人狼審問

[ベンジャミンは正装をして、白い花束を抱え、
馬車で宮殿へと向かっていた]

陛下はまたお会いしてくださるといっていた。
謁見の間では直接お顔を見ることはできない。

部屋まで訪ねてもかまわないのだろうか……。

[そわそわドキドキしながら身だしなみを整える]

寝落ちていらっしゃらなければいいのだがね。

[夢だった。

まだ自分が王でなかったころ。

起きると当然のようにそこには母がいた。
幼いころ毎年のように行っていた別荘。
そこでは父も母も王族ということを忘れ、まるで普通の家庭のように振舞った。

ああ、とヘンリエッタは思い出す。

この香は、母が好んで飲んでいたお茶の匂いだ、と]

[宮殿にたどり着き、案内を頼む。
が、当たり前だが不審な目で見られて断られる。
しかしベンジャミンは諦めなかった。
おそらくこちらだろうと目星をつけた方角へ、
人目を避けながら向かっていった]

【警備がやたらと厳しいみたいだがね……。
やはりあれほど美しい陛下をお守りするには
これだけのものが必要なんだろうな……】

[どうにかたどり着いた女帝の部屋の前。
見つかっては女帝の眠りを妨げてしまうかもしれない。
ベンジャミンはそう思い、柱の陰でひっそりと
いつ女帝がでてきてもいいように
部屋の扉を*見つめることにした*]

[がばっと身を起こすと、こちらの様子を伺っていたメイドと目が合った。にっこり笑って手を振るが、やはりメイドは青ざめて逃げて行った。]

あれー、随分嫌われちゃってるな。しょーがねーか。

レベッカ最凶〜最高〜最強〜♪

今日も悪行三昧。
明日も悪行三昧。ライバルのいない世界になんて、用はないぜ。

では、世話になった。
今度はもうちょい世界を救いし隻腕の英雄とか、書に刻まれし終焉の魔獣とか準備してくれてると楽しいんだけどなっ。よろしく頼むぜ。

しょぼい女王に会えなかったのは残念だが、この国は治安が良過ぎて退屈だ。俺にはやることがいっぱいあるし、世界はもっともっと広い。行かなきゃ。

それでも、居心地は悪くなかったぜ。ひゃーーーははは

[跳躍するとバルコニーに着地し、高笑いをした。そしてまもなく、窓の外に消えた。]

んー、それにしても肩が軽い。なんでだろー。

[木の枝を華麗に蹴って跳躍しながら、ひとりごちた。]

あっと！忘れもの！

がきんちょ！宮殿の中に置いてきちゃったよ。
本物の女帝と鉢合わせたら、どんなおしおきされるかわかったもんじゃねーーーな。

それと、指輪直しに行く約束が。
あーめんどっちいの！
最凶おつかい拳闘士レベッカRPGができちまうぜ。むっきー

ま、どうせ暇だしイベントいっこ増えるのはむしろ歓迎〜。いってみよー

[宮殿の窓から窓へと飛び移り、例の部屋を探している。]

なにやら嫌な予感がしたのじゃ…

気のせいか…?

おーこの香り。この香り。

さーて、がきんちょはいるかなぁ？

[部屋の中に進入しきょろきょろしている。]

[ベッドの下に身を隠している]

…やばいのじゃ…
連れ去られる気がするのじゃ…

[宮殿内をぶらぶらしている。]

ヘンリエッタいないかなー。

おぉ―――――い。
ヘンリエッタや―――――い。
俺が来たよ―――――う。

[大声で名前を呼ぶと周囲がざわつく。]

まさか！もうお仕置きされてるんじゃねぇか？
やろー。この俺のいないうちに。

[メイドを見つけると掴みかかって、思いきり怖い顔をして脅した。]

てめ、がきんちょをどこに隠した！言え！言ってみろ！
答え次第でわかってんだろうなぁ？

……やばいのじゃ。
仕方あるまい、出て行くか。

[ベッドの下からはいだす]

やめるのじゃ、レベッカ。
わらわはここにいる。
心配せずともわらわは仕置きなどされぬぞ。
わらわがここの部屋の主なのじゃからな。

[部屋の中に女官が入ってきて、ノーマンがヘンリエッタを探していることを告げた]

…そうか。周りが騒ぐじゃろが、捕まえるでないぞ。わらわがそれでよいといったのじゃ。

世界に名を轟かす最凶拳闘士。
罪を犯すことこそ俺の勲章。

事と次第によっては、がきんちょのために女帝をぶっ殺して世界を敵に回しても構わないんだぜ？
むしろ望むところだ。

[ヘンリエッタの言葉に気付き、振りかえって笑いかける。]

なんだ？変な所からでてくるなぁ。
かくれんぼ中だったのか？あはは、邪魔しちまった。許せ。

かくれんぼではない。
嫌な予感がしたので隠れておっただけじゃ。

それに物騒なことを言うでないぞ。
わらわが女帝なのじゃからわらわは殺されるわけには行かぬ。

[部屋の主という言葉に首をひねり。]

がきんちょの部屋か。がきんちょが女帝で？
いや、がきんちょは俺は殺さないし。あれ？

う〜〜ん？

[にっこりと笑う。]

考えるの苦手だ。とりあえず手を出せ。ちょこれーとをあげよう。

[ポケットをごそごそと探り、ヘンリエッタの手にチョコレートの包みを乗せた。]

……出てこないなー。

[だんだん人が集まってきた。その中の一人に尋ねる。]

