人狼審問

―宮殿の通用口―

麗しき姿女神の如し、と謳われたこのレベッカを嘗めんじゃねーぜ。へっへー。

[繰り出される激しい蹴りの何発目かがその大男の顔面をヒットすると、まもなくその男はその場に崩れ落ちた。]

ひゅぅっ
ひゃーーーははは。
旦那、そこそこの使い手だとは思うけどな、相手が悪かったぜ。

ところで、旦那の名前、なんだっけ？
おーーーーい。
返事しろよ？

[何かの呻き声をあげて話そうとした男に、足を振り上げて頭部を思いきり蹴りつける。そのまま男はぴくりとも動かなくなった。]

アー…
アーヴァ…
なんだっけなぁ？
流行らない石器時代の名前だったような気がするが…

アーベルジュ。

[ぽむと手を打つ]

旦那の名前はアーベルジュ。そっちの方が素敵だぜ。そうだ、そうしとけ。
何？
旦那も気に入ったか、そかそか。
良い事をすると気分がいいね。

[動かないアーヴァインの身体の上でぴょんぴょん跳ねながら、高笑いを続ける。]

アーベルジュ、ここに眠る。っと。

さーて、これであのスカした旦那と思う存分戦えるってもんだ。

[昼間出会ったナサニエルの顔を思い出す。]

んーなんか変な芸人とチビッコが一緒にいたような気がするけど、たぶん気のせいだよな。
んあ、それとも風の精かしら？

ま、そんなことはどうでもいい。
俺の標的はただひとり。
首を洗って待っていろ。
この、世界最凶拳闘士レベッカが旦那を倒すぜ。

[そう言うと、重い扉を開いて、宮殿の内部に忍び込んだ。]

ところでさぁ、つい宮殿に来ちまったけど、あの旦那は宮殿にいるんだっけ？
ま、いいか。
しょぼい女帝の寝顔でも拝んでいってやるとするか。

ひゃーーーーーーははは

[使用人を殴り倒しながら、*宮殿の奥へとつき進んで行った*]

ふん。
「麗しき姿女神の如し」とか、ネタ振ってんじゃねーよ。
「そりゃ猛き姿＜戦女神＞の如しの間違いじゃ…」とか、そんなコメント待ってんだろー？

あっまーい！
そんなの、粒餡を蜂蜜とメイプルシロップに漬け込んだのを一気食いあーんどお代わりするくらい甘いってんだよォ！

m9っﾟдﾟ)＜貴様はむしろヘラクレス。

『ＢＡＢＲＲＢＬＢＡ』っと。
白鴉もーど、おん。

とう。

[トビーは蒼穹を駆け抜ける白鴉となって*去っていった*]

［謁見の間へと向かいながら、ヘンリエッタは宮殿のあちこちが着々と飾られていっているのに気付いた］

昨日もであったが、宮殿に誰ぞよんだのか？
わらわは質素なくらいで丁度良いと思っておるのだが、……花はよいものだな。
もし誰かが飾っているのなら、宮殿設備の予算の範囲内で、と申しておくように。

それとわらわは白い花が好きじゃ。わらわの部屋にも白い花を持て、と。

−泉の広場−

おおぅ、さむっ！風邪引いてないか、俺？
うん、大丈夫。よかったね、俺。

さーて、やる事無いなー。女帝ってどこにいるのかなー。わかんねーなー。
まーいーや。とりあえずご飯だ、ご飯。

[身体中の土と草をパンパンと払って食堂に*向かった*。]

　―地下牢―

ゥ割ァり箸でェ！
連続装填発射排莢式構造がァァッ！

つーくーれーるーかァァァァーー！！！

（がっしゃーーん


[まだまだ割り箸ガトリングガン*開発中*]

