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教会から火の手が上がった。
祭壇の中央の十字架に突き立てられた神父の遺体は、無惨にも首が背中側にねじ曲げられていた。「悪意者の地獄」に落とされたかのように。
腹部には穴が空けられ、引き出された内臓は燭台によってぐるぐると巻き取られている。おそらくは内臓は生きている内に引き出されたものであっただろうか。神父の後ろ側にねじ曲がった顔は凄絶な苦悶に歪んでいた。
やがてその肉体は炎に包まれ、崩れゆく教会の下敷きとなる。
小雨となった雨の中、周囲への延焼が避けられたことだけが、「神の加護」といえば加護であっただろうか。
火の手が上がる前、落雷の音が響いた。
しかし、その教会の火の手が人の手によるものだったか、落雷によるものだったかは定かではない。
――――――――
――――――――
男は広場で稲光が瞬く空を仰いだ。
手についた僅かな血はいつしか、雨に*洗い流された*。
――――――――
―ノーマンの部屋―
はぁ………はぁ……。
[息も荒く、地図に向かって振り子をかざす。
咬まれた一件以来、何かが彼を蝕んでいる
かのような様子であった。]
畜生…チックショオ……。
[ある地点で、振り子が右に回る。
ウェンディの自宅からほど近い場所。]
―村長宅→反応のあった地点―
[自宅付近にいたノーマン派兵士数人を
連れだってその地点を掘り返す。]
はぁッ!はぁッ!はぁッ!
[そこから人狼に繋がる物品が出れば、
ウェンディに嫌疑がかかるだろう。]
出てこい!出てこい!出てこいッ!!
「ガッ!」
[ノーマンの左腕に、何らの感触。
全員で一気に作業を進めてみると
古びた木箱が出てきた。]
……なんだぁ、これ?
[どうやら、数百年前というほど昔に埋められたもので、
人狼の手がかりになるような物品ではないようだ。
その場を回りながら振り子をかざすも、
これ以外には、反応を見せなかった。]
ちッ……外れか…。
[憎々しげに去っていく。現場を見ていた数人の
村人は、ノーマンの失策に関して噂を流すだろう。
「やっぱり、アイツはダメだ。」と。]
[その木箱は、そのままそこに放置された。
開けようとしたが開かず、人狼とは見るからに
何の関係もなさそうだったからである。]
くそぉ……。
[見る人が見れば、その木箱は北欧を思わせる
デザインをしているとわかるものであった。
しかも埋められた年代を察すると、知識の
ある人ならば、箱を壊してでも中身を
確かめただろう。が、ノーマンにその知識はなく、
彼はその木箱を開けることを*しなかった*。]
──アーチボルド家・庭──
[兵士達によって掘り起こされ、無惨に荒れ果てたアーチボルド家の庭の隅から、啜り泣く様な声が聞こえる。
耳を澄ませば、泣声に不気味なシュウシュウと言う呼吸音が混じる。
滑舌の悪いもったりとした声。兵士達が人骨を見つけた様に穴に、すっぽりとハマり出られなくなってしまったミッキーが、顔面から脂汗を流しながら助けを求めていた。]
「だ、誰かぁ。
たしけておくれよぅ、出しておくれよぅ。ぬ、ぬ、抜ぅけないよぅ。
これもま、ま、ま、魔女の罠なのかよぅ。
……ぁあああああああああ。む、蟲が。虫が。
チクチクチクチク き、気持ち悪いよぅ。」
[掘られた穴は入口が狭く奥が丸い壷状になっていた。
ヴィンセントが出て行って以来、アーチボルド家の周囲に人影はまったく無かった。糞尿が撒かれる等の嫌がらせもあったが、あの状態で生きているジェーンが魔女かもしれないと言う噂が広がり始め、逆に呪われる事を恐れた村人達は、アーチボルド家周辺に近付かなくなって来始めたのだった。ヴィンセントと言う後ろ盾の存在も影響があるのかもしれない。
ミッキーの家も隣家とは言え、声が響く程の近距離では無い。もし、このまま誰も来なければ、ミッキーは生きながら壊死していく事になるのだが──。]
[何故ミッキーがアーチボルド家の庭に居るのか。
それはノーマンがダウジングによって、アーチボルド家の庭、粉屋の敷地両方から、骨を発見した事が元になっている。]
「なぁァあんで、ボクが。
こ、ここに、骨を埋めたことが分かったのかなぁああ。
せぇすぃりあに見せて、驚かしてあげようと思ったのにぃ。
