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ウェンディ、遅かったな。
なにか面白いことでもあったのか?
[クインジーはそう言って、少女を炉辺へ招き寄せた。
パンを切り、渡す。
炙られた兔の肉が全体的に色づいてきた。]
―宿坊―
[歯で噛み締めねばならぬものは辞退し、スープを所望する。香ばしい匂い……だが、ジェーンには、それすら自分には分相応なものだとも思えた――そんな事はある筈がないというのに。
――生きている限り。]
――…。
[クインジーの言葉に、少しだけ視線を逸らす。]
それでも――…貴方はどこか、
歪ではあるけれど――優しいと感じています。
私の、勝手な想像でしかないのかもしれませんが。
[パチリと薪が爆ぜる。]
遅くなりましたごめんなさいクインジーさん。
面白い事ですか? ううん、つまんない事ばっかりです。
人がこんなに簡単に死んでしまうなんて。
[ジェーンが側にいる手前、セシリアで遊んで来た事には一切触れず。近くにはノーマンもいるだろうか。]
[時間をかけて柔らかく煮られた鶏肉、キャベツとレンズ豆、ローリエなどの香草の入った鍋を味見し、岩塩を僅かに削り入れた。
小鉢にとりわけ、マスタードを添える。
できあがったスープをジェーンにすすめる。]
[「歪ではあるけれど――」というジェーンの言葉に、クインジーは応えない。ただ、呟くように云った。]
此処はいい村――だった……
俺は争うことも、誰かを火刑台に送る必要もなく過ごすことができた。
ジェーンがそのように思うのは、俺が此までにしてきた事を見ることがなかったからだろう。
人は己の居る場所に己をあわせる……。
もし、そのように見えたなら……それはこの村が悪くはない場所だったからだろうさ……
[クインジーはこの村の負の側面も知っているらしい。ウェンディにとっては全く知らない部分だ。]
この村はいい村だった。ってどういうことですか?
私はこの村が好きよ。他の村はどうなっているのかは知らないのですけど。
[当然、ウェンディはこの村を出た事は一度もない。]
ジェーンおばさんこんにちは。
こんなに怪我をしてしまって…お身体は大丈夫ですか?
[ウェンディはまず挨拶から。と両親に教えられていたのでその通りに従った。]
[「人がこんなに簡単に死んでしまうなんて」というウェンディの言葉に、苦笑いする。]
ディー……
すぐに死ねた方が幸せだろうぜ。
[人間をいかに殺さず長く苦しみを与え得るかについて、実際的な知識を欲する種類の職業がある――だが、それは知らずに済むならそれに越したことのない社会の一面だっただろう]
[ウェンディはそれでも何か言わなければならない、とジェーンに話しかける。]
あの…私、セシリアお姉ちゃんには以前、本を読んでもらったりしてお世話になりました。 最初、お姉ちゃんが捕まった時は信じられないと思ったけど、この前に見た時は本当に…その、人狼だと思ったんです。
どうしてこんな事になったんでしょう。
[ジェーンには、それは皮肉としか思えなかっただろうか。]
比較において――ね。
[クインジーは小さく笑みを浮かべた。
「――だった」と過去形で語らざるを得ないのは残念なことではあったが。
怒りと憎悪に呑み込まれ、村は軋み声を挙げている。]
さあ……どうしてでしょうね。
[ジェーンでは既に手を触れ得る事の出来ない金色の枝を取るかのような――遠い何かに想いを馳せる声音。]
ねぇ――…ウェンディ、人狼だからと……拷問を為す事をしようとはしない者を……貴方はどう思いますか?
[何処か自問の声音を帯びてはいたが。]
ジェーン。
貴女のご主人は――どんな人だったんだ?
[不意に、セシリアの眼鏡を御料林官たる領主から賜った、その人のことを聞いてみたくなった。]
[お母さんにとって、セシリアとは既に自分の手から滑り落ちてしまったものなのだろうか。そんな風に感じられた。]
はい、おばさん――私、悩んでいます。
人狼はやっつけなければいけないと思います。その為に尋問をしようとするのは、なんとなく分かるような気もします。
でも、セシリアお姉ちゃんは優しい。人狼は村の人たちを食べる悪い人達だと思ってました。
だから私、どうしていいか分かりません。
拷問はしなければいけないのか、してはいけないのか。私は、したほうがいいと思います。
あんな檻を作って拷問するのか、方法はともかく。
[ジェーンのその心情は。
単に遠くなってしまった事に対する感情だ。
滑り落ちる――そういう類のものであると、言い切れないもの。]
[ジェーンは、ウェンディの言葉に耳を傾けながら、クインジーに勧められたスープを啜る。]
私の夫ですか。
私には――分相応な人物――…”セシリア”が眼鏡を持っていた事からも理解るでしょう。
[ジェーンは多くは語らない。
過去は――己の身の内にのみ留めておきたいかのようだ。]
人狼や魔女について、客観的かつ確定的な証拠は存在しない。
俺には、ジェーンの躰に悪魔との契約の証がないことがわかった。だが、それを他の人間にも確信させるすべはない。
だからこそ、様々な手続きを……それは儀式と云ってもいいんだろう……経て、有罪とされる要件を形成していく他ない。
尋問と自供もまた――その一つなんだろうな。
罪。罪は悪いことよ。
悪い事をしたら、私もお父さんやお母さんに怒られるわ。
でも悪いことをしているって知っていてやっているのか、知っていても止められないのか、いろいろあるのかもしれないわ。
それでもするのなら、怒られるのは当たり前だと思う。
[と言いつつも、セシリアが罪を犯したのを目の当たりにした事がないウェンディにとっては、空中分解寸前の話だった。]
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