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[槍の一打が、白き少女騎士に触れようとした瞬間、少女を中心として渦巻く炎。清廉な輝き。]
グ ゥ・・・・・・
[白。強い陽光に晒されたように視界が一瞬奪われる。
全身に回る炎。酸素は失われ、肌こそ燃えないものの、高温度の炎によってダメージが蓄積し続ける。
僅かな隙。]
[僅かに生み出された隙を狙わない理由など無かった。
確かにそこに躊躇いはあったけれど───]
はぁぁぁあぁぁぁっ!!
[ぐん、と大きく踏み込んで力の限り白煙とともに男を吹き飛ばさんと槍を振るう。
大きくリーチを開けると騎兵は文字どおり風のように白馬に跨る。
白炎は槍から伝い少女も、馬もすべてがそれに包まれていた]
― 噴水 ―
[戦っている相手がライダーであることに気づく。]
なんで!?ランサーやめなさい!!
[叫んでからから気づく。
彼と自分は敵同士、自分は命令をする立場ではないということを。]
[槍を構え、手綱を引けば英霊は唇を揺らす]
モン・ジョワ
───鐘 響 く 浄 天 国 の 門───
[槍を構え、馬に跨る白い炎の英霊は突撃をかける。
黒服まとう英霊に向かって───]
[暫く駅ビルの前で行き交う人の流れを見ていたが、次第に人通りも少なくなっていき]
……この辺りにはもういないのかも。
[歩き出そうとして、異変に気づく。駅の方でぶつかり合う何か]
まさか。
[ 久仁彦はただ、戦いを見つめていた。
身体中の魔力がぐんぐん消えていく。全てライダーへと流れているのだろう。]
…ふん。まあいいよ。どうせ協定なんて最初からたいした意味はなかったんだし。
[ そんなものは、ハナから反故にする気でいた。視界の隅に、ランサーのマスターが叫ぶ姿を確認して薄ら笑う。
ひときわ大きな魔力の喪失感に戦いへと目を戻せば、ライダーの必殺の攻撃でランサーが吹き飛ぶ姿が見られた。]
よおし、倒してしまえ、ライダー!!
[ 叫びと共に、右手の令呪が輝き画のひとつが消え失せた。]
[右手に持った槍は、揺らぎ、
その身を変貌。
頭側から身を反らし、空中から投擲。
狙った箇所は、ジャンヌと白馬が接する点。
槍の切っ先と石突は視えず、全体の2/5のみが視えていた。]
マスター、むやみに近づいてはなりません。
[ソフィーの斜め前に身を滑らせるように現れると、手で己のマスターを庇う。]
お1人にしていて申し訳ありませんでした。
向こうで、サーヴァントが戦っており危険ですわ。
― 川原 ―
[考え事をしながら川原の近くを通りかかったケネスは、地面に残る異様な痕跡を発見する。]
こりゃ……なんだ?……
[自然についた痕とはとても思えない。]
まさか、地面をこんなにしちまうサーヴァントがいるとか?……
[宗冬の方をちらりと見ようとすると、どこにもいなかった。]
……あ、あれ?速く歩きすぎたか?
参ったな、早く見つけないと……
[ケネスは宗冬を探して*歩き始めた。*]
−『魔女の館』・黄昏−
[リチャードを部屋に引き上げさせてから
ランチにやってきた客の相手をしていた。
いつもどおり多少混んだが、
この時間になってようやく客がいなくなった。]
さて……と。
[ドアに『臨時休業』の札をかける。
自室に戻り、厚手の黒いショールを肩にかけ、
魔除けのポプリをポケットに入れて外出準備を整えてから
彼の部屋のドアをノックした。]
起きてる?
ちょっと出かけてこようと思うのだけど、
いっしょに来てくれない?
[突然目の前に現れたシャルロットに少しだけ驚き]
あ、ああ、どこに行ってたのですか、マリア。
いや、それより、サーヴァントが戦っている、というのは?
危険なのは承知のうえです。
マリアは知っているのですね? 誰が戦っているのか。
―夕方、自室―
んぁ?
[目を開ける。
顔を上げる。
ふぅー…と、大きく息を吐く。
この間に、随分傷も落ち着いてきた。
発熱も強くは感じない。
魔力の消費を極限まで抑えた状態でも、問題ない。
左腕には、さすがに少し違和感を感じるが…。]
まぁ、いいけど。
[と言いながら、扉を開ける。]
マスターやサーヴァントの気配を感じたら、言ってくれよ。
逃げるから!
[宣言する。]
はいはい。
逃げるならせめてわたしの楯になってちょうだい。
それはともかく、花や種を買っておきたいのよね。
足りなくなってきちゃって。
[リチャードを連れて店を出る。
ひとまず商店街に向けて歩いていると
前方に手押し車に目隠しという
異様な姿の男が歩いてるのが見えた。]
変質者……?
ちがう、前に戦った刀持ったサーヴァントだわ。
マスターは近くにいないみたいだけど……。
[後ろからそっと様子をうかがった。]
[向かってくる間、ランサーの一方的な優勢を考え静止する令呪の使用も考えていた。
しかし、到着して目にするライダーの互角以上の戦いぶりは、彼女に令呪の使用を躊躇わせた。
自分の意のままに動くサーヴァントを持たない彼女にとっては令呪は唯一の武器。使用には慎重になっていた。
令呪の疼き。]
ライダーのマスターも来ている?
[その男がライダーに激を飛ばすと同時に、ライダーの動きは鋭さと力強さが増す。]
令呪!?
[令呪と対で力を発揮するランサーをここで疑うのは避けたいという考え、理性では完全に抑えられない感情に抗う。
ランサーを倒すくらいのサーヴァントなら、あの男にも勝てる可能性がある。
何よりランサーが人類の滅亡を願うことはなくなるのだ。]
えっ?
何、何?
嘘ぉ?
[くるり、と露葉を前に押し出す。]
え、なんで目隠ししてるの?
心の眼で見るとかそういうこと?
って言うか、え?
僕無理だよ?
負けるって。
うん。
[宗冬は刀の指し示すまま当て所なくさすらっていた。宗冬は考えていた。この杖とも鋸ともなる万能の宝具、すなわち三池典太は一体なんなのかということである。
宗冬は三池典太の真の所有者ではない。従って三池典太の力を引き出すことは出来ない。三池典太の了解を得た時にしか力を得られなかった。]
剣士の魂である刀を兄上がくれたというのもまた複雑怪奇よ。
[宗冬は刀の赴くまま歩いていた。いつの間にか商店街に来ていたようだ。前には見覚えのある顔が見える。刀が連れて来たのだから刀の意思に従うが筋。刀を抜いたが刀に切れは無かった。ならば、]
これも縁なるかな!さて久しぶりの出会いを祝しての酒と行きたいがどうかな!
……マスター、私はとあるチームのマスターと接触していました。今までの情報を精査すると、私がクラスを確信出来ていないサーヴァントはライダー。
そのマスターが単身で歩いていたので、そのまま殺害する事を試みました。
申し訳ありませんが、ライダーに阻まれ、それは失敗に終わりましたが。
その後、ライダーは槍を持つサーヴァントと戦い始めましたわ。
わたしが死んだらあなただって現界できないのわかってて楯にするつもり?
負けてもいいから時間くらい稼ぎなさいよ。
[どちらを前にするかで騒いでいたところ
男がこちらに気付いたようだった。]
え? ……って、酒?
……。
ごめんなさい。わたしはお酒はちょっと。
リチャード、敵意ないみたいだから。
いっしょに飲んであげたら。
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