異国人 マンジロー − 台所 − [居間から食堂を抜けると、台所があった。食い物と水があれば、生存できる可能性は少しはあがるだろう。 戸棚を漁ると飢え死にしない程度の食料備蓄はあるようだ。ありがたい。 うまそうなハムの塊に、行儀悪く齧り付こうとする。その直前で、違和感に気づく。ハムを持った手の感触がぶよぶよしている気がする。 ナイフを取り出して、カットしてみた。ハムの中身は紫色に変色しており、異臭もしている。注意深く見ると、ハムに小さい穴が開いている。注射器で毒物を注射してあったのか。] 誰がやったのか知らんが、食い物を粗末にするとバチがあたるぞ。 まぁ、食べるなら缶詰かなにかのほうがいいようだな。 | |
(80)2005/12/21 01:34:17 |
冒険家 ナサニエル ニーナ、君に積極的に使え…とは言わないよ。 ただ、死にたくない…と少しでも思うなら持っていて欲しい。 君がステラに渡したいと思うなら、そうしてくれてもいい。 [ニーナの手に、半ば強引にナイフを握らせつつ、ステラのきらきらした瞳を見つめ返した。] 残念ながら、捜査の時に使う道具は、何も持っていないみたいなんだ…。指紋の検出キットがあれば、さっきのナイフを指紋照合することが出来るよな。簡単なのに。 記憶がないので分からないが、携帯端末を充電装置無しに1つだけ持っていたあたり、仕事中ではなかったんだろうな。 [ナサニエルは思い出そうとすると、また痛みだした頭を支えるように、額に指を当てた。] | |
(102)2005/12/21 02:13:12 |
書生 ハーヴェイ 用を足す・・・と言うのは馬鹿らしく見えても重要かつ一番隙が出来る行為ですからね。 出来ればこの近くのそれなりに広い部屋を拠点としたいですが・・・ [ハーヴェイは辺りを見回す。 右を向くと突き当たりに扉があった。 再び様子を見ながら慎重に扉を開く。 更にすぐ奥にもう一つ扉、そして左に扉のない狭い部屋。 更に奥の扉を開けると、それなりに広く薄暗い部屋に出る。] ふむ、それなりに良さそうですね・・・ ソファーもありますし、寝るには困らない。 更にこの扉・・・ご丁寧に外側には鍵穴が無く、内側からしか鍵は閉めれないし開けれないようになっていますね。 トビー、キャロル、今日はここで休む事にしましょう。 | |
(120)2005/12/21 02:44:29 |
冒険家 ナサニエル ─1階・トイレ、脱衣所、洗濯室のある側の廊下─ [探索をある程度終えて、] ……トイレは、今の所何もないようだった…ね。 風呂場を示した表示の横の扉は施錠されている。 洗濯室は水も出るし洗剤もあって、洗濯機を利用するのは可能なようだ。旧型の洗濯機な所為がひどい音がしたが、鍵は挟まっていなかった。 ……疲れたかい? おそらく水場の配置からすると、普通ならこちらの角を曲がった方面に台所等があるはずだが、屋敷は広そうだ。 神経ガスが充満しているなら、ゆっくり眠っている暇はないはずだが、俺も頭痛がまたひどくなってきた。少しの時間なら、仮眠を取った方が効率的かもしれないな。 その部屋を確認してみて、問題がなさそうなら交替で休みを取ろう。 | |
(130)2005/12/21 03:25:07 |
牧童 トビー 始めに思い出すのは、数年前の雪の日の夜。 トビーは1人で街を彷徨い、疲れ果てて路地裏にしゃがみこんでいた。 自分が母に捨てられた事実も、それがこの街ではよくある光景だということも解らないくらい、幼い頃の事だ。 無関心に通り過ぎていく人々、体に降り積もる雪、止まらない体の震え。 「運がいいな、お前は。少なくとも生まれた瞬間に捨てられなかった。」 このまま眠ってしまおうかと思った時、頭上から声をかけられる。 ふと見上げると、建物にへばりついた鉄の階段の途中で茶髪の少年が座っていた。 少年と言っても、トビーよりはるかに年上だろう。 面白そうにこちらを見下ろしているその姿は癇に障ったが、今のトビーには怒る気力もない。 | |
(141)2005/12/21 14:37:18 |
牧童 トビー 「お前、名前は何て言うんだ?」 少年はトビーの気持ちなどお構い無しに話し掛けてくる。 確かに名前はあったはずなのに思い出せない。親に呼びかけられた記憶もろくに無かった。 トビーは億劫そうに、首を振る。 「無いのか、まあ名前なんて記号みたいなものさ。特にこの街の子供の名前なんて意味がない、付けたそばから死んで行くしな。」 少年はそう言いながら立ち上がる。 「今日からお前はトビーだ。この名を人につけるのは4回目だな。」 遠くで教会の鐘がなっている。 今日は神様が生まれた日だと言う。 奇跡が起こる日だとも聞いた。 「メリークリマス、トビー。今日から俺が飼ってやるぜ。」 もしこれが奇跡だと言うなら、神様ひどく意地の悪い奴だろう…… 茶髪の少年を見つめ、真っ白な息を吐きながら、トビーはそう 思った。 | |
(142)2005/12/21 14:44:38 |