− 街 −

［ 氏素性を悟られぬよう、今日も…は平素な服に身を包んで
街の中を気ままに散策していた。
穏やかな笑顔の裏で、情報収集・分析に余念がない ］

【…どこの道を歩いても、下水道がしっかりと整備されているな。
疫病の流行から民を守るには、欠かせない。
造りもしっかりしているようだし…問題はないな】

[ケネスは腹を出して眠っている。
*ちなみにネズミーマウスのぬいぐるみを抱えている。*]

−街のどっか−

ラピュタに行きたい。

うん、決めた。
俺、明日っからちょっくらラピュタ探しに行ってくるわ。

つーことで、みんな。『俺に清き一票を４６４９』。

頼むぜー。

[トビーは最近お気に入りの白鴉モードで*パタパタパタ*]

ラピュタはあなたの心の中に。

おまい心狭いなー。
俺がジパングのいいルールを教えてやろう。

第１条　　お前ら仲良くしる
第２条　　仏様とお経と坊さんは大切にしろよ
第３条　　陛下の詔勅は謹んで受けろ
第４条　　役人は礼儀と身分をわきまえろ
第５条　　人を裁く奴は賄賂とかに惑わされんなよ
第６条　　ＤＱＮは叩け。いいことしろ
第７条　　役人はちゃんと自分の仕事をしろ
第８条　　役人は朝早く出勤して夜遅く帰れ。きっちり定時なんかに帰るなよ
第９条　　信用は大切だぞ
第１０条　他人が何か間違ったことしてもあんまり怒るな
第１１条　功績や過ちはハッキリさせて、賞罰とかその辺きっちりさせろよ
第１２条　役人は住民から搾取しちゃダメだろ
第１３条　役人ども、おまいらは同僚が何やってるかはきっちり知っておけよ
第１４条　役人は他の市とかの方が給料高いからって妬んだりすんな
第１５条　役人どもはてめー財布のことばっかり考えてないで国のために働け
第１６条　国民に何か課すときは、必ず時期とか空気読んでやれよ
第１７条　重要事項は会議して決めろ。ひとりでコソコソやんなよ

これさえマスターすりゃ、おまいもピンクのレオタードが似合うひっぴーはっぴーなナイスガイになれるぞ。
ちゃんと覚えろよー。んじゃなー。

[トビーは火の鳥に乗って*去っていった*]

−謁見の間−

[今日のベンジャミンは作戦を変えて、
禿頭を美しく光らせ、きっちりとした衣服に身を包み、
紅白の薔薇の花束を持参していた]

陛下、昨日の贈り物は気に入っていただけなかったようですね。
何が陛下の望みか、ぜひとも教えていただきたい。
私が望むのは陛下の笑顔なのですから。

[膝を突き、さっと花束を女帝に差し出す]

よろしければ一度我が商会にいらしていただけないでしょうか。
陛下のお望みを、陛下が喜ばれることを
実際に商品を前にして教えていただきたいのです。

もちろん物でなくほかのことであれど、
私は喜んで陛下のためにこの身をかけて叶えましょう。

それではまた……。
陛下のために冷たい飲み物を用意してお待ちしております。

【物に釣られないなら実際顔見て何かするのが一番だろう。
　陛下が喜びそうな内装に変えておくか。くっくっく】

[深く頭を下げるとベンジャミンは店へ*帰っていった*]

…ふぅん？　これはこれは…

［ よく言えば独創的、悪く言えば悪趣味の塊のような屋敷を
外からじっくりと眺める ］

【趣味の悪さは如何ともし難いが…金がかかっていることは確かだな】

邪魔だどけーーーーーーー！

[甲冑2名の挟撃をやすやすと交わすと、ダブルクロスカウンターが顔面を同時に捉えた。いくら鎧兜を身に纏っていても、露出した部分は見逃さない。天性の格闘センスは誰を相手にしてもまるで揺るぎはなかった。]

旦那たちよぉ、何をそんなに大切に守ってんだ？宝物でもあるんかね？
ま、いいや、入ってみようっと。

[妙に飾られた扉を開くと、その中は様々なシルクや珍しい美しい花が飾られた部屋だった。天蓋付きの高級そうなベッドがある。]