ナ、ナイフを出しただけで、おばさんに、み、見つかっちゃった、し。せぇすぃりあがた、食べたとおもったから、大事に取ってあった分の骨まで、なああんで見つかったんだろぅ。」
「ぼ、ボクが、せ、せぇすぃりあの秘密をしってるってこと、ぼ、ぼボくがどれだけ毎日、君のこと見てるかって、お、教えてあげようとおもったの、に。」
「月が半分ちょっと過ぎのよ、よるに絶対、せ、せぇすぃりあぁあが、外出することだって、知ってるんだぞぅ。」
[つまりはノーマンの発見物自体は間違いではなかったのだ。
埋めた人物が異なっていただけで。
セシリアの「それはネリーと同じ仕事をしていた御者の男の骨だ。」と言う断言はおかしい。当時、解剖学は先端の科学の分類される分野だと言っても良い。また、骸骨は性別を判断しにくい特性を持っている。
思わず漏れたセシリアのその言葉は、平凡で育ちが良いはずの彼女が、何故か人骨を見慣れている──深読みをすれば解剖に似た行為を日常としている事を意味していた。
ミッキーがセシリアの秘密を何か知っているのも間違いは無いだろう。]
[セシリアは狼に憑かれたその当時から、何故か人を喰らうと言う事実を隠すのが上手かった。随分と手慣れた人狼だった。それはセシリア本人の資質もあったものの、彼女を乗っ取った人狼が何者であるかが深く関係しているのだが。その話題はまた後程──もしかすると、ジェーンが居る時にでもすることになるだろう。
ミッキーによる過度のストーキングさえ無ければ、セシリアは今頃?。]
[ミッキーは相変わらず、泥まみれで穴の中でもがいているが、雨でぬかるんだ土に手が滑って穴の縁を掴む事も出来ない。
──…まだ夕刻でも無いと言うのに何故か西の空が赤い。もがき疲れたミッキーはだらだらと涙を流しながら、不思議そうに空を見つめた。
場面はルーサーが人狼の手によって死に至らしめられた*教会へ転ずる*。]
──教会──
[ミッキーが西の空を見上げた──その時刻の少し前。
一層激しくなった雨、黒天を割り呪詛と怒りを叩き付けるかの様に激しい落雷があった。
雷の落下したその場所は──…、村の教会。
──ミッキー同様に空の色の異変に気付いた村人達が教会に辿り着いた時には、すでに炎に包まれた教会の上部が傾き、崩れ落ちようとする寸前だった。
彼等がもし、火の手が上がる前に教会に踏み込む事が出来たならば。祭壇の中央の十字架に突き立てられた神父の遺体を発見する事が出来ただろう。]
[炎が沈下し、教会が瓦礫と化した頃には、雨はすでに小降りに*変化していた*。]
文学少女 セシリアは、逃亡者 カミーラ を投票先に選びました。
文学少女 セシリアは、ちんぴら ノーマン を能力(襲う)の対象に選びました。
――――――――――
アストールが教会に足を踏み入れる少し前の事。
予は、兵士達と共に地面を穿る男の様子を眺めていた。
それは、村長の弟であったろうか。
掘り出された古めかしい木箱の上で、銀の雫が揺れていた。
振り子であった。
予は、それが聖銀であろうと主の身を損なわしめ或いは縛める類のものではないことに安堵した。
尤も、男の知りうるであろう“真実”は、捨て置けば孰れは同族を火刑台へと追い詰めるものであろうことは危惧されたが。
予は、神父が他に聖銀の道具を残してはいないか目に届く範囲ではあったが探し求めていたのであった。
アストールに呪具のことは伝えおかねばなるまい、と雨の中翼をはためかせた。
いずれ聖銀の枷が外れ、我が主が完全に元来の魂を復活させたなら、己の微弱な声であっても主の元へと届くであろう。
否、セシリアと混じりあった主は己との繋がりを喪ったであろうか――
主が桎梏より解き放たれるその時を待ち望む気持ちはアストールと同様であったが、己には彼奴の持たぬであろう種類の不安が僅かばかり存在しないわけではなかったのである。
今はアストールに身を預けてはいるが、本来仕えるべき主の元への帰順を一日千秋の想いで待ちわびていたのだった。
“使い”は鷹の姿をとった方がよい――というのはかつてのアストールのアイデアであった。
マタイの象徴である神獣――
埃及の古きより、王権の力と威を現した
十三夜の月を思わせる銀の雫が揺れる様に、いつしか遠い昔日へと想いはいざなわれていた。
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