情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
── 理想郷<Utopia>/Closed:Morgan's Space - 車内 ──
…滅びればいい。
すべての感傷(センチメンタル)
すべてのうつくしき悪夢──
[Morganの断片はすでに飛散してそこには無く]
[グラリ][センチメンタルを乗せたバスが、空間の崩壊に車輪を落として傾く]
[バスの横転に合わせて。
セシリアの腕が、後ろからヴィンセントの首に回される。
しろく細い指先は、現実のヴィンセントと僅差無いアバターの気管、頸動脈を引き絞る。ヴィンセントがその指先から逃れようとするのか、セシリアに何か言葉を返すのか──。]
Masterも…あなたも 大嫌い。
──人形なんて、つくらなければいいのにッ
[AIではなく、まるでただの思春期の少女のように、縋り泣き叫ぶ、セシリアの髪色は、白色ではなく淡いライトブラウン。涙で濡れた瞳の色もまた──。ゴーストになる前にスクールから盗みだされ、死んだ少女の姿に変化している。
ヴィンセントがその姿の変容に気付く事が出来るのか。]
【絶対に許せない。】
【誰も許さない 私がこうやって存在している事も──】
【ゆるさない】
[バスの内部は、何時の間にか蜘蛛の巣が張ったように、無数の漆黒の正╋字の群れ] [黒][黒][黒] [無機質な漆黒000000が、感傷を──破壊する。]
[バスは真っ二つに裂け、砕け──乗り込んでいたキャスト達が、こぼれ落ちるように空間の裂け目から──センチメンタルとは言い難い旅(ジャーニー)へ向かう。]
───…
[黒十字に縛られた仲良く座席に座ったまま墜ちていく 双子の少女たちは、何処へ辿り着くのか。崩壊した世界の光線はF/あるいは絶対零度の無機質なブルー。]
[冷たい光の中、すべてのセンチメンタルが飛散した事を確認してから、セシリアは、ヴィンセントの背に回した腕に握った「┣」「┫」の形、両手を交差させ、合わせれば正╋字を成す大槌を──ヴィンセントに強く、強く突き立てた。]
──さようなら。
ヴィンセント・キャロ。
[ヴィンセントの活動が完全に停止した事を確認してから、セシリアは╋字を引き抜く。そして、解散させられたキャスト達とも、ヴィンセントとも違う場所──何処かの空白地帯へ。
セシリア自身も漂流し墜ちて行く──。
天とおぼしきオブジェクト不在の空間に、"Blue Water"からの検疫結果が、*光って見えた*。【01/Conductor】 ――positive. 【07/mortal】 ――positive.]
― 理想郷<Utopia>/Closed:Morgan's Space - 車内 ─
[Under領域に存在していた遊園地はタイムアウトによってサスペンドモードへと移行しClosed領域へと退避しつつあった。バスの中に乗り込んでいたキャストたちは活動を停止し、虚ろな身をシートに横たえている。
――炎天下の夢――
バスの中に夏の名残の熱を感じる。
芝生の上を転がる白球を追い、駈ける――
それはきっと、俺の記憶ではない。気候がコントロールされ、また空調の行き届いた都市では、“季節”を強く感じる時はない。俺の意識がどこかで、遠い誰かの失われた夢へと繋がっているのだ。]
還りたい――……? どうだろうな……。
[セシリアの言葉を反芻する。俺はただ光に焦がれ、手を伸ばす。その強い熱を追い求めてきただけなのだ。
だがそれは、遠い日に己の中にも強く存在した光の明滅を甦らせたかったからなのかもしれない。]
――今はね。
[そう呟いた。
夢に誘われている。
話をしているのだから、意識をはっきりさせておきたいと思う。けれど、ひどく眠い。意識が蝕まれている。――夢の中へと。
霞みのように幻が浮かび上がっては、知覚している現実を薄い膜で覆っていく。]
[話をしていたセシリアが睫毛を震わせる。眦に涙が浮かぶ。
感傷は滅びればいいという。俺はその言葉に寂しく微笑む。]
「人形なんて、つくらなければいい――」
[涙に暮れる少女を俺はなんとか力づけたいと思う。彼女の背中に手をまわし、しっかりと抱きしめる。
世を儚んじゃいけねえよ。お前の中にはキラキラのピカピカがいっぱい詰まっている。俺にはそれがわかる。きっと信じてみなって――。
けれど、それを口にできたかはわからない。白い光が繭のように心を包んで、どこか遠くへ奪い去ろうとしている。ふわりと遊離した感覚に全身が持ち上がる。
言葉になったとしても、その光はセシリアが求めていないものなのかもしれない。彼女のMasterが集めた光……。
