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――――――
――鴉の濡れ羽
―舞い散る紅葉――
緩やかに流れる風の中に
絹糸の如き髪が泳ぐ
紅に彩られた世界の中の
青みを帯び濡れたような黒とその肌の透明な白さ
鮮やかな対比によって浮かび上がる美しさに
私はただ――魅入られていた
――運命との邂逅
ああ、あれが間違いなくそうであった。
――――
―回想
[霊の国、四国。八十八箇所の霊所を巡る、遍路。その道程を逆向きに巡れば向こうからやってくる死者と行き会うという。
そして、死んだ者の年の数だけ遍路を逆向きに回れば、死者が黄泉帰ると――
大学時代。私は休暇を利用して、私は喪った愛する人の記憶を胸に、四国を行脚していた。
松山の八坂寺へと向かう坂道。
降り積もる落ち葉を踏みしめ見上げたその先に――
坂の上にその少女は佇んでいた。]
花純姉さん……
[その姿が喪われた時と変わらぬままに。時を止めたその姿に、双眸から熱い泪が零れる。
紅に黒と白が混じり、滲む。]
――嗚呼
[呟きに、向けられた瞳はしかし、違った。]
違う――
姉さんじゃ……ない…
[面影はどこか重なるところがあったが、それは花純-かすみ-ではなかった。花純が喪われたその年よりも、僅かに年嵩であった。
凛とした眼差し。瞳が向けられた一瞬に、魂を吸い寄せられる。
昏昏と視界が揺れ、私は膝をついた。]
貴女は――
──三階・十三の寝室──
[翠に遅れて部屋に踏み込む。
また首を掲げて立つ望月の姿。両の目を見開き乍ら眉を顰め、唇を噛む。──…決意した様に近寄り、中途半端に捲れたシーツを剥ぐ。]
[出会ってしまった。知ってしまったことが私の運命の歯車を狂わせてしまったのだろうか?
いや、そうではなかったのだろう。
私の人生は、元より少しずつ歪であったのだ。]
―天賀谷の部屋―
天賀谷さんの部屋であったことは、せめてもの救いかもしれない。
藤峰さんは、彼の慕った天賀谷さんのそばで……。
[頭を抱いて、座り込んだ。望月の服は再び血に染まる]
……ひどい。
──三階・十三の寝室──
アァ、藤峰君が。
…屍鬼に殺された。
此れが藤峰君だったモノ……。
[涙と同時に吐き気が込み上げる。
しゃがみ込み、其れでも藤峰の死に顔を凝視し乍ら、]
…望月様が首を?
[たわぉぁん……]
[水鏡が哭く]
───屍鬼(しかばねおに)は、朽ちた死者へ戻るが道理───。
妄執は断たれなければなりません。
[するり、と白い布が落ちる──。]
[弔いを──。]
[屍鬼を殺す事は───………で、ある。]
[顔を上げ、手近なシーツを手に取った。夜桜を治療するために使った水がまだ残っている。]
綺麗に、してやらなければ。
[水に布を浸し、懸命に藤峰の首を拭いはじめた]
天賀谷さんと、ちゃんと同じ所へ。せめて。
──(異界)三階・十三の寝室──
[赤い靄が緩やかに消える。
現実世界と同じ、肉塊と化した藤峰が横たわっている。]
──…悪夢と同じ。
そンな……。
[仁科の声に怒りすら帯びた口調で]
俺じゃないっ!
俺がこんな情けのない事をするものか。斬りっぱなしに転がして、弔いの花もやらぬまま。
……こんな、酷い斬り口を……これじゃ、痛かろうに……。
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