自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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酒場の看板娘 ローズマリー [煙るような灰色のオーガンジーを重ねたロングドレスを身に纏い、長く重たい髪をゆったりとなびかせながら女が岸壁に佇んでいる。 腰に当てられた腕を覆うのはドレスと揃いのロンググローブ、そして黒いレースに縁取られたリボン状のラバー。ラバーの先には刃物のような形状の素材の分からない鋭利な飾り。女の貌には異様な事に、腕と同じくリボン状になったラバーが厳重に巻き付けられており、口元を除いて内側を伺い知る事は出来ない。] …………ぁあ。 [口唇を小さく動かし息を零す。 後髪に挿された濃灰色の薔薇とベールが腐臭を放つかのように、髪とは違う動きで以てゆっくりと*揺れた*。] | |
(2)2006/06/15 21:18:55 |
墓守 ユージーン [年に幾度も殺戮のイベントが行われている島は、船着場の近くまでこびり付いた血痕で汚れている。 島の色は滴るような血の色……に全部が染まるまでは、どれくらいの年月がかかるのだろうと、うろんに眸を島の中央に向けた。 高めの建物に寄り添うように映える木々の緑だけが、まるでこの島で何事もないかのように、葉を揺らしていた。 船着場に一歩足を踏み出すと、迎えたのは鋭い眼光を放つ無数の鴉達であった。 馳走にありつこうと、遥々海を渡ってきた鴉もいるのだろう。 …或いは、誰か参加者が操るものなのか。] [ぐるぐると髪の毛を回しながら振り返ると、約10km〜15km程先に、陸地の姿が見えた。潮の匂いが強く鼻腔を刺激した。] [無言でそれを見ていたが、やがて首をだるそうに回すと、 背の荷を揺さぶり、島の中へと歩いていった。] | |
(5)2006/06/15 21:26:16 |
墓守 ユージーン あぁ、こんなにも殺人鬼達がいたっても、 俺を熱くさせてくれる奴は何人いるのかねぇ。 幾らもめぐり合えないくらいの熱さ。 熱狂出来るような奴。 居るかね、この中に。居るっかねぇ。 [何処かうろんな響き。] [この年に数回行われるイベントに来る前に、挨拶に行った黒髪の女性の姿を思い浮かべて。まだ少女の時分にイベントの勝利をもぎ取った殺人鬼も、普段は保母の姿をしている。] 殺戮の宴っか・・・・・。 まあ、これしか熱くなれるもんがないからねぇ。 本当、生きて帰れるか分からねぇけど、せめて生きて帰れないならそれなりに、殺り合いたいものだよなぁ。 [歩むにつれ、酷く荒れている島の姿が見えてくる。至る所に木片と瓦礫が散らばり、建物の壁は赤茶けたり黒ずんだり。クイ、と首を上に向けてみると、高い場所に人型をした血の痕がついていたりする。それも、無数に。] | |
(9)2006/06/15 21:43:03 |
学生 メイ [廃屋。漂うは拭い去れぬ血の匂いと屍の腐臭] [それらをいやに場違いな蛍光灯の灯りが照らし出している] [光の中心には、少女が一人] ──よし、手入れ終わり。っと。 [黒一色のブレザーを身に纏う少女の姿は、場違いなほどの清潔感を漂わせている] [だが、その腰からはさまざまな短剣や針がさながら蛮族の装飾品のように提げられている] んー、こっちは。……まだいいか。もう2・3コやっちゃった後でも。 ……さて。そろそろ出ようかな。 今日は良い獲物に出会えれば良いんだけど。 [手にしていたダガーを鞘に仕舞うと、蛍光灯を消して、重い鉄の扉を開ける] ──血のにおい。 ふふ。いい夜だね。 [薄れるどころか更に強まる血臭に無邪気に微笑むと、*廃屋を後にした*] | |
(10)2006/06/15 21:43:14 |
墓守 ユージーン MOMと呼ばれているあの人。 ドロドロとした、幾重もの円を描いたあの眸。 いかなる時も殺人鬼としての心得を忘れない。 あの人と同じ島に育ったのは、ちょっといい事だっねぇ。 子持ちだけど、体形も崩れていねぇしね。 | |
2006/06/15 21:47:01 |
お嬢様 ヘンリエッタ [日傘の柄をくるくると回しながら 心地良い草原を散歩でもするように 軽やかな足取りで朽ち果てた廃墟を歩く。 あまりにも目立つ其の風貌は格好の餌食。] 『ゲギャッギャッ!』 [既に言語を解さないであろう其れは雄たけびを上げながら 本来は手であったであろう肉体と同化した大鎚を 勢い良く振り下ろしてくる。 瞬間、象牙色の肌はメタリックな質感を伴い 両生類のようにぬらりと月明かりを反射した。 ――メキャッ… 少女は微動だにせず己を覆い尽くして尚余りある巨体を前に 其れを見上げたままニタァと口元を歪ませ 己の頭を砕こうとした柄の歪んだ獲物に視線を投げる。] くすくすくすっ。 | |
