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「あなたさまには教えられない」
[そう言った、夜桜の毅然とした表情を思い出す。]
なぜだ。
――わからない。
だが、真実を――聞かなければ。
――手遅れになってしまう前に――。
『どうしたらいいのかわからない。』
『憎いと思ったのに、
嫌いだと思ったのに』
屍鬼は確かな体温を持って居た。
脆くも崩れる決意。
過ぎた日々が綺麗で甘過ぎて、いつか天賀谷が呉れた砂糖菓子の様だと、翠は思った。
蝕まれて水に溶けて終う癖に残り香がべたついて何時まで残滓を残すのだ。
『――幾人も死んだのに
私はひとでなし、だ』
それでも、
仁科が泣いて居る様に見えて、翠は上手く言葉を紡げない。
本当に苦しいのは
嗚呼、それは詮無い問いだった。
比べられる筈などないのだから。
……天賀谷様?
どの道貴方様は黄泉還る事など出来はしません。
だって、首を切られてお終いになったのでしょう?
[嗤いを含んだ聲が告げる。]
さつきさんと杏さんの様子を、見てくる。
[誰にともなくそう告げて階段を上がりはじめる。傷ついた脚をわずかに引きずりながら]
[ふと振り向いて雲井に尋ねた]
碧子さんを焼いたのは、雲井さんにとって「処置」だったのか、それとも……「供養」だったのか?
[ややあって、少し俯き、再び階段を上っていく]
→3階へ―
―三階・階段
望月君――
[階段を昇ってくる、その姿に気がつく。]
望月君、君――怪我をしているじゃないか。
[水盆に歩み寄っていたが故に死角となっていた彼の異変に、その足取りからようやく気がついた。]
そのままではいけない。
治療しよう。
もちづき、さま
[足を引き摺る望月を、小さな声が呼んだ]
――脚……
治療もして無いのに。
むり、なさらないで……。
様子なら――私が、
[気遣っての言。
胸中に気付いては居ないのだろう]
―三階・階段―
先生。探していた。
[ちょうど光の加減で、その表情は見えなかっただろう]
良かったよ。他の誰より早く、逢えた。
[望月の影が、薄い]
―三階・階段
ああ、翠さん――
貴方が部屋に入るのはかまわないが、触れずに遠くから見守るだけにしておいてくれるかい?
さつき君と杏君は絶対安静状態だ。
菌が付着してもいけない。
それと、よければでいいんだが、さつき君の部屋から彼女の服を持ってきておいてもらえるとありがたい。
―三階・階段
[望月青年の膝の前に屈み込みかけた私は、その表情には気づかなかった。]
「良かったよ。他の誰より早く、逢えた。」
[その言葉に、苦笑する。]
そんなに傷が痛むなら、あの場で言ってくれれば処置したのに。
[ははは、と笑って消毒液を手にする。]
[その顔を不思議そうな目で見ながら首を横に振る]
先生は優しい、な……。
天賀谷さんの首をはねたときも、由良さんの首をはねたときも、体面だからじゃなく本気でその死を悼もうとしていた。
でも、碧子さんの時は……あのときの先生は、違った。
―三階・階段
[望月青年の影は薄く見えた。手当をするために屈み込んでいた私は、一瞬絶句する。
最後に水盆脇を離れた時、夜桜に話しかけていた彼の様子がふと浮かんだ。]
まさか君は――夜桜さんに“見て”もらったのか。
――なぜ?
―三階・階段
[望月青年の言葉に首を振る。]
私は……優しくなどないよ。
天賀谷さんをそれほど知っているわけじゃない。
彼を心から惜しんでいたわけでもない。
由良君のことは少し気に入っていたけどね。
[僅かに微笑みながら話す。]
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