ふぇー、豪華な部屋だぜ。
あらら、姉ちゃん？そんな怖い顔しちゃやーよ。
いや、だからモップで攻撃すんじゃねーーーってばさ。

[言いながら楽しそうに、その部屋にいたメイドの攻撃をひょいひょいと交わす。]

ははははは。しゃーねえ。
最凶の最凶たるゆえんを教えてやる。
あいにく、俺はフェミニストでも何でもねーーのさっ。

[メイドの両肩を掴むと、反動をつけて思いきり頭突きを食らわせた。倒れかけるメイドを受け止めそっと横たわらせる。]

俺の邪魔をしたらこうなる。ふんふんふーん。
それにしても良い香りのする部屋だな。
でも、誰も今は寝てないのが、ちょっと残念無念ちゃん。

【この部屋の主なら、さぞ可愛い寝顔だったろうに。】

つか、俺ねむい。
ふぁーーーーーー。ねちゃおう。
おやすみなさいっ。

[女帝のベッドとは知らずに潜り込むと、*すやすやと寝息を立て始めた*]

- 診察室 -

[医者の瞼が震え、次に手足がぐーっと伸びた]

嗚呼…随分と長い間眠ってしまったようだ。
馬車はやはり時間がかかるな…まあ、あの子を救えたんだから、それでよしと言えばよし…か。
しかし、この国の医療設備や医者の数についてはやはり再考する必要があるだろう。
女帝様にもし何かがあった時に私が他のクランケにかかっていたら…女帝様を優先させる事はできないかもしれない。たとえそのクランケがモンスターであろうとも、命は平等だ…。

[医者はぶつぶつと呟きながら身支度を整えて宮殿に向かった]

[うとうとしていたところを女官に起こされる]

ついぞ寝てしまっていたようじゃ。
少しばかり昼寝をするのじゃ。

先ほど来たベンジャミン商会のものの家には、そのうちに伺うと伝えてほしい。
…そうだな、危険があるやも知れぬから、あやつを誘ってみよう。

[謁見の間を出ると、自分の部屋へと向かった]

- 廊下 -

すれ違ってしまったか…。
お部屋まで男が押しかけて国への要望を訴えるのは些か大人気ない行為やもしれないな。
しかし、せっかく来たことだし、女帝様のご様子を伺ってから帰るとするか。
美しいものに触れることは、人生を豊かにする第一歩だ。

[部屋に向かう途中、女官が数人やってきてヘンリエッタに耳打ちをする]

なんと。悪漢がわらわの部屋で寝ているというか。
……なぜ追い出さぬのじゃ。

いやよい。すぐ部屋に参ろう。

困ったな…こちらにはまだ戻られていないのか。
仕方ない、帰るか…

[部屋の前まで来ると、ヴィンセントの姿を見つけた]

あれは……この前の医者じゃな。どうしたのであろう

なぜわらわの部屋の前におるのじゃ。何か用でもあるなら謁見の間に来れば良いものを。

その部屋には今悪漢がおるらしいのじゃ。近寄ると危ないと女官が言っておった。

わらわもどうしたものかと思い部屋まで来たのじゃが。

「ご主人様ー？　何処に隠れていらっしゃるんですかー？
出てこないとおやつあげませんよー…」

「今日のおやつは、アイスココアに、レアチーズケーキですよー？」


［ …は、柵の隙間から、メイド姿の女性たちが主人を探している姿を目撃した ］

【…失踪癖があるのか、それとも昼間っからお楽しみなのか…？】

嗚呼陛下…お目にかかれて光栄です。

[医者は跪き、手を取って唇をつける真似をした。実際には嫌がられるのを怖れて触れはしない]

ノックがなかったので帰るつもりでおりました。
実はお話があったのですが…陛下の可愛らしいお顔を見てそんな事はどうでもよくなりましたよ。

悪漢…ですか？
それは危ない。
捕らえて牢にぶちこんでやりましょう。

[医者は眉を顰めた]

