学生 ラッセル [アーヴァインが呪文を唱えれば、大気が渦巻き、外周の龍がラッセルめがけて戻り来る。森の樹木が揺れ、既に倒壊した廃墟の破片や粉塵が舞う。] OK. 息を止めてればいいんでしょ? でもって、他の龍が戻ってくる前に──、 [ラッセルの瞳が細められ。アーヴァインがその意図を察した様に呪本を拾おうと走る。] アァアイィ、残念ッ!! [アーヴァインが呪本にのばした腕ごと、ラッセルの長い漆黒の爪が引き裂く。腕肉が白い骨を見せて半分に割れ、ビチャと血肉が半ば裂けた呪本を汚した。 アーヴァインはそれでも呪本をかばう。龍が戻るべき本を失えば、術者へダメエジが跳ね返る事を自覚していたので。] [クスクスクスクスッ] [アーヴァインの口内から、毒気を孕んだ小さな龍が数匹、ラッセルめがけて飛ばされる。 ラッセルは顔面や肩、腕肉を小さく喰らわれ、体内を龍が走るおぞましい感触に、さらなる笑い声をあげながら、アーヴァインの口の中に獣化した腕をねじ込む。 術者の舌を、口蓋を、喉笛を、内側から切断──。] | |
(14)2006/09/07 14:59:02 |