人狼審問

[シャーロットの手が拳銃を模して形作られる。ならばそれに合わせようか。
一瞬だけ、己の意志を他人に委ねようかと考えて否定。だが、要求は変わらなかった]

求めるものは――ロッテの生存、だ。

いいか？　これが取引の内容だ。応じる応じないは勝手にしろ。答える必要も無い。ただ、行動で示せば、な。

信じて頂けないのですか。残念です。

ですが、これも母を不幸にした罪ということでしょう。
仕方ありません。

……どうして昨日、唯一外に出て居た能力者……「霊能者」ギルバートさんを、人狼は狙わなかったんだろうね？……俺がいちばん引っ掛かってるのは、そこだ。

ギルバートさんは、トビーを人狼だと告げた。それは人狼にも分かってたはず。……ならば自分の仲間の数を知られないよう、人狼はいちかばちかで狙ってもおかしくないよね？

……なのに人狼は、それをしなかった。
なんで、襲えなかったんたろうね？

護衛されていると考えていたから？
……それもあるかもしれない。

だが……………

もし人狼が、霊能者を……いや……「ギルバートさんを」殺せなかったとしたら………？おそらくローズさんを食い殺したのは、おそらく「人狼の心が痛まないから」。

ならば、人狼は………

[...は考え途中に耳に入ったウェンディの話に]

何故あなたはそう思うの？
わたし…昨日からの流れは病に臥せっていたから解らないけれど…そう断言できるあなたの根拠が聞きたいわ？

それにあなたは、今日も殆ど顔を出さなかった。誰が疑わしいか…わたしは聞いても居ないし、処刑したかった相手も知らない。
わたしは今一番…あなたが恐いわ…ウェンディちゃん…

[...は小さく震えながら隠し持っていた拳銃を取り出した]

[誰に言うともなく、言葉を続けた。自分の信念を確認するような響きで]

『緑』に賭けるか、他の色を選ぶか――それを選ぶのはチップを持ってる奴の自由。他人がどうこうできるモンじゃない。

……だが、偶にはギャラリーだって口出ししても構わねぇだろ？

「処刑」―――

もちろん、コーネは殺すべきや。
でも…残り1匹になった人狼がのこのこ出てくるとも思えん。

だから俺の仕事は…
今日は誰を…

[周りをぐるりと見渡した]

あぁ、ラッセル。
俺はお前を人狼だとはあまり考えて無いな。

好みとしては――そうじゃない方が良かったんだが。くく。

［ギルバートを見て、淡々と言葉を放つ。］

俺の答えはこうだ。

―――「断る」。

俺は、能力者の命を優先する。

［コルト・パイソンを、左手で握った。］

わたしはわたしの思うままに。

[言うと、剣を構えてソファーに腰掛けた。]

[カチ…と歯が震える。引き攣りそうになる頬を深呼吸をして緩め、シャーロットとギルバートを見て微笑んだ]

…取引…は、やめましょう…？
狼はあと１人…占い師が出た…
……冷静に考えるなら、……狼は探し出されたくない筈です…

[ナサニエルとコーネリアスを交互に見てからポツリと低い声で呟き]


…ウェンディさん、僕不思議だったんです…
人狼に襲われた貴女が…人を疑うのが嫌な貴女が…
何故自らこの場に飛び込んだのかが…不思議で…

[ウェンディを見ると、仕舞っていた銃を取り出した]

俺が何言ってるか……分かるよね？
ギルバートさんなら。


俺は、全体を意識するがゆえに、選択を誤った。
それがこのザマだ。

………ならば俺は、最後まで自分のやり方を貫き通す。


――後悔を、しないために。

[...はシャーロットの言葉にくるりと振り向き…]

迷う事だって、すると思うわよ…？生き残る為なら…なんだってすると思うの…。
だから…わたしは彼女が恐いの…。ウェンディちゃんが…親すらも簡単に棄てられた彼女が…恐いの…

[ジャケットの内側で拳銃を握り、ラッセルを見た]

ああ、それで構わないさ。

誰もが何かを望み、誰もが何かを叶えられず終わる。

それがこの世界の全てだ。日常だろうが舞台だろうが戦場だろうが、ソイツだけが変わりないただ一つの【真実】なんだから。

[ラッセルの言葉に目を伏せ…彼女を思い出す。]

…貴方にとって後悔のない選択を…

[小さな声で祈るように呟いた。]

………そうだね、ギルバートさん。

失った心を……失った者を……！

[左手でポケットを探り、小さな薬瓶を取り出した。片手で器用に蓋を外し、中のタブレットを数粒口に入れる。カリカリと噛み砕く音を立て、飲み込んだ]

ふと、思ったんだがな。

――何を求めてアンタらはここに来た？
――何がアンタらの望みだ？

俺は――

[ソフィーとセリシアの質問に対して]

わたしは父と母の仇を取るために参加しました。

でも、今日ひとりで一日考えて、わたしが死ぬことで身の潔白が証明できるならそれていいかな、なんて思うようになりました。

ここを出る時にとち狂っているのもいやですし

[正気でここを出る自信もないし、と*呟いた*]

わからない……

真実なんてわからない！


でも、ギルさん。お願い。
今だけはそばにいて。

貴方のそばにいたい気持ちは真実よ

この不確実な世界の中で
私がたどりついた数少ない――

[彼を抱きしめた]