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―水盆前―
[仁科がこくりと頷いた
大河原婦人。
美しい横顔。大輪の花のような女性。
――これを着てあれを着て、きっと似合うわ。
楽しそうな、天真爛漫な微笑みが翠の脳裏に浮かんでは消えた。]
……大河原様が、そんな。
だ って、あの方は 旦那様の――――
私なんかに、
とてもよくしてくださって……
[夜桜を見つめる。
清廉な、白妙の衣装が何処か死の影をちらつかせていた。]
……夜桜さんは、
水鏡を、覗いたのですね。
私が彼岸を覗くように……。
それならば……真実、なのですか。
[苦しげな、寂しげな、
複雑な色が折り重なった言葉を紡いだ。]
[不意に唇を噛んで俯いた。
白い肌に長い髪が落ちかかる。]
……何て、弱いんだろう。
旦那様を殺した屍鬼が憎いと思ったのに、
この手で斬ろうとさえ思ったのに、
……私は何も出来ないでいる……。
迷って、しまいます……。
[夜桜の言葉は真実なのだろう。
それでも。
斬れるかどうか、分からなかった。]
そうですね、俺達には、生きている人たちの無事を祈ることしかできませんからね、藤峰さん。
とりあえず見守らせていただきましょう。
……しかし、藤峰さんが屍鬼に襲われてここに来たということは……。
俺と一緒に死んだ方がおられませんでしたよね。あの時は、屍鬼に狙われていたのも俺で、その前に望月さんとやりあった結果ああなったのだ、とばかり思ってたんですが。
ほんとは屍鬼の狙いは別の人で、それが邪魔立てされたのかもしれませんね。
だから、こういっては失礼ですが、邪魔の入る危険性の少ないあなたが狙われた、と。
見習い看護婦 ニーナは、逃亡者 カミーラ を能力(襲う)の対象に選びました。
[……用意した衣服を身に付け、髪を整え、顔を作ると、また雅やかな大輪の花の装いを取り戻す。
それは、碧子がこよなく愛する黒の彩。
黒絹の、切替しのついたワンピースより出た手先と、その顔の他は、絹靴下や靴までも、*全て黒で覆われている。*]
翠さん。
人は鬼にも仏にもなれます。
全員が、鬼に成らずともよく、また仏に成らずとも佳いのです。
[弱いと謂う翠に*言いおき*]
[夜桜と翠のやり取りを見聞きし、苦い顔でため息をひとつ。]
……やはり、避けられないのか……。
生きてさえいられたら…………。
人殺しの訓練は厭ってほどしてる人間が何もしないで終わってしまってるっていうのに……。
―三階/天賀谷自室―
[さつきと碧子は、部屋を出て行ったようだ。
後から入ってきた枚坂の言葉に。]
私が、大河原さんの事を、良く知っているとは謂えないな。
元伯爵の生前にもお目に掛かった事はあったが……向こうは覚えていないかもしれん。
知り合ったのは、彼女が天賀谷の所に招待されるようになってからですよ。
いや。ああ謂う女(ひと)を、何もかも知っていると謂える者は居ないでしょうねえ。
そこが、彼女の魅力でも、あるんでしょう。
……そうだったのか。
雲井さん、貴方はなかなか恋に対して挑戦的なんだね。
[私の表情に苦笑が浮かぶ。]
彼女が天賀谷さんに招待されるようになってから、というと、天賀谷さんの彼女への関心を知りながらアプローチしたんだろうからね。
こう言っては失礼だが……
ひょっとすると、彼女に対してはさほどの拘泥はないのかな?
この屋敷にも、何人も魅力的な女性はいるが、とりわけ彼女だったことにはなにか理由があるんだろうか。
[一瞬、声に出して笑って。]
そりゃあね。
まあ、大河原さんは、私の事など、本気とは取っていやしないかもしれないが。
それで。
貴方は如何したんです?
一緒に閉じ込められた連中が、気に成り出したと?
いやいや、急に気になったわけでもないさ。
ほら、なれそめを聞いたこともあっただろう?
まあ、こんな時だからこそ誰が誰をどう思っているか知っておきたいと思う気持ちはあるけどね。
この、藤峰君のように、その人生の幕切れはあまりに唐突に訪れるんだから。
もし不意にその命を喪ったとして、手向けるものも思いつかない、というのはあまりに寂しいからね……。
[太刀の鍔元を握り、鯉口を切って立ち上がった。
ゆっくりと、刃を鞘引く。]
手向ける物……ね。
誰か死ぬ度に、そんな事が気になるとは、成程。
平和な時代になったものだ。
[鞘を床に放り、両手で太刀を構えた。]
いや、妙なことを聞いて済まないね。
気に障ったら失礼するよ。
詮索するのも野暮な話だった。
ああ、そうだ。
……ということは、碧子さんよりも天賀谷さんとの間柄の方が縁が濃かったんだろうか。
天賀谷さんはなにか、言ってたかな。
こんなことになってしまう前に……予感めいたことを。
貴方は……
なんのためにここに。
[それは、来海が問うたことと近かったのだろう。私はここへ来る前にそうしたやりとりがあることを知らずにいた。]
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