自警団長 アーヴァイン
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。 とにかく十分に注意してくれ。 |
酒場の看板娘 ローズマリー 化け物……か。 [怯えた様子でシャワーに向かったの青い髪の少女の言葉を復唱し、少し笑って。眼鏡を掛け、ゆるり人々を見渡した。割れた其れは余り意味を為さず、軽く舌打ちをしたが] 食べる食べないなんてリスクは、希少価値である以上あって当然。奇跡はそのリスクを越えた者だけが目に出来る。そう、簡単なことじゃない。 [誰に言うでもなく――言ってみれば自らの思考を言葉に乗せたに過ぎない――告げては、軽く自らのこめかみに触れて考え、ふと端末に向かう。コンピューターを映す瞳は、残酷で] 『少しくらいの犠牲は厭わない。此処に居るのは奇跡を起こす者とモルモット、たったの二種類なのだから――』 [ホストコンピューターへのアクセスを試みる。何でもいい、天使の情報を*引き出す為に*] | |
(41)2006/08/25 00:13:15 |
酒場の看板娘 ローズマリー [中でも一際目を引き、脳は一瞬で異形と認識する、奇妙なまでの赤子を眺める。その背丈や小さな唇から発せられる声は、生まれてそう長い期間を経ているとは思えない。しかし相反して、身体についた脂肪もまた、生後の短い期間で蓄えられるものとは思えなかった] 『実験による退化?否、それにしても……』 [どのような過程を経てあの体型が作られるのか。納得が行かず眉を顰める。知能と背丈だけが著しく退化するだろうか。寧ろ逆の発想なのか――そう考えた所で、まだ自らが研究する側であった頃に聞いた、奇異な噂を思い出す] ……妊婦を破り殺した、胎児? [しかしそれは実験に於いて極めてレアケースであり、噂の出所すら曖昧で。赤子が食べ散らかした残飯を眺めながら、少し首を捻っては、他の者に目を向けた] | |
(61)2006/08/25 18:28:58 |
酒場の看板娘 ローズマリー [三人の少女は、それぞれ掴み所がなく、接触も憚られるように、ただ眺めるに留めた。 長く蒼い髪の少女は、直接的ではないが、幾度かその声を聞いた記憶がある。外見と相応していない、舌ったらずで幼い印象。 雰囲気は前述の少女より幾分しっかりしているように見受けられる、やや短い青髪の少女。落ち着きも見られるが、彼女は此処とは違う何処かを見ているように思えた。真意は図れぬ侭。 一度だけ接触したことがある菫色の髪の少女は、そう、自らに明らかに好意的とは言えぬ視線を投げ掛けたことがあった。その恐怖の所以は何か。この状況下に於いてなのか、或いは少女の本質的な部分なのか] | |
(63)2006/08/25 18:57:56 |