ねぇねぇあんた、王様どこにいるか知らない？

……まだ寝てるの？そっかー。んじゃ、起こしちゃ悪いよなー。

[人だかりを左右の鎌で切り開きながら引き返す。]

[チョコレートを受け取る]

…ありがとうと受け取りたいところなのじゃがこれも盗品だったりするのではないかえ?
わらわは盗品を受け取るわけには行かぬ。

ん、人聞きの悪いことを言うな。脅かしたらくれたんだよ。いわゆる勇者の特権てやつだ。おいしいから食え。

[へらへらと笑っている。]


それにしても…
がきんちょが一人でこの部屋で寝ていて、じゃあおとうさんとおかあさんはどこの部屋で寝てるんだ？

むー？
よくわかんねえ。

[一人で悩みこんでいる。]

そうか。疑って悪かった。
じゃが似た様なものだと思うのは気のせいか……

わらわの父と母はもうおらぬ。5年前に亡くなったのじゃ。だから、この宮殿の主はわらわじゃ。

[ヘンリエッタは女官を呼び、ノーマンに待っているようにと伝えた]

わらわを呼んでおるものがいるのじゃ。
行かねばならぬのでそろそろ行ってもいいかえ？

それから、わらわの名前はがきんちょではない。ヘンリエッタじゃと申したはずじゃ。
それにもうわらわは13になっておるのじゃ。

ん、両親いねえのか。そか、聞いちまって悪かったな。
へっ、その割には元気に生きてるんじゃねーかよ。

俺も天涯孤独だ。
いや、親父は生きてるはずなんだが、俺と同じで噂は聞くが姿は見えず。俺よりずっと小物の悪党だがな！
そう、丁度こんな感じの顔だ。

[熊のぬいぐるみを指差した。]

ヘンリエッタ…

名前聞いたのはじめてだぞ！いや、はじめてだと思う。
だが、おまえなんてがきんちょで十分だ。

…

うん、ヘンリエッタか。良い名前だな。

ああ、行ってこい、行ってこい。
そのかわり茶を出せ。
適当に待ってる。

[再び宮殿内をぶらついている。]

腹減ったなー。メシ食うかー。
うん、そーしよー。

[食堂に*向かった*。]

[女帝の部屋の扉をじっと見ていたベンジャミンは、
部屋の中と外が騒がしいことに気付いた。
皆が女帝を狙っているのだろう]

ああ、陛下。
部屋の中に入り、お救いしたほうがいいのだろうかね。
しかし勝手に部屋に入っては失礼に当たるだろうからな。

[ベンジャミンは女帝を奪われないかとおろおろしている]

[女官にレベッカへお茶を出すように言う]

がきんちょで充分とは失礼なやつじゃ…
じゃがおぬしにはそれが合ってるやも知れぬ。

はーあァ。
ったく今日も平和だぜコンチキショウがァぶぇーっくしょォい！

ま、いいんだけどよォ。

さーて、今日は何を作るかねェ……。

……おらぬようじゃ。
待たせすぎてしまったか。

仕方ない、探すとしよう

[地下牢でノーマンの姿を探すが見当たらない。

あきらめて上に行こうとしたところで、石の崩れる音を聴いた]

…なんじゃ?

[音のほうに歩いていくと、ユージーンの姿を見つけてびくっとする]

[ケネスは突然ヘンリエッタの上空に現れた]

気が向きチャリで外出してみる。
すごい！すぐさま警官に職務質問！

武勇伝武勇伝！
武勇伝でんででんでん！
レッツゴー！

やぁ女帝。今日も元気にハッスルしているかい？

[ケネスは蝶仮面を付けている。]

ちょっと俺のラヴり測定器が若干反応したりしなかったリの毎日だが、ラヴは大切よ？

世界はラヴ＆ピースさ、ＨＡＨＡＡ。

ホワァァァァァァァァイ！？

おいおい、無視とは酷いじゃねぇか。
芸人殺すにゃ刃物は要らぬ、存在無視すりゃそれでいいってな。

[ケネスは女帝の眼前に着陸した。]

[ヘンリエッタはケネスを一瞥した]

わらわに何か用でもあるのかえ?

わらわは今人を探しておるのじゃ。用があれば後で謁見の間にくるが良いぞ。

[ケネスから逃げようとしている]

うんにゃ、用なんかねぇ。
ただちょっと暇だったから暇つぶしに声をかけただけだ。

[ケネスはケタケタと笑っている。]

なんだ、人探しか？
ソレならコレを貸してやろう。
地上移動専用マッスィーン「キックスワン号」だ。

[ケネスは何処からかキッ○ボードに白鳥の顔が付いた乗り物を取り出した]

そのようなものはいらぬ。
それに階段を上るときに邪魔であろう。

失礼じゃが…おぬしナサニエル殿を知らぬか?
この前から行方知れずじゃ。
同様におぬしが連れていた子どもも姿を見ない。何か関係があるのではないか?