(17)2006/06/15 22:17:07 |
お嬢様 ヘンリエッタ [いくら血を浴びてもいくら油を纏っても まるで其れ等を養分に成長しているかのように 刀の切れ味は衰えるどころか益々鋭利に 易々と骨を絶ち其れの逃走手段を奪う。] ねぇ、痛い?苦しい?怖い? [ドレスの裾をひらりと持ち上げ 地面に倒れこんだ其れの頭をギリギリと踏みつけ 熱っぽく潤みぎらぎらと欲望を滾らせた瞳が見下ろす。 刀を戻せば優雅な動作で日傘をたたむ。 獣が敵わぬ獲物より逃走しようと 這うように伸ばされた手にザクリと日傘の切っ先を刺し 地面に縫い付ける。] 私はね、とても愉しいわ。 [ぐり、と日傘の切っ先を捻り痛めつけ 其れの呻き声を聴き…嗚呼…と溜息を漏らした。] | |
(22)2006/06/15 22:45:03 |
お嬢様 ヘンリエッタ でも…お前は不味そうね… [生きながらに散々嬲られ続けた其れにとっては幸か不幸か 先程まで上気していた頬も潤んだ瞳も 呟き興味を失えば氷よりも冷たい気配を纏う。 手を止め愛らしい仕草で細い指を顎に添え小首を傾げる。] やっと解放されると思えば嬉しいでしょう?幸せすら感じるでしょう? さあ…遠慮なく逝きなさい… [釣り上がった薔薇色の唇は謳うように告げ か細い足が踏みつけながらも一度も傷つけなかった頭を クリームパンか何かのように容易くぐしゃり、と踏み潰す。 飛び散る脳漿を眺め恍惚の表情を浮かべ 靴より伝わる柔らかく温かな感触に身震いした。] | |
(29)2006/06/15 23:15:26 |
学生 メイ いくら血を浴びても、満たされない。 こんなものは水。紅い水。ただの水。 わたしを酔わせてくれる人はどこ? ねぇ。酔わせて。紅い海で泣きたいの。 ねぇ。早く狂わせて。紅い海に融けたいの。 | |
2006/06/15 23:30:46 |
学生 メイ 蝉の声。 壊れた屋根から照り付ける陽の光。 項から背筋を滑り落ちる汗の雫。 毛先から頬、唇へと流れ落ちる錆びた鉄の味。 ぽたり、ぽたり。 目の前に倒れる、それ。 ヒト。ヒトの形をした、生き物。 さっきまで一緒に居たヒト。 ──今は冷たい。 ずっと一緒に居ようと幼い誓いを交わしたヒト。 ──今は冷たい。 さっきまで、火照った体を慰めあったヒト。 ──今は冷たい。 | |
2006/06/15 23:52:04 |
学生 メイ 屍。 死んだ。 殺した。 だれが? ──わたしが。 自覚した瞬間、絶頂。 それが、はじまり。 「彼女」の、原初。 | |
2006/06/15 23:52:39 |
墓守 ユージーン [島の中央部から見ると、島には坂道や階段が多い事が分かる。] [島の南側には、山を切り崩し作られた拓けた場所と、岸壁に船を着ける為の桟橋があるようだ。] [そこから東へ視線を移動すると、まるで遺跡のように崩れかけた石の柱のようなものが見えた。 一列に並んだ様は侘しさを感じさせ、そしてドス黒い色は凄惨な出来事があった事を容易に想像させた。 階段で作られたかのような複雑な建築物も見える。] [島に無数にある高層建築は、間を隙間なく連立させて建てられている。道を挟んだ建物の屋上からは、隣の建物へ飛び移れそうに見えた。特に、島の北部は過密の度合いが大きい。 建物の回廊は、複雑な構造をしているようだ。] [地上から遥か上、5階程の高さには、建物同士を結ぶ、鉄筋で出来た渡り廊下もあるが、多くは木製で作られており、脆そうである。] ああ、病院もあるのか。 無駄だけど、便利なもんだ。 [海を見ていたユージーンは、感心したように言葉を呟いた。] | |
(41)2006/06/16 00:10:00 |
美術商 ヒューバート [自力で動けぬ女性に拳を叩き込む。 その身を食む。彼女は衝撃で上下運動を始める。 紳士の姿をした悪鬼は、笑いながらその運動を楽しんでいる] はははははは・・・貴女なかなか美味しいですよ! それに、”そっち”の方も上手ですね。 [嬉々として、拳を浴びせ続ける。もはや女性に精気はない。 そして、悪鬼の快楽は頂点に達した] っ・・・・・・ふぅ・・・こういうのは、やはり死に際と直後に 一番締まりが良くなるものですね。 [肉も削げ落ちた塊を、邪険に投げ捨てる。 一息ついた後、着装を正す] さて・・・ここには、どれだけ私を悦ばせてくれる 婦人がいるのでしょうかねぇ。 [不敵な笑みを浮かべると、再び屋根裏へと飛び上がった] | |
(43)2006/06/16 00:11:53 |