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ありがとうございます、バーサーカー。
[座布団に座り]
上は微妙な進み方ですね。
と言うか沖田さんもういないんですか。
[令呪を以ってしても尚足りない呪い。
“おかわり”を求めるサーヴァントに、苦笑いを返す。]
もう……、これが、最後だからね。
……“聖杯のよるべに従い、命ず。
この意、この理に従うならば、
――応えよ。我が力を、我が僕へ。”
[再び理外の力が美貴の中に宿り、そのままキャスターへと注ぎ込まれる。]
[最後の一画が消え去る。
同時に、自身の力も根こそぎ奪われて、その場に倒れこんだ。]
……おじぃ、ちゃん……。
あと、は……、まかせ、た……わよ、……。
[再び送られる魔力。
これで決めなければならない。
別に願いなどもはや関係ない、最後の令呪すら使った自分のマスターと己自身への意地でだ。]
『 taivas -lta haavoittaa siipeen untying aamu hehku -lta ankea ja aito - munanvalkuainen Wawa 』
[最後の詩が力強くキャスターの口より詠み上げられる。
それでもなお屈しない聖杯の呪い…だが、此方とて屈するわけには行かない。]
いい加減…飛びやがれぇぇぇ!!!!
[気合と共に、自分の魔力すべてを流し込む…その余波によって突風が巻き起こり、そして――。]
……終わった。
[倒れこむキャスターの前に、純白に輝く聖杯の姿があった。]
[朦朧とする意識の中、邪気を祓われた聖杯が姿を現す。]
これが、聖杯……。
[願うはただ一つ。]
宗冬様!宗冬様!宗冬様ッ!!
[最後の意識を振り絞り、目の前の願望機に願った。]
そうですね。濃い再会シーンを期待しておきます。
でも、放火はやめた方が。
現代社会では立派な犯罪です。後仇討ちも犯罪です。
[横で必死で叫ぶマスターの声に叩き起こされる。]
【ハッ…必死だな。いいねぇそういうの。
そこまで思われればあのバーサーカーも幸せだろう。】
[最後の力を振り絞り、その場に座る。
見上げる先には聖杯…。]
じゃあ願うとするか…。
[ああ、願おう。
長年積もり積もった渇望する願いを。
そのとき、ふと思うは一人のサーヴァント。]
【そうだな、責任とってもらわなきゃな。】
"キャスターとアサシン…この2体のサーヴァントの願う形での受肉を。”
[ああ、責任を取ってもらおう。
俺に女を殺させた責任だ、一言謝ってもらわなければ気がすまない。
そして……人の願う平和への道をその目で見てもらおう。]
【ただの我侭だが…元から俺は我侭だからな。】
[そんなことを思って自重するキャスター。
そして…キャスターの体に変化が現れる。]
[体がむず痒い。
手足が伸び、髭が消える。
顔に刻まれた皺は姿を消し、肌に張りすら宿る。
そして…キャスターの姿は一人の青年に変わっていた。]
あー……感動とかよりも今は寝たいね。
[その変化をうれしく思うも、それすら上回る疲労感。
キャスターは仰向けにその場に倒れこんだ。]
「彼」も言っていたな。
ガイアとやらが生きていようがいまいが、知ったことか。
意思は、残るんだ。
生きている間に紡がれた意思が。
そしてそれが壁として立ちはだかるなら、貫き通せばいい。
やっぱりお前じゃ無理だったな、沖田敬一郎。
難しい言葉を並べ立てても何も変わりはしないぜ?
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