セシリアの心に俺の声は届かない。
強い熱が深々と突き立てられ、内側からいっぱいに広がってゆく。
やがて、俺の意識は消失した――**。]
──Mundane/中央部・あるビルの一室──
[瞼の裏で踊るような光。目を覚ますと、好転が一つ、消えていくところだった。否、記録画像が繰り返し流れているだけで、それはつまり過去を示す。
時刻を確認すると、眠っていた時間はほんの数分だったらしい]
光点が、5つになってる。
[地図をみて、そして記録画像へと視線を移し、光点をポイントする。番号は、12。近くにある光点の数字を確認して、自嘲気味に笑みを浮かべた]
おじさんも、いなくなったんだ。あたしがあそこで、死の乙女を停めていたら、おじさんは助かったのかな。
──ううん。それはない。あの時点で突っ込んでも、自滅しただけだし。
おじさんが、彼女を壊そうとしたのかもしれないし。
……。遊園地も、なくなったのかな。この事件が片づいたら、他のアトラクションとか、劇場とか、見てみたかったんだけど。
バックアップが生きてるなら、それだって可能、だよね。
ならやっぱり、止めに行かなきゃ。
[光点の動きを見て、Utopia上に活動を移していることを確認する]
今なら、こっちからやっちまえば簡単そうだけど。そんな簡単にはいかないか。
[立ち上がり、手足の具合をもう一度確かめて、*ビルを後にした*]
―― 星幽界<Astral>/カテドラル・オメガ ――
[白い陽炎の如き建物の間を反響する音声]
[問いか/答えか]
[伏せられた漆黒の睫毛は動かない]
―――…
生ガアルカラ死ガアリ/死ガアルカラ生ガアル――…
[響き渡る情報を読み上げる声へと、抑揚のない音声が重なる]
[情報(データ)を読み上げるように/達観しているかのように*]
―― Utopia/Closed・Space Unknown ――
Kot.
『Lyudmila=C=Wendy as Kot pereulka sharlakha. 特S級及び人類災害指定を受けたテロリスト、Harmless Queen/Audrey.Hの愛孫。』
[補佐AI/洞穴の中で水晶(クリスタル)が冷たく光るような音声情報]
郷愁を――感じているのかい。
[Kot/動かぬまま。ただ暗闇に立ち尽くす少女に問いかけるように囁く。口元に苦笑を浮かべ、虚空に立ち上がる。]
ボクは嘗てこう言った。
『まだ知るべき時ではなく、
いずれ来たる時に目は開くだろう。』
[補佐AI/その時の”指揮者”の音声を構築/再生]
こんな時に何だが。
ボクが何故、"あなた"を引き取ったのかを教えよう。
信じないかもしれないが――
Audrey.Hが好きだったからだ。
指輪を渡したのも。
――嗚呼。蛇の形は嫌いだと煩く騒いだのがまるで昨日の事のようだ。――。あなたなら。――Wendy.
その指輪で、鎖された扉を開く事が出来ると思った。
朽ち落ちゆく"彼女"が眠りし扉を。
探し、白日の下に曝す事がね。
[過去を思い出すように双眸を細めると笑みを消し、Kotから向き直る。"扉"、それは此度の不可侵領域の事ではないが、仮にKotが勘違いしようと知った事ではない]
── 理想郷<Utopia>/ 空白地帯──
[世界の終わりのように何もない。質感の無い黒い闇──虚無が覆う。
何処から流れ着いたのか分からぬクラスタ断片が、ヴィンセントを破壊する際に、セシリアのボディに開いた風穴を通り過ぎ、虚無に飲み込まれるように消えて行く。]
【嗚呼、このまま何処にも転移しなければ、私も──】
【だが、自殺は禁じられている。】
[透明の糸を通した針をセシリアは投げた。
糸は何処か、機能停止していないクローズドの空間へ繋がり、内側から──montage、空間を一時的に変容させ/再構成することで、PASSを解放し、セシリアをその空間に運ぶ。]
── 現実世界<Mundane>/北部・大型企業の制御ルーム ──
[そこは、大型企業の制御ルーム。無数の青い光が脈動するように点滅する球形の壁面。その部屋の中央、螺旋を描くねじれた流線型の椅子に横たわるのは、メイよりも頭半分ほど背の低いひとりの少女。
背中から首筋に掛けて複数のプラグをつなぎ、Utopiaにダイヴしているセシリアの身体が、苦痛に呻くように一度大きく揺れた。]
《──真実の終焉を》
[セシリアは目蓋を閉じたまま、何かを否定するように激しく首を横に振る。セシリアの髪色が、平凡なライトブラウンから、輝くホワイト、そしてオーキッドパープルに変化した。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新