ナサニエル？……誰だっけソイツ。
エマニエルじゃなくて？

まぁ、どっちにしろ行方知れずな奴に心当たりはねぇな。

うちの相方は突然どこかにふらりと姿消すからなぁ。
毎度の事と言うかなんと言うか。

さてと、それじゃ俺はそろそろ空の散歩に行くかね。
ああ、そのキックスワンな、手元のボタンを押すと足が出てきて階段も上ってくれるぞ。
世界もビックリの全自動二足歩行型。

それじゃあなー。

[ケネスは何処かへと*去っていった*]

[ずっと女帝の部屋の扉を見守っていたが
女帝は戻ってこない。
仕方なくベンジャミンは女帝を探しに出かけることにした]

陛下ー
どこにいらっしゃるんでしょうかね
へーいーかー

[うろうろきょろきょろとしながら
警備のものに見咎められないかと
多少びくびくしながら歩いていた]

【まさか昨日の女顔や先ほどなんだか陛下を呼んでいたようなやつと一緒に過ごしているんだろうか。
私の顔など見たくないと？

いや、それとも謁見の間にいるんだろうか。
私以外の者と楽しく陛下が談笑……】

そんなの許せるかあああああああっ

[思わず叫んでしまい慌てて口を押さえ辺りをうかがう]

いかん、熱くなってしまった。

もしもここに陛下が来たら怯えてしまうではないか。

[ベンジャミンは身だしなみを整えつつ
頬をつまんで笑顔の練習をしている]

うむ、こんなものでよかろう。

さて……。

陛下は一体どこまでいったのだろうかね……。


[ベンジャミンは再びきょろきょろしながら歩き始めた]

あれは……ベンジャミンではないか。しかもあのような格好で…
もしやわらわに正式なるぷろぽーずとやらをしにきたつもりかえ?

[ヘンリエッタはベンジャミンの様子を窺っている]

陛下ー
陛下ー

はぁ……
少しだけでも顔が見たかったのだがね……

一体誰と楽しく過ごして……

[想像して真っ青になっている]

……顔色くるくる変えて面白いやつじゃ…
悪いやつではないのかも知れぬが…

陛下は私をお嫌いなのだろうか。

ああ、麗しの陛下……。

一言もお話もできないとは……。

[ベンジャミンの顔色は真っ青を通り越して土気色になっている]

……声だけでもかけておくとするか。せっかくきたのだ。

[ヘンリエッタは柱の影から出てベンジャミンの前に姿を現した]

ベンジャミンではないか。その格好はどうしたのだ。

そんなかしこまった格好などせずとも、わらわは気にせぬぞ。

それより顔色が悪いようじゃ。どこか具合でも悪いのか?
睡眠は大切らしいぞ。医者が言っておった。わらわも今日はぐっすりと眠って気分が良い。

[ベンジャミンは女帝が目の前に現れたのを見て
一気に真っ赤になった]

…………。
へ、陛下に置かれましては
ご機嫌麗しく。

ああ、お姿を拝見できまして
私は天にも昇る心持でございます。

[わたわたしながら花束を差し出した]

どうか私の気持ちを受け取ってくださいませ。

そのように優しいお言葉をかけていただき
私は……私は……

[ベンジャミンは嬉しさのあまりに泣き出した]

どこも具合など悪いわけがありません。
陛下にお会いできたのですからっ。

[差し出された花束を受け取る]

う、うむ。具合が悪くなければよいのだ……
もしやと思うが今朝からいたのではあるまいな?
わらわを慕ってくれるのはうれしいが、そなた自身の生活を脅かすとあってはわらわも気が重い。

その、わらわは今人を探しておるのじゃ。
すまぬが、長話をする暇がなくてな。

おぬしの気持ちはうれしいが、わらわにはまだ大人の恋愛とやらはわからぬのだ…

まあ、確かに朝からおりましたが……。
こうして陛下に会う為ですから待つ時間など
砂粒ほどにも感じません。

お約束を邪魔しては申し訳ない。
私はこれで失礼いたします。
また陛下とお会いできますように。

[ベンジャミンはにこやかにお辞儀をして
*去っていった*]

やはりおらぬのじゃ…
部屋に戻ればまだレベッカ殿がおるのであろうな…

謁見の間へ行くとしよう。あそこならば、御簾の向こうで眠っていても大丈夫じゃ。

[ヘンリエッタはノーマンを探すのをあきらめて謁見の間へと向かった]

[ノーマンは廊下を歩いている。]

カマッ！

　　　　　キリッ！


あー暇だなー。ヘンリエッタ起きたかなー。

ヘンリエッタやーい。


カマッ！

　　　　　キリッ！

なんじゃ…わらわはまだ寝ていたいのじゃ……
成長期に睡眠は大事ぞ。

[ノーマンを見つけたという女官の話を聞いて、しぶしぶ目を開けた]

[女官に呼ばれた。]

……ヘンリエッタじゃなくて王様も俺を探してたの？
そいつぁ悪いことをしたねー。メシ食って寝てたよ。

エッケンシーツ！エッケンシーツ！

[鼻歌を歌いながら謁見室に向かった。]

なんじゃ、今から来るのか。ではここで……

いや廊下で会いたいのじゃ

[ヘンリエッタは謁見の間を出てノーマンを待った]

[謁見室から出てくるヘンリエッタを見つけた。]

おーい王様ー、じゃなくて廊下ではヘンリエッタだった。
王様の仕事はもう終わったのかー？

[ノーマンの姿を見つけて微笑んだ]

王の政務は一日中じゃ。じゃが今日はもう終いである。
それよりでこはわらわを呼んでおったのではなかったか?