謁見の間に参ったのですが、もうお帰りになったと伺いましたので。
折角出向いたことですし、陛下のお顔を見てから眠る方がよく眠れると思ったまでですよ。

いや、世辞はよい。

話とはなんぞ？
部屋で聞きたいのじゃが…話した通り何者かが変に入り込んでおるらしい。
少しばかり待たせてしまうが、すまぬ。

[ヘンリエッタはドアを開けると、部屋の中へと入った。

広い部屋の奥にある寝台に、昨日の男が横たわり、眠っていた]

【…成程…好色という噂はあながち嘘ではないらしいな。
メイドは美人ぞろいだ】

［ …がしげしげと柵の向こうのメイドさんたちを観察していると、メイドたちの長らしき女性と目が合った。
…は臆せず、にっこりと彼女に笑いかけると、くるっと踵を返す ]

【…まだ、ここの主が首謀者だと決まったわけではないし、
今日のところはこれで帰るとしよう】

はっ！

[目を覚ますと、誰かに覗きこまれてるのに気がついた。]

熱い視線を感じる。
もしやこれが運命のライバル…

[ヘンリエッタの姿をまじまじと見つめる。ライバルではないと気付くとちょっと落胆して、でも笑うと、]

こらー、がきんちょがこんなところで何やってる！
おい、ほら早く逃げないと、怖いおばちゃんにモップで殴られるぜ？
俺は一足お先に失礼するぜ。

っとと。

[何かに気付いたように立ち止まり、ヘンリエッタの顔を再びまじまじと見つめ考え込んだ。]

[このちびっこ、どっかで見たような…？]

…

…

おぬしは何者じゃ。
わらわの部屋でなぜ眠っておる。

女官から話は聞いた。暴力を振るったと聞いたがそれはまことか。

[ぽむ、と手を打つと、]

おーおーおーあの時の…

というのはまるきし嘘で、全然思い出せねー。

[がははははと笑った。]

がきんちょとは失礼ではないか。わらわはこの部屋の主ぞ。
昨日もおぬしはナサニエル殿に暴力を振るおうとして追ったな…何が目的じゃ。

おいこらがきんちょ。お前の部屋のわけねーだろ。
がきはがきらしく外で遊べ。

[怒るヘンリエッタの頭を撫でた。]

ここはわらわの部屋だと言うておろう。

わらわを誰と思うておる。
この国の王であるぞ。
確かにわらわの顔はあまり知られてはおらぬが、この宮殿の中ならば皆がわらわがこの国の王だと言う事を知っておる。

だれぞ警護のものを呼べ。
この者を一時牢に入れて置いてほしい。
その中で話は聞こうぞ。

暴力ってなー、そんな言いかたをしてくれるな。俺は最凶拳闘士レベッカ。拳とは神聖なものだ。

昨日…どこかで会ったかな？うーん？
考えるのは苦手だ。

そだ、あめ玉をあげよう！

[ポケットに手を突っ込むと、その中から取り出した青い宝石の指輪をヘンリエッタの掌に乗せた。]

何を言っている。
君は、レイディの寝室を寝汗で汚しただけではなく、がきんちょ扱いという不適切な行為を行っているんだぞ。
冷たい石の上で反省するか？

あめ玉じゃねーじゃん。ま、いいや、遠慮なく受取れ、盗品だ。俺の懐は全然痛くない。

ひゃーはははは。

ん、王様か。
ま、ちっこい時は誰でも憧れるよな…ははは。
そうだな、でっかくなったらきっと女王になれるさ。夢は捨てるんじゃねぇ。

[ふと扉の外を見て大仰に驚く！]

うお、なんじゃー扉の陰に兵士がいっぱい！
やべ、逃げなくっちゃ。

この指環は……少なくとも飴ではないぞ。
どこで手に入れたのじゃ?

