お嬢様 ヘンリエッタ [中に入って居たのは、中央に穴の開いた円形の金属と、小さな紙切れ。 何だろう、と手を伸ばし] ――ぃたっ… [指先に血が滲む。 金属の外側は刃物の様に鋭く尖っていて、倉庫の鈍い光に照らされて不気味に光っていた。 1度手を引っ込め、今度は紙切れのほうを摘む。 『「呪いのチャクラム」過去の使用者は確実に戻ってきたチャクラムによって重傷を負っています』 チャクラム、というのは本で読んだことがある。確かインドか何処かの武器だった筈だ] 武器、なんだ…これ… [少し、背筋が寒くなった気がした。 こんな物を持っていれば、両親に怒られるのは確実だろう。 其の上、只の武器ではない。“呪い”があるという。 ――暫し、迷う] | |
(210)2006/08/12 22:28:33 |