あー、いやさー。暇だったらどっか遊びに連れてってやろうと思ってたの。
ヘンリエッタは王様だけど子供だから、たまには息抜きも必要だと思ったの。
でも暇って事はねーよなー、王様なんだから。

それより、俺が呼んだのを知って探してくれてたんだってな。
悪いねー。

なるほど、わらわのことを考えてくれてたのじゃな。

じゃが勝手に外に遊びに行くわけにもいかぬのじゃ。

遊びにか…わらわの周りは大人がいっぱいでな。そのようなことをいうやつは少ないのじゃ。
レベッカならばわらわの言うことも聞かずに連れて行きそうではあるがな。

レベッカって、格闘技の強い殿様だったっけ。
俺のカマキリ拳法とどっちが強いかなー。

カマッ！キリッ！


ヘンリエッタは王様なのに勝手な事できないのかー。
誰に許してもらえば遊びにいけるんだい？

わらわは許しを請うのでない。
わらわが行きたいと思ったときに行けるようなら行くのじゃ。

爺は叱るがな。

レベッカとでこではどちらが強いのであろうな。
レベッカのほうが強そうに見えるぞ。
今ならまだ部屋に居るはずじゃ。
逢うてみるか?

子供は叱られてナンボだぜー。
王様だから大変かも知れねーけど、気ぃ張りすぎんなよー。

俺より強い殿様には会ってみたいなー。
戦いになったら応援してくれよー。

―女帝の部屋―

ぶへっくしょん！

うへ、さっすが最凶拳闘士の名は世界中に噂されているってことか。
こうもくしゃみばかりだと、困ったちゃんだが、これも有名税ってところだぜ。

ひゃーーーーははは。

[高笑いすると女帝のメイド達は、散り散りに飛びすさって逃げた。]

そうか。では部屋まで案内しよう

ひょっとしたら気が合うやも知れぬぞ。

[ヘンリエッタはノーマンの手を引いて自室へと向かった]

そいつもヘンリエッタの友達なんだろ？
だったら仲良くなれるかもなー。

[ヘンリエッタに手を引かれながら嬉しそうについていく。]

どうしたのじゃお前たち。

[中のレベッカの様子を女官から聞く]

どうやら待たせてしまったようじゃな…
おぬしたちにも悪いことをした。
悪いやつではないのだが、少々言葉より手が出る方向にあるようじゃ。

[ノーマンをつれて部屋の中へ入った]

[ヘンリエッタが天井を歩いて部屋の中に入ってくるのを見た。逆立ちしたまま声をかける。]

おーおーおーがきんちょ。
もうそろそろ迎えに行ってあげようかとおもってたが、一人で戻って来れたか。えらいなー。

あれ？

[ノーマンの姿に気付いた。]

おー、軽業師みたいだなー。

[レベッカに拍手を送った。]

[何やら考え込んでいたが、思いついたようにぽむと掌を打った。]

おにぃちゃんか！

兄者ではないぞ。
わらわは一人っ子だからな。

こっちはノーマンといって…


なんと紹介すればよいのじゃ？

あー俺、ノーマン。
飲むけどノーマン。
ヘンリエッタの友達さー。

そういうお前は殿様か？

むっ？兄ではない？

あーおーほー

じゃあコイビトか。ほーほー隅におけないねぇ。

[女帝を見てにやにやと笑う。]

[レベッカの言葉に驚いた]

な、何を言うのじゃ。
でこはでこであって恋人なんかではないぞ

大体なんでそんな結論が出るのじゃ

[ヘンリエッタは慌てている]

殿様ぁ？そんなつまらんもんじゃねー。

俺は世界最凶拳闘士レベッカ。
両の拳にこの身を捧げた伝説の悪の権化。

はっはっはー。恐れおののいたか酔っぱらい。

[ノーマンに言い放った。]

そして、そこな大悪党がきんちょの一の家来でもある。

俺ぁ酔ってねーよー。
まーいーや。よろしくなー。

それにしても、伝説なのに家来かー。
お前変わってんなー。

[差し出された手を握り返す。]

ヘンリエッタから強いって聞いてたけど、俺のカマキリ拳法より強いのか？

わ、わらわは大悪党などではないぞ！

【がきんちょもいっちょまえに恋に悩む季節になったのか。うむ、悪人といえど人の子。そういうこともあるぜ。】

[「拳法」という言葉に反応して、飛びすさる。四つん這いになって構えると、獰猛な笑みを向けた。]

でこっちはいつも蟷螂で、俺は魔獣の役だった。

ひゃーははは。こんなところで、使い手に巡り合うとは思ってもみなかった。女帝の差し金か？いつでも、いいぜ。かかってこいよ。

…戦うのは良いが、わらわの部屋で戦うのはやめてほしいのじゃ。
後怪我はせぬようにお願いする。

俺が怪我なんてするかよ。もっとも、相手の命の保証はしねえがな！ひゃほー

おっ、いきなりやるかい？俺ぁ構わんぜー。

[腰を低く落として独特の構えを取り、レベッカの奇妙な構えを注意深く観察する。]

お前、ホント変わってんなー。

…相手の命も大切にじゃ。

がきんちょ、怪我しねえようにどいてな。
[ヘンリエッタの方を見やる事もせずに言い放った。]

いきなり飛ぶ奴ぁ初めて見たぜー。

[身体を捻って両手を後方につき、足払いをかわす。
と同時に左足の踵でレベッカの顔面を狙った。]

やるじゃん。

[顎を逸らしてぎりぎりで踵をかわすと、そのまま地面すれすれに後方2回転して着地した。]

次は変形猫にゃーにゃー拳いくぜ。

[部屋中を軽々と跳ね回っている。]

今のを避けるかー、お前すごいなー。

[両手を軸に身体を回転させて立ち上がり、再び構えてレベッカの動きを注視する。]

