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さつき、さま、
食べた……仁科、さん……
[騒ぎの声も遠く耳鳴りのようだ。
枚坂が処置を施さんとしている事など知る由もなかったが]
――……にしな、さ――
気遣ってくれて、
――いつも、
[いつも通りに見えるのに、どうして]
くすくす。
仁科さん。
私は――美味しかったかしら?
杏は――美味しかったかしら?
柔らかくて。温かくて。甘くて。瑞々しくて。歯応えがあって。
一度に二人も喰らったのだもの。
充分に満足なさったことでしょうね。
いえ――満足できないからこそ、屍鬼なのかしら。
餓鬼道に堕ちた死人は、いつまでも絶える事の無い飢えと乾きに責め苛まれると云いますものね。
――どうして。
――にしなさん……
[問い掛ける、
問い掛ける。
見開いた眼から泪が零れそうだ。
なんてことはない、
そんな風にまた笑ってくれるのではないかと、願う。
それは、*幻想*]
―天賀谷自室
[損傷の少ない部位を選び、つなぎあわせてゆく。
さつきの右腕、杏の左腕、脚部は幸いにしてさつきのものが双方とも揃っていた。一部裂かれた部位を杏で補う。
骨の断たれた箇所を金属で繋ぎ、筋と神経、血管を微細な糸で縫いあわせていった。
時間経過によっていたませないよう、冷媒に包んでいた臓器をその器たる胴体に一つずつ叮嚀に納めてゆく。]
そう――だとしたら?
くすくす……。
仁科さんも、御可哀相だこと。
どれだけ求めようとしていても、結局は其れで満ちる事が無いだなんて。其の身はもう、とうの昔に満てた(※注:死んだ)と云うのにね――。
[仁科は使用人達の話す内容が、自身の話と一致している事を確認してから、翠に其の事を告げる。]
──…ね、彼等の言う通りでしょう。
あたしが殺して喰らったのです。
さつき様は杏と指先を繋いだまま…──。
[枚坂が手術を始めたと言う言葉には、眉を顰め]
──…もう、甦りやしません。
さつき様も杏も、黄泉から還り様も無い場所に居るンで。
[何事かを考える様に。]
旦那様の時と……同じか。
―天賀谷自室
心臓は――
ああ、心臓が……
[――足りなかった。二人の小さな心臓は裂かれ、その欠片しか見あたらなかったのである。]
……そうだね。
天賀谷さん。
貴方も屹度一緒に……
[父と娘の邂逅。それはこうして漸く成るのだ。
私は満足げに微笑むと、天賀谷の肉体に向かいなおる。
胸にそっとメスを差し込んだ。]
…夜桜さん。
あたしの願いは、あたしが貴女を殺す前に。
真に死者が行くべき処へ行く事です。
首を落とすなり、心の臓を貫くなり。
[仁科の貌は影に隠れ暗くなる。]
あたしの身体は、雲井様が碧子様をそうなさった様に、灰にすべきでしょう。さつき様も、杏も。
屍鬼を此の場に残すべきでは無い。
[枚坂の動きに気づいてか、さつきを取り巻く空間が揺らいだ。慌てたように声を掛けるが、当然の事に其れは枚坂の耳まで届かない]
あら、あら、あら。
いけませんわ、先生。
そんな事をなさっては。
そんな余計な物は要らないのです。
たとえ血の繋がりが有ると云え――有るからこそ――そんな者を、混ぜるだなんて。
―天賀谷自室
[長い手術は漸く終わった。
二つの顔は秘密を囁きあうように、あるいは愛を囁くように、寄せ合っていた。その瞳は未だ開かない。
だが、時が満ちれば――
その両手にそっと天賀谷の首を抱かせ、私は立ち上がった。]
十三――父は、離れていたとは云え私の事を気遣っては居たのでしょう。季節の変わり目ごとには手紙を頂き、また節目の折には何くれとなく心づくしを頂きました。
其れでも――私は、
あの方を好きではなかった。
お父様も愛しては居なかった。
[さつきの身体は十三の首を抱え、其の白塗りに顔を寄せる]
憎んでさえ居るのでしょうか。
私は――父上、貴方を。
だとすれば、先生が誤解なさったのも無理はありませんでしょうね。憎しみとは――愛に一番近い感情なのでしょうから。
―天賀谷自室
[寝台脇の医療用ポンプは定期的な音を響かせている。いくつもの管を通じて、さつきと杏の肉体には透明な溶液が送り込まれていた。]
ここは厳粛な場所だ。
誰も彼らの眠りを妨げてはいけない。
[部屋から出て、女中に申しつけたその瞳はひどく昏かった。]
[夜桜の短い返事に、頭を下げて礼を言う。
──…仁科の視線は階上へ。]
(江原の事を含め)あたしに未練は多々有れど。
気掛りは1つで。
旦那様の遺体にした様に、さつき様や杏に手術をなさるのは間違いで。あたしが本当に死んだ後、身体の一片たりとも不死を望む様な者には渡してならないンで。
[立ち上がり十三の部屋から出て行く枚坂の背を、さつきの意識は追って行く。接ぎ合わされた自らの身体をちらりと振り返った]
くすくすくす……
彼処に宿る時があれば――ふふ、先生?
先ず、先生に御礼を申し上げなくてはね――何者として、かは判りませんけれど。
くすくすくす……あはははは、ふふ、ふはははははは!
[彼女の中に混じった夾雑物――十三の心の臓――が翻って霊魂にまで影響を及ぼしたのか、或いは又別の何かが原因なのであろうか。さつきの声は次第に其の調子を変えていくかのようで*あった*]
あたしより先に、或いは同時に。
──…どなたか。
枚坂先生を殺して戴けませんか。
[仁科は真剣な目でぐるりと*周囲を見渡す*。]
逃亡者 カミーラは、医師 ヴィンセント を投票先に選びました。
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