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[セシリアの唇は赫く、朝露を帯び綻んだばかりの花のようだった。口元から血が滴り、純白の肌に一筋の色を添える。]
『化け物のくせに――』
[それを美しいと感じるのは奇妙なことだろうか。
だが、一瞬、慥かにクインジーはそう思った。]
[主の乱れた吐息が、しどけなく垂らした長い髪を揺らしていた。髪の狭間からは微酔したかのように潤んだ瞳が揺れている。
私の知る誇り高きかのひとではなく、唯一瞬だけ私は主従たる身を忘れた。
甘美な蜜に酔いしれるように、いつまでもその唇を味わっていたかった。
だが、人目に触れるわけにはいかない。
私は未練を感じながらも、唇を離した]
神父様、どこへ行っちゃったのだろう。
やっぱり教会の中かのかな…通してくれないって事は、何かあったのんだわきっと。セシリアお姉ちゃんか誰か、人狼がいて…
[ウェンディは呟きながら、教会を後にした。]
お前が化け物だということはよくわかった。
これからたっぷり、仲間を吐かせてやる。
[一瞬の思いから意識を逸らすように、憎悪と怒気を込めてその言葉を目の前の娘に叩きつける。
ギリギリと鎖を絞った。]
[揺れるやわらかな髪。
彼女の心臓が早鐘の様に打ち、浅い呼吸に胸が上下する。
それでも、目の前の男から目を逸らす事は無い──。]
[重なり合ったくちびるのすきまから、血まじりの唾液が滴る。
くちびるが離れる瞬間、
不満を漏らすような鼻にかかった、はしたない声が漏れた。]
[檻に己の躰によって押しつけられたセシリアの躰。スカートはたくしあがり、象牙のように真っ白なしなやかな脚が宙でゆらゆらと揺れていた。
彼女の躰に触れていた己は、躰の芯で強い熱を感じていた。]
[更に引き絞られる鎖。
手首が引き千切れそうになる。]
──…吐くことなど、もう、何も無いッ。
と言うのに…ん…──。
やりたければ、好きにすればい…、
[再び、セシリアの両手両足に聖銀の枷をかける。檻の床に横たえられた彼女の両腕は引き上げられ、格子に鎖で結びつけられた。
クインジーは眼窩から滴る血を拭うことなく、悪魔のように傲然と足下の少女を*見下ろしている。*]
[肌に触れているそれ]
[滾るようなパトスに] [そのまま崩れ落ちそうになる]
──…ぁあ。 だ、め。
駄目よ──アストール…。
[──…男を突き飛ばそうと、崩れ落ちそうに力の入らない躯を震わせた、その瞬間──。
聖銀の枷で、両手と両脚を拘束されてしまう。
無防備に両手をあげた姿勢で、彼を仰ぎ見る──。
彼の血が、頬に、くちびるに滴る。
背を反らしながら、起き上がろうと片膝を曲げた、彼女の脚が*震えた*。]
エロイーズさま――
[私は身を屈め、足の甲に口づける。
引き締まったふくらはぎを辿り、指先が柔らかな太股に触れる。
その肌が一瞬、指先で震えた]
[この場所が人目に晒されていることは己の自制にとって望ましいことであったろうが、同時に躰の奥底から湧き上がる渇望に、そのことがひどく呪わしくさえあった。
我知らぬ何処かへ己を運び去りそうになる衝動を感じながら、想いを込めて主を見つめる。
小雨に煙る周囲の風景も、そこで起きている騒動も遠く――
ただかけがえのないかのひとのそばにいる幸福だけを*感じていた*。]
「チッ」
[遠くから、帽子を引き下げ舌打ちをするグレン。傍らには、麻袋がある。]
「あの男――何時までああやっている気だ。」
[苛々とした調子だ。]
「まあいいだろう。これであの男が何であるかも分かる筈だ。」
[詰め所から持ってきた檻の鍵を手に、グレンは合図をする。麻袋を数人で抱えて、檻の傍へと歩み寄った。]
「追加だ――。」
[グレンは無表情に程近い表情で、瞬きを一度し、クインジーに告げた。有無を言わさず(尤もクインジーが何を言おうともそうしただろうが)、檻の鍵を開け、麻袋から叩き出すようにネリーを転がした。
鬱血した身体。拷問や尋問などせずとも、既にもう恐らくは―――― 弱々しい吐息。ネリーの腹を蹴り上げてセシリアにぶつけた。
口元に付着しているものを見ると、あれから手酷く殴られ、血以外のものも吐いたのだろう。]
「――期待して見ている。」
[グレンは、クインジーを下から覗き込むようにして告げ、再度、*檻は閉じられた*――。]
―檻―
[檻に、疵だらけになった少女が投げ入れられた。あまりに無惨な姿に、クインジーは一瞬それが誰かわからなかった。]
ネリー……か?
[貌をしかめる。穿たれた左の眼窩がズキズキと熱を帯びていた。剣呑な眼差しで見上げる男がいる。農夫の男だ。いや――それはセシリアの尋問中ナイフを投げ入れた男としてクインジーには印象に残っていた。
彼が人狼を憎むのは故なしではなかった。彼の兄は自警団に属し、セシリアの捕縛にあたり重傷を負ったからだ。]
「――期待して見ている」
[何を期待するというのか。周囲に集まった村人が、「ネリーを喰わせろ」と叫んでいた。
――嗚呼……
ネリーもまた村人たちに疑われ、最早助かるすべなどないのだ。]
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