強き者の戦利品だ！

んーでも、がきんちょの指には大きすぎるかなぁ。
サイズを直させないと駄目かも。

さて、もうそろそろ俺の命が危ない。
がきんちょとは、また今度遊んでやる。

あんまりイライラしてっと、すぐ老けるぞー。

じゃな。

[素早い動作でバルコニーに出ると、外に向かって大きく跳躍した。]

レベッカといったな。
牢の中で頭を冷やすがよい。
本来ならば罰を与えるところではあるのだが、おぬしは戦いこそがすべてという感じのようじゃ。
勇んでしまうのも仕方ないのじゃろうな。

わらわの部屋に入ったことは不問にする。じゃが、女官に暴力を振るったことを見逃すわけには行かぬ。
何日かは牢の空気を吸うとよいぞ。

あー指輪のサイズ、細工屋で直してやるからそれ大事に持ってろよなー。
[ヘンリエッタに向かって大声で叫ぶ。]

あとメガネの旦那。
もうちょっと笑わなきゃ、すぐじじいになるぜー。

はーーーーははは。

最凶最悪の拳闘士レベッカ、捕まえられるもんなら捕まえてみな〜。
べろべろばぁ。

[門からわらわらと兵士が出てきてレベッカを取り囲んだが、何人もの相手を楽しそうに瞬く間に倒した。]

[そして、ヘンリエッタに親指を立ててカッコつけると、今度こそ本当に*逃げ出した*]

−食堂−

……うおっ！？

いやーまいった。食ったまま寝てた。
こんなに寝てていいのかね。育っちゃうよ、俺。

とりあえず、残りも食うか。

[食事を再開した。]

しまった痛みがひかない。由々しき事態だ。
治療しなくてはいけない。
陛下、申し訳ございません、お話はまた今度にさせて下さい。
夜分に寝室まで押しかけてしまい失礼しました。

[ヴィンセントを見送った後、部屋の惨状をあきれみた]

へやを片付けておいてほしい。
わらわは宮殿の中を見回っておる。
用事があれば呼ぶがよい。

[女官に言付けると、ヘンリエッタは別の場所へ歩いていった]

んー、んまい。んまいよ、これ！冷めててもばっちり！


ぷはぁ、食った食ったー。ごちそうさまでした。合掌。


どーすっかなー。
ねぇねぇお嬢ちゃん、女帝ってどこにいるか知ってる？

[給仕の女性に声をかける。]

……ふむふむ、昼間はエッケンシーツにいるのか。
で、それは白いの？


……ふむふむ、部屋の事ね。いや、知ってたよ！
ありがとさーん。
エッケンシーツ、エッケンシーツー。

[鼻歌を歌いながら廊下を歩いている。]

おっと、お嬢ちゃんこんばんは。
今夜も迷子かい？

この前のでこではないか。

ここの食事は口に合うだろうか。
考えたら、なぜおぬしがここにきたのか用件を聞いておらぬ。
誰ぞ探しておるのか？

後わらわは迷子ではない。
この宮殿内はわらわの庭じゃ。目をつぶってでも歩けるのじゃ。

目を瞑ったらぶつかっちゃうぜー。

あー、俺ね。親方から「女帝と仲良くなってこい」って言われて来たの。
あと、メシが美味いよね！

……わらわと仲良くなってどうするのじゃ。

おぬしの親方はどのようなやつじゃ?
もしや臣下の誰かではあるまいな。

後料理がうまいのは当然じゃ。
皆の食事をまかなうのだ、腕が立つものを選んでおる。

食事を気に入ってもらえるとうれしいぞ。

[ヘンリエッタは少し誇らしげだ]

ん、んんん……？

[頭を抱えて考えている。]

