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──階段──
[暫しそのまま放心していた。
江原の背中から胸に掛けて、自分が貫きあけた穴を見つめる。骨が砕け、露出している。]
アァ、江原様の…。
首も誰かに落として戴かねばならない──ンですねえ。
[呟いて、再び江原が生きていた時にそうした様に、髪を撫でた。案外にやわらかい髪だった。]
[二人が、抱き合ったまま階段に座り込むのを、観察する様に見ていた。
表情を消した、冷たい眼差しで。
江原の背から噴き出した血が、階段を伝い落ちて行く。]
成程。
君達は、その襲う相手を、選べないのか?
それとも、彼だから殺したのか?
[酷く、冷たい声で言った。]
──階段──
[仁科は、深く深く息をつく。
雲井に声を掛けられて、江原を抱いたまま、両の目を見開いて振り返った。金と黒の目は涙で潤んで、無防備で、何処か子どもの様だった。江原の影響だろうか。]
…雲井様が聞かれてどうなさるんで?
[それは、蝕の刻…──
異界で、仁科が江原に触れ得てしまったから。]
[しばらく夜桜を見つめていた]
……うん。
[翠の腕をきゅっと一瞬握り、そっと離した]
そうだな。
[枚坂の首に手を差し伸べようとする]
──階段──
あたしは誰も、ましてや江原様を殺したり。
したくはないのです。
[首を傾け、相手が雲井である事でふと思い出す。]
──…碧子様はどうだか、わかりやしません。
さあな。
好奇心かな。
[まるで、好奇心という様な感情とは縁が無さそうな貌で言う。]
君は彼が生き延びる事を願って居たのか。
それとも、連れて行ってしまいたかったのか。
[枚坂の首をあやすように抱き上げる]
俺は、祈るよ……。
[血まみれの眼鏡をはずし、その目を閉じさせようと指を触れたとき、自然に枚坂が目を閉じたように見えた]
“屍鬼”が喰らったものもまた“屍鬼”となる……
それがまことなら。
[小さな溜息。それは赫い闇で独楽の回転る様な低い唸りの響きを伴う。]
あたしは、麓の村で…。
知らずに屍鬼を車に乗せて、此処へ帰って来ちまったのですよ。愚かな事で、木乃伊取りが木乃伊にってヤツでさ。
[そっと江原から手を離し、片手で仁科自身の身体を抱く。]
あたしが現世に戻りたいと切に願えども。
連れて行ける場所じゃァ…──ありません。
[雲井の好奇心と言う言葉に、]
…好奇心と言えば。
旦那様は、碧子様が不死者だと。
ずっと前からご存知だったンでしょうかねえ。
[異界で見た碧子の姿を思い出している。]
恐らく碧子様は、
あたしよりずっと前から…──。
……生は、
繋がって―――いる。
[夜桜の言葉に感応する様に小さく呟いた。]
―――仁科さん。
……そ、か。
[死にたいと――謂った。]
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