ネコよりカマキリの方が強いぜー。

[上空からの拳を両手の鎌で押さえて身体を捻りながら引き込み、鳩尾を狙った足刀を放った。]

甘いぜっ。

[掴まれたまま身体を思いきり捻ると、肩の関節をわざと外して空中に留まった。ノーマンの蹴りが身体を掠めていく。]

にやり

二人とも怪我をせぬようになー

お前の身体って、ホントすごいなー。

[感心しながらも捻りの勢いを殺さず、逆の足で後ろ回し蹴りを繰り出す。]

ここまでの使い手は、滅多に…おっと。

[ノーマンの後ろ回し蹴りのつま先を口で咥えて止める。そのまま、空いている足で止めた足の膝裏を狙って蹴りを放つ。]

ふがふがう…

[ヘンリエッタは二人を*応援している*]

く、くわえるか普通？？？

[レベッカの蹴りに構わず、止められた足を基点に身体を浮かせて側頭部を狙った蹴りを放つ。
レベッカの攻撃は甘んじて受けた。]

痛ぇー！

おっとっとーあぶないあぶない。

[咥えていた足を即座に放すと、自らの蹴りを寸止めし、頭を沈める。ノーマンの反撃をすれすれでかわした。]

[そのまま、腕に力を込めて引き剥がして飛びすさった。]

[両手から床に着地して身体を捻りながら立ち上がる。]

うはー、全部かわされちゃったよ。
お前って変わってるけどすごいなー。

[嬉しそうにレベッカを見る。]

ほあちょっ。

[度重なる振動で棚から落下してきた花瓶を、華麗にスライディングし足で受け止めると、静かに床に下ろした。そして、反動をつけて立ちあがって、息を吐く。]

[ごきっ！肩を掴むと大きな音をさせて、元通りにはめ込む。そして、ノーマンに向かって愉快そうに笑った。]

ま、こんなもんでしょ。あはははははははは。

相手の命も大切にってことらしいからな、暗黒猫にゃーにゃー拳最終奥義はやめといたぜ。

久しぶりに退屈を紛らわせて面白かったなー。

でこちゃん、ほんとに強ぇーーなあ。

いやー、お前も強いよー。こんなの初めて。
楽しかったなー。またやろーぜー。

ヘンリエッター、もう出てきていいぞー。

[ベッドの下に声を掛けた。]

もう終わったのか。
なかなか良い戦いであった。

[ヘンリエッタはベッドの下から這い出てきた]

がきんちょを奪い合う男と男の真剣勝負。
浪漫だぜ。

おう、無事か。そいつはよかったわっはっはー。

[ヘンリエッタの身体中を撫でて確認した。]

こ、こらおぬし、どこを触っておるのじゃ

わらわとて子どもといえども女じゃ。
そんなたやすく触られれば恥ずかしいのじゃ！

[ヘンリエッタは慌ててノーマンの後ろに隠れた]

【2人の拳闘士、倒れるのはいずれか…。いつかこのでこ野郎…ノーマンと本気で殺し合いをしてみてえぜ。】

奪い合う？お前、変な事ばっかり言うなー。

[ヘンリエッタに「なー」と同意を求める。]

俺のカマキリ拳法も強いだろ？
こんなに避けられたのは、こいつが初めてだぜー。

いーってこと、いーってことよ。

[気に留めずにヘンリエッタに笑いかける。]

[背後に隠れるヘンリエッタを庇う。]

おいおい、お前家来だろー。
ヘンリエッタを怖がらせるなよー。

これが世に言う、せくはらなのじゃ。
思っておったのじゃが、レベッカ殿はわらわを女と思うておらぬ。

[ヘンリエッタはむくれてノーマンの影からレベッカを見ている]

最凶せくはら拳闘士レベッカ〜♪
今日もせくはら〜明日もせくはら〜♪

うわカッコわるー。

[ヘンリエッタの言葉に情けない顔を作った。]

うはは、カッコわるー。

そうなのじゃ、かっこ悪いのじゃ。
少しは反省するのじゃ。

がきんちょはがきんちょだ！それを肝に命じろ。

だがまあ、お姫様のように振る舞いたいという願望は、叶えてやらないでもないぞ。

テレポートα！

[ケネスは物凄い勢いで走り出した……

ＤＯＯＯＯＯＯＯＮ

壁にぶつかり真っ黒になった。]

……間違えた。
テレポートβ！

[ケネスは激しくその場で廻りだし、瞬間移動した。]


[ケネスがノーマンの真後ろに現れた。]

[背後の気配に気付いてヘンリエッタの身体を抱えて飛び退く。]

だ、誰だ！

……と思ったら志村か。

まじか！
どこの芸人かと思ったら、かの伝説のシムラ！俺もちょっと有名な方だが、旦那にゃーかなわねぇぜ。

[目をキラキラに輝かせて、ケネスに注目している。]

よぅ、デコの旦那。

[ケネスはノーマンに挨拶をした]

見てくれ、このスワンスーツを。
こいつを見てどうおもう？

わらわはがきではないのじゃ。
何度もわらわがこの国の王であると言うておる。

100年早くともわらわは生涯の伴侶となるべきものを選ばねばならぬ。

[言っている途中でノーマンに抱き上げられ、さらに慌てた]

な、なんじゃ?

