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―二階廊下
[諳んじられるほどに、愛唱していた漢詩の一文が漏れた。]
望月君。
翠さんをどうするつもりだ。
よもや、あの美しい膚を……
無骨な刃で裂くつもりではないだろうね。
ましてその首を――
[ポケットに手を突っ込んだまま、望月に近づいた時だった。]
[咄嗟に刃物を面に出し、斬り込まれた刀身を受け止めた。耳障りな刃物の悲鳴が鳴り、左肩の傷が痛んだ。じわりとした痛みであった。]
[夜桜は、ハっとしたような表情をして飛び退った。
追撃の為に、大上段から『勢州信伝』が斬り込まれた。]
[廊下に薄明かりに不吉な刃物の光が真横に。
夜桜と共に後ろに下がろうとした時──。]
──…っ!
[仁科の喉元ギリギリを掠る刃。直ぐ傍で刃物と刃物がぶつかる悲鳴の様な金属音。広がる新鮮あ血の匂い。
咄嗟に後ろに下がり、来海に向けて発砲する。]
[仁科が打ち抜いたのは、来海の耳だった。
出血の多い部位故、水風船が弾けた様に来海の血が飛び散った。痛みも当然ある。通常なら其処で人間は怯むであろうが、来海は苦痛の声をあげ乍らも止まる様子が無い。]
―二階廊下―
[見られる、という緊張で、きつく瞑目していた。そのために突進してきた来海に気づくのが一瞬遅れる]
……!
[闇雲な突進。腕に走る痛み]
何、が…?
[目を開き辺りを見回す。しかし、状況の理解に若干の時間がかかった]
来海さん!?
[書斎から躍り出た来海がギラリと光る刀身を振り回す。]
来海さん、よせ!!
夜桜さん!
[刃が触れた途端、夜桜の着物はそこに切れ目が元からあったように鮮やかに割けた。刀の銘など知るよしもなかったが、その切れ味は容易に察せられた。]
[顔をどす黒くして、怒りの形相で仁科を見る来海。
千切れた耳の痛みが闘争本能に油を注いだのだろうか。
ぽたんと絨毯の上に、孤島のように飛んだ肉──。]
[夜桜を斬ろうとした刀の軌道は変えられ、
来海は、仁科に標的を定めなおす。]
―二階/廊下―
あんたこそ、死にたいのか!
[夜桜に斬りつける来海に怒鳴りつけるように言った。
だが来海の様子は既に、まともに話を聞くだけの余裕がある様には見えない。
仁科が発砲するが、怯んだ様子さえなかった。
益々逆上して、闇雲に刀を振り回す。]
[とっさに、刀を抜くことでなく組みとめることを選んでしまったのは何故だったのか――]
ぐ、あっ!
[脚を斬りつけられて腕をつかまえ損ねる]
[高齢に差し掛かって居るとは言え、健常で剛胆と言っても良い男が刃物を振るい乍ら、自分へと向かって来る。
バランスを崩し倒れそうになり乍ら、仁科は全力を指先に込め、重い金属を起こした。]
──…来海…さま!
[パンッと言う乾いた音。
だが、弾丸はかすりもせず壁に穴を開けたのみ。]
『…駄目 か?』
[反動で後ろの壁に更にぶつかり、仁科は其のまま尻餅をつく形で壁際に転げた。]
―二階廊下―
[向こうから翠の声。はっと顔を上げた]
来るな。来ちゃ駄目だ。
[傷ついた脚で来海と翠の間となる方向へ割り込もうとする]
[雲井の体当たりを、その態勢から受け止めれる訳もなく、
来海は壁に叩きつけられるように吹っ飛ばされたが、片手に持つ刀を取り落とそうとはしない。それよりも、雲井に狂笑をあげ、翠との間に割り込もうとした望月へ向けて、またも刀を振るおうと───]
[来海と共に、壁へ突っ込む。]
頭を冷やせ!
[そのすぐ横に着弾した事に気づいても居ないのか、来海は狂った様に笑って、また望月に突進しようとする。
舌打ちして、太刀の柄に手をかけた。
抜刀すると同時に、上段に振り被って背後から切り伏せる。]
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