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[どうやら檻に接近している人間はかなり少ない。
また危険そうな人物もあまり見受けられない。近づくなら今がチャンス、と思った。
ウェンディはやや慎重な足取りで、檻へ向かった。檻が視界に入ると、何人かがいる。セシリアは無事のようだ。
他にもセシリアのお母さんや、クインジーがいる。]
無事だったみたいね、よかった…
[ウェンディは檻に近づき、誰かに事情を聞いてみたいと思った。
セシリアはジェーンと大事な話をしているように見える。近くで監視している大柄の男性に声をかけた。
すると――その男性はこちらを向いたが、ウェンディの想像している姿とは非常にかけ離れているものだった。]
わっっ! クインジーさん!どうしたの!??
[ウェンディは憚らず*悲鳴を上げた*]
[闇が、燃え上がる。]
[天を突き、地を這う黒。]
「殺せ」「殺せ」「殺せ」
………………………………。
[怒号が地響きとなり、村の広場を激しく揺らす。]
………そうかェ。
だったら次はおめえらが死んでしまえ。
狼っ子に殺されちまえ。
飢饉で死んじまえ。
こン人殺しがよォ………
てめぇらがなぁんにも罪無ェ人間とでも言いたいンかェ?
………笑わせる。
[右腕をブンと横に薙ぐ。
闇が、観衆の渦の中に入り込む。]
[闇はある者の目を塞ぎ、ある者の口から体内に侵入する。
またある者の首を締め、ある者の腹を蹴り飛ばした。]
………カミーラさまァが、死んだンか。
「あの女が人狼だ!」「人狼を殺したぞ!」
「くたばれ人狼!地獄に落ちろ!!」
「二度と人の世に現れるんじゃねえぞ!!」
………そうかェ。
カミーラさまァが、人狼だったんかェ……。
そんなら、オレを見捨てンのも分かるわなァ……
[クッ……と、ネリーは小さく笑った。]
[カミーラの遺体がどこぞに運ばれるのを横目で見ているネリーは、ピクリと肩を動かした。]
………カミーラさまァよ。
そこにおるンかェ。
死んでも死にきれんのかェ。
それとも、狼っ子は、身体殺されても死なねぇのかェ。
[カミーラがいる場所を探し当てようと、ぐるりと周囲を見渡した。]
[ネリーが放つ闇が、観衆の身体に次々と侵入する。]
[闇は人間の身体に入り込み、首を締め――
――その者を何ひとつ変えることなく、いずこへと消え失せた。]
……ついでに、あの狼っ子達も殺せたら、どんなにいいモンかのぅ……
[ネリーは、憎々しげに*目を細めた*]
[だがその時、遺体からは黒い液体が出始め、ワラやその場の周辺をも染め上げていく。
遺体の運搬者がそれによって悲鳴をあげる。どうやら液体に触れたことにより、腕などを蝕まれてしまったようだ。]
[カミーラの遺体を運ぶ者の身体が、黒い液体で蝕まれるその様を、ネリーは冷ややかな目で見つめて居る。]
[唇が、ひきつれるように歪んだ。]
[そんな惨状を見てカミーラは、こう思った。]
そういえば確か…この村には神の加護とやらは、もう無くなっていたっけ…。
だいたい心の拠り所が失われた途端にこんなざまじゃ、また同じ…滅びの結末を迎えてしまうかもな…。
[幻影は村の行く末を*心配している。*]
[眉根を寄せる。
ヴィンセントがもしこのまま来ない様な事があれば。
──彼の立場ならば、一人で村外へ逃げる事も可能かもしれない、逃げたのか──と、実際のヴィンセントの選択、狂った村に残る──とは異なる、想像がセシリアの内側を廻る。呪詛の様な言葉が胸を這い上がって来る気配すら感じる。]
[もし、仮にそうならば。
彼がジェーンを見捨てたのならば。ジェーンは檻の中に居た方が安全なのかもしれない。石つぶてから身を庇う事も出来るし、彼女を直接傷付ける者が居ても、檻の中なら彼女が殺す事、或いは身代わりになる事も出来る。]
(貴女を守るから此処に居てください。)
(と、口にする事が出来ないのは、尋問風景をジェーンに見せたく無いと所為だ。)
(嗚呼、尋問中に何が起きても、私がどの様な反応をしたとしても、それは只、私──Eloiseと言う女が淫蕩であるだけなのです。)
(それはセシリアでは無いのです。)
(セシリアは純潔だった────。)
[ノーマンによって彼女が傷付けられた時、エロイーズはセシリアが既に乙女では無かったと言った。]
その事についても、私は貴女に謝らなくてはならない。
──…ジェーン。
[胸苦しさと躯の内側が焦れる様な感覚に息を吐く。]
[格子を挟んでクインジーの向う側にウェンディのプラチナブロンドの髪。現実感が欠如した様に無邪気な少女が、此処で、また何かをはじめるのでは無いだろうかと──「無事だったみたいね」と言う澄んだ声に、彼女は不吉なものを*感じた*。]
「ただ、今少し主を“尋問”しそこねました。」
[先刻の声が甦り、躯の芯をドロリとした何かが駆け抜ける。
母の前だと言うのに。彼の姿が在る事に頬や指先が熱くなる。]
(笑われた。)
[潤んだ目尻の端に滲んだ感情を、読み取られてしまったのかもしれない。]
(嗚呼、)
(アストールに侮蔑されたらどうしよう──。)
[息を*零す*。]
―檻―
わからねえなぁ……。
お前が人狼なら――
セシリアです、あなたの娘です、たすけてお母さん――と泣きついて…母親にもっと周囲の目を引きつけて引きずり込むことも――同情心を買って利用することも容易かっただろうに……。
“お前”がどんなヤツなんだか――知ってみたい気はするな。
[“人狼”の名を口にすることは呪いを受ける危険があろうかとその名は口にはしなかった。]
[プラチナブロンドの少女が話しかけてきた。
驚駭に見開かれた瞳に、外貌の異常に改めて気づく。]
……ああ、悪ィ。
[檻の中に持ち込んでいた布袋の中から包帯を出し、左の眼窩を隠すように巻いた。]
“セシリア”に抉られたんだよ。
ノーマンに片目を奪われたジェーンと同じようにな。
[そう云って、布に覆われたジェーンの右目に一瞬だけ視線が向かった。]
細い腕して、えらい力だ。
[ネリーの血と脂が未だ纏い付きおどろに彩られたセシリアのか細い指を、改めてまじまじと見つめる。目の前で起きたその出来事が確かに現実だったのだと思いおこす。]
よもやこの俺が小娘に熨されるとは思ってもみなかったんで、油断しちまった。
ウェンディも、セシリアに近づく時は気をつけるんだぜ?
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