もっちもっちー

[スワンに目を奪われる。]

す……すげー、すげーよ志村！
あんたやっぱりすげーよ！！

[スワンスーツのケネスをキラキラした目で見つめた。]

伴侶。はんりょかー。

こんなしょぼくて窮屈な宮殿で、がきんちょにふさわしい相手なんているのか？
いやこの国の中にだって…

ま、そんなこと俺の知ったこっちゃねーや。

がんばりな、ヘンリエッタ。

[ケネスはそっと(持っていた鞄の)チャックを開け、中から大きいもの(キックスワン改良型「ダッシュスワン」)を取り出した]


　　　　　のらないか

こ……これは……？？？

[目の前に出されたダッシュスワンをキラキラ目で見つめている。
ときめきゲージは振り切り寸前。]

わらわとて探したくはないが、しょうがないのじゃ。

じゃが、わらわが見つけた相手でなければ臣の者たちが連れてきた相手など承諾はせぬといってある。

……じゃが。わらわも、この国にはおらぬ気がする…

こらでこ、何をそんなに見つめておるか。
わらわよりもそのダッシュスワンのほうがいいのじゃな…。

既存の車輪移動と二足歩行移動の変形部分を削除、完全な高速二足歩行を実現した地上移動用スワン最新モデル！

その時速はコレまでの二足歩行の常識を塗り替える時速４２ｋｍ！

どんな悪路をも走破する多重スプリング内蔵型レッグ！

移動時の衝撃も極限まで軽減、搭乗者に快適なスワンライフをお約束いたします！

これを君に授けよう！

[ヘンリエッタの瞳を覗き込む。]

ほんとはさー、外でのびのび遊んでみたいんじゃねーの？
まだまだがきんちょだろ？

大切な相手なんて、自分さえしっかりしていたら、いずれちゃんと見つかるはずさ。

[ヘンリエッタの言葉にハッと振り返る。]

い、いや、これは、その、なんというか、つまり……。

[ヘンリエッタとダッシュスワンを交互に見ている。]

も、貰っていいのか―――――ッッ！？

[ときめきゲージが振り切れた。]

[目の前の彫像に胸をときめかせつつ]

これで今日の仕事も終わったなァ
つうかむしろ今日から開かずの牢に左遷じゃなかったのなー。

[傍らの仲間に話し掛ける]

そォいや、俺が左遷される確率ってどンくらいなんだよォ？
……ん？ ああ、２人行かされるのかー。ふーん。
うん、そんで……候補者は何人なんだァ？

……ハァ？　４人！？
４人中２人っつッたら50％じゃねェかばかやろォォォォォ！！！！

よし

逃げるか。

ああ、君はこの持ち主に相応しい！

ちなみに３つの不思議な能力が装備されているがソレは君自身の手で見つけてくれ。

それじゃあ俺はこれにて！

再来(リターン)オン！マサドラへ！

[ケネスはダッシュスワンをノーマンに渡し何処かへと瞬間移動して行った]

わらわは他の子どもと同じように遊んだことなどないぞ。だから、それがどんな楽しいものかなど知らぬ。

ああ…いや、あったな。昔父上や母上と静養に行った先で遊んだことならあったぞ。

じゃがわらわはもう13じゃ。
もう外で遊ぶような歳ではない。

消えたっ、すげーいりゅーじょん！

でこよ……やはりおぬし…

とりあえず、夜の間は動けるだろー
後のことはそン時考えりゃーいいんだよォ


俺は変な牢の担当に左遷させられて、気がついたら皆で一緒に　 (ﾟ∀ﾟ)ｱﾋｬ!! とか言ってる人生はゴメンだぜェ！

まてまて、13歳は十分がきんちょだぜ。
明日でも遊びに連れて行ってやるぜ。

だいたいなー昨日、肩車してやった時、楽しそうにしてたじゃねーかよ。
考え方が堅いよ、堅い。
まったくもって王族ってのはこんなだからやーねぇ

[ヘンリエッタの頭を撫でながら、]

なんなら、今日は一緒に寝てやるぞー。

志村……あんた神様だぜ……。

[消えていくケネスに手を合わせて拝んだ。
ケネスの姿が完全に消え去った後、ヘンリエッタの手を取って一緒にダッシュスワンに乗り込む。]

しっかり捕まってろよー！

――行けッ！ダッシュスワンッッ！！

[スワンのボタンを押した。]

わらわは一人で寝られるのじゃ。

いや、それよりわらわが男と同衾しておるなどと知られれば臣の者が黙っておらぬだろう。
おぬしが祭り上げられようぞ。

[言いながらレベッカが遠ざかっていく]

な、なんじゃ、でこ、わらわをどこに連れて行くつもりじゃ

ひょあっほ―――――ッ！！！

（ガッチョンガッチョン）

何処って、何処でもいいよー！
こんな楽しい乗り物、乗って嬉しくないわけないだろー！！

（ガッチョンガッチョン）

[ダッシュスワンは快適な乗り心地で宮殿内を駆け巡る。]

[慌てて立ちあがって、]

でこのすけっ！あんにゃろ。

時速42km、走っておいつかねー早さじゃねーけどっ！
まー今日はバトって疲れたし、寝るかな。

がきんちょもたまには遊んでくれば良いんだ。
俺は寝る。

おやすみなさいっ。
[そう言うと、女帝のベッドに潜り込んで*すやすやと眠りに落ちた*]

[落とされないようにノーマンにつかまっている]

……無事に戻ってこれると良いのじゃが…

―植物園の奥とかその辺―


でゅわっ！


[ユージーンは"予定調和"というスペルを用いてワープした。]

