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[檻の中で、傷を回復させる為に何度も力を使った──。
体内の状態が正常に近付く程に、彼女は餓えを感じる。
僅かに腰を浮かし、黄金色の目を細めて、彼女は甘言を囁く尋問官をじっと見つめる。
──…自らの心臓の音が聞こえた。]
名前を言うと──思っているのか。
[もし例えば、ここで「セシリア」がジェーンやヴィンセントの名を挙げる事はあり得ない。──残酷な呪詛を神父に送った、当の人狼がルーサーの名を挙げる事も無い。]
「おい、やれ。」
[グレンは地に伏したネリーに表情を変える事なく、残りの男達に言った。ネリーの細い体に容赦なく拳が、或いは脱穀用の棒が振り下ろされる。]
「――?」
[グレンは立ち上がり、近づいてきた余所者を振り返る。]
「この女が人狼臭いんでな――殺す事にした。新村長様は動かないし、こうなれば俺達で自衛するしかないだろう?」
[今更という表情でカミーラを見ている。そして、じろじろと上から下まで眺め回した。]
「この女が気になるのか?」
[真面目な問いかけだった。]
[彼女は、また薄く口唇を開く。
くちびるの色も少し色づいている。]
────……。
[名前を言うつもりなのだろうか。
彼女はくちびるの隙間から、僅かに赤い舌をのぞかせて制止する。
舌の向うにまた白い犬歯が見えた。]
[瓦礫の中心付近で、ウェンディは頭を下げ、周囲に何か手がかりになるものがないか、目を凝らして調べ始めた。火傷や服をあまりにも汚したくはなかったので、目視で探す。
やがてウェンディはひとつの小さな箱を発見した。一見、裁縫箱の様にも見える。固そうな材質で出来ている雰囲気だったが、よく調べないと分からない。
ウェンディは靴先で小さく小突いたり、上から体重をかけてみたりする。頑丈そうだ。]
話し方も……結構違うんだな。
[憑依とはガラリと性格も変わるものではあったが……とセシリアの呟きを聞く。]
“人狼”としてのお前はどんな奴なのか――
それも聞いてみたい気がするがな。
[「名前を言うと思っているのか」との言葉に、苦み走った笑みを返した]
じゃあ、どうするつもりだ?
でなければ、拷問によって名前を吐かされることになるんだぜ?
でもって、お前は最後に処刑される。
[ようやく意を決したように、聖堂の前から歩き去ろうとした。もう、ここには用はない。
だがふと、瓦礫の中を子どもが歩いている事に気づいた。
開けた場所で飛び跳ねている様子は、無邪気に遊んでいるようにも見える。]
こら。
そんな所に入ったらだめだ。
危ないじゃないか。
[ウェンディに近づく。]
[はっとウェンディは後ろを振り向く。以前、檻にいたヴィンセントと言う男性だろう。ドキッとする。
何か、足下に転がっている箱には、今悟られてはならないような気がすると直感が教えている。
ウェンディはにぱっと笑いを返した。]
ごめんなさい、どうしても神父様が気になったんです。神父様は無事なんですか!?
消えたように見えても、まだ火が残っていて火傷するかもしれない。
それに、火に炙られた壁や天井は脆くなっているはずだ。
ほら、あの辺の激しく燃えたあたりは、天井が落ちているだろう。
ここだって、今崩れて来ないとも限らないぞ。
[かつて祭壇があった方を指差した。]
[グレンによる問いに、静かな口調で返答をする。]
私が檻の中であの化け物を切りつけた際に気を失った所を、彼女に介抱を少し受けただけだ。
別に気になるところは特にない。
そうか…新たな村長とやらが動かないというのならば、仕方がない、か…。
[カミーラは、身体の動きがいつもより鈍くなっているため、目の前の暴行を人として止めたくても止めることができない。何も出来ずにただ指をくわえて見ているしかないのだ。]
(ネリーには…まだちゃんと、
あの時のお返しをしていないのに…!)
神父は……、たしかな事は私も知らないよ。まだ。
無事だといいんだが。
死んでいた、と言っている者もいたが、たしかかどうかは……。
もし無事なら、火事の報せを聞けばすぐ戻ってくるはずだとは……思うのだがね。
エロイーズ様……
その言葉だけで私は――
[感悦の想いに胸が塞がる。言葉が出ない。
微かに触れていた手をそっと握った。]
[ウェンディは両足は動かさない。]
はい。神父様、無事だといいのですけど…
ところで先生。この火事ってどうしてなんですか?神様がお怒りになられたとか、やっぱりこれも人狼がやったことなんですか?
[カミーラはふと、ネリーに視線を向けてみる。]
…何もできなくて、本当にすまない…!
[カミーラはネリーに対する謝罪を、周りにはあまり聞こえない小声で言った。]
必ず、羈束より解き放ちて自由を――
そのために今暫しご辛抱あれ。
貴女様の痛みを忘れ得ぬよう、“証”を賜りたい
あの日の盟約と同じく、新たな誓いを――
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