親方がお嬢ちゃんで臣下と仲良く腕が立つ……？


すまん、お嬢ちゃん。さっぱりわけがわかりません。

わらわの名はヘンリエッタ。

この国を一応はまとめておる身じゃ。
おぬしが言うところの「女帝」じゃな。

それはそうと、おぬしの名前を聞いてない気がするのだが…名をなんと申す

俺？俺、ノーマン。
飲むけどノーマン。
よろしくな、ヘンリエッタお嬢ちゃん。

……ってえええぇぇぇーーー！！！

[後ろに飛び退いてぺたんと尻餅をついた。]

お嬢ちゃんが、女帝で王様……？
うわー、俺、打ち首？

わらわに婿をとらせようと、臣の者たちが画策しているようなのじゃ。
だから臣下の誰かかと問うた。

しかしどう見てもおぬしはそれとも違うようじゃ。わらわを知らないのだからな。
もし誰かの息がかかったものなら、わらわの顔を知っていて当然じゃ。

―墓地―

そばかすっ　なんてッ
きっにっしっないーのォォォォー！！


[ユージーンは上機嫌で墓守中。]

でこの名前はノーマンと申すか。覚えておこう。

そんなにあわてずともよい。打ち首にする理由などないぞ。
それにおぬしはわらわを案内してくれたであろう?

感謝はすれど、罰することなど出来ようか。

[ヘンリエッタはノーマンに微笑んだ]

-牢屋-


ハーィ、目が覚めたらアタシってばこんな場所に居ちゃった訳で。んもー、どーなっちゃってるのかしらっ。
失礼しちゃうわっっ

[ジェーンはプンスコしている]

嗚呼、美しさは罪よね〜

アタシのこの、花を飾りつけるコーディネートセンスをやっかんだ誰かが、こんなところに閉じ込めたとしか思えないっ。

んもうっっ！キュッキュ

[ジェーンは鉄格子を磨いて朝顔を絡ませ始めた]

誰が邪魔しているかしらないけれど、女帝陛下の心と書いてハートを射止めるのはこの、慈円よっ

毎日宮殿をハートフルでワンダフルな花の楽園にするのが、アタシの愛情表現なんだからっ

[自分で牢屋に入り込んだことはすっかり忘れている]

よかったー、死ぬかと思ったー。

[ホッと胸をなでおろし、ヘンリエッタに笑いかけた。]

おじょ、じゃなくて女帝様は見たところまだ小さいのに、もう婿探しかー。
王様ってのは大変だねー。俺、俺でよかったぜー。

わらわとて婿など探したくはないのじゃ。

じゃが、この国の王は代々15までに伴侶を娶っておる慣習があるらしいのじゃ…そのような慣習など廃れてしまえばよいものを。

わらわはここに生まれてしまったがゆえ、王をしておるが、おぬしのように自由に生きられたらよいとも思っておる。

無理であろうが。

うーん……。

[眉間にしわを寄せて考え込んでいる。]

まぁ、王様が王様辞めちまったら大変だよなー。


でもさー、廃れさせたいなら自分から始めるのがいいと思うぜー。
おじょ、女帝様が同じ事やってたら、次の王様も同じように考えちまうんじゃないかなー。


お、怒った……？

……わらわが、やめると言い出して簡単にやめられるわけではないのだ…

ならばせめてわらわは自分の伴侶くらいは自分で選びたいのじゃ。


怒ってはおらぬ。
すまぬ、失礼する。

また会えたらうれしいぞ。

[ノーマンに頭を下げてその場を去っていく]

王様なのに、ままならないんだなー。
ま、あんまり気ぃ張り過ぎんなよー。

[去り行くヘンリエッタにヒラヒラと手を振る。]


まだ子供なのになぁ……。

[姿が見えなくなって、ぽつりと*呟いた*。]

あらあら、すっかり牢獄をしだの熱帯雨林化しちゃっているけど、ジャングル風味にするのなら、この慈円さまにお任せなさ〜い。

[慈円は牢獄に、ハイビスカス、パイナップル、マンゴー、ラフレシア、マンドラコラ、アロエなどをコーディネートし始めた。]