何処だココ。
なんかじめじめしてて居心地いいなァ……キレーな花がたくさん咲いてるしよォ

[毒々しい色の花々を楽しそうに眺めている]

とりあえず、しばらくココでスタミナ補充してからその辺の建物に入ってみっかァ。うん。

…行きたい場所は遠く離れておるのでいけぬな…

この国の外じゃからな。

へーきだって。神様の設計に間違いはねーよー。

（ガッチョンガッチョン）

ヘンリエッタ、お前は楽しくないのか？？？
俺？俺は超サイコー！！！

（ガッチョンガッチョン）

[風を切って走りながら、しがみつくヘンリエッタに満面の笑みを向ける。]

国の外……？この国から出たいのか？

（ガッチョンガッチョン）

いや、昔連れて行ってもらった先が国の外だっただけじゃ。気にするでない。

しかしこのダッシュスワンは少し振動が気になるな
じゃが楽しくないわけではないぞ。

そっかー、いつか行けたらいいなー。

（ガッチョンガッチョン）

だろー、楽しいだろー。
楽しい時は思い切り楽しもうぜー。

（ガッチョンガッチョン）

[スワンはいつの間にか植物園のそばまで来ていた。]

ここは…植物園じゃな。

誰かおるようじゃ

[入り口にいるユージーンに気づいた]

……あやつはまさか牢にいたやつではないか?

…………。

なんだあのアヒル。

むしろでこ＆でこだ……。

ん？あー、ワカメだー。

[植物園の入り口でスワンを止める。]

よおワカメ。久しぶりー。

あー
なんかあの黒いデコ見たことある気がすんなァ



……食い逃げ犯？

あ。

あン時のぎゃーぎゃー泣いてたでこ姫かァーーー！！

[ユージーンはヘンリエッタの事を思い出したようだ]

おーでっかくなったなーいやちっせェけどよォ！
ところでお前なんでまだこの国にいんのォ？
嫁き遅れェ？

食い逃げなんてしてないってー。
あれは間違いなの！俺はお客さんなの！

ってあれ？ヘンリエッタもワカメ知ってるの？

[二人を交互に見る。]

だ、誰が嫁き遅れか！！

わらわはまだ13ぞ。

それよりおぬしはさっき牢にいたものじゃな、どうしたのじゃ。
こんなところで何をしておる?

あーでこ姫は覚えてねェかもなー

何せこォーーーんなちっせー頃の話だからよォ

[ノーマンのほうをみた]

今日おぬしを探しに牢に降りていった所で見かけたのじゃ。
じゃがやつはわらわを知っておるという。

いやーだってよォ。
今は亡きクソ親父が「王族の姫さんは10歳くらいになったらよその国のロリコン貴族ンとこに行くもんだ」ッつってたぜー？

あれ、違うの？？

[ノーマンに]

よォ食い逃げ犯。
俺はユージーン。
お前とは友達でも何でもねェけどユージーン。

そこのでこ姫サンは、まだこーーーーんなちっせェ頃に、俺が番人してる牢屋に迷い込んできてよォ。
ヒマそーだったから俺の友達紹介してやったらギャーギャー泣き出したんだよー
ちょ、ひどくねェー！？

[ユージーンの友人は、たいてい多湿を好む何かの生物だが]

わらわはこの国の王ぞ。
他の国にはいかぬ。

それより…

[ノーマンの言葉を聞いて納得した]

牢番ではないがおぬしは墓守じゃな。
確かおぬしのようなやつがいることは爺からきいた気がする。

あー。そんでね。
俺はなんでか知んねーけど超ド級の変態が厳選されてるとかいう噂のひどい牢屋の担当に左遷されそうになってるらしくてさァ。


逃げてきた。

……って、はァァァァァ！？

デコ姫が王様なのォ？
なんでェ！？

……わらわはそんなに小さくなかったのじゃ。

えーとえーとー
でこ姫が王様ってことはー

えーとーー

[脳みそフル回転で考え中]

よし。
決めた。


変態牢にいくのがいやなので家来にしてクダサイ。

確かにちっちぇーけど、国の事をちゃんと考えてる良い王様だぜー。

[その時、ダッシュスワンが勝手に動き始めた。]

わ、わ、俺のスワンが――ッ！！
ヘンリエッタごめん！あいつが呼んでる！！

[ダッシュスワンに飛び乗り、風を切って*走っていった*。]

今ならそこの食い逃げ犯もつけるよ！

[ユージーンはTVショッピング的なお得感を演出してみた]

っていねェェェェェェようぉい！！

…家来など募ってはおらぬ。
しかしでこは行ってしまった様じゃな……


左遷の話は初耳じゃが、行きたくないというのであれば話しをしてみようぞ。

[ノーマンの言葉を思い出している]

ふーん……。

でこ姫は、ちっちゃくていい王様なのかァ？

わらわがいい王さまかどうかは民が決めることじゃ。
わらわが決めることではない。

じゃが、いい王様だといってもらえるのはうれしいぞ。

俺もでこ姫がイイ王様かどうかとか知らねー。
王様になってたッて事自体、まだ不思議な気分だしよォ。


でも、おーきくなったんだよなー。
俺の事見ても、もう怖がって泣いたりしねェんだもんなァ……。

…まあ今日牢でみたときは不気味に思ったがな。

じゃがもうわらわは泣いてた子どもではない。
しかしじゃ。
おぬしいったいいつからうちの牢にいるのじゃ?

