読みやすく書き上げ、糊を使って封をした。] | |
(74)2006/09/24 15:05:59 |
未亡人 オードリー [次に手に取ったカードは、鮮やかな緑と赤と白の飾りが付いている。差出人を見て、手が止まった。] ネリーさん! ……ネリーさんからの手紙だわ。大丈夫かしら、あの子のことは私もずっと心配だったわ。 [せわしなく封を切る。中からはクリスマスカードと添えられたメッセージ。 その、予想に反して元気そうなメッセージに安堵の吐息を零す。 目を細め、先ほど偶然買っていたクリスマスカードを一枚手に取り返事を書いた。] ------------------------------------------------ ネリーさんへ Merry Christmas! お元気そうで嬉しいわ。綺麗なカード有難う。 素敵なクリスマスと貴女の幸福を祈って。 オードリー ------------------------------------------------ [カードを封筒に入れ、蝋を落として封をした。] | |
(75)2006/09/24 15:17:06 |
未亡人 オードリー [手紙を投函し終えると、オードリーは再び自室に戻って便箋を広げペンを取った。] ------------------------------------------------ 愛する貴方へ 来る日も来る日も、想うのは貴方の事ばかり。貴方の愛情と貴方を失った悲しみに包まれて過ごしています。 貴方の大きく温かな手にもう触れる事が出来ないのかと気も狂う思いです。 あの日の出来事は、今でも夢ならどんなにいいだろうと思います。貴方に戴いたこの命。だけど。 叶うならば、もう一度貴方に逢いたい……。 オードリー ------------------------------------------------ [書き終えると、蝋を溶かす炎で手紙を燃やした。] | |
(76)2006/09/24 15:39:23 |
流れ者 ギルバート ----------------------------------------------- みんなへ この間は取り乱してすまなかった。 ルーサーから貰った手紙のおかげで、俺は「俺」が「ギルバート・コーンウェル」であるとわかった。 このバンダナに刺繍をくれたという母の事も、勿論みんなの事も、未だ、思い出せないが。 俺が主人に拾ってもらった時には、ひどく衰弱していて、頭と腹に大きな傷があったらしい。 記憶がないのは、頭への外傷が原因なんだろうな。 今は、躰が治るまで、学者である主人の助手として雑務をさせて貰っている。 治ったら、みんなを訪ねて行きたい。 おかしいかな、俺にとってはみんな「はじめまして」の筈なのに、何故だかどうしても会いたいって気持ちだけが心を支配しているんだ。 夜は冷える。 みんな、風邪などひかぬよう気をつけてくれ。 ギルバート ------------------------------------------------- | |
(84)2006/09/24 22:17:12 |
流れ者 ギルバート [2枚目の便箋。] ------------------------------------------------- ルーサーへ 早速の返信、感謝する。 絵まで送ってくれるなんて、牧師さんは情が深い方なんだな。 残念ながら、1枚目にも書いたように、俺は何も思い出せなかった。 あんたがどんな人かも、俺の想像に過ぎない。 この手紙を書いている俺が「ギルバート・コーンウェル」として村で暮らしていた時の俺とキャラが違うって、もしかすると笑われてるかもな。 また手紙を出すよ。 思い出すかもしれないし、思い出さないかもしれない。 思い出さなければその時はその時で、また俺と一から友人になって欲しい。 ではまた。 ------------------------------------------------- | |
(85)2006/09/24 22:25:33 |
流れ者 ギルバート [3枚目の便箋。] ------------------------------------------------- カミーラへ 村にいた頃は料理をしていなかったんだろうか? 料理なんていうのは経験と記録だと思う。 こちらに来てから俺は「忘れる」事が怖くて、作った料理は全て記録するようになった。 今は寒いからかぼちゃのミルクスープ煮が主人のお気に入りだ。分量を書いておくからやってみるといい。なに、手順さえ踏めば料理などすぐに上手くなるさ。 嫌われていなかったみたいでホッとしたよ。 また何か思い出した事があれば、どんな些細な事でもいいから教えて欲しい。 ------------------------------------------------- | |
(86)2006/09/24 23:23:41 |