…なんだか今日は良く撫でられる日なのじゃ。

みんなしてわらわを子ども扱いしよる。
少なくとももうわらわは頭をなでられて喜ぶ子どもではないのじゃ。

[だがうれしそうだ]

俺は物心ついた頃からあの地下で暮らしてたぜェ？

もともと親父がココの牢番やってたし、お袋は愛想尽かしてどっかに行っちまったらしいからなー
もうどっちの顔も覚えてねェけどよー

そうなのか…おぬしもわらわと同じようなものじゃな。
じゃが物心着いた頃からあそこにいるのは辛くないか?
日のあたらない場所じゃ。
わらわはじめじめした場所より外のほうがいいのじゃ。

別に辛かァねーけどなァ……。

むしろ日光に当たらずにすむ一食昼寝付の仕事って悪くない待遇だと思うんだが。

むしろ俺、日光浴びたらきっと溶けると思うんだよなー
浴びたことないから分かんねーけどさァ。



……あー
そろそろ牢に戻っかなァ。

そうであろうか…
まあ、おぬしがそれでいいのならよかろう。

まあ、左遷の件は話しておくことにする。
通るかどうかはわからぬが、おって知らせを待つが良いぞ。

[そこまで言ったところで、大きなあくびを一つした]

そろそろ眠いのじゃ…おぬしも牢に戻るか。

わらわも部屋に戻ろうぞ。

……じゃが…

なんだか嫌な予感がするのじゃ。

でこ姫、眠いのかー
じゃァ城の近くまでは送って行くぜ。

明るくねェところまでだけどな。

お願いするのじゃ。
多分一人で戻ってきたと聞いたらまた爺が騒ぐのでな。
おぬしはここで働いておるものだし文句は出ないじゃろう。

[ヘンリエッタはユージーンに従った]

俺に送らせるくらいなら宮殿の外の馬の骨の方が歓迎されそうな気がするけどなァ……へへっ。


ん、帰りたくないのか？
えーとォ、確か４番牢なら空いてるぜ？

[ヘンリエッタの手を引きながら歩き始める]

いや、牢は遠慮するぞ。
まあ何とかなるとは思うておるので大丈夫じゃ。

そうかァ。
じゃー気をつけて寝床まで帰れよー

[やがて宵闇に浮かび上がる宮殿が見えてきた]

俺のお供はココまでだなァ。
これ以上行ったら溶ける。気がする。

まァ……その、アレだ。

さっきあの食い逃げ犯が、でこ姫はいい王様だって言ってたからなァー。
罪人にまでいい王様って言われてンだから、でこ姫は本当にいい王様なんだろよ。

んで、でこ姫が本当にいい王様なら、俺は牢番に戻っても大丈夫なんだろ。多分。


だからでこ姫と会うのもきっとこれで最後だなァ。
いい王様は仕事サボって牢屋に来たりはしねェだろうしな？

……まァ、頑張れや。

ヘンリエッタ様。

わらわはよく牢にも行っておるぞ?
牢を見回るのもわらわの仕事じゃ。
また会おうぞ。

それではわらわはもう部屋に戻る。世話になったな。

あと、わらわに様はいらぬ。他に兵がいれば別じゃがな。

[ユージーンに別れを告げると、ヘンリエッタは部屋へと向かった]

あ、ちょ！
待てーーー

これやる！
取っとけェーーー！！

[ユージーンは割り箸鉄砲（改）を一丁、ヘンリエッタに押し付けた]

いい王様なら、自分の身くらいは自分で護れねェとなー！！

[振り返り、割り箸鉄砲を受け取る]
うむ、何かの折には役に立てよう。
[そして*部屋へと戻った*]

[ヘンリエッタは、女官からの耳打ちで、レベッカがまたベッドで眠っていることを知った。嫌な予感は当たったが、以前程には危険を感じてはいなかった。]

[ヘンリエッタがベッドの元まで来てにやけているレベッカの頬をつついた。レベッカは薄目を開けてぼんやりとヘンリエッタを見た。]

んあ、おかえりなさい。

んーーーーふぁーーーーあ。

ほら、寝るか？
あ、あぁ俺がいるとあれだなあれ。
へえこらほにゃらかあれあれ。
良くわからないけど、べっどでるーーーね。

[レベッカはぼんやりゆっくりそういうと、のそのそと起き上がった。]

[レベッカは、何かを言うヘンリエッタの手を掴んでベッドの中に引っ張りこんだ。]

がきーんちょなんだかーら、ちゃんとたくさんー寝なくちゃ…
だめだぞーう。

でも、たまにはひとりっきりじゃなくっても、いいーよなぁ？

[そう言うと、ヘンリエッタに布団をかぶせ、自分はベッドを降りると、そのまま床に寝転んだ。]

ヘンリエッタ、おやすみー。
いい夢みろよ。

[直ぐに、すやすやと*眠りに落ちた*]

―地下牢―

くらえェェェイ！　ギラーミンんんん！！


（ぺしょん


[ユージーンは割り箸鉄砲（改）でギラーミン（かまぼこ板）をばったばったと討伐中]

……王様、ねェ……。

[割り箸鉄砲を置き、ふと考える]

そーいや昔会った時は、俺も痩せっぽちのガキだったんだよなァ。
ありゃァ確か７年前だったから……俺はまだ12か。
えらそーな事言えねェわなァ。

……あんまりちっちぇーちっちぇー言い過